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お前……(音も熱も電波も垂れ流しで)なんて格好してやがんだ
絡まないでくれ、(一応)ステルスしてるだろ
艦載機の速度って、艦これ世界だとどうなってるんでしょう。
本物と同じ速度が出ているのかな。ただ、それだと艦娘との相対速度が遅く感じる
この辺は各々に任されていると思っていいんでしょうか。
公式漫画は該当部分視損ねてるし、アンソロジーは買えてないからわからないんですよね
アニメ二期が決まって一期を思い返すと、正面海域に泊地棲姫とかやばい世界
戦闘シーン、皆さん悩んでいると聞きますが確かに難しい
なお、それまでも冗長。1話の拷問を乗り越えた方には今更でしょうが。
どうする。
博士には悪いけど、フルステルスの手前あまり安心できない。
なんというか、装甲の薄いところに当たって爆発しそう。考えすぎ? いや、でもなぁ……。
博士は装甲に自信があるようだから指示を出してこないだろうし、妖精さんに全て任せるのも心苦しい。自分でなんとかしなくては。
現状、敵機は3時の下方30度からこちらに接近中。速度は恐らく全速で、
ロックオンされているから存在はバレてる。奴らが引き金を引けばアボンだ。その為に下へ潜ったか?
確かに航空機にとって下方は死角。攻撃するにはもってこいだろう。
けれどそれは設計上、パイロットの視界が水平と上方に限られるからの話。俺は全方位を視れる。
まあ、だからって緊急回避する技能なんてないんだけど。
くそっ、やばい、俺にどうこうできるのか? どうする? どうすればいい?
このド素人日本人に何が出来る? 大和魂なんかもうこの世代にはないぞ!?
一度思考に嵌ってしまえば駄目だ。先ほどの意志はどこへやら。不安と恐怖が俺を押さえつける。
異音が響く。
────ズメ
頭が痛い。
────チロ
さっきからブツブツ、ブツブツとなんなんだ。
────フフ
心臓もうるさい。黙ってくれ、今考えているんだ。心臓ってどこだ? ええい、関係ないだろ。
これじゃ完全にパニックだ。落ち着け、落ち着け。焦るな。
コウモリを見ろ。相手の一挙一動を見逃すな。でも暗くてよく見えない。どうする?
あと10秒もない、このままでは────
そのときだった。
それは神の気まぐれか。それとも悪魔の嘲りか。
ほんの少し、霧に隙間が生まれたのだ。
隙間から差し込んだ月光が、コウモリを照らす。
一瞬。一瞬だけだが、ようやく、ハッキリ見えた。
──深海棲艦戦──
武装は両翼の5-inchロケットと尾部の20mmチェーンガン。
速度は
逃 げ 切 れ な い 。
そもそも、俺は飛行艇なのだ。戦闘機の速さに勝てるわけがない。
見つかった時点で終わりだった。
奴らは何時撃ってくる? なぜ撃ってこない? わからない。
俺は避けれるのか? 無理だ、そんな技量はない。
不安が俺に幻を見せる。
どこかの岸で沈んでいる光景。ゆっくりと引寄せられていく。暗い、冷たい海の底へ。
無数の手が俺を誘っていた。抗うこともできず捕まった。
(──ッ)
なんだ、これは。走馬灯? わからない。
その間にも奴らとの距離が詰まる。死が迫る。
……死ぬ? 俺が? 冗談だろ? まて、待ってくれ。死にたくない。俺は死にたくない!
こんなところで死にたくない! ここで死んだら誰にも気づかれないままだ!
ただのスクラップになるのは嫌だ! モドリタクナイ!!
リアルな幻で死の気配を自覚した途端、俺はみっともなく喚きだした。
責任も任務も誇りも投げ捨ててでも生き残りたい。
────生きたい。
どくん。
そうだ、俺は生きたいんだ。ごちゃごちゃ考える必要なんてなかった。
生きる。ただそれだけを意識すればいい。
世界が失速し、全てはスローとなった。周りの音も聞こえない。俺の頭だけ動き続ける。
命の危機に瀕し、生きようともがく脳が思考を急加速させたのだ。
生きるために提示された選択肢は三つ。
ひとつ、交渉──言葉が通じる相手ではない──
ひとつ、逃走──逃げ切れない上、逃走時の追撃を無視できない──
ひとつ、戦闘──電文がまだ送られていない可能性──
戦おう。情報を打電される前に倒す、それしかない。接触まであと6秒。
行動目標は決めた。しかし、思考に余裕が出来るとつい考え事をしてしまうのが人間というもの。
浮かび上がる疑問を無視できなかった。
(なぜ全機で攻撃態勢に入った? 三機いるのだから役割分担も出来たはず)
爆弾や魚雷もないことから見て相手は偵察部隊だろう。
しかし偵察部隊の主任務は偵察・報告だ。撃破は二の次なのに、なぜ向かってくる?
命中率を気にした? それこそ数で補えばいいだろう、なぜ撃たない?
弾切れ? 0%ではないがそれなら逃げるのが最善手。どうしてだ?
『ミリー。エミリー。』
まさか、二式大艇を舐めているのか?
でかいノロマな的だと?
俺が奴らの存在に気がついてないと?
馬鹿鳥みたいな欠陥品だと、侮っているっての?
コウモリの舌が揺れていた。
(野郎、嗤ってやがる)
『聞いているか、エミリー。』
────こうなったのも全て悪いのは深海棲艦だ
ふと、思い出した言葉。
…………そうだ、そうだよ。なんだって、俺がぐちぐち怯えなきゃならないんだ。
これも全部奴らが悪い。俺がこんな場所に来てしまったのも、命の危険にさらされてるのも。
腸が煮え繰り返そうだ。
(す……! ぶす……! つぶす……! 潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す!)
機首を向ける。無論、敵に。
位置はこちらが上だ。エネルギーは有利。風で失速しないかだけが不安だけど、火星ならいける。
急な方向転換にジュラルミンの体が悲鳴を上げた。
『エミリー、少し無謀すぎないか。もっと安全な方法があるだろう。』
博士が何か言ってる。でも聞こえない。
もう俺には、この三匹のハエを叩き潰すことしか頭になかったから。
火星が吼える。この身の程知らずを倒せと轟き叫ぶ。
コウモリ野郎を正面に捉えた。
(お前らは絶対逃がさない、ここで落とす!)
────後から思えば、このときの俺は完全に頭が茹で上がっていた。
ヘッドオンは熟練パイロットでも勝率5割の大博打。そんなものをド素人がやっても死ぬだけ。この世界はフライトシューティングゲームではない。
そんなことにも気がつかないとは。まして、武器も使えない状況だというに。
(あっ…………)
『エミリー。返事をするんだ。』
奴らの銃口がこちらを捉えていた。
そこで、思い出した。
(武器、俺、使えなかったんだ)
冷や水を浴びせられたような感覚。背筋が凍る。
操作権を受け継いだとはいえ、俺はまだ武器の使用法がわからない。
このままでは蜂の巣だ。打開策は──ない。
コウモリめ! この瞬間を待っていたんだ、相手がヘッドオンに応じる瞬間を!
乗せられた、失策だ。身の程知らずは俺だった。
コウモリが近づいてくる。
銃口が光った。マズルフラッシュ。弾が発射されたのだ。
(こいつ、突っ込んで来る!? 避ける気はないのか!)
しかも、コウモリ共はこちらに突っ込んできた。
俺は動けない。情けないことに、恐怖で固まってしまっていた。
思考速度が戻る。あとはもう、激突を待つのみ。
弾丸が俺の体を貫いた。
(ごぶっ)
血の代わりにオイルがこぼれる。
痛いし、熱い。胸が焼けるようだ。
妖精さんが叫んだ。<うよくにひだん!><ていしゅにひだん!>
体に意識を向けると、右翼が火を噴いている。艇首も風防が砕け散り、穴だらけ。
なんてことだ、もう助からないぞ。
『仕方ない。』
早かったな、俺の死期も。なんてぼんやり考えていると。
がくん、と体が傾いた
(!?)
目を見開く。ぼんやりしていた意識が叩き起こされる。
何時の間にかフルステルスは切れていた。
黒と緑が交差する。
体が傾いたことでコウモリとは衝突しなかった。ぎりぎりで避けれたらしい。
だが俺の意志ではない。誰だ? 誰が動かした?
見ると、操縦席に誰か座っている。
<いやいや、ちょっとおてつだいをね!>
赤ヘル妖精さんだった。ヘルメットがすこしへこんでいる。
『エミリー、君は一人で戦っているのではないのだぞ。』
博士の鋭い視線が俺を射抜く。
そこでようやく、博士が俺に呼びかけ続けていたことを思い出した。
(す、すみません……)
そうだ、俺は一人じゃないんだ。何を自分勝手にやってる、阿呆が。
この体は俺だけのものではないといったのは誰だ?
妖精さんの命も預かっているんだぞ。
『だがこうなっては仕方ない。エミリー、迎撃するんだ。』
(え、ええ。けど武器も使えないのにどうやって?)
<あたしにまかせなー>
そういって現れたのは最後の一人、紫髪ロングヘアの妖精さんだった。
(博士、彼女は?)
『うむ、今一番必要な妖精だ。』
<よろしくー>
彼女が現れた途端、二式大艇の機関砲がアクティブになったのを感じた。
上を見上げると、赤い光が2対6つ。奴らは反転してこちらに向かっている。確実にこちらを落とす気か。
今、俺たちは高度を下げ続けている。奴らが後ろから追ってくる形だ。
今度は向こうにエネルギーがあり、後ろも取られている。
戦闘機同士のドッグファイトならまずい状況。
だが、二式大艇の機関砲は機首、左右側面、上部、尾部である。単座式とは違う。
上部後方は、十分に射程内。
<ぎょーかく12、ほうい1-9-0>
油圧モーターで動力銃座が動き、敵機をレティクルに納める。
微調整は赤ヘルさんが艇体を動かして対応した。
<あたまをおさえるよー。ってー>
ドドドッ! ドドドッ!
20mmの火線4本が霧に吸い込まれていく。
一拍遅れて火花が咲いた。
『エミリー、シールドと唱えろ。』
そのすぐ後、博士が語気を強めて言った。
(博士?)
『いいからやれ!』
博士の有無を言わせぬ目に押され、そのまま従う。
(シールド!)
すぐに、薄い緑の膜が現れた。艇体を包み込むように展開する。
直後、爆音。敵のロケット弾だ。
しかし、膜に阻まれダメージはなかった。
(……こんなの、あったんですね)
『君が勝手に突っ込まなければな。』
(すみませんでした)
ホウレンソウは大事だね……。
◇◆◇
結局、戦闘は敵機の全滅に終わった。
こちらは燃料タンク1、エンジン1つが破損。寝ていた茶髪妖精さんが頭を打った。
エンジンは燃えたが、いつの間にか鎮火していた。自動消化装置のおかげだろう。
『エミリー、先ほどはどうした。君らしくもない。』
戦闘後、博士が尋ねてきた。
(……わかりません。ただ、別の意識が混ざってきたような気がします)
『ふむ。同調率が急に上がったため、意識が艇の記憶に引っ張られているのかもしれんな。』
<ごめんよー>
(いえ、オレンジ妖精さんのせいではないですよ)
意識が引っ張られる……確かに、そんな感じかもしれない。
あんな瞬間湯沸かし器みたいにキレる性格じゃなかったはずだし、俺は。
あの艦戦に思うところがあったのだろうか、この体は。まだまだわからないことが多い。
(ところで、なんであの3機はあんな特攻をしてきたんでしょう)
気になったことを俺も尋ねてみた。
『恐らく、帰る場所を失ったのだろうな。』
(帰る場所……というと、空母を?)
『そうだ。道連れを探していたのかもしれない。』
(でも、機動部隊がここにいるって話では? ちょっと腑に落ちませんよ)
『何か予想外のことが起きているかもしれない。注意しろ、エミリー。』
(はい、博士)
きな臭い……か。一体何が起きたんだ?
とにかく、今は指示通りエリアFFへ向かおう。あと20kmくらいらしい。
ああ、そうだ。さっきの戦闘の後から、視界に計器のようなものも追加された。慣れてきた……ってことかな?
現在高度2000m。速度は200km/hに落ちてる。
って、あれ? 四発機はエンジンが一つ壊れても巡航速度は変わらないはず。
あっ。
(博士、なんだか体が重いです……)
エンジンがボフッ、ボフッと煙を吐いて調子悪いし、上手く体を動かせない。
燃料メーターもレッドゾーンに入ってる。そんな使ったっけ?
やばい、高度も速度もどんどん落ちていく。
博士は額にしわを寄せながら答える。
『参考までに、フルステルスは大量の燃料を使う。シールドはそれほどでもないが、この両方を併用しての戦闘まで行ってしまったなら元々の半分ほどの燃料を使うことになる。加えて、先の戦闘で燃料タンクが一つ破損したろう。今もガソリンが垂れ流され続けているぞ』
これがデジャヴですか?
(つまり?)
『このままでは墜落する。』
博士がそういった途端。ガコッ、という音が聞こえた。
体を確認すると、エンジンが全て止まっている。
ああ、これは…………。
(うっそだあああああああああああああああ!!!!)
無念。俺はスカイダイブするはめになった。
<おちるー>
<まわる~>
<ぎゃははははは!>
妖精さんたちは楽しそうでなによりです。
・エミリー(||)
こっちは独断先行の上、勝手に折れた人
あまり本編で触れられなかった処理能力の加速。
もしや早い繋がりでベルトがカブトゼ○ターなのか?
・博士
完全に保護者枠
博士はきちんと他人を心配したりする感情があります
ハイパーサイコタイムが強すぎたんだ
・妖精さん
軽い紹介
赤ヘル:機長的存在。操縦もできる
寝坊主茶髪:偵察員。大体寝てる
緑髪メガネ:電信(無線)員。茶髪が寝てるので偵察員も兼ねる
金髪ドリル:電探(レーダー)員
オレンジポニテ:搭乗整備員
紫ロング:銃座担当
・二式大艇
勝手に突っ込まされて穴だらけにされた被害者。
ヘルメットの治癒能力(自己修復)とダメコンがなければ即死だった……。
・秋津洲
あ。大艇ちゃんに帰りのルート教えわすれちゃったかも……
い、19さんがやってくれるから大丈夫だよね、かも!
・深海棲艦戦
自己主張の激しい奴がいたから確認に来ました
三人に勝てるわけないだろ!
でも二式大艇ってこの子たちの倍以上ある
やっと参考文献が届きました