眠れない時ってなんなんですかね
何か悪いことしましたかね
眠れない。
「んーー」
伸びをして布団から出る。
小春さんの様子を見るために隣の部屋に行くと、すうすうと寝息を立てていた。
やっぱり寝てるかー
散歩でもしてくるか
気晴らしに外の空気を吸いに行く。
庭に出て深呼吸をすると、ここらに漂ってきてはいけない匂いがする。
「なぜこんな匂いが?」
匂いのする方へ近付いていくごとにそれが濃くなっていく。
「やっぱりか」
そこに広がるは血の海。
散らばってる肉塊の状態からして少し前に殺られたのだろう。
大型の妖怪が2、3匹ここで殺されたのか
ここらでそんなのを倒せる奴なんているか?
妖怪同士の喧嘩とも思い難い
肉の形からして武器は何か鋭いもの
元の形がわからなくなるほど食い散らかされている
「汚い。もっと綺麗に片付けてくれてもいいのに、まあしょうがないか」
足下に陣を落とす。
すると血が広がっているここら全域に陣が伸びていった。
指を鳴らすと、血や肉塊、骨などがその陣に吸い込まれ、地面に沈んでいった。
「やっぱ便利だなーこれ」
この吸い込んだ後は、いつもの場所に送る。
「また今日も良いことしたなー」
いつもの場所とは、森の奥の方にある洞窟。
妖怪の中には、人の他に同じ妖怪の死肉を漁る輩もいる。
そんな奴らの溜まり場の洞窟に送れば、こちらにとっても、相手にとっても良いことしかないからな。
夜空を見ようと視線を上げると、木の枝に何か白いものが引っかかっていた。
とってみると神社などでたまに見る幣だった。
「なぜこれがここに?・・・まさかっ!」
そこで私は気付く。
大型の妖怪を数体も倒せるほどの強い力。
妖怪の血の中に混ざっていた少量の人の血。
神社で使われる幣。
極め付けは、現に今私の家にボロボロでやってきて休んでる者。
「これをあの…巫女が?」
これほどの力量とはな
私も危ういな
明日には出て行ってもらう
持っていた幣を捨て、家に戻る。
巫女が寝ているその横に座り、起こさないように細心の注意を払いながら足に巻いている包帯を外す。
再生は始まっているが遅い。
このままじゃ小春さんは巫女を神社に戻らせないだろう。
「ふぅーー」
指に息を吹きかけ傷に当てると肉が再生し、傷が少し小さくなる。
「後は薬を塗り続ければそれでなおるだろう」
よーし、寝るか
気分転換もしたし
寝れればいいなー
自分の部屋に戻って布団に潜り込み眠りについた。
目がさめる。
体を起こし周囲を見渡す。
まだ夜明け前で薄暗い。
「朝ごはんでも作るかな」
台所に行くと巫女が水を飲んでいた。
「巫女さん、お早うございます」
私が声をかけると、巫女は大きく肩をビクッとさせて私の方を見る。
「驚かせてしまいましたか?」
「いえ」
何だ?
何かそわそわしている
「これから朝ごはんを作ろうと思うので、巫女さんはもう少し休んでてください」
巫女がいなくなって朝ごはんを適当に作る。
何日も作っていなかったので、一瞬忘れてしまったが、作ってるうちにだんだん思い出してきた。
作り終わる頃には外は明るくなっていた。
皿に盛り付けて部屋に持って行く。
小春さんはまだ起きてこないな
まだ寝てるのかな?
ご飯をいったん置き、小春さんを起こしに行く。
「小春さ…!あれ?起きてましたか」
「はい、おはようございます空さん」
小春さんは着替え終わって使っていた布団を片付けているところだった。
それから戻り朝ごはんを並べる。
「おー!!今日は空さんが作りましたか」
「早く目が覚めたもので。いただきます!」
「いただきまーす」
「いただきます」
3人で食卓を囲む。
雪と秋とご飯を食べているような感じがして、何だか楽しかった。
2人は特に会話もなくパクパクとご飯を口に運んでいる。
自分で作ったご飯は久しぶりだなー
「ごちそうさま」
「空さん、ご飯食べるの早いですね」
雪からも言われていたのだが、私はご飯を食べるのが早いらしい。
早く食べているつもりはないのだが
自分の食器を持って台所に戻る。
使った鍋やら食器やらを洗い場に置く。
少ししたら2人も食べ終えたようで食器をもらいに行く。
「食器もらいますね」
「あ、空さんいいですよ、私がやりますので」
「私も手伝おう」
小春さんと巫女が台所に行って、私は1人部屋に残された。
家族の団欒(?)って素晴らしいですね。