東方妖狐伝〜雪空〜   作:鳶烏

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読みづらい点、至らない点、たくさんあると思います。
そこには目をつむって、こたつのように暖かい目で見てください。


二話 悲劇

 

 

寺子屋に着くと慧音と霊夢が真剣な表情で座っていた。

椅子に座り慧音に向かう。

 

「巻き物の事で話して欲しいことが」

 

「空姉の事か」

 

「その人の話はいいから、異変の話を聞かせなさい。」

 

「やだわー 霊夢。そんなにカッカしないの落ち着きなさい。」

 

「では私は、空姉の過去をお話します。」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

人里から遠い所にある深い深い森の奥、狐の都と呼ばれる所に『戦狐』と呼ばれる戦闘部隊があった。

その隊の中の零番隊隊長の父と壱番隊隊長の母の間に産まれた私は『空』と名付けられた。

二つの隊の隊長の間に生まれたことで、幼い頃から幼馴染みの雪と厳しい軍事訓練を施された。

ちなみに雪の母親は弐番隊の隊長だ。

 

成長していくと空は、戦闘の天才的センスが目覚め毛の色もピンクっぽい色から、美しい白銀に変わっていた。

雪は回復に特化していて、どんな怪我も直すと言われるほどだった。

毛の色は純白に変わっていた。

その部隊で二人が揃えばどんな戦でも秒で終わるといわれるほどだった。

もちろん「九尾の狐」と言うくらいなので、変化の術も得意中の得意だ。

 

「おい!空、雪、行くぞ」

 

「「はい ただいま」」

 

こんな会話をして戦に出かける、帰ってきて食事をして、寝る。

こんな生活がある日ガラリと変わった。

 

ある大きな戦が終わった。

 

相手もかなりの手練れだったので仲間も負傷する人が多かった。

当然 死者も出た。

これでもかと言うくらい疲れた私は、屋敷に着くと自分の布団に倒れこんだ。

その時、

 

 

屋敷の中に元気な声が響いた。

慌てて母の部屋に走っていくと、母が赤ん坊を抱いていた。

その隣には、今にも泣きそうな父の姿があった。

 

「何をしている。突っ立ってないで早く中に来なさい。」

 

「名前は『天』よ。抱っこしてみる?」

 

「……い、いえ」

 

聞かれた瞬間私は抱くのを躊躇った。

なぜなら、私のような敵の血を浴びるように戦っている、その血で穢したこの手で、まだ産まれてから数分の純粋な赤ん坊に触ってもいいのだろうかと思ってしまった。

 

「抱かせて貰え」

 

私が抱くと天はキャッキャと笑うので、私も嬉しくなり自然と戦の疲れも忘れて、笑顔になっていった。

 

私はここで誓った。

この子を悲しませるような事を、この子の前で悲しい顔をするのを、辛い思いをさせる事を絶対にしないと。

 

 

それからは、戦好きの父も戦はあまりしなくなり、零番隊隊長に当時十歳の私が任命させられ私が戦を任されるようになった。

 

それから6年後、天は屋敷の外で走り回ったり、湖の周りで遊ぶようになった。そのうちに父に黙って人里の近くまで行くようになった。

 

16歳になった私は、天の遊びに付き合わされていた。

 

 

人里で天は同じような背丈の人間の子供と遊ぶようになった。

勿論、自分が狐だと悟られないように人の姿になって。

私は、紺色の着物を着て自分で言うのもなんだが《絶世の美女》に姿を変え、遊んでいるところが見える近くの家の壁にもたれて見ていた。天は幼い子供に姿を変えた。

 

楽しそうに遊んでいるようだったが、周りの大人は目が違っていた。

まるで「物」を見ているような目で天を見ていた。それに耐え切れなかった私は天のもとへ歩き出していた。

 

「帰るよ!」

 

そう一言告げ森へ早足で歩いていた。

その後ろを小さな足で置いていかれるまいとちょこまかと付いてきた。

 

「ねえねえ。なんで帰るの?まだ明るいよもっとあの子達と遊びたいのに 、かえる…」

 

「お前はわからなかったのか!周りの大人の目を!あの目は私達が人では無いと悟っている目だ。もう人とは関わるな人間は私達、狐の敵だ!!」

 

天の言葉を遮り私は怒鳴った。

その言葉を聞いて天は泣きながら森の奥へと走って行った。

私は追っては行かなかった。

 

この後の悲劇を微塵も想像していなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天と分かれた後、私は都に戻り次の戦の準備をしていた。

武器を磨き、お札をまとめ、火薬を詰める。

 

そこに心配そうな顔をした母が部屋に入ってきた。

 

「あなた天と一緒に遊んでいたわよね」

 

「先程まではいっしょでしたが?それが何か?先に帰っているのではないのですか?」

 

「それがどこにも見当たらないのです」

 

その言葉を聞いて嫌な予感が頭を過る。

 

私はその瞬間、母の横を神速で走り戦狐の司令塔へ向かった。

 

「おい!今すぐ捜索隊を出し天を探し出せ!これは一刻を争ういそげ!!」

 

「ですが、捜索隊は次の戦の相手の所に出ております」

 

「じゃあ零番隊から参番隊まで全てを出し捜索に当たらせろ!」

 

そう指示を出し、私はなんの武装もせず森へと入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「天! 天! 何処にいる天!いるなら返事をしろ!」

 

探し始めて数時間経った頃だろうか

 

前方から人間の声が聞こえてきた。

人がいる所を避けようと体を右に向けると人の話している内容が聞こえてきた。

 

「これで俺たちは、大金持ちだ!こんな珍しい生き物!この毛皮で着物を作れば高く売れるな」

 

「あぁ、この尻尾を切り取ればいくらになるかなぁ」

 

「なんで! 助けようとしただけなのに!」

 

その言葉を聞いた時私の中で何かが切れた。

 

瞬間、私は怒りに任せてその人間を自身の爪や牙で切り刻み、返り血を浴び白銀の毛は、深紅色に染まっていた。

 

体の大きい方の人間は四肢を切り取り、もう一人は虫の息でいずれ死ぬだろうと思い放っておいた。それを確認すると私は天の方へ歩いた。

 

「帰るよ天」

 

「空ね…ぇ…尻尾、が…」

 

怯えたように喋っている天を不思議に思い、後ろを振り向く。

 

私の回りのだけが血の海になっていた。

 

その瞬間、背中から尻尾にかけて激痛が走った。

 

自分の尻尾が一本切られていた。

 

苦痛に顔を歪めるが天が産まれた時、天の前では笑顔でいようと決めていたので天に笑顔を向け、

 

「帰るよ」

 

天の右手を左手で優しくつなぎ、空いている右手で体の大きい方の人間の頭を痛みを堪えるかのように強くつかみ、引きずりながら歩く。

天には背を向け、顔を見られないように都へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

都に着くと母と父が待っていて、私達が見えると走ってきた。

 

「何処に行っていた。怪我は…!」

 

「どうしたっ…」

 

二人とも私を見ると動きが止まった。止まった理由は明らかだったので、そんな二人を安心させようと言葉を発した。

 

「ただいま戻りました。私はともかく、天には怪我はありません。そしてこいつが天をさらい、売りさばこうとしていたので切り刻みました。」

 

「さらおうとしていた者の事はどうでもいい。お前尻尾が八つしかないのだが」

 

私は天の手を放し屋敷へと歩き出した。

 

「待ちなさい!"私はともかく"ではありません!天に怪我が無かったのは幸いではありますが、あなたの怪我はどうなのですか!今すぐ雪のもとへ行きなさい!」

 

「ですが…私も戦の準備をしなくてはいけないので、し、失礼、し…ま…」

 

その時私の足は限界を迎え仰向けに倒れこんだ。

視界がぼやけ、今にも閉じそうな目に何かを叫んでいる両親の顔が映った。

 

 

その時意識を手放した。

 

 

 

 

 

 





ボコされた男、覚えといてください。
そうすればあなたに幸運(?)が訪れることでしょう。
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