ハリー・ポッターと金銀の少女   作:Riena

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8.深紅のペンダント

 

 ホグワーツの校長室でダンブルドアは1人、額に汗を滲ませていた。

 そろそろなのだ。あと少し、もう少しで。

 一つの肖像画が叫んだ。

 

「ダンブルドア! 魔法省に死喰い人(デスイーター)が侵入した。闇祓いが対処したが、現在()()()()()()()()()()()()()だそうだ!!」

 

 その言葉を合図に、ダンブルドアはすぐさま魔法省へ姿現しをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いつもと違い、人気がなく()の臭いが辺りを漂っていた。そこに近づくにつれて強まる寒気(殺意)は、あの時と同じ。ダンブルドアは、杖を握りしめ踏み入れた。

 

「遅いぞ、若いの。私を待たせるな」

 

 "ソレ"がダンブルドアに声をかけた。どこか懐かしい声。だが、あの時とは少し違う。ダンブルドアは、少し顔を引きつらせながら答えた。

 

「うむ。こんなにも早く出て来るとはのう。儂も予想外じゃった」

「まあ、そうだろう。私もこんなに早く事を成せるとは思わなかった。それにしても若いのも少しは成長したな」

「そう言うあなたは、変わらないのう。あの時のままじゃ…」

 

 ダンブルドアを『若いの』と呼ぶ"ソレ"は、ダンブルドアより年上と判断するには大分無理があった。

 

 銀髪碧眼。深紅のペンダントを身に付けた少女。シエル・スタージェントがそこにいた。

 

「一体、何が望みじゃ?」

 

 単刀直入に聞くわしに、"ソレ"は答えた。

 

「若いの、忘れたとは言わせんぞ。私は随分待った」

 

 そうだ。わしは、"ソレ"に聞かずとも分かっていた。だが、認めたく無い。

"ソレ"が望むのはただ一つ。それは、大いなる力だ。全てを支配する権力、魔法力、そしてわしが持つ()()の様な道具だ。

 

「済まんが()()はまだ渡せぬ……守るべきものが出来たからのう」

 

 そう言って見つめた先には少女がいた。

 

「この子だけではあるまいよ。他にも多くの守るべきものができたのじゃ。もう、あの時のようなことは絶対に起こさない」

「守るべき? ふっ、笑わせてくれる。お前が守るなど無理だ。守るのでは無く、見捨てる。違うか? あの時もそうやって見捨てた。一ミリも躊躇うことなく、な」

 

 ダンブルドアは口を噤んでしまった。

 あの時、彼女に手を差し伸べていれば、こんなにも後悔することはなかった。彼女も、親友も、アリアナも……。

 

 

「……若いの。私はお前と戦う意思は無いのだ。もし拒否をしたら、どうなるかは分かっているだろう? そして何より、()()()()お前の守るべき対象であろう?」

「そう、じゃ……じゃが、なぜあなたはこれだけの人を殺したのじゃ?」

 

 わしは、足元にある大量の死体と、血を見た。わしを呼び出す()()()この者たちが、殺されてしまったのだ、しかも少女を操ってまで……。

 

「……私が殺した? 若いの()()()()()()()()()ぞ。これ等を()()()()()()()()()()()()()()

 

「な、んと……今、何と?」

「もう一度言わせるのか? ()()()()()()()()()()()()()()()()

「あり得ない、そんな事は絶対……この子がこんな事を()()()()()()()()。確かに魔法に優れてはいるが、この大量の人数を()()()()()()

 

 そこで、ダンブルドアはハッとした。

 

「できないこともない。そうだろう? この子はスタージェント当主。生まれつき魔法力は膨大なはずだ。しかもこの子は……っとこれはこの子のために秘密にしておこうか。とにかく、私では無いのだ。

………そろそろタイムオーバーだ。闇祓いが来たら厄介だしな。どうするか決めろ、()()()()。まあ、答えは二つに一つのだがな」

「分かった……もう少し時間が欲しい。わしの守るべきものを守り抜けた時、儂があなたを呼ぶ。それまであなたは、眠っている……それでどうじゃ?」

「ふんっ。お前はいつも抜け道を見つける……分かった。だが一つ、この子が()()()()()()私は目覚める、いや目覚めてしまう。それだけは覚悟する事だ」

「うむ、分かった」

「ではな、若いの」

 

 少女の胸にあった深紅のペンダントが消えると同時に、少女は崩れ落ちた。体には無数の傷。きっと自分の魔法にやられたのだろう。

 

「シエル……なぜ()()()()をしたのじゃ? これだけの人数を殺してしまっては、もう、取り返しは付かぬ」

 

 少女からの返事は無い。

 もう少しで到着するだろう闇祓い達は、きっとシエルをアズカバン送りにするだろう。まだ8歳の少女を吸魂鬼(ディメンター)に渡すのを彼らは躊躇しない。儂ができる事は、期間を短くすることぐらいだ。その間に彼女は()()()()()()()()()()()()

 

 考えが甘かったのだ。少女をスタージェント家の当主にし、過酷な場所に置くことで“アレ”を出す。彼女の父親との約束も同時に守る。

 全て上手くいったはずだった。なのに、どうして、こんなことを。

 ダンブルドアは血塗れの少女を抱きしめた。

 徐々に闇祓いたちの足音が近づいてくる――

 

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