東方妖狐伝〜雪空〜   作:鳶烏

46 / 57
ついに、この時が…

ほらっ!ハンカチ準備して!





三十話 儀式

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「雪、そっち終わったか?」

 

「ええ、これで出来るはず。おばさんそっちの方良いですか?」

 

「良いわよ」

 

三人の連携は素晴らしい。

私は儀式を知らないから、紫様についていることしかできない。

 

紫様は私が負わせてしまった傷に苦しんでいて。

そばにいることさえも出来なくなるような、そんな事をしてしまった罪悪感に押しつぶされそうになる。

 

霊夢や咲夜も私が駿に操られなければ、紫様と戦って命を落とすことなく、今この場所で一緒に入れたかもしれない。

橙も私が一緒に行っていれば、死ぬこともなかったであろう。

 

あの時私が…

 

 

「藍、それ以上自分の事を責めるのはやめなさい。後、支えてくれるのはいいんだけど。そろそろ横にしてちょうだい」

 

「はい…紫様」

 

ゆっくりと下ろし紫様を膝枕する。

この時、橙がいたら変わってくれと言うんだろうな。

 

「その顔、やめてちょうだい」

 

見下ろすと紫様は笑っていた。

何故笑っているのか分からない。

 

「何故笑っているのですか?」

 

「何故かしらね。わからないわ」

 

 

 

 

「準備完了よ」

 

儀式の準備が終わったみたいで、3人は私たちのもとに集まった。

この儀式が終わったら空姉にも、雪さんにも、母上にも会えなくなる。

そんなことを考えて涙がこぼれてしまった。

 

「藍、泣くな」

 

空姉が私に喝を入れる。

涙声で私が紫様と話していたのが聞こえたのだろう。

あの時の雪さんのように指で涙を拭われ、あの時の雪さんと違って叱られる。

 

「お前が泣いて何になる?お前はしゃんと構えて笑っていろよ」

 

「ちょっと空」

 

なだめようとした雪さんの手を払いのける。

 

「雪は黙ってろ。藍、私は今お前の顔が見えない、だけどな、お前が泣いている表情がはっきり感じられる」

 

「空姉…」

 

叱られてるので下を向いていると、ぽんっと頭に手が置かれ、優しく撫でられる。

 

「そんな声をされると私が死を今よりもっと怖く感じる。私は恐怖に満ちた心で死にたくない。できれば笑って死にたい」

 

「空貴方…」

 

紫様も心配そうな声を出す。

 

「死ぬのは誰しも怖い。でも、今まで私は姉として何もできていない。だから…」

 

空姉は私にしか聞こえないほど小さな声で呟いた。

 

「最後くらい、姉らしく妹の事を笑顔にしてあげるようなことをさせてくれよ」

 

「もう行くわよ」

 

母が陣を展開して空姉を待っていた。

雪さんの肩に手を置き立ち上がり、背を向け、歩き出す。

 

 

 

 

 

「なぁ雪」

 

「何?」

 

「私は姉らしい事何か出来たかな?」

 

「私が姉として出来なかった事、貴方は出来たんじゃないかしら?」

 

「また藍に2人で一緒に会えるよな」

 

雪さんはその問いかけには答えなかった。

 

空姉は陣の上に立つ。

雪さんは空姉に背を向け、歩いてこちらに来る。泣いているようだ。

空姉に涙を見せないようにしているのだろう。

 

「藍」

 

私の前に膝をつき、私の胸に顔を埋め肩を震わせる。

陣の上に立つ空姉は笑顔でいるので、雪さんを起こして笑顔を向ける。

 

「そうよね、こんな顔見せられないわね」

 

私達が笑顔を作ると、封印の陣から走馬灯のようなものが出てきて、私達の頭の中に入ってきて…

 

 

 






あ、ちなみにここで半分くらいです。
あと半分ダラダラと書いて行きます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。