東方妖狐伝〜雪空〜   作:鳶烏

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父親との決戦!




過去episode《雪》お父上、ねぇ!

 

 

 

父上の部屋に着くと、何やら机で書き物をしている。

 

「父上、よろしいでしょうか」

 

「きたか。お前儀式の事は知っているな。最後の願いを叶えてやろう。一応、父親としての最後の仕事だ。」

 

「私は……都を出て行きます。都を出て、大切な人を守っていきます。」

父上の口がつり上がる。

 

「ハッハッハッハ!十六の子狐ごときが都の外で何ができる。できる事と言っても、せいぜいのたれ死ぬ程度だろう」

 

「黙れ」

 

「なんだと?」

 

目元がピクリと動く。

 

「何が父親としての最後の仕事だ!あなたは私の事を自分の子供とは見ていない。せいぜい、便利な兵器とでも思っていたんでしょう。あなたが自分の子供としてみていたのは私では無く、天だけだった!」

 

「そんな事無い!産まれた時から今までずっとお前は私の娘だ!」

 

「そんな嘘つかなくていいですよ」

 

私が言うと、机に拳を叩きつけ、眉間にしわを寄せる。

 

「父上、本音が顔に出てますよ」

 

「ふざけた事を言うな!」

 

「私の能力を忘れましたか?あぁ、知らないのか。父上、自分の子供の能力を把握してから物を言うようにしましょう。」

 

「なんだその口の利き方は!お前の能力なんて………まさか覚醒したのか。」

 

「えぇ。かなり前に、そんな事にも気付かなかったのですか?落ちぶれたものですねぇ」

 

父は顔を歪めて黙る。

私は言葉を続ける。

 

「それにひきかえ、今の零番隊隊長は有能ですね〜。あれ?今の隊長って誰だっけ?あっ私か!どうやって戦に勝ってきたと思います?」

 

下を向きだまりこむ父。

 

「相手の心理、心力、精神を操ったんです。この目でね。私は覚醒した能力で相手の顔や仕草を見るだけで色々わかっちゃうんですよね〜。だから自らの手を汚さずに戦に勝ってきたんですわ。敵の兵士同士に殺し合いをさせていたんですから」

 

私は自分の目を指差す。

すると父は私から視線を外した。

 

「あれ〜?どうしました?何も言う事がなくなりましたか?そりゃあそうですよね。自分の娘に追い詰められる。ねぇ、どんな気持ち?どんな気持ち?アハハハ!!」

 

「………」

 

「何か言うことは?無いんですね。では私はこの都を雪とおばさんと出て行きます。そうだ!天には言わないように、言ったら……分かりますよね?」

 

父に背を向けると背中にドンッと『気』が飛んでくる。

後ろを振り向くと、父は私の方に掌を向け達成感に満ちたような表情で立っていた。

 

父の部屋を出ると、雪とおばさんが準備を終えて待っていた。

どこか心配そうな表情だったが、私が笑顔を見せると安心したように雪も笑顔になった。

 

「もういいの?」

 

「はい。では行きましょうか」

 

「行くのはいいけど、あてはあるの?」

 

「ない!」

 

「そんな元気に言わなくても…」

 

 

「空姉?どこに行くの?」

 

ここに天が来るのは想定外だった。

父の部屋に行く前に部屋を覗いた時は、母上と一緒に寝ていたはず。

起きているなんてありえない!

 

「天ちゃん、これから出かけてくるけど待てる?」

 

「嫌だ、一緒に行く!置いてかないで」

 

何かを察したのだろう。雪に泣きつく天。

でも天に関わっている暇はない。雪も困りきっていた、

その時おばさんが口を開いた。

 

「天ちゃん。これから私達はお仕事に行ってくるの」

 

「お仕事に?」

 

「そう。だから、待っててくれる?」

 

「うん。絶対帰ってきますよね。じゃあ、空姉。これ!」

 

「なんだ?これ?」

 

「翠玉のブレスレットです。私の宝物なんです」

 

「なんでこれを?」

 

「それを持って必ず帰って来て私に返して下さい。そうしたら空姉、必ず帰って来ないといけないんですよ。」

 

「分かった。必ず帰る」

 

私はそう言って天に背を向け歩き出した。

 

「天。ごめんな」

 

私は天だけに聞こえない声で呟いた。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

「そういえばあの時どうやって藍を説得したんだろう」

 

「それなー。あとから聞いたんだけど、小さい時に雪もあんな感じだったらしい。

それであんなスピィーディーに流したんだって。」

 

「あの空姉、ブレスレットなんて、渡しましたっけ?」

 

「あぁ、空今返せば?」

 

「そうだな」

 

空は自分の腰に掛かっていた袋から、小さな巾着袋を取り出して藍に渡した。

渡された巾着袋を開けてみると翠玉のブレスレットが、入っていた。

 

「話の続きを」

 

「えぇそうねじゃあ、都を出て行った後、私達は人里の近くに住むことにしたの」

 

「私達女三人だと怪しまれるから、私が男に化けていた。何もしないでいるのも周りに不信感を与えるから、寺子屋で先生をする事にしたんだ」

 

「それで男の声だったんですね。じゃあ慧音の事知っているんですか?」

 

「あぁ上白沢慧音先生だろ」

 

「今度呼んできますね」

 

 

 

 

 





父親はゲスです。
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