東方妖狐伝〜雪空〜   作:鳶烏

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時々期間が空きますが気にしないでね。



十話 邪魔

 

 

ドッカーン!

 

「なんだ?、いい所だろう」

「空、お客様よ」

永琳が窓の外を険しい目で見ていた。

自分も外を見てみると、真っ黒な靄をまとった頭に二本角を生やした妖怪が空を呼んでいた。

 

「そ……ら」

 

「え?」

 

私が空姉の方を向くと、そこには恐ろしい光景が広がっていた。

 

空の表情はあの時と同じ狂った笑顔を見せていた。

空が立ち上がり窓を蹴破って外に出た。

 

「空?!行かないでよ、あなたまでいなくなったら」

 

「ゴメ…ん。私…ハ、アノ方には逆らえない」

 

「あの方?」

 

霊夢が訝しげにその黒い靄に包まれた妖怪を見ていた。

 

「あぁ、ユ、き?足ナオしてやる」

 

「え?足?」

 

姉さんが雪さんの足に念を送ると、緑のような色の光が出て雪さんの足が少し動いた。

 

「どうして?こんなの…ありえない」

 

「はやくしろ」

 

「待ちなさい!…ぐっ!」

 

霊夢が止めようと空の服の袖を掴むと、空が霊夢に向かって殺気を飛ばし、全員の動きを止めた。

 

「姉さん!」

 

私は姉さんの背中を見届けることしかできなかった。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

「藍、これから紅魔館に案内してくれる?」

 

「え?」

 

「紅魔館に?何しに?」

 

「久しぶりにレミリアに会いたいなーと思ってね」

 

かわいた笑顔を向ける。

 

私は雪さんを連れて紅魔館に行くことになった。

雪さんの足は動くようにはなったのだが、もと通りではなくカックカクしていたので私が背中におぶって行くことに、

 

雪さんってこんなに軽かったっけ?

 

「ねぇ霊夢、さっきのって」

 

「紫わかった?多分だけど鬼か何かね、違うのならまだいいけど鬼であれば厄介ね」

 

「雪さん何か知ってますか?」

 

「いいえ、何も、誰かもわからない」

 

「着くわよ。…うわっ、いつもの風景」

 

おぶっていたため下がっていた目線を上げた。

すると真っ赤な建物が見えた。

門の前には緑を主体としたチャイナ服を着て立ちながら寝ているのと、青を主体としたメイド服を着ているのが立っていた。

 

「起きなさい!美鈴!」

 

「フェ〜?」

 

「いい度胸ね…ってあら?珍しいお客様ね。霊夢に紫、藍…?見ない人ですね」

 

「見ない人?……あっ!」

 

「え?美鈴知ってるの?」

 

美鈴が笑顔でこちらに走ってくる。

 

「雪さんじゃないですか!?どうしたんですか?空さんは?戻ってきましたか?」

 

「久しぶりね美鈴、あら?メイドはやめたの?メイド服似合ってたのに」

 

「はい!今のメイドはこの咲夜さんです。優秀なんですよ、それに」

 

「とりあえず敵では無さそうね」

 

咲夜と呼ばれたその女性は私を訝しそうに見る。

 

「当たり前じゃないですか、ささどうぞどうぞ、お嬢様も喜ぶと思います」

 

美鈴はウキウキしながら屋敷の中に案内してくれた。

中は相変わらず真っ赤だった。

 

「お嬢様!失礼しても?」

 

部屋の中ではあの時と同じく、優雅に座って紅茶を飲んでいた。

部屋に入って藍が私をソファーの上に下ろすと、レミリアが興奮したように私に抱きついてきた。

 

「雪!」

 

「レミリアさん!お久しぶりです。お元気でしたか?」

 

「えぇ!空は?空は来てないの?それに、あなたはなんで藍におぶわれてきたの?」

 

「それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はレミリアさんに都で起きたこと、永遠亭でのことを話した。

レミリアさんはそれを聞いている時今にも泣きそうな表情を浮かべていた。

 

「そう、そいつが空を……見つけたら塵にしてやる」

 

「お嬢様」

 

「そうだ雪。このメイドは十六夜咲夜。ここのメイド長だ」

 

十六夜 咲夜

こいつはかなり強い。

レミリアの側近か

 

「そうでしたか。年は十代後半?能力は時を操るってあたりですか」

 

咲夜は訝しげな表情を浮かべる。

 

「さすがだな。相変わらずその目は羨ましいよ。奪ってしまいたい」

 

「パチュリーさんにフランは?いないんですか?」

 

「妹様のことまで」

 

「咲夜、雪はなフランに心を置かれた奴だ。空の事は聞いた?」

 

静かに首を振る。

 

「空は私の友人だよ。もちろん雪も」

 

コンコン

 

レミリアが咲夜に説明をしていると、ドアがノックされ住人には聞き慣れた声が聞こえてきた。

 

「レミィ?入っていいかしら?」

 

「パチェ!ちょうどよかった。入って」

 

扉から紫に包まれたパチュリーが入ってくる。

 

「さっき………って雪!生きてたの?」

 

「久しぶりねパチュリー。生きてたの?って、あなたこそ、もう干からびて死んでたのかと、それか衰弱死でも…」

 

バンッ!

 

「ゆーきー!」

 

話を遮るように扉が壊すような勢いで開き、そこからフランが飛び出してくる。

 

「フーラーン!久しぶり元気だった?」

 

「うん!空は?」

 

「それは…」

 

レミリアはフランに空のことを説明するのを躊躇った。

なぜなら、このことをフランに話したらフランが何をするか分からない。

そいつを見つけるまでこの幻想郷を破壊し尽くすかもしれないからだ。

 

ただでさえあの時かけられた術の効き目がだんだんと弱まってきているのに。

 

「ごめんね。空今日いないんだ」

 

「そう…残念。きたらまた遊ぼうっと」

 

私がフランとうふふあはは話している。

 

「雪や空がいる時は大人しいのよね」

 

レミリアがまるで我が子を見るような眼差しでフランを見る。

 

「いくら強くても、フランがあんなにくっついてるなんてありえない事よ。姉には普通だけど雪や空にはデッレデレなんて、妬ましいわ」

 

「お嬢様もデレデレしたいんですか?」

 

咲夜の予期せぬ言葉にレミリアは首を大きく振り否定する。

 

「//い、いいや。そそそそーんなことは//」

 

「来てもいいんですよ?レミリアさん」

 

雪は自分の胸のあたりでニコニコしているフランの頭を撫でながら言ってきた。

 

「い、いいわよ!」

 

「そう……藍」

 

雪さんが思い出したように私たちを見る。

 

「紫と帰っておばさんと巻物を解読して槍と扇のありかを探して、霊夢さんは空と戦う準備をお願いします。巻物にお札が書かれていると思うので」

 

「雪さんは?」

 

「私は…………何しよう?この足じゃ複雑なことできないし」

 

雪は自分のまだ少し痙攣している足を見ながら呟く。

 

「ここに泊まっていけばいい。ね?いいでしょ?お姉様」

 

自分の眼の前で苦しそうな顔をする雪を思ったのか、フランが思いっきりの笑顔を雪に向ける。

 

「いいわよ。咲夜部屋の準備を。私の隣が空いてたわよね」

 

「はい。準備してきます」

 

咲夜さんは氷のような冷たい目で私を見て、パッと消えてしまった。

見られた瞬間背筋に何か冷たいものがはしり、一瞬強張った顔を見てフランが小首を傾げた。

 

「ん?どうしたの?」

 

「い、いやなんでも。レミリアさん」

 

「なにかしら?なんでも言って」

 

「今日1日だけでもいいので、何か乗るものないですか?足が動かないもので」

 

「なら、美鈴!来て」

 

「お呼びですか?」

 

ひょっこりと顔を出す。

 

「今日、明日だけでいい雪の足になれ」

 

「「は?」」

 

美鈴さんと二人同時に声を上げる。

 

「雪のことを抱えて移動すればいいじゃない。どうせ暇でしょ。荷物は私が運ぶわ」

 

レミリアが荷物を持つと、咲夜がその荷物をつかもうとする。

 

「いえ、私が」

 

その手を優しく払い指示を出す。

 

「いいわ、他の準備の方を急いで」

 

「抱えてって、お姫様抱っこでいいんですか?」

 

「お姫様抱っこって、キャ!」

 

美鈴が抱えると、可愛らしい声を上げた。

 

「意外な一面…さぁ行きますよ」

 

「意外とかいうな!恥ずい!」

 

部屋に向かう間美鈴さんはニヤニヤしていた。

それを私は至近距離で見ているのでとても腹が立った。

 

こいつ、殴ってやろうか

 

なんやかんやで部屋に着く。

 

「よいしょっと」

 

「重かった?」

 

「いえ、軽すぎます。ご飯食べてるんですか?」

 

「ま、まぁね。美鈴、永琳から薬をもらってきてもらえる?」

 

「…薬、ですか?何の・・・分かりました」

 

美鈴さんはスンとした顔で部屋を出て行った。

 

「寝るか」

 

私は久しぶりの紅魔館のベットで眠りについた。

 

 

 

 

 





美鈴
「雪さん軽すぎ。おそらく…50キロ!」


「そんなにねぇ!」
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