英雄と敵の二重生活   作:毎日健康黒酢生活

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お疲れ様です。

本日ご紹介させていただく作品はこちら。
三代目盲打ちテイクさんの『ハリー・ポッターと病魔の逆さ磔』です。
2日連続で正田崇作品のクロスオーバーになります。
こちらは甘粕正彦とは違い純粋な悪としてのキャラクターになります。
ただ、少女が生きようとする。それだけの物語。
このように前書きにある通りなのですが、主人公の覚醒シーンは本家正田卿にも迫ると私は思います。
純粋なハリポタ2次と見ても上位に入るおすすめ度です。


『通形ノア』と『ティキ・ミック』
蠢く~裏~


深夜、『CLOSED』と書かれた看板を下げた扉をすり抜ける。

薄暗いバーの中10名ほどの集団が新たに見える。

 

「ういっすー、悪いね。俺が最後?」

 

「えぇ、遅刻ですね。」

 

「次やったら殺すからな。」

 

黒霧さんと弔に怒られながら、集団と対面するようにカウンターに背中を預け座っている弔の隣の席に座る。

煙管にマッチで火をつけ、集団を観察する。

(うわぁー、一癖も二癖もありそうなやつばっか。)

 

「今日ここに集まってもらったのは顔合わせのためだ。

 それぞれやりたいことがあってヴィラン連合(ここ)に来たんだろう?

 大きな目標を達成するためには相互理解が必要だ。

 そっちから自己紹介しな。」

 

両腕を広げ弔の演説が終わると右端のほうを指さし、自己紹介を促す。

 

「俺は荼毘。『ヒーロー殺し』の意思を継ぎに来た。」

 

「トガです!トガヒミコ!生きにくい世の中がいやです!」

 

「俺ぁマスキュラー !やりてぇことをやりてぇ!」

 

「マスタード 、偉そうなやつが嫌いだ。」

 

「ムーンフィッシュ 、、、肉面が見たい。」

 

「スピナーだ。『ステインを継ぐ者』だ。」

 

「マグネよぉ。生きやすい世の中になればいいわねぇ。」

 

「トゥワイス!何をするのか気になってきたぜ!」

「全然興味なんてなかったぜ!」

 

「Mr.コンプレス。変化を求めてきました。」

 

皆それぞれの思惑があってこのヴィラン連合の門を叩いたようだった。

そして、弔は俺に視線で促す。

 

「ティキ・ミックだ。こないだまでは『二代目ヒーロー殺し』とか言われてた。

 俺は『自由』を求めてここにいる。」

 

「「「、、、へぇ。」」」

 

俺の自己紹介に何人かが息をのむ。

どうやら、巷でも有名になっているらしい。

もしくは『二代目ヒーロー殺し』の部分に関心を抱いたのかもしれない。

黒霧さんが俺の後に引き継いで紹介を始める。

 

「私は黒霧。ここでは様々なサポートをさせていただいています。」

 

そして、最後に弔が自己紹介をする。

 

「死柄木弔だ。気に入らないから現在をぶち壊したい。

 ここにいる奴は様々な事情があったんだろう。

 人に、社会に、ルールに、ヒーローに縛られて苦しんだ。

 現在をぶち壊す。

 この思いだけが一致している。

 なぁ、はみだし者同士仲良くやってこうぜ?」

 

全部、どうにかしてやる。だから、一緒に来い。

 

弔からカリスマともいえるような雰囲気が出て、

そう締める。

ここに真のヴィラン連合が誕生した。

そして、次なる雄英襲撃作戦(わるだくみ)を始める。

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

in 地方都市のヒーロー

 

「、、、助けてくれ。お願いだ。殺さないで。」

 

なんでこうなった。

サイドキックたちと裏路地にパトロールに入った瞬間訳も分からないまま一緒にいたサイドキックたちはすぐに殺されてしまった。

サイドキックを殺したヴィランに必死に命乞いをする。

死にたくない。

死にたくない。

死にたくない。

家には待っている家族がいる。

家族に会いたい。

娘にもう一度会いたい。

ヴィランの腕が俺の胸に埋まる。

あぁ、俺も殺されてしまうのか。

 

 

「頼む。家族(ホーム)へ帰りたい。」

 

 

俺の懇願が通じたのかヴィランは何もせずに帰っていった。

 

走る。

 

後ろを振り返らないで走る。

 

大通りに出て、人にぶつかろうとも気にしないでただ走る。

 

俺は帰るんだ!

 

家族(ホーム)へ!

 

 

「うわらば!!」

 

 

その瞬間、一匹の蝶が翅開いた。

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

in 都市部郊外の教会

 

午後の礼拝時間が終わり、礼拝堂内にいた信者たちが帰っていく。

 

「おじいちゃーん!また来週ね!」

 

「えぇ、爺もお嬢さんのこと待ってますよ。」

 

眼鏡をかけた白髪のいかにも好々爺というような見た目をした神父が少女に言葉を返す。

この教会はこの1人の神父によって運営されている。

神父の名前は「益荒男 猛」かつてはヒーローをしており、一線を退いた後に社会奉仕のために現在の教会を運営している。

今ではこの教会の名物神父として悩みを抱えるものが相談に訪ねたり、ヒーロー時代のファンが今でも時折訪ねてくる。

人気のなくなった教会の門を閉め、門の付近を箒で掃除する。

ヒーロー時代のような華々しい活躍はないが、慎ましやかな幸せをかみしめながら余生を謳歌している。

教会の外の掃除も終わり、今度は信者のいなくなった礼拝堂内を掃除しに移動する。

扉を開けると1人の若者がまだ残っていた。

人が残っているとは思わなかったので声をかける。

 

「おや?礼拝の時間は終わりましたよ?」

 

「、、、『紅頼雄斗』ですか?」

 

「えぇ、昔の話ですよ。いまはしがない神父です。

 お若いのに私のファンでしたかな?」

 

若者の服装を見る。

黒いスーツにシルクハットを被り英国紳士然とした正装をしている。

浅黒い肌をしており、服装や身長とも相まってミステリアスな雰囲気を感じさせる。

どうやら迷ってここに残っていたのではないようだった。

 

「そうですか。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()

 私は『ヴィラン連合所属ティキ・ミック』

 あなたの(ハート)いただきに参りました。」

 

彼はどうやらヴィランのようだった。

時々いるのだ引退したヒーローを倒して名を上げようとする輩が。

その都度、私は警察に引き渡している。

彼もどうやらそういった者の1人だったらしい。

 

「そうかい。残念だよ。

 現役を退いてもまだまだ若い者には負けないよ?

 警察で詳しい話を聞かせてもらおうか。」

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

side 警察

 

「先日、『ティキ・ミック』と思われるヴィランの犯行が発生しました。

 今月はこれで6件目です。場所も全国各地様々なヒーローが狙われました。

 4件はこれまでと同様『体を開いた形跡がないにもかかわらず臓器が丸ごと取り除かれている。』もので、遺体の周辺には『ヴィラン連合ティキ・ミック』と書いてあるトランプがばらまかれていました。

 しかし、新たに2件別の手口で殺害されていました。

 1件目は『紅頼雄斗』現役を退いており、高齢ながらそこらのヒーローと比べても遜色のない方だ。

 彼は彼の教会で発見されており、教会の十字架に裏向きに吊るされ背中に『ヒーロー狩り』と刻まれていた。

 瀕死の重傷を負い十字架に吊るされてもなお生きていた彼は息を引き取るまでずっと歌を歌っていた。

 

 『ヴィラン連合(おれたち)はさがしてるぅ、、、♪

  次の平和の象徴(シンボル)さがしてるぅ、、、♬

  わたしは知らない、、、♪

  つぎはダレ、、、♪』

 

 2件目は『スーマン』。地方のヒーローで路地裏から大通りに走り出してきたところ()()()()()()()()()()が飛び出し死亡。

 路地裏では彼のサイドキックたちがいままでと同様の手口で殺されており、『ティキ・ミック』のものと思われるトランプがばらまかれておりました。

 

 『ヒーロー殺し』の逮捕から『ティキ・ミック』による犯行は加速しており、かねてから言われていた模倣犯もしくは『ヒーロー殺し』のシンパではないかと予想されています。」

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

深夜、ビルの屋上で煙管にマッチで火をつける。

 

「はぁー、労働の後の一服は美味しいねぇー。」

 

今日は1日で2件も殺った。

そのうち1件はサイドキックを瞬殺すると命乞いを始めたので白けてしまい「ティーズ」を胸に仕込み、大通りに出たところで遠隔操作で翅を開き殺した。

アイツの懇願しているときの表情。

見逃してもらえたと思った時の安堵の表情。

必死に逃げ出す姿。

どれをとっても面白かった。

それに対して『紅頼雄斗』は頑固だった。

絶対にヴィランに屈しないと最後まで抵抗していた。

遊び過ぎて『ボス』に頼んで治してもらったくらい気に入った。

『ボス』も興が乗って洗脳の個性でなんか仕込んでた。

2人して『紅頼雄斗』で遊んだ後は彼の教会にあった十字架に打ち付けといた。

これで、弔の指示通り派手にできただろう。

あぁ、そういえば『紅頼雄斗』は切島がファンだったけか。

 

 

「悪いな切島、、、お前の憧れ(ヒーロー)殺っちゃった♡」

 

 

そうこぼした言葉を紫煙に燻らせる。

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。
最近、17時にUAが一気に跳ね上がってたのをニヤニヤ確認するのが日課になってきた作者です。

紅頼雄斗については完全この作品の独自設定です。
くっ殺爺さんとか誰得だよ(謎)
次回からは林間合宿編になります。
原作でもここから物語は加速していくので私も書いていて楽しいです。

最近ふとした時に、4作品もマルチ投稿していてどの作品から作者を知っていただけたのか気になってしまったのでアンケートいたします。ご回答いただけると読者層の把握、作者のモチベーションになる、他の読者様はどれをご覧になってるのかなど分かるので是非、お試しください。m(__)m

  • 英雄と敵の二重生活
  • 『風見幽香』な私。
  • 『AFO』はアホ、ハッキリわかんだね
  • 個性:斬島
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