東方妖狐伝〜雪空〜   作:鳶烏

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注意
この回から数話は自分の欲望がバリバリ出てます。
全体のストーリーにはあまり関係無いので飛ばしても構いません。




十三話 まずまずかな?

 

 

私は床に落ちている解けた包帯を拾うためにかがむ。

すると腕にビリビリと鋭い痛みが走る。

 

「痛っ、レミリアさんさっきは押しのけてしまってすいません」

 

「いいわ。咲夜、雪に包帯を持ってきて」

「はい、どうぞ」

 

いつの間にとってきたのか、咲夜さんは私に包帯を渡してきた。

お礼を言い、受け取った包帯を巻こうと服をまくしあげ腕をうごかすと激痛がはしった。

 

「…痛"っ!」

 

「失礼します」

 

包帯を巻くのに手間取っていると、横から咲夜が白魚の様な美しい腕を伸ばしてきて、包帯を慣れた手つきで丁寧に巻いてくれた。

 

白魚の様な腕に比べて私のは醜すぎる

 

「ありがとうございます咲夜さん」

 

「雪、パチェの事どういうことなの?」

 

今にも泣きそうな顔でレミリアさんはパチュリーさんの事を聞いてきた。

 

「どういう事とは?」

 

私は苦痛に顔を歪めながら聞き返した。

痛すぎてもう笑えない。

 

「言ってたわよね"空の術ではない"ってどういう意味?」

 

「……これは駿の術なんです。本に載っていたのは空の術の解除方法、それでダメなら駿の術」

 

「その駿の術って何?」

 

「分かりやすく言うと…空や他の妖怪たちは妖術。パチュリーさん達は魔術。駿は…多分レミリアさんならご存知かと思いますが」

 

「何なの?」

 

「駿が使うのは……堕天術」

 

堕天術と聞いた一瞬、目元がピクリと動く。

 

「そうだったの。堕天術なら納得ね」

 

「フランにも術をかけたとか言ってましたけど、それは駿の術かもしれません」

 

「どうして?」

 

「レミリアさん達のご両親は力を抑えるために色々試したと言ってましたよね。駿は0から1を作ることはできないんです」

 

「どういうことなの?0から1?」

 

「駿は、何もかかっていない状態ではなにもかけることができない。何かがかかっている状態でないと自分の術をかけることはできないのです」

 

「ほ、ほう」

 

「ご両親に力を抑える為いろいろ試したと言うのならフランに少しは残っているかも。それを利用して駿は術をかけたのかも」

 

「お嬢様!パチュリー様が」

 

美鈴が扉を叩くように開ける。

泣きそうだった顔は、美鈴さんの声を聞いてパッと顔が明るくなり走って行ってしまった。

残された私と咲夜さんの間には気まずい空気が流れていた。

 

「あなたはいかないんですか?」

 

レミリアさんが行った後、静かにソファーの横に立っている咲夜さんに声をかける。

 

「はい、私はお嬢様が必要とされればお側につきますし、必要とされなければ違う仕事を」

 

「真面目なんですね。咲夜さんは…」

 

一呼吸おいて問いかける。

 

「主人に家族を殺せと命じられたら実行しますか?死ねと言われたら死ねますか?」

 

「・・・殺しますし死ねます。今この会話をお嬢様がお聞きになられていたら最初に間を作ってしまったことを謝罪します」

 

この人はレミリアの何なんだ?

なぜ殺せる?なぜ死ねる?

本当に人間なのか?

まぁ、間を作るのはしょうがないか

所詮、人間だしね

 

「でも、殺すと言っても私の家族はあの方達です。殺せるはずないですけど」

 

「そうですか…では、私はレミリアさん達の所に行きますので……あ」

 

「はい?」

 

「病気には気をつけてくださいね。か弱い人間なんですから」

 

私はそう一言言って図書館を出た。

 

 

 

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