東方妖狐伝〜雪空〜   作:鳶烏

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残念、もう会ってたー




二十四話 駿との接触

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

「空姉?」

 

思わず声をかけるも、こちらを振り向くこともなく白い箱を開けたまま硬直している。

「ちょっとあなた、良い加減にしなさいよ」

 

「チッ…邪魔をするな博麗の巫女」

 

靄が消えて姿が露わになる。

私の語彙力では表現出来ない禍々しい黒い体に赤黒い角が二本見える。

 

「『罪符 灼熱地獄』」

 

その鬼から発射された弾幕は都全体を囲う様にを包み込み、都のあらゆるところに火をつけた。

火の中から人の形をした何かがたくさん出てきて、一人一人が弾幕を発射している。

 

「……小春さん」

 

「おい、なにぼーっとしてる!」

 

「私は藍とは戦わない」

 

そうはっきりと口にした空の瞳は澄んでいて綺麗な色だったが、鬼が手をかざすとみるみるうちに瞳は紺碧色に変わっていく。

 

「妹だろうが邪魔をするなら殺す」

 

「絶対に殺させない」

 

「空、邪魔するな」

 

「駿こそ、藍に触ったら許さない。この変態!…ド変態!」

 

「誰が変態だ!お前の方こそ気持ち悪いんだよ!シスコンか!」

 

空姉の瞳が左右でコロコロと変わって、まるで一人二役で喧嘩をしている様。

空姉の方は私達を守ろうとして、駿とか言う方は殺そうとしている。

 

最後の方は守る殺す関係なくなってたけど。

 

「藍!」

 

振り向くと雪さんが咲夜を抱えて立っていて、咲夜さんを下ろしてこっちに走ってきた。

禍々しい奴を見ると目を見開き硬直した。

 

「あれ何?紫あれ分かる?」

 

「いいえ、全然」

 

「私にも鬼だとしかわからないわ。でも鬼ならなんでここに?」

 

雪は周りを見回す。

 

「それはそれとして、この火の量だと自分が燃えちゃうかも。私が空を止めるから紫と霊夢さんは、あいつと周りのやつを」

 

「分かったわ」

 

「私も空姉を止めます」

 

私達は大量の弾幕を避けながら敵へと向かう。

空は喧嘩を続けているけど、駿でいる方がだんだん長くなっていって、ついには完全に駿になってしまった。

 

「やっと全て奪えた。さぁ!始めようか」

 

「藍、スペルカードを捨てなさい。」

 

私がスペルカードを取り出すと雪さんにぶんどられる。

 

「どうしてですか?スペルカードを捨ててしまったら戦う術が」

 

「ここからは全て近接戦よ。片手がスペルカードで使えなかったら死ぬ。こいつにスペルカードは通じないし、この炎で能力も弱くなっていて勝ち目が」

 

咲夜は自分の能力を使おうとするも、数秒しか使うことができないらしい。

紫様も一瞬しかスキマを開けることができない。

 

「幻想郷のルールは奴には通じない。美しさなんて関係なくあいつは私たちを殺そうとしてくる」

 

駿が私めがけてすごいスピードで迫ってくるが、駿の鬼気迫っているような表情に動くことができず目を瞑る。

 

グチュァ!

 

不思議な音が響いた。

目を開けると、雪さんが前に立っていて頬には抉られたような傷が、一方駿の方は顔を覆ってのたれ回っている。

 

「イァ"ァ"ァ"ァ"!」

 

「はぁ、くそっ片方しかできなかった」

 

「何を……え?」

 

駿は涙のようなものを流していると思った。それは涙ではなく血だった。

雪さんの手は真っ赤に染まっていて、持っていたものを地面に落とす。

持っていたのは…目だった。

あの一瞬で雪さんが空姉の目を抉ったのだ。

 

「雪!お前空の目も抉ったんだぞ!わかってるのか?」

 

首だけでこっちを向く駿の眼球があった空洞からは、鮮血が流れ出ていた。

 

「分かってるわよ!でも…こうしないと」

 

泣きながら地面でのたれ回っている駿に向かって叫ぶ。

 

「空に頼まれたのよ!」

 

「ア"ァ"ァ"ァ"ァ"…雪あと一つ。もう一つ残ってるだろ!早く、早くしないとあれが」

 

「そうか、なら使ってやるよ!雪!」

 

駿は雪さんに向って手をかざす。

雪さんの目が紺碧色に変わっていった。

 

「しゅ……ん。やめっ」

 

「雪さん!」

 

私の体はとっさに雪の前に出ていて空姉の顔を見た瞬間、

 

意識が無くなった。

 

 

 





駿
「黙れこのシスコンがぁ!」
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