東方妖狐伝〜雪空〜   作:鳶烏

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ちょと長めっす




過去episode《空》泊まり

 

 

衝撃で帯が解けて出てきたのは、白く細い腕。

そこからどんどん赤い染みが広がっていき、足を伝って床に点々あとをつける。

 

痛すぎて声でない

なんか笑いがこみ上げてくるわ

そろそろやばいかも

 

背後に手を回わし、フランの腕を掴み思いっきり引く。

ちょうど肘のところをつかめたので、回して関節を外す。

痛みで力がゆるくなる。

 

「抜けたっ!」

 

「ああ〜!せっかく捕まえた…のに…」

 

フランはゆらゆらと降下していく。

床に座り込んだのと同時に、分身していた3人も戻る。

 

「嘘でしょ、あのフランがどうして?」

 

あまりに衝撃的な戦いっぷりに圧倒され、黙っていたレミリアがやっと口を開いた。

 

「フランさん」

 

私はフランに近づいていき、優しく包み込むように抱きしめる。

 

「ねぇ?何するの?どうして……放してよ」

 

「放しません」

 

暴れるも、私のかけた術の影響で、十分の一も力を出せていないだろう。

頭を優しく撫でる。

 

「貴方はその能力?を持っているせいでひとりぼっちだったんですよね」

 

「放してよ!」

 

「私も同じです!」

 

私の言葉を聞いたフランさんは、抵抗するのをやめた。

 

「私もこの能力のせいで小さい頃は仲間外れにされてました。でも今はみんな仲良しです」

 

「どうして?なんで仲良くなれたの?」

 

「それは…」

 

急にこみ上げてきた何かに、手で口元を押さえて咳込むと、大量の血が吐き出された。

床に跳ねてフランにも多少かかってしまった。

 

「空?!」

 

「平気です。それよりも」

 

持っていたハンカチでフランの顔を拭う。

 

「私がみんなと仲良しになれたのは、力を自分の意思でコントロールし、自分の暴れたいっていう気持ちを理性で無理やり押さえつけたからです」

 

私の言ってることがわからなかったみたいで、きょとんとした顔で私を見る。

 

「まぁ要は、自分にされて嫌なことは相手にしない。相手が良い気持ちになる方法を考える。この二つを頑張れば仲良くなれます」

 

話している間も腹から血が止まらなく、床にどんどん血が広がる。

 

「努力すれば認めてもらえます」

 

フランのことを抱え上げベッドに寝かせる。

 

「ぜひ明日から実践してみてください。では、おやすみなさい。フランさん」

 

私がフランさんから完全に手を離すと、ゆっくり目を閉じ眠ってくれた。

 

よかったー!

眠ってくれたか

眠っってくれなきゃこっちが永遠に眠ったままになるところだったわ

 

「さあ!図書館へ戻りましょう」

 

「その前に!そのお腹」

 

「ああこれは…」

 

息を吹きかけるとその傷がどんどんと消えていく。

 

「私は簡単に死にませんよ。フランさんに風穴開けられる前に術はかけといたので」

 

「で、でも。やっぱり…」

 

そろそろめんどくさくなってきたので、レミリアさんの腕を掴み部屋を出る。

 

そのあとは、フランさんについて詳しく聞きながら図書館へ戻った。

 

 

 

図書館では、パチュリーがたくさんの本に囲まれながら紅茶を飲んでいた。

 

「あらおかえり…ってなにその血まみれの服は。さっき着替えたばかりでしょう」

 

なぜか服の心配をし始めたパチュリーさんに、今何をしてきたのかを簡単に説明した。

 

「そう、じゃあ貴方はこれから帰るの?」

 

「そうなりますね、ではお騒がせ…」

 

「待ちなさい!!」

 

帰ろうとしていたら、図書館の入り口に仁王立ちで構えているレミリアさんに止められた。

 

「あなたのそれ、塞がってないでしょ」

 

レミリアさんは私の腹を見た。

 

「は?レミィ?何を言ってるの?」

 

パチュリーさんは話についてこれてない。

 

「やっぱりバレちゃいました?」

 

私は着物の帯を解きながら、能力の説明をした。

「私は会った人、話した人などに瞬時に術をかける事ができるんです。パチュリーさんには少し術をかけたんですけど、レミリアさんにはかかかっていなかったようですね」

 

着物の帯を解き終わり腹を見せる。

パチュリーさんは目を見開いてびっくりしていた。

それもそのはず、私の腹には先程フランに開けられた風穴がそのまま空いていたからだ。

 

「でも大丈夫です。これくらいなら三日で治りますよ」

 

「パチェ。これ治せる?」

 

「表面だけなら今治せるけど。内臓の損傷が激しそうね」

 

「だから大丈夫ですって…」

 

「大丈夫じゃないわよ!さっきの戦闘で負った傷なら、フランの姉である私の責任よ。それにさっきまで呼吸をする度にヒューヒューって」

 

フランの部屋からここまで歩いて来る間じゅう、私が呼吸をするたびにヒューヒューと音がなっていたのだ。

 

「ヒュー?呼吸器官にも異常があるのかしら?いや、直接喉に?とにかく完全に治るまで2日はかかるわ」

 

えぇー?!

ふ、2日もぉー?!?!

 

「あなた今日はここに泊まってなさい」

 

「それはお断りします。家には雪も秋だっているんです。」

 

断るとレミリアさんが深く考えこむ。

ちょうどその時間帯だったのか、美鈴さんが陽気な声で入ってきた。

 

「お茶とお菓子お持ちしました!」

 

美鈴さんの姿を見たレミリアさんは、考えが思いついたと言わんばかりに表情が明るくなる。

 

「丁度良かったわ。空の家族にことわってきなさい」

 

「え?何をですか?」

 

今の言葉で話しの流れを理解するのは不可能だ。さすがにキョトンとしてその場に立ち竦している。

 

「空がこの紅魔館に2日泊まることを」

 

「分かりました」

 

いや、早すぎない?

さすがメイド長と言うかなんというか…

 

「よろしく。ちょっとあなた」

 

レミリアさんが声をかけた方には掃除をしている妖精がいた。

その妖精は呼ばれたのは自分だと気付き、走って来た。

 

「お呼びでしょうか」

 

「私の部屋の隣に使っていない部屋があったわよね。そこに空を案内して頂戴」

 

「かしこまりました」

 

なんか話がトントンと進んでいき、私はこの小さなメイド妖精の後についていくことになった。

 

 





〜部屋に向かい中〜


「・・・」

妖精メイド

「・・・」


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