シンフォギア Beyond The Horizon   作:アーヴァレスト

5 / 17
それは誰かの為の祈り


For someone

「え・・・!?」

「嘘だろッ!?」

 

私は作戦が成功した事に笑みを浮かべた

 

「上手くいったわね・・・」

 

後ろに倒れている少女・・・私から分離したフィーネを見る

 

「どうして・・・?」

「私のフォニックゲインと貴女達のモノを合わせたら、人一人は何とか出来るかなって思ったのよ・・・かなりの賭けだったけど」

 

その賭けに私は勝ったのだ、その代わり・・・

 

「私の中からフィーネが消えた代わりに、私の中にあった彼女の記憶も大半が無くなった・・・それでも大丈夫ね」

「いや、だからどうして分離できたんだよ!?」

「簡単よ、分離する際にフォニックゲインそのものを人として形成、それに必要な情報は私自身を起点して構築したのだから・・・それが成功するかが賭けだったけどね」

 

必要だったのは人間一人分のフォニックゲインとDNA情報、そしてその中に入れる魂の三つと考えた

足りなかったのは人一人分のフォニックゲインのみであり、それを補う方法は大別して二種、シンフォギア装者との戦闘、あるいは彼女達のライブ時に生じる高レベルフォニックゲイン

そのうち困難なのがライブでの収集であり、簡単なのが戦闘であった

取捨選択の結果がとんでもないレベルの賭けであるのは仕方ないとしても・・・

 

「意外に痛かったなぁ・・・」

 

お腹をさすって痛みを抑える、地味に痛かった

 

「で、そこにいる人はまだ出てこないのかな?」

「バレてたか・・・仕方ない」

 

陰から出てきたのは若い男の人だった、でも纏う空気というか何かが・・・

 

「貴方も相当、人を殺してますね」

「元殺し屋の君に言われるとはね」

「・・・」

 

私は押し黙る・・・彼は私の過去を知っている

 

「ねぇ?サイレントガール?」

「つっ・・・!!」

 

やはり、私のコードネームを知っていた

 

「あなた、何者?」

「ヴェノムスネークといえば分かるかな?」

「なっ・・・!?」

 

その名前は聞いた事のあるもの

それは・・・伝説の傭兵の名前だった

 

「伝説の傭兵・・・!!」

「おぉ・・・知ってたか」

 

笑う彼の表情はそこら辺にいる人と同じものだけど・・・

 

「あぁ、それと君に渡すものがあるんだけど・・・その前に起きろ、フィーネ」

「ちっ・・・もう少しくらいバレないと思ってたのだが・・・」

 

そう言って起きる彼女の胸は・・・私より大きそうだ

 

「怪しからん胸してんな・・・」

「誰か服をくれ!!変態がいる!!」

 

大いに正しい、目の前の男の人は変態だ!!

 

「酷くね?俺当たり前のこと言っただけだと思うんだけど」

「目の前で普通そうに言われたら誰でもそういう反応すると思うのだが?」

「分かってて言ったんですけど、司令」

 

さて、フィーネも服着たし

 

「これを渡そうと思ってね、回収して改修した試作機(0号機)だ」

「勝手に改造したのか?」

「初起動でいきなり適合者を殺すマシンなんて即改修に決まってるだろ、馬鹿なのか?」

「・・・」

 

ぐうの音もでないとはこのこと、フィーネは押し黙った

 

「まぁ、システムとしては完成していたから改修作業は大変だったよ、リバースエンジニアリング出来てよかったけどね」

「私の作った理論を理解したと?」

「無理、あんなん理解してるの君だけだろう?」

「その通りだ」

 

フィーネの理論は私も部分部分でしか分からない、というか

 

「というか絶対分からせる気無いだろアレ、資料としても杜撰すぎるファイリングだったぞ?あれでよく理論とかほざけるな」

「弦十郎君、あの人がいじめるの!!」

「そうか、その手は二度も喰わないぞ?」

 

その直後に舌打ちした事から演技である事は明らかだ

というか復活して間もなくで演技して取り入ろうなんて・・・

 

「ダメだアレ、天才とバカは紙一重だわ」

「なんだと!?」

「あー、うん。君の言う通りだわ」

 

呆れながらも渡してくるソレは、私にとって未来の選択だろう

 

「さぁ選べ、君の未来を」

 

取らないという選択もできる、でも私は・・・その前に質問したい事があった

 

「コレを使えば、誰かを救う事ができる?」

「あぁ、出来るよ。きっかけが偶然な子でも、出来ている」

「自分の大切な人を守る事も?」

「君がそれを願うならば」

 

渡されたソレに私は力を感じる・・・これで私は・・・誰かを守れる

奪い続けた私だけど、こんな自分でも誰かを救う事くらいは出来るはずだ

 

「受け取ります、使います」

「了解だ・・・では早速使ってみようか」

 

渡されたソレを胸に私は胸に浮かんだ歌を唄う

 

Walkure Motte Gebet tron(切なる祈り 誰かの為に)

 

少しだけ感じた痛み、白く視界が埋め尽くされて・・・再び目を開いた時には装いが変わっていた

 

「背中と腰に羽があるんですけど?」

「それは恐らく武装だな、取り外せ・・・てるな」

「あ、自分の意思で動かせる・・・盾と武器になりそう」

 

背中と腰にそれぞれ左右3枚ずつ、合計9枚の羽根があるそれを自由自在に動かしていた

 

「試したいなー」

 

ボソッと言ったように装いながら、その視線はしっかりとシンフォギア装者に向けられている

 

「えぇっと・・・」

「やるか!?」 

「・・・」

 

三人ともそれぞれの反応である

慌てているオレンジ髪の子と、挑発に簡単に乗ったちんまい子、冷静に考えている貧乳である

 

「今、失礼なことを考えてなかったか?」

「いいえ、全く」

 

この貧乳、やけに感が優れてそうだ

 

「そうか、考えてないと・・・」

 

よし、と思ったら・・・

 

「などと思うか?」

「ですよねー」

 

すっごく睨まれた、バレてたようだ

 

「行くぞ、立花、雪音!!」

「は、はい!!」

「先輩それ絶対私怨混ざってるだろ・・・」

 

それでも3人はシンフォギアを纏ってくれた

 

「さて、行きましょう・・・さっきの続きよ」

 

再度構える、そして

 

「では・・・始めッ!!」

 

その声と同時に最大脚力で空に飛んだ

同時に羽を外して盾と武器にそれぞれ変える

背中の大きいモノを盾に、腰の小さい方を武器として変形させて・・・

 

「それッ!!」

「うおっ!?」

「くっ・・・!!」

「うわわっ!?」

 

射撃してみたがキレイに避けられた、うむ・・・

 

「これじゃダメか・・・なら!!」

 

即座に戦術を変える銃撃でダメなら・・・

 

「これじゃダメかな?」

「んなろ!!」

「遅い!!」

 

銃撃してきたちんまい子に盾攻撃、意外な攻撃に吹き飛ばされた

 

「あ、意外といけそう」

「隙あり!!」

「あると思う?」

 

貧乳の人の斬撃を盾で防御すると同時にガラ空きの腹部に迫撃砲、まぁ、空砲だから大丈夫だろう

 

「はぁぁぁ!!」

「はぁぁ!?」

 

盾を破られた、二枚も!!

 

「なんて爆発力なのよ!!」

 

そう言いながらその推進力を利用して隅落、体勢を整えた

 

「ふいー」

「デタラメだな、おい!!」

「トンチキじゃないだけマシでしょ?」

 

再び盾攻撃、今度は躱されたけど・・・

 

「これで終わりね」

「しまっ!?」

 

4機残して結界を作ってみた、上手く嵌まってくれたようだ

 

「くっ・・・!?」

「貴女もね、近寄られたら危ないもの」

 

ついでに殴りかかってきた子にも同じようにして抑える

 

「あーぁ、残り1つじゃどうしようもないね」

「何か裏があるだろう?」

「あれ、分かっちゃった?」

 

大型の盾1つ、それが二つに分離し直剣へと姿を変えた

 

「やはりな」

「まぁ、これくらいはね」

「では、行くぞ・・・」

「えぇ・・・降参は?」

「させない、しない」

 

あー、これは・・・うん

 

「貧乳は心も貧・・・危なっ!?」

「まずはその失礼な口から切断する!!」

「やっぱり私怨混じってたー!!」

 

これはマズい、怒らせちゃいけない人を怒らせたようだ

 

「ととっ!?」

「今度こそっ!?」

「くっ!!・・・なぁんちゃって」

「なっ!?」

 

鮮やかなさばきだったけど、その分軌道予測は簡単だった

白刃取りしてそこを起点に姿勢を崩して首を取る

 

「これで私の勝ちだよ?」

「それまで!!」

 

終わりは私の勝ちで決まった

 

「解除ってどうし・・・あ、出来た」

 

解除も簡単だった、これはいいな・・・

 

「あれ・・・?」

 

目がくらんだ、姿勢が維持できない・・・あと、なんか眠く・・・

 

「・・・」

 

あ、これヤバイ・・・

そう思ったけど、襲って来た眠気には耐えられなかった




なお、戦闘中に唄う歌は
abingdon boys school


HOWLING



STRENTH

の二つのうちどちらか考えあぐねております
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。