東方妖狐伝〜雪空〜   作:鳶烏

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十六話 甘え

 

 

 

 

 

〜咲夜の部屋の前 〜

 

 

 

 

「フゥ〜…焦った〜」

 

咲夜さんがあんな事をしてくるなんて

 

ーーーーー

 

「ここに…いて」

 

ーーーーー

 

それにあんな事も言うんだから

 

私はキッチンワゴンを押して厨房に戻った。

 

「どうでしたか?咲夜さん」

 

「熱は昨日よりかはマシになってました。今からレミリアさん達に報告して咲夜さんのところに戻ろうと思いまして」

「じゃあ報告は私がしておきますので、雪さんは咲夜さんの所に行ってください」

 

報告をお願いして、私は咲夜さんの部屋に向かった。

その途中メイド妖精にあった、けど私を見るなり固まって動かなくなってしまった。

 

どうしたんだろ?何か変だったかな?

 

「失礼します。咲夜さん」

 

 

あれ?寝てる

寝顔もかわいいな〜

 

つい咲夜の頬に手を当ててしまった。

でも、すぐに薄っすらと目をあけたので急いで手を離した。

 

「ん…んぁ?雪さん。うぅ」

 

目を開けたと思ったら顔を歪めた。

 

「大丈夫ですか?どこか痛いところでも?」

 

「いや、ちょっと頭が痛いだけだから」

 

「そうですか。だいぶ良くなったのでこのまま悪化しなければ良いのてますが」

 

「大丈夫よ」

 

咲夜さんに儚げな、でも優しい笑顔を向けられてつい目をそらしてしまった。

 

「咲夜!」

 

「レミリアさん、お静かに」

 

バンッと、勢い良く部屋に入ってきたレミリアさんに、人差し指を立て口まで持ってきて見せた。

 

「ごめんなさい。咲夜もう大丈夫なの?」

 

「悪化しなければ…ですけど」

 

「レミリアさん、気をつけてくださいね。人間がかかる病気と言っても妖怪にとって無害とは言い切れまさせんので。風邪の様な症状がレミリアさん達にも出てくるかもしれませんので」

 

「じゃあ咲夜、もし何かあったら遠慮なく言うのよ」

 

レミリアさんは部屋を静かに出て行った。

 

「また起こしますので、そろそろ寝てください。あと、雪で良いですよ。呼び方」

 

「分かったわ雪……でも」

 

「私ならずっとここにいますので」

 

咲夜さんは安心したように布団に潜る。

私も寝るか、昨日は看病で寝てないんじゃなくて(ほぼ看病だったけど)調べてたりしてたから。

眠い!

だるい!

横になりたい!

 

「おやすみなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を開けると外は薄暗く、夕飯の準備をしないといけない時間になっていた。

 

「失礼します。雪さん夕飯ってどうしますか?」

 

「ごめん今まで寝てた。夜はレミリアさん達の好きな物でいいと思います。咲夜さんは…お粥?」

 

「じゃあ準備しますので雪さんは寝ていてください…昨日もあんまり寝てないんでしょ?」

 

美鈴さんにはお見通しだったみたい。

私はお言葉に甘えてもう少し休む事にしたが、休むと言っても椅子に座って机にうつぶせの状態なので結構きつい。

 

「…お嬢様…」

 

ん?

寝言かな?

寝言でもお嬢様って、どんだけだよ

 

少ししたら美鈴さんが部屋に入ってくる。

 

「持ってきましたよ雪さん。電気つけますか?」

 

「いや、そのままにしておいて」

 

「じゃあ失礼します」

 

持ってきてもらったキッチンワゴンを押し、ベットの横につけた。

 

「咲夜さん、起きて下さい」

 

「うぅん、もう朝?」

 

「何寝ぼけてるんですか?夜ですよ、さぁ起きて夕飯を食べてください」

 

「いただきます」

 

ぐぅぅー

その時盛大にお腹が鳴った。

 

「そういえばあな…雪は朝も昼もご飯食べたの?」

 

「・・・咲夜さんが倒れた日から何も食べてないです」

 

「じゃあ食べてきなさい」

 

「でも………わかりました。じゃあすぐ帰ってきます」

 

私は急いで厨房に向かった。

 

 

 

 

 

〜厨房にて〜

 

 

 

 

 

 

「あれ?咲夜さんの所にいたんじゃ」

 

「えぇ、私咲夜さんが倒れた日からずっと食べていなかったものですから、食べてきなさいと」

 

私はご飯と卵、ケチャップとバターを冷蔵庫から取り出し調理を開始した。

 

フライパンにバターをひいてご飯を投入。

パラパラになったらケチャップを入れる。

完成したら形を整えてご飯にのせる。

次に、卵を溶き入れてトロトロ感を残しながら薄く焼いていく。

それをご飯にのせて完成

 

「料理できるんですか?」

 

「え?あぁ鬼教官からこのオムライスの作り方は叩き込まれたからこれは作れるんですよ」

 

「鬼教官……空さんのことですか?」

 

「はい、皆さんが好きかわからなかったので、口に合わないものを作ってしまったら、と思いまして」

 

私は美鈴さんに言うとオムライスにがっついた。

これだけはすごく美味しい。

何も食べていなかった後っていうのもあるかも知れないけど美味しい。

 

「一口ください…………旨っ」

 

「有難うございます。ごちそうさまでした」

 

「早っ!」

 

「では咲夜さんの所に戻ります。」

 

 

咲夜さんの部屋の前まで来るとあれが来た。

そう、食べた後に来るあの脇腹の痛み!

 

「失礼します。咲夜さん」

 

また寝てる

このまま起こすのもあれかな

 

私は静かにキッチンワゴンを厨房に戻し、部屋に戻りベットの横に座って咲夜さんの寝顔を眺めながら眠りについた。

 

 






「痛たたたた…」

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