東方妖狐伝〜雪空〜   作:鳶烏

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ちょっとぐろいかも




走馬灯episode 巫女の強さ

 

 

グオオオオオオオオオオオオ!!

 

腹の奥に響いてくるような大きな雄叫びで目がさめる。

 

「目覚め最悪」

 

この神社は里からまあまあ離れている。

里にはここよりも雄叫びは少し大きく聞こえていると思われる。

 

準備していたものを持って神社を出る。

声の出処はおそらく森の方。

あそこは霧が深く視界が悪いから戦いづらい。

 

「ここをまっすぐ進めば」

 

進んでいくと、通り過ぎる木々に沢山の傷が付いているのを発見した。

おそらくその妖怪がつけたものだろう。

 

グオオオオオ

 

近くにいる。

 

武器として持ってきた大幣を構え周囲を見渡し、足音を聞き逃さぬように呼吸を止めて耳を澄ます。

 

サクッ…サクッ

 

妖怪の足音がだんだんと近づいてくる。

 

音は北から、やはり奥の方だったか

 

近くの木の上に登り、武器を構え直して、その妖怪が木の下を通るのをじっと待つ。

 

サクッ…サクッ、サッサッ

 

歩くのが早くなった

私の匂いに気づいたか

 

サッサッサッ…ジャリッ

 

その妖怪は木の下に来ると上を向き私を捉える。

顔のパーツがバラバラで薄気味の悪い顔が私を見ている。

 

私は顔を歪めて木から飛び降りる。

大幣の幣の部分を引くと、それが鞘のようになっていて、中から鋭く研がれた刀が見える。

 

「かかってこい。この私が直々に殺してやるよ」

 

グオオアアア!!

 

妖怪は私に驚いたのか来た道を走っていく。

私も後を追いかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大きな木が倒れていてそこで妖怪は止まった。

 

追いついた私を見据えると、口を大きく開けて襲いかかってきた。

少しかすってしまったが、それを地面に叩きつける。

地面を這うように首を伸ばし私の足に噛み付く。

 

「痛"ぁ!!!」

 

急いで足を引くと、噛んでいた牙の数の分皮膚は引き裂かれ、肉が横に抉れる。

妖怪の脳天を突き刺し殺す。

 

持ってきた荷物の中から包帯を取り出し、応急処置としてきつく足に巻きつける。

泣き叫びたいくらいの激痛はあるが、神社に戻るまで足がもってくれないと困るので歯を食いしばり耐える。

 

グオオオオオ!!!

 

背後から雄叫びが聞こえた。

さっき殺したやつに似ている妖怪が2、3匹こちらに向かってきていた。

 

1体じゃなかったのか?!

 

突撃してきた妖怪を避けつつ、隣のやつに刀を差して、それを軸に回転し背後を取る。

 

着地するときに足を着いてしまい、痛みで一瞬よろけてしまった。

その隙に妖怪がこちらに飛んできて身体に鋭い爪を立てると、巫女服に赤い染みが広がる。

 

これじゃあ

『紅白の巫女』じゃなくて

『紅の巫女』かな

 

噛まれていない方の足に力を込めて地面と水平に飛び、妖怪どもの足を切っていく。

ふくらはぎの部分にあたるところを刻んだので、地面に膝をつき倒れる妖怪ども。

 

私に向かって土下座をしているようなその体勢を見ているのはとても良いものだったが、一体を苦しめるようにゆっくりと首を切っていく。

 

首に刃をかけ、力を込めると叫び声をあげる。

半分まで行くとさすがに耐えられなくなるのだろう、私を捕まえようと残していた腕をバタつかせ始めるが、それを華麗に避けて首から刃を抜く。

半分だけ首が切られ悶え苦しむ妖怪。

それを見て怯える他の妖怪。

叫び声が響く森。

それを聞いて自分の体を抱くように腕をさする。

 

最っ高!

そそる〜!!

 

叫び声がなくなった。

死んだようだ。

 

私はその1匹でまあまあ満足したので、その他は脳天を突き刺し殺す。

 

「ああ、やばい、森から出なきゃ」

 

刃を鞘にしまい立ち上がる。

足が使えないので大幣で体を支え、ふらふらと歩き始める。

血が多く出すぎたのか頭がふらふらしてくる。

 

薄い意識のまま森から出ようと歩き続けていくと、向こうに灯りが見えた。

 

それに向かって歩き続けると、灯りの方から人が走ってくる。

その人に支えられると私の足は限界を迎え、意識も飛んでいった。

 

 





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