今回も藍視点だと思いました?!
残念!!咲夜視点に戻ります!
続くと思った?思ったでしょ?!
・・・ウザいですか?
すみません
※ウザさも含めてお楽しみください
◆◆◆
「空ぁ。おいてかないで」
森の方向を向くと空は居なくて、小さな幻獣が座っているだけ。
「お嬢様!」
雪に歩み寄ろうとするお嬢様を必死に支えながらも、雪に声をかけ続けていた。
「うぅ…雪!」
「雪」
レミリアがいくら声をかけても、私が腕を掴んでもそれを振り払い森の方へゆっくりと歩いて行こうとする。
すると幻獣がスッと立ち上がった。
「雪」
「「喋った!?」」
声を聞いた雪はその場にストンとすわりこんだ。
「こいつが話してるという事は、私は都に狐神器を取りに行ってると思う。おそらく藍たちも巻物を解読して向かってると思う。」
「・・・うん」
「そこで、藍たちと私が接触した時私を止めてくれ。私の弱点はお前がよく知ってると思う。もし藍に術を使ってしまったら、駿に乗っ取られてお前達を殺そうとしたら私を容赦なく殺してくれ」
「そんなっ!」
「これはお前にしか頼めないんだ。この幻獣についていけば私のところに来れるだろう。雪……頼んだぞ」
幻獣が話している最中雪さんはずっと肩を震わせ、泣いているようだった。
話が終わるとその場から立ち上がり、こちらに向き直った。
「雪……行くのね」
「はい」
すると雪は近くに落ちていた木の棒を持って来て、地面に何やら難しい魔法陣を書いた。
パチュリー様も首を傾げて見ていた。
「出来た!咲夜さん私とここに立ってくれませんか?」
「え?……は、はい!いいですけど」
恐る恐る人の中に立つと、雪が貸してくださいと言って、私の左足の太ももの辺りにつけておいたナイフをとった。
「何する気?」
「これは何かを犠牲にして病気や怪我などを100%治す術の陣です。痛いのであまり使いたくはなかったのですが…」
パチュリー様は腕を組み、ここにいる雪以外の全員が思っていた事を質問した。
「何を犠牲に?あと、そのナイフは何に使うの?」
「私の左手首から切り落とします」
全員が硬直する。
この人は今なんて言った?
腕を切り落とす、そんなことできるのか?
ナイフはこれでもかというくらい鋭く研いでるし、これで少し切っただけでもかなり痛いのに『切り落す』!?
「は?あなたの手を?」
お嬢様は怒っているようなそんな声色で雪を見る。
その目に怯んだのか雪は説明を加える。
「あぁ!大丈夫ですよ。一旦は切り落としますけどその後すぐに再生魔法もかかりますので痛いのは一瞬だけです。本当、これマジ」
雪の追加説明に納得したのかお嬢様は静かに頷いた。
「じゃあいきます」
美鈴と小悪魔は顔を背け、パチュリー様とお嬢様、永琳は雪を見ている。
・・・バキッ…
雪は静かに自らの腕にナイフを入れる。
途中まで切って、骨のところで止まったようなのでナイフを口にくわえ、右手で骨もろとも折り、引きちぎって地面に置く。
断面からは鮮血がまるで蛇口をひねったように大量に流れ出す。
「雪…大丈…」
「動、かないでて。陣が崩…れる」
雪の表情にはさっきとは違う苦痛の表情を浮かべ、ギリギリと歯が割れるほど食いしばっていた。
魔法陣から緑と白の混ざったような光が放たれ眩しさに咄嗟に目を閉じた。
「咲夜っ!」
お嬢様の声でゆっくり目を開けてみる。
先程までとは違う元気いっぱいの雪と、私の腕を押さえ顔を見上げているお嬢様の姿が。
「お嬢様……?」
私は手を広げたり閉じたりしてみる。
「まだどこか痛いところありますか?あったらもう一回やりますけど」
もう痛い思いをさせてはいけない!
「いい!いいから!本当にだるさとかが消えたからちょっとビックリしただけだから」
レミリアが雪に近づいていく。
「雪、二度とこんな陣描かないで。悪用されるかもしれないのよ」
「私しか使えないチート技ですのでご心配なく」
レミリアは雪のその一言を聞くと、屋敷に向かって歩いて行った。
「ではレミリアさん私止めに行ってきます」
雪はレミリアの背中に向かって言うが、レミリアは気にせず玄関の扉に手をかける。
「私も行かせてください。空さんに…」
「無傷では済みませんよ?」
雪の声は低く、落ち着いていてまるで威嚇のよう。
・・・
「構いません。よろしいですか?お嬢様」
「ええ」
私は咲夜さんを抱えて幻獣の後を追った。
咲夜さんは自分で走ると言っていたが、ここで体力を消耗されては困る。
理由は、全員が100%の力を出しても勝てない、勝てるかもしれないけど確率は0に近いかもしくは0。
戦力はあればあるだけいいが、術にかかってしまえば半数以上が操られて勝ち目はない。
「空さんって狐なんですよね」
「ええ」
「なぜ操られているのでしょうか?強いのであれば操られないのに」
「一時期巫女に封印されまして、そこで封印を解かれた時に一緒にかけられたんだと思います。」
咲夜さんは驚いたようで目が見開かれている。
「封印のきっかけはある人間の女性だったんです…