シンフォギア Beyond The Horizon 作:アーヴァレスト
「今日の任務も見事だった、君には興味のない事だろうが、本日の任務で君の組織に貢献した殺しの数は50だ」
「・・・」
都会のとある建物の屋上、底の端に立つ少女は電話の話を聞いてなかった
「自由・・・」
少女が求めていたのは、他からの束縛を受けず、自分の思うままにふるまえることだった
「これで、自由に・・・」
そして少女は飛び落ちる・・・死によって自由を得るために
<それから12時間後>
「なんだと!?それは事実なのか!?」
「あぁ、事実だ、彼女の心臓が輸送中に盗まれた・・・何者かに」
「・・・」
「捜査はするが期待はするな、こういう関連は根が深く真相に辿り着きにくい」
「分かっている」
通話が終わり、その報告を聞いていた男は写真を見ながら呟いた
「了子君・・・」
そこに映る女性を見つめながら
<さらに半年後>
「移殖された心臓は正常に機能、拒絶反応なし、各器官も正常・・・意識が戻らない以外は」
「それが問題なのだがね」
報告を受けていた人間はそう呟いてベッドに眠る少女を見る
半年前、自殺しようと飛び落ちた少女を
「意識が拒絶しているのか、再び目を覚ますことを」
「そうとしか言えません・・・」
「数週間前から不定期に起きている発作のほうは?」
「そちらも精神的なことだと思われます」
髪を撫でて、男は告げる
「1週間だ、それ以上は待てん」
「は、はい!!」
そう言って去っていった男は少しだけ寂しそうな顔をしていた
「・・・」
少女は夢を見ていた・・・その夢は、過去に自分が殺してきた人達、その場面だ
「やめて・・・」
しかし、止まらない、現実だというかのように続いていく
「もう、やめて!!」
もう、人に操られて誰かを殺したくない、だからこそ自殺を選んだのだ
「自分の心臓を貫いた!!ビルの下の鉄柵が心臓を破壊したのに!!なのになぜ生きているの!!死なせてよぉ!!」
「死ぬな!!」
「また貴女なの?」
「生きて!!」
その声は強く、そして優しい
「いつも私の夢に出てくる貴女は誰!?ほっといてよ!!」
「私は誰でもない。君の中にいる・・・私は君だ」
「ふざけないで!!誰でもいいから私を殺して・・・」
そのとき、少女は気が付いた、胸の奥からあふれ出す熱を
「温かい・・・」
そして襲ってくる眠気、それに抵抗をせず受け入れた少女を優しく包み込むのは
三人の少女らしき存在だった、少女にはなぜか彼女達といると安心できると思っている
安心して眠れると、心の底から思うのだ
何故かは分からない、でも・・・
「ねぇ先輩、ほんとに明日始末されるんですか?」
「あぁ、本部の決定だ・・・」
その時、薄れていた意識に届く声が聞こえた
「これでいい・・・目を覚ましても、まっているのは・・・」
「駄目だ!!目を覚ませ!!生きるために戦え!!」
「もう・・・いいの」
「私は生きたい!!もう、死にたくないんだ!!」
次の瞬間、流れ込んでくるヴィジョンに少女は混乱した
自分とは違う意味で死んだ人がいること、そして生に貪欲である意味を知る
「・・・」
自分のように、死にたくても死ねない人間と・・・生きたくても生きられなかった人間・・・その意見が一致する
「一人寂しく・・・死にたくない!!」
それは心の底からの叫びだった
「・・・!!」
だから少女は覚醒する、自由を勝ち取るための戦いをするために
さぁ、次話だ!!