東方妖狐伝〜雪空〜   作:鳶烏

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危険通告
この回から本格的に欲望がやばいです。
なるべくなら飛ばしていただきたい。




十四話 病気の影

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「探せって言われても」

 

紅魔館からの帰り、私と紫様と霊夢と橙と嘆いていた。

「巻物の方は母に頼めばいいかもしれませんが、槍と扇のありかまでは」

 

「私は神社にこもってお札を書いてるわ」

 

「急ぐわよ」

 

紫は隙間を開き霊夢とはそこで別れた。

うちに着くと橙が走り出した。

 

「たっだいまー」

 

「お帰り橙ちゃん!藍も紫もお帰り」

 

「ただいま、母上槍と扇の場所って分かりますか?」

 

「あぁ、都の奥じゃないかしら?そこに封印してたはず。空が……駿が暴走・操られているのであれば真っ先に狐神器を取りに行くから。急がないと槍以外にも扇まで持って行かれたら多分勝ち目は無いわ」

 

今後の重い話は橙の軽快な話で切られた。

 

「今日の夕飯は何ですか?」

 

「今日はカレーよ」

 

相変わらずちっちゃいものには弱いんだから

 

夕飯を済ました後私達は巻物を解読し、お札を霊夢に届け扇を取りに行く明日に備えて寝た。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

次の日 紅魔館にて

 

布団から出て着物に着替え廊下を歩いてた時、向かいから咲夜さんが歩いてきた

 

「お早うございます」

 

「お、お早うございます」

 

まだ咲夜さんの警戒心はとけていないらしい、でもここ最近咲夜さんがおかしい。

たまに咳き込んでるし、なんかだるそう、顔も赤いし。

 

「あの、咲夜さん」

 

すれ違う瞬間、腕を掴み咲夜さんを引き止める。

 

「最近、元気がなさそうに見えるのですが」

 

一瞬驚いたように目を大きく開くが、すぐにいつもの真顔に戻る。

 

「・・・私なら大丈夫です。ご心配ありがとうございます」

 

なんて感情のこもっていない『ありがとう』なんだろう。

 

咲夜さんはスタスタと歩いて行ってしまった。

図書館に戻って読書をしていると、パチュリーさんが不思議なことを聞いてきた。

 

「雪あなた病気に詳しいかしら?」

 

「まぁ、妖怪などの方は少しですが人間の病気であればどんと来いです!」

 

「最近咲夜の様子がおかしいのよ」

 

やはりみんなも思っていたのか

 

「私もそう思ってさっき咲夜さんに聞いてみたんです」

 

「それで?なんか言ってた?」

 

「いいえ、でも感情の感じられない声で感謝はされました。心配ありがとうって」

 

「今度検査でも…」

 

バンッ!

 

「パチェ!いる?」

 

レミリアさんが図書館の扉を荒々しく開け中に入ってきた。

その表情には焦りと混乱が見えた。

 

「咲夜が!咲夜が!」

 

「落ち着きなさいよ、何かあったの?」

 

「用があって厨房に入ったら咲夜が倒れてて、すぐに美鈴にベットに運ばせたんだけど熱がでてて、それで…」

 

レミリアさんの慌てようといったら、もう不安の爆発寸前、やっぱり家族は大切なのだ。

パチュリーとレミリアは大急ぎで咲夜の部屋に向かっていった。

私も本を片付けて急いで後を追った。

 

 

 

〜咲夜の部屋〜

 

 

ベットに寝かされている咲夜は汗が凄く、いかにも苦しそう。

時々痰の詰まったような咳もしているし…

人間ってひ弱!

妖獣でよかった!

 

「パチェ!咲夜は?」

 

「私もよくわからないけど…おそらく」

 

「わ、私は…大丈夫ですので。ゴホッ」

 

起きようとした咲夜さんをレミリアさんが阻止し寝かせる。

 

「大丈夫なはずないでしょ!パチェ、おそらく何なの?」

 

「咳と熱…風邪かしら?雪はどう?」

 

「咲夜さんが風邪!?」

 

扉の近くに立って見ていた美鈴さんが声を上げた。

 

「咲夜さん。会話が辛くないのであればいつ頃から咳が出てきたのか等教えてくれますか?」

 

「咳は二週間前くらいから、熱もそれくらいからあったのですが、微熱だったので。最近はだるさや食欲がなくなってきていて」

 

「風邪の症状ですね。でも結核の可能性も捨てないで対処したほうがいいと思います。」

 

「結核?なにそれ?」

 

「結核とは結核菌に感染して起きる感染症

ほとんどの場合は肺結核。だけど、早く気づいたので対処法はありますよ」

 

周りを見ると、レミリアさんと美鈴さんは話がわかりにくかったのか、頭の上に?マークが見える。

パチュリーさんは何となくだけど分かったみたい。

咲夜は相変わらず苦しそうにしている。

 

「簡単に言うと、

結核菌に感染して発病すると、最初のは風邪に似た症状が出ます。さらに進むと血痰が出たり吐血したりする。

菌は確実に肺を侵食し、肺の空洞は大きくなり、最後は呼吸困難で死亡する。

っと、こんな感じです。」

 

「何とかわかったわ」

 

やっと重大なことだとわかったレミリアさんが咲夜に命令する。

 

「咲夜、安静にしていなさい。命令よ」

 

「……かしこまりました」

 

主人には絶対服従。素晴らしい精神!

主人への一途な思い…そこは尊敬します。

 

これからのメイドの仕事は美鈴さんがやるのだと思っていたが、美鈴さんは仕事は嫌らしいのでレミリアも困っていた。

 

「私がやりましょうか?」

 

「で、でも。あなたはあくまでお客様、そんなことをさせてもいいのか」

 

「大丈夫です。任せてください!咲夜さんのようにはいかないかもしれないんですけど、私なりに頑張りますので」

 

「……分かった。私達もサポートするわ」

 

「あ!」

 

私は重大なことを思い出す。

 

「料理がまあまり得意では……」

 

「美鈴、あなた料理はやってくれないかしら?」

 

「分かりました」

 

美鈴は諦めたようにうっすらと笑顔を浮かべる。

 

「じゃあ咲夜、ちゃんと寝るのよ」

 

咲夜さんの部屋を出て紅魔館の中を回って色々と調べた。

 

これで紅魔館のことは大丈夫……なはず!

料理の方も心配ないし、咲夜さんへの看病は私がすることになったし。

 

明日の準備をするとあっという間に夜になっていたので寝ることにした。

咲夜さんは誰よりも遅く寝て、誰よりも早く起きる…私には無理っぽいが頑張る

約束したもん!

 

おやすみ!

 

 

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