私は目の前の人物に目が釘付けになった。
なぜならば小さい頃から一緒にいた父を殺し、尊敬している雪さんに消えないかもしれない傷を負わせ、さらには都を滅茶苦茶にした姉がすました顔で立っていたからである。
「なんでここに」
「どうしたんですか藍さま?」
橙と視線を合わせるためか、しゃがんで橙を見る。
「おい化け猫名前は?……橙っていうのか?なぁ橙ちゃん、雪って言う狐知らねぇか?」
「雪さんに何する気?」
まさかと思った、でもこの尻尾…見間違えるはずが無い。
声や喋り方、雰囲気は違くても、自分を守ってくれた時に切り落とされた尻尾を今も鮮明に覚えている。
なんでこんな所に…
「ちょっと聞いて…」
肩に手をかけようとすると、その手をウザったらしく払われる。
「なぁお前、今は橙ちゃんと話してるんだよ。わかんないかなー?今のところお前には用は無いんだよ。で、教えてくれるのか?」
橙が恐怖で首を横に振った。
ゆっくりと空が橙に手のひらを向けた。
空の手が黒い炎に包まれる。
橙の瞳が大きく開かれ、瞳の色が微かな光も感じられない漆黒へと変わっていった。
「え……い」
「ん?」
「どうして?橙言ったらダメよ!ムグッ」
突如現れた真っ黒な着物に包まれた人間に口を塞がれ手足を抑えられた。
その人間の瞳は橙と同じ漆黒だった。
「お前は黙ってろよ。で?なんだって」
「え…いえん…て……い」
「永遠亭か。わかった…もういいぞ」
そう言って空は手を何かをはらうように横に振った。
その瞬間、藍を抑えていた者の首が飛んだ。
地面に抑さえつけられていた藍に大量の血がかかり、藍の身体は真っ赤に染まった。
「永遠亭かどこだっけ?」
「ま…よいの……ちく…りんのお…く」
「そうか。ありがとな。もういいぞ」
「橙まで殺す気?!」
「そんなことするかよ。お前の大切な猫なんだろう?」
そう言って空は、今自分たちが歩いてきた道を歩いて行った。
「橙!大丈夫?!」
「ら…んさま?」
「橙。今から急いで霊夢を呼んできて」
「は…い」
橙に霊夢を呼んできてくるように言付けて、私は永遠亭へと向った。
▽▽▽
藍さまと永遠亭を出て話していた。
「藍さま?あの人って藍さまの前話してたお姉さんなんですか?綺麗な人でしたね!」
「・・・」
「藍さま?聞いてましたか?」
藍さまは聞いてないようだった。
ゴメンゴメンと謝って私の質問に答えてくれた。
あんな綺麗な人がねー
羨ましいな〜
私にもあんなお姉さん的存在の人がいれば良かったな〜
「おい!お前達聞きたいことがあるんだがいいか?」
その瞬間、藍さまは驚いた表情を見せた。
藍さまの視線の先には、深紅色の着物をまとって小さな箱を持った女性が立っている。
私は初めて雪さんにあった時のように目が釘付けになってしまい動けなかった。
でも…雪さんと会った時と少し違う気がするけど…
「橙下がってて」
何でだろう?
その女性が近づいてきたその瞬間、背後から途轍もなく冷たい『気』が襲ってきて、その女性の質問に思わず首を横に振ってしまった。
そうしたら、女性が私の目の前に手のひらを向けた。
指の隙間から見える女性の顔は妖艶な笑みを浮かべていた。
その瞬間意識が途切れた。
気づくと真っ赤で、血の匂いに包まれた藍さまが私の身体を揺すっていた。
「橙。今から急いで霊夢を呼んできて」
「は…い」
癖で返事をしてしまったが
博麗神社?遠いなーまぁしょうがないか。
私は博麗神社に向かった。
まだ、頭がクラクラするんだけど。
「珍しいわね、あなた1人なんて」
「藍さまに霊夢を連れてきてって」
「雪が目覚めたの?」
「雪さんは目覚めてるけど、なんか真っ赤な着物を着ている人が着て」
「空?」
「とにかく永遠亭に行ってみれば」
私と霊夢は永遠亭に向かった。
その道中雪さんのことを話しながら行った。
橙
「〜〜〜〜〜〜ペチャクチャ〜〜〜〜」
霊夢
(長〜、もう聞くのやめよ)