許嫁と幼馴染と同級生と後輩 虹ヶ咲学園編 作:kikukiri
ああ…またか
暗闇の中をただ落ちていくだけ、底のない奈落へと落ちていくだけ。
もう何回目だろう?一体いつになったら終わるのだろう?いや、そもそも終わりなどあるのだろうか?
頭の中では幼馴染達の顔が浮かんでくる。ダイヤ姉、果南姉、鞠莉姉の顔に梨子の顔も…皆んな表情が曇ってる
辛いなぁ…でも人など信じられないのだ。人は簡単に人を蹴落とす醜くい生きものだ。ほんと…梨子に嫌がらせを仕掛けた奴らの顔を思い出すと腹が立つ!それと同時に悲しみがこみ上げてくる。
一体どうしてあんな事になってしまったのだろうか?何がいけなかったのだろうか?…自問自答しても答えなどない……悲しみと怒りと喪失感を感じながら…泣きながら闇へと落ち続ける…そのはずだった。
落ち続ける中ふと両手に暖かな温もりを感じ、暗い闇から解放された
××××××××××
「……ん」
おぼろげな意識の中ゆっくりと目を開けるとそこには眠っている美少女がいた。それも僕の両手を握って眠っていたのだ
「…くぅ………くぅ…くぅ…」
いや、誰!?何なんだこの状況?…起こして問いただしたいんだけど…気持ちよさそうに寝てるし……それに…
「………」
多分、夢で感じた温もりはこの人がくれたものだ……尚さら起こす気が失せるというものだ。
そんな事を思っていたら、微かな足音が聞こえてきた。こんな目立たない場所を知っている人がまだいたんだ
「彼方ー?起きて…………る?」
「……」
妬けにスタイルのいい青い髪の綺麗な姉さんが困惑した表情をし此方を見ていた。まあ、困惑するよね……俺も困惑してる
「う〜んと、この状況は何?」
「此方が聞きたいです。起きたらこの状況だったので」
「そう…じゃあとりあえず起こしましょうか。彼方!そろそろ起きなさい!もう夕方よ?」
「ん…ん〜……ふぁ〜………ん?……おはよ〜」
先輩と思われる人物が眠ってる先輩の肩を揺らして起こした。
すると、寝てた先輩はゆっくりと瞼を開け、眠そうな声で挨拶をしてきた
「おはよう、彼方。もう夕方の16時よ…って、それよりこの状況はどう言うこと?」
「ん〜?…気持ちよく眠れた?」
「いや、あの…それより…どうして俺の手、握ってるんですか?」
そんな純粋な俺の疑問を述べると返って来た返答は望むものではなかった
「だって、泣いていたから」
「…っ………!」
「…私にも妹の遥ちゃんがいるんだけど〜遥ちゃんが悲しんでたり、泣いてたりするとね〜彼方ちゃんが手をぎゅっとしてあげると落ち着くんだって。だから君にもしてあげたんだ」
……この人が優しくていい人だというのはよくわかった。しかし、だからと言って赤の他人である俺にここまでするだろうか?どう考えても普通じゃない。
それに……どう反応すればいいのかわからない。押し寄せる羞恥心に眠っていた後悔、情けなさに悲しさ、憤りも少しある。
だけど…一番に感じるものは_
「優しいんですね…」
「後輩や妹に寄り添うのはお姉ちゃんの役目だよ〜」
本当はわかってるし知ってる。世の中悪い人間ばかりで溢れているわけじゃない。ちゃんと温かい人達がいるんだ…今目の前にいる先輩の様に……
「ところで〜…無理だったら話さなくてもいいんだけど、何で君は泣いてたの?」
「……」
信じてもいいだろうか?……いや、信じるかどうかはさて置き、話してもいいだろうか?いい加減…このままじゃダメなことくらい自分がよくわかってる…わかってる…けど
「うーん…その様子じゃ難しいかな〜?」
「……俺、信じる事が出できないんです」
「へ?」
先輩の手を少し強引にふりほどき、腰を上げて先輩を見る。先輩は俺が何も話さないと思ったのか驚いた表情をしてる。
ちなみに俺も何か言うつもりはなかったのだけど…何故か僅かばかり口にしていた。それはきっと…
「先輩の手、とても温かかったです……ありがとうございました」
お礼だけ言って、そのまま俺は桜の下に置いてあったバックを背負って帰ろうとした時、桜の木の横にもう1つ鞄があった。これ、上原さんの鞄じゃ……まぁ取りに戻るだろうしいいか。
そう思って帰路に着こうとしたら今度は青髪の先輩が呼び止めた
「え?いや、ちょっと!」
「はい?」
「あ、えっと…ごめんなさい。何が何だかんだかで…まだイマイチついて行けてないせいか、つい反射的に呼び止めちゃったわ」
「ま、まあ…気持ちはわかります」
まぁ、友達が知らない男の手を握って寝ていたらね…
「えーと…とりあえず気をつけて帰ってね。それと…もし、困った事があったら私たちの事を頼ってくれていいからね?私は2年の朝香果林よ。こっちは近衛彼方」
「彼方ちゃんだよ〜よろしくね〜」
「……新入生の柴優奈です。今日はありがとうございました」
俺は青髪の先輩にお礼を言って今度こそ帰路に向かって歩き出した。
「…………温かいな」
先程振りほどいた手には先輩の温もりが残っていて…時間の経過と共に温もりは冷めていき……酷く切なくなる
♢♢♢♢♢♢
「ねえ、彼方」
「ん〜?」
「彼…泣いてたんでしょ?」
「うん。彼方ちゃんが~いつも通りお昼寝スポットに来たらあの後輩君がいたんだ~。彼方ちゃんと同じお昼寝スポットで眠るなんて、見る目あるよね~」
「いや、まあそうかもしれないけど…なんで泣いてたのかなって」
「さあね〜?信じられないって言ってたけど……きっと簡単な事じゃないと思うよ〜」
きっと簡単じゃないよ。だってあんなに苦しそうな顔をしてたんだからね
感想等があれば是非よろしくお願いします!
それと本編は頑張って書いてますのでもうしばらくお待ちください。
本当はもう少しいろいろと伝えたい事があったのですがまた今度にします。ではでは