申し訳ない、二式大艇だ   作:さっちぇみー

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雲龍はどこ……ここ……?
そんな(期待していたのと違うZ級小説なんて)……私には……無理よ……
お気に入りありがとうございます。読んでくれた方がいらっしゃるようで一安心
しかし評価が在る人はすごいですね……
さて、艦これSSなのに三話でようやく艦娘が出ます(ただし画面ごし)
というかこれあらすじ詐欺にあたるのでは?

これを読んだあなた。飛行機憑依ものかメタルマンSSを書いてください。
それだけが、私の望みです

※2話の最後に加筆。よろしければ。



申し訳ない、偵察任務だ

(それで、俺はどうすれば?)

 

 あれから少し経って。とにもかくにも、これから何をするかをはっきりさせなきゃいけない。

 戦いは数だという言葉があるように、生きていくにも一人では何もできないのだ。

 特に航空機ともなれば燃料や弾薬の補給も必要になるだろう。

 それに、出来れば人と一緒に行動したい。

 ……ここ、どこかわからないし。

 

<にんむすいこうー>

 

 妖精さんが告げる。任務? ああ、そっか。軍用機なのだから当たり前か。

 

『そうだ、君の任務は深海棲艦を撃滅することだ。詳しくはこれを見たまえ。』

 

 

 博士が言えば、視界の隅にまたワイプ窓が増える。

 そこには、長い銀髪を左にたらしたサイドテール少女が立っていた。

 年は10代後半だろうか。髪の右側に長いリボンを結び、先端には錨を模したアクセサリー。

 頭頂部にはアホ毛がぴょんぴょんと揺れている。

 服装は白とうす緑を基調とし、黒の線を入れた改造制服もどきと同配色のスカート。

 ……ただ、ちょっと、そう。なんで腋と横乳を露出させているのか……。

 

────い……ちゃ……ん。

 

 なんだ? 頭の中で何かが……?

 

『エミリー? 問題かね?』

 

(ああ、いえ。大丈夫です)

 彼女を見たとき違和感を覚えたような気がしたものの、それはすぐに消えてしまった。

 

(博士、彼女は?)

 

 任務の話だったが、この少女と任務のどこか繋がる場所があっただろうか。

 ……もしや。

 

『そうだ、彼女が艦娘だ。』

 

 やはり。

 でも、これは……想像以上に少女ではないか? 街で一般人と見間違えてもおかしくない。

 俺はてっきり、All You Need is Kill(パワードスーツ)みたいなのを想像していたんだが。

 本当に彼女たちが戦っているのか?

 仮に戦っているとしたなら、考えたくないが死者は出るはず。

 ……深海棲艦の能力を聞く限り生き残っても五体満足とはいかないかもしれない。

 それこそ真っ赤な────

 

(うっ………)

 

 嫌なものを想像したせいか思わずえづいてしまう。 

 

『エミリー。君は少し、少女という外面に惑わされるきらいがあるようだ。いいかい、彼女たちは人間ではない。()()だ。そこを間違えてはいけない。』

 

(博士、そうはいっても……)

 

 惑わされるなとは言っても、彼女が少女の見た目である事実は覆らないし。どうすればいいのか。

 

『ならは、こう考えるといい。こうなったのも全て悪いのは深海棲艦だ。血も涙もない。艦娘が戦わなくてはならないのは深海棲艦がいるからだ。深海棲艦を滅ぼせば艦娘はただの少女になれる、と。』

 

 っ。うぇ?ノイズ?が見えたような……気のせいかな。

 というかそれ責任転嫁では? いや、でも確かにそうだ。

 そもそも、深海棲艦なんてのが現れなければ彼女たちが戦って──死ぬこともないのに。

 じゃあ、早く深海棲艦を殲滅しなくては。

 そのためには任務だ、どんな任務だろうか?

 

(博士、それでこの少女は固まっているように見えますけど)

 

『ああ、これは録画だからな。今再生しよう』

 

 人工知能といい、なんだろうこの超技術。

 博士が動画を再生させると、少女がしゃべりだした。

 その声はどこか切羽詰まっていて、眼光も剣呑なものだった。

 というか近っ。顔がくっつきそう。

 

《いい? 二式大艇ちゃん。改めて確認するかも。大本営からの緊急指令かも。

 今回の任務は失敗できないかも。ぃじゃなかった、出来ないからちゃんと聞いてね。

 作戦名は"第2次K作戦"。ハワイ・ミッドウェーにいる敵機動部隊を見つける任務かも。

 明日0600に当地ショートランドを出撃。WZ島を経由して整備を受けて欲しいかも。

 整備を受けた後はエリアFFに向けて再出撃。到着したら、そこで燃料補給を受けて。

 詳細な場所は19さんが向かってるから、わかるはず。

 補給後はすぐハワイ・ミッドウェー方面を偵察に向かってね。

 強行軍になっちゃうけど、やるしかないかも。

 南方で長距離偵察が出来るのは私たちしかいないから……

 横須賀はともかく、舞鶴も呉も遠征のダメージで出撃できるまで時間が掛かるの。

 それに、瑞鶴さんのためにも……。

 いい? 本土攻撃なんて許しちゃいけないかも。 

 そのためにも敵機動部隊の動向を絶対掴まなきゃいけない。

 大丈夫、私たちならできるかも! だからお願いね、二式大艇ちゃん》

 

 

 そういって、映像は消えた。

 語尾に"かも"をつける人は実在したのか……。

 しかし本土攻撃? 日本のことだよな。かなり大事……なはず。でも俺一人?きな臭いな。遠征とやらが関わってそうだが。

 

(というか撃滅じゃなくて偵察っていってますよ、博士)

 

『似たようなことだ、気にするな。』

 

 まあ、撃滅するために偵察するんだろうしそれもそうか。

 あとは。

 

(大本営ってあの?)

 

 思い浮かぶのは大戦時の軍のトップ。大本営発表……うっ、頭が。

 

『そうだ。艦娘が配属された場所を鎮守府という。これを本土で統括するのが大本営だな。』

 

<わがぐんのしょうりである>

 

 妖精さん、それ駄目な奴。

 ん、さっきは気がつかなかったけど、また別の妖精さんだな。金髪ドリルの子。

 しかし大本営か。本当に戦争中なんだな、この世界は。

 

(そういえば、今はどこなんです?)

 

<だいたいこのへんー(北緯18度45分/西経170度30分)>

 

 緑髪妖精さんがそういうと、視界に周辺マップのようなものが現れた。

 ご丁寧に飛行機が中央に映っていて、移動方向もわかるハイテク。勿論方位磁針も。そうだよ、これが欲しかったんだよ!

 一番近いのは……東のジョンス島?ってとこらしい。

 っていうか俺太平洋にいたの!? 誰だよ、フィリピンとか言ったの。

 ……俺だった。

 地図には現在地のほかにもマークがついている。

 南端にショートランド、南西にWZ、北にFF、北西にMI、北東にHIだ。

 WZとかFFの意味はわからないが、MIとHIはなんとなくわかる。

 そもそもハワイやミッドウェーはアメリカの領土だ。反抗作戦は流石にまだここまで成功していない? あのアメリカでも沿岸防衛でぎりぎりだっていうなら……恐ろしいな、深海棲艦。

 さて、現在地は太平洋をFFに向け北上中。となると、整備は終わってるのか。

 

(もしかして博士が?)

 

『ああ。だが気にすることではない』

 

 こういう博士だが、下手すれば俺は目覚めることもなく墜落死してるか、妖精さんのオシオキ?を受けていたかもしれないのだ。

 命綱の役割を買って出てくれていたのだから、感謝する場面だろう。

 

(いえ、博士の真意はわかってます。最初は怒ってしまいましたが、悪いのは俺だったんです)

 

 まぁ、達磨にされたのは驚いたけど。

 

『エミリー……。いや、いいんだ。確かに、君を巻き込んだのは私だからな。怒るのも仕方がない。』

 

 博士…………。

 

<なかよしー?>

 

『そうだな。さて、エミリー。』

 

 博士が一旦息を吸う。

 

『あとは君に操縦を任せたい。頼めるかね?』

 

(はい、博士)

 

 そうだ、いつまでも任せてはいられない。それに俺たちの命なのだ、ああいった手前俺が握らずどうする。

 とはいえ、

 

(博士、どうやって操縦するんです?)

 

 手足がなければ操縦桿を握って操作なんて出来ないのも事実。

 というか、今の俺の視界は夜に差し掛かりそうな空と暗い色をした海、それとワイプに映る博士だけだ。当然操縦桿なんてのは見えない。

 妖精さんは……自分でもよくわからない。

 

『当然の疑問だな。だが、心配はいらんよ。答えは君の中にある。』

 

(中? どういうこと?)

 

『簡単だよ。目を瞑って、自分の中に意識を集中させればいい。』

 

 自分の中に意識を……?

 そういわれても、ぴんとこないのが悲しい。

 瞑想、みたいな? わからん。俺は無神論者だったし、勿論仏教の秘術とかも使えないぞ。

 とりあえず、目を瞑ってみよう。

 …………。

 真っ暗だ。何も見えん。しかも寒い。これ意味あるのか?

 

(博士、やっぱりわかりませんよ。どうやるんです?)

 

『焦ることはない。君は既に認められている。必ず見えてくるはずだ。』

 

 見えてくるつったって……闇の中で光を探すとか? 安直すぎるか。

 

(うーん……)

 

 真っ暗な視界の中、何かないか探してみるも、やはりない。

 

(だめかぁ)

 

 ため息が漏れる。

 

『ふむ、そうだな。妖精さんに手伝って貰おうか。』

 

 妖精さんに? そういえばそうか、艤装のプロだもんな。

 

(でもどうやって? 正直妖精さんと俺の構造って違うと思いますけど、やれるんです?)

 

『心配はいらんよ』

 

<てあしなんてかざりです。えらいひとには、それがわからんのです>

 

 また別の妖精さん。オレンジの髪をポニーテールで纏めてる。

 いや、飾りじゃないと思うんだけど……。

 あれ、そういえば博士は?

 

(博士、博士ってその状態で手足ってあるんですか?)

 

 聞いてみると、博士はなんだそんなことか、と答えてくれた。

 

『いや、ないな。言ったとおり、私は私の存在を模した人工知能だ。手足などありはしない。』

 

 …………まじかー。

 なんていうか、意識の外っていうか。そういえば化け物とかいる世界だよ、普通の物理法則じゃないこともあるわな……。

 すごい頭を抱えたい気分だ。

 

(手足って要らなかったんですか? 本当に?)

 

『そうだ。だから言ったろう、航空機には無用の長物だとな。』

 

<しかものうはこんとろーるできる>

 

『それは流石に無理だ。』

 

<えー>

 

(そこまで行ったら怖い)

 

 脳波コントロールってなんだよ。

 

『だが似たようなものはできる。』

 

<やったー>

 

(えぇ…………)

 

 わけがわからないよ。

 というか妖精さんが知らないこともあるのか。

 

『コツはつかめそうか? エミリー。』

 

(ああ、ええ。常識にとらわれちゃあいけないってことですね)

 

『そうだ。』

 

 しかし、そうか。常識にとらわれてはいけないのか。

 

<おのれのうちにきけ>

 

 艤装は妖精さんが造るといっていた。そして、妖精さんの許可が無ければ動かない。

 だとすれば、ヒントは妖精さんと俺の中にある。

 丁度同調したときのような……あの感覚。

 

(妖精さん、手伝ってください)

 

<ならばみにいこうか>

 

 共感、共振、共存、共助、共生、共同、共闘。妖精さんとの繋がりがカギだ。

 手は伸ばせないから、どうしよう。

 と思っていたら、妖精さんが前髪を手でかきあげながら近づいてきた。ああ、そういう。

 けど妙な感覚だよなぁ……見えないのに見えるし、気配がわかる。ううむ、妖精さんとは。

 考えているうちに妖精さんは目の前にいて、俺も目を瞑って額をあわせた。

 

 

 やはり真っ暗だ。真っ暗なのは違いないけど……寒くない。こう、人の温かさ?を感じる。

 妖精さんは……どこだ? 重力がないのか、俺の意識とでも言うべきものはふわふわと浮いている。

 光のない宇宙みたいな暗黒空間を泳ぐように進み、妖精さんを探す。

 どうやらここは時間の流れが妙だ。数十秒か、数分か、数時間か。正確な時間を刻むことはできず、全てが曖昧になってしまうような。

 だが、必ずあるのだ。見えないものを視るために目を凝らしていると。

 

<こっちー>

 

 妖精さんの声が聞こえた。後ろからだ。

 振り向くと、そこには宙に浮かんだ、光輝く結晶があった。

 

(これですか?)

 

 妖精さんの姿は見えない。

 

<そうー>

 

 だけど、声はこの結晶から響く。なら、間違ってはいないはず。

 

<それじゃいくよー>

 

(お願いします)

 

 俺が答えると、妖精さんがせーの、と合図をだして。

 ガラスが砕けるような音と共に、俺の意識はのまれていった。

 何の光ィ!?

 

 

 

(い"っ"△#◇$※&×■%!?!?!?!?)

 

 ビリッって……キタァ……ッ!

 いてぇ! なんだ今の!? 体を電流が突き抜けていくような感覚だった。

 というかまだ痺れてる。

 意識が戻った俺を襲ったのは強烈な激痛。小学生並の感想しか残せない。

 

『どうやら、操作権を受け継いだようだな。』

 

(これで……終わったんですかね?)

 

<おわったよー>

 

 妖精さんがそういって、ようやく人心地つけた。でも痛い。

 

『ふむ、こちらでも確認したが、どうやら問題なさそうだ。』

 

 あー、よかった。でもなんか、これ完全に人間やめたみたいな気がして複雑だ。

 でも人間でいたいなんて甘ったれたら死ぬんだろうなぁ……そんな確信がある。

 痛みが引き、心に余裕が出てきたところで自分の体に意識を向けてみる。

 …………。

 これが風を切る感覚か……受動的と能動的にやるのとじゃ、心なしか違うように思える。いや、違う。わくわくしてきたぞ!

 誰だって空に憧れを持ったことはあるはず。俺は今、それを叶えたのだ!

 肌にぶつかる風を押しつぶすように進む……強風もなんのその。すばらしい!

 たかが風一つ、この二式大艇の敵ではないわ!

 

<てんしょんたかーい>

 

『体も動かせるようだな。』

 

(はっ、ハハハッ、ハハハッ、アハハハハハッ!)

 

 

 

 

 

 あああああああああああああああああああああああ!!!!!

 やばい。中二か? すごい恥ずかしい。敵地だぞ? ここ敵地だぞ? 

 妖精さんたちの視線が痛い。嫌悪とかじゃなくて、生暖かいのがまたやるせない。

 ふぅ、意識を切り替えろ。よし。

 ひとしきり風を切る感覚を掴んだところで、再確認。

 俺は手足がない。翼があるじゃないと思うだろうが、これは肩の延長のように思える。そもそも翼で動くのってフラップとエルロンくらいだし。

 体は寝ているのに顔だけあげて前を向く……そんな感じだな。呼吸の必要がなくてよかった。あったらこれ相当辛い。ただ、なんかマスクでも被っているような違和感がある。

 方向は寝返りをうつように体をひねれば出来る。ただ、やりすぎると体がきしむし酔う。

 エンジンは確かに強力だ。腹を燃やすような意識を向けると速度調整ができるっぽい。

 細かいことは博士じゃないけど、俺にもわからん。艤装一年生だから仕方ない。

 武装もなんかあるような気がするんだけど、練習が必要なのか俺の意識では動かせないようだ。

 

 

『エミリー、もういいかね?』

 

(はい、博士)

 

 俺の言葉によし、と頷いた博士は続ける。

 

『実は、エミリーが完全に同調を果たしたことで、ヘルメットと融合した二式大艇の隠された機能がアクティブになった。』

 

 おお、いかにも切り札っぽい。

 

(それはすごい! なにができるんです?)

 

『私も知りたい。』

 

 えぇ…………。

 

<はかせきょういのめかにずむ>

 

 オレンジ妖精さんにもわからないのか。

 ああ、そうそう。同調率があがったおかげか、自分の中に意識を向けると妖精さんの姿が見えるようになった。

 ただ、それで発覚したのが俺の体内を動き回る妖精さんというホラー。

 まぁ飛行機に憑依したんだから当たり前ともいえる。ちなみに、中の構造はよくわからない。たぶん練度が足りない。

 自分の体内を動き回られてる感覚はちょっと慣れるのに時間がかかりそう。

 

『しかし、ヘルメットに搭載されていた元々の機能もアクティブになった。』

 

(元々? このヘルメット一体なんなんですか)

 

 何かあるとは思っていたけど、やっぱり普通のヘルメットじゃないのか……。

 まさかマスクっぽいのってヘルメットか? 

 

『世界の悪と戦うためのものだ。』

 

(深海棲艦ですね)

 

 深海棲艦、倒す。

 

『そうだ。しかし、これからは敵の警戒網が厳重になることも想像に難くない。』

 

 

 言われて見渡せば、いつの間にか日は落ち、空には月が上り始めていた。

 だが、月明りは周囲に満ちる薄紫色の霧らしきものに阻まれ、万物を照らすことは敵わず、不気味な闇が支配していた。

 深海棲艦の霧とはこれだろうか? 確かに、頭がじくじくと痛む。無視できるレベルだが。

 他には海面から伸びる黒い積乱雲のようなものがそこらにある。それらは時折赤い稲妻を走らせ、明らかに普通の雲ではないことは明白だった。

 

(これが支配領域……って奴ですか?)

 

<そだよー>

 

 マップに表示されるエリアFFまでの距離は最初の半分ほどだ。

 この様子なら敵はいる。確実に。問題は、どこにいるか。その規模だ。

 このまま無事に着けるだろうか。

 補給地点まであともう少しなんだが、そう上手くもいきそうにもない。

 

『エミリー、このままでは目立ちすぎる。』

 

(確かに。けどどうするんです?)

 

 たった一機で識別信号不明の飛行機が自分の領空を飛んでいたら怪しまれるのは確実だ。

 とはいえ、闇間に隠れてやり過ごすくらいしか手はないのでは?

 

『参考までに一つ教えておくと、ヘルメットの機能には"ステルス"というものがあった。それが完全な同調を果たしたことでパワーアップしている。"フルステルス"と唱えてみろ。』

 

(それは?)

 

『ステルス機能だ。』

 

 なんと。最強では? 

 

(言うだけでいいんですか?)

 

『そうだ。』

 

 そんな機能があるなら使わない手はないな。

 

 

(フルステルス!)

 

 

 そういった途端、俺の存在というか、気配が薄くなった……気がする。

 

<みえないー>

 

 あ、妖精さんの姿も見えない。

 

『どうやら上手くいったようだな。』

 

 博士は見えるのか……。

 

(博士、これはすごいですよ。大発明です! これなら誰にも見つからないかもしれない)

 

『勿論だ。そのためのフルステルスだからな。』

 

 おお、何時になく博士が強気だ。

 操縦できるようになったとはいえ、俺は今だ素人同然で……俺に操縦任せてよかったのか……?

 ともかく、俺は素人同然の操縦技術しかないのだし、余計なものを避けられるのはありがたい。そもそも暗くて見えないし。

 だからこのまま見つからないでいてくれると……。

 そんな風に俺が思ったからか、妖精さんが叫ぶ。

 

<てきのせんすいかんをはっけん(3時の方向、敵機)>

 

 正直妖精さんはみんな同じような声だから誰が言ったのかはわからない。

 ただ、言われた方向に目を向ければ……。

 雲の隙間から飛び出す、三つの影があった。全速を出せば10秒もない距離。

 大きさは人間の頭ほど。

 それらは押しつぶしたコウモリのような飛行物体だ。

 こちらは対象を見下ろすような形のため、内側がどうなっているかはわからない。

 ただ、薄暗い中にコウモリの表面で光る2つの緑が、やけに不気味だった。

 

────敵機

 

 妖精さんの言葉を反復する。これが、敵。

 正直、舐めていた部分はあったろう。これは……予想以上に、キモチワルイ。

 生理的嫌悪感どころではない。直感で感じた。絶対的な拒絶。

 なるほど、確かに紛れもナイ()だ。コイツらは。

 

 しかし、数はこちらが不利。そもそも、偵察が主任務なのだ。こちらの存在を悟られるわけにはいかない。

 ……いかないのだが。

 

  

(博士、こっち向かってきているような?)

 

 そう、あいつらはどういうわけか、ステルス状態の俺に近づいてくるのだ。方向転換してまで。

 

『…………。』

 

(博士? やっぱりこっちに向かってきてますよ?)

 

 そういう間にも距離は着実に詰まっていく。この状態ではヘッドオンだ。 

 

『誤算だった。まさか電波探知とは』

 

 博士が淡々とそうつぶやいたとき、コウモリの緑が赤に変わった。

 なんとなく、わかる。緑から赤に変わったなら、それは絶対いいことではない。

 信号機ですら赤は停止なのだ。

 そして、この場合のヨクナイこととは────

 

<ろっくおんされたー>

 

 まぁ、そうなるな。

 

(ステルスって普通電波探知対策じゃないの!?)

 

 思わず毒づいてしまう。

 ステルスとは。ステルスって何? ステルス……。

 

『時間がなくて手が回らなかった』

 

 さっきの感動を返して……。

 どうすんのさこれ!?

 

『なに、心配はいらんよ。装甲は弾をはじくから平気だ』

 

 ほんとかなぁ…………。

 

 




・エミリー
だんだん口調が安定しなくなってきた
順調に侵食されている模様
なお、声は出せない

・博士
こんな懇切丁寧に説明をしてくれる博士、やはり良識人では?
いや、これは博士なのか……?

・妖精さん
宇宙の心は、彼だったんです

・二式大艇
勝手にメタルマンスーツと混ぜられた被害者
そもそも至近距離ではステルスも無理がある

・秋津洲
やっと出番かも!
やっぱりこの制服派手かなぁ……ううん、そんなことないよね。
ねっ、大艇ちゃん。そうよね、そうだよね、大艇ちゃんもそう思うよね。
3/19 なんであたしの容姿間違えるかな、失礼かも!(一敗)

・ショートランド泊地
K作戦なら拠点は横鎮ではないのか!?


独自解釈いれたほうが無難だろうか……
そもそもこれ艦これ?
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