英雄と敵の二重生活   作:毎日健康黒酢生活

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お疲れ様です。

本日ご紹介させていただく作品はこちら。
畳廿畳さんの『明治の向こう』です。
『るろうに剣心』の世界に転生憑依オリ主がいる作品になります。
原作知識を持っているのですが、それでも幕末から明治という歴史の分岐点や志々雄という巨悪に立ち向かうにはギリギリです。
原作にはほとんど絡まないのでほぼオリジナルストーリーと言ってもいいぐらい面白い作品です。
タグにもある様に原作未読の方でも全然ついていけます。
アツい話を読みたいと思っている方オススメです


林間合宿

時は流れ、林間合宿当日

 

合宿へ向かう支度をしていると、ヴィラン連合用のケータイが鳴った。

 

「―――♪―――♪」

 

ケータイの画面には『弔』と出ている。

 

「俺が『おつかい』してたのに自分は雄英生徒とお喋りなんてフットワーク軽すぎじゃないか?。」

 

『うるせぇ。...だが得るものはあった。』

 

「そりゃオタクだけしょうが。こっちは行くまで襲撃先が分からなくなったんだから作戦会議(わるだくみ)も意味なくなっちまったじゃんか。」

 

『襲撃先は別の()()から分かってるから大丈夫だ。』

 

「...そりゃ重畳。」

 

『一応そのケータイは持ってけ。GPSで粗方の座標が知りたい。』

 

「りょーかい♪」

 

『作戦については予定通り3日目の夜に行う。生徒に紛れ込んどけ。』

 

通話が切れる。

どうやら俺以外にも雄英の情報に関する()()があるらしい。

ヴィラン連合用の携帯を鞄の奥に忍び込ませる。

今回の作戦俺がやることはこれだけ。

ヴィラン連合の連中にも俺が雄英に潜入していることは言っていないので実際に遭遇したら戦闘になるだろう。

まぁ、成り行きに身を任せよう。

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

集合場所に着くと物間がいきなりA組を煽ってきた。

 

「え?A組補習いるの?つまり赤点取った人がいるってこと!?ええ!?おかしくない!?おかしくない!?A組はB組よりずっと優秀なハズなのにぃ!?あれれれれぇ!?」

 

拳藤の無言の手刀で物間は黙らされた。

B組全体がA組を敵視している訳ではないようで、B組女子連中は好意的な声をかけてくれた。

そんな女子に反応するのはやはりこの男、A組のムッツリーニこと峰田実である。

いや、ムッツリスケベどころか余裕でアウトなのだが。

 

「よりどりみどりかよ...」

 

「おまえダメだぞそろそろ。」

 

「そうだぞー、スケベもほどほどにな。」

 

「ッチ、良い子ちゃんぶりやがって。オイラ知ってるぞ?そういうやつこそ本当はどスケベだって事を!」

 

「A組のバスはこっちだ。席順に並びたまえ!」

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

こういうバス移動ではもはや指定席となっている爆豪の隣に座る。

 

「よっ!大将!隣座るぜ?」

 

「ッケ!勝手にしやがれ!」

 

「んじゃー、お言葉に甘えて。」

 

しばらく無言の時間が続く。

相澤先生の説明だと1時間後に一旦バスは止まるらしい。

 

「なぁ、大将?」

 

「んだよ?」

 

「そろそろ、俺たち以外にも友達作りな。」

 

「お前は俺の親か!?」

 

「あたしぁ、心配なんだよ。」

 

ヨヨヨヨと泣き真似をしだす。

実際、爆豪は俺を含めて4人くらいとしかクラスでしゃっべていることを見たことがない。

彼のキツイ性格もあり、とっつきにくいのだろう。

同じ中学だという少年とはいつも一方的に怒鳴ってばっかりだし、このクラスで爆豪と会話が成立するのは少数派だ。(常闇とは違う意味で)

そうからかってやると爆豪は神妙な表情になり、俺に向き合う。

 

「瓶底。」

 

「ん?」

 

「お前、体育祭の時、俺の攻撃()()()()()()よな。」

 

「...そうだっけか?」

 

「憶えておけ、その顔吠え面かかせてやる。」

 

そう言ったきり、爆豪は窓の外を向いてしまった。

話し相手がいなくなってしまったので大人しくバスの揺れに身を任せて目的地への到着を待つことにした。

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

バスが停車する。

 

「よし、休憩だ。全員バスの外に出ろ。」

 

「あれ?ここパーキングじゃなくね?」

 

「何の目的もなくでは、意味が薄いからな。」

 

困惑する生徒たちをに何の説明にならないことを言う。

 

「よーーうイレイザー!!」

 

「ご無沙汰しています。」

 

相澤先生が頭を下げた。その先にはコスチュームを身に纏った2人の女性。

 

「煌めく眼でロックオン!」

 

「キュートにキャットにスティンガー!」

 

「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!」

 

決めポーズを決めた2人のヒーローがそこにいた。

 

「今回お世話になるプロヒーロー『プッシーキャッツ』の皆さんだ。」

 

そう相澤先生が説明する。

葉隠が興奮した様子で近づいてきて2人を指さして言う。

 

「ノア君!あれだよ!あれ!」

 

「コンビの話か。プッシーキャッツは4人組だぞ?」

 

「なんと!?急いでタスケルンジャーも増員しなければ!」

 

「頑張ってくれ、隊長。」

 

葉隠とおしゃべりをしていると、

黒髪の女性が何やら不穏な事を言い始めた。

 

「あんたらの宿泊施設はあの山のふもとね。」

 

「遠っ!!」

 

ザワつき始める皆。

相澤先生の無茶ぶりに付き合わされてきた面々だ。

その不穏な空気を感じて先んじてバスへと逃げようとする。

すると、あたり一面の地面が盛り上がりクラスメイト達を押し流していった。

 

「悪いね諸君。合宿はもう始まっている。」

 

「...あのー、俺はどうすれば?」

 

透過の個性を使い土砂をすり抜けていた俺だけがこの場に取り残されていた。

相澤先生がこちらをカッ!と見る。

まずい!と思いバスへ走るが、相澤先生の捕縛布に捕まってしまう。

個性を消されている。くそ!大人げない!

 

「お前も行ってこい。」

 

その言葉とともに崖下へ投げ飛ばされる。

 

「あァァァんまりだァァアァ!」

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

地面にぶつかる前に透過して地面へ潜り、ゆっくりと地面から顔を出す。

 

「分かりきっていたが俺が一番最後か。」

 

「遅かったな!ノア!」

 

「こちとらゲームクリアしたと思ったら強制リスタートさせられたんだよ。切島。」

 

「...そりゃ災難だったな。」

 

前を向くと峰田が土塊の獣と相対していた。

 

「「マジュウだー!?」」

 

上鳴と瀬呂が叫ぶ。

口田が咄嗟に個性を使って止めようとした。

 

「静まりなさい獣よ、下がるのです。」

 

口田の個性が効かないと分かった時点で動き出したのは4人。

少年、爆豪、轟、イインチョーだ。4人はそれぞれの個性を用いて魔獣を一蹴した。

 

「みんな!集まるんだ!」

 

イインチョーの号令でクラスメイトが集まる。

 

「まだ埋まっている人、ケガ人はいないか!?

 とりあえず出席番号順に確認だ!」

 

21まで言い終え、クラス全員の確認が取れた。

次はどのようにして森を進んでいくかという話になった。

個別に動いて遭難することが怖いので、クラス全員でまとまって動くことに決まった。

斥候役として俺が選ばれ、その後に前後挟むようにしてクラスの武闘派集団、真ん中に索敵係、拘束係、非戦闘員という形で森の中を進んでいくこととなった。

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

in 合宿施設PM5:00

 

「やーっと来たにゃん。」

 

皆疲れながらもなんとか辿り着いた宿泊施設。

周囲を見れば死屍累々とでもいうような有様だった。

 

「とりあえず晩御飯には間に合ったにゃん。」

 

「12時半までにつけって話じゃなかったんですか?思いっきり失敗しましたけど。」

 

「ああ、あれは私達なら3時間で着けるってだけの話よ、気にしないで。」

 

「終わりよければって感じでしょ。」

 

「くそ、ノアだけ余裕なのがなんかむかつくぅ!」

 

「まっ、その分危険な斥候役やってたんだからカンベンしてちょー。」

 

なんて話していると、少年が子供に股間を殴られていた。

 

「ヒーローになりたいなんて連中とつるむ気はねぇよ。」

 

「つるむ!?いくつだ君!!」

 

「マセガキ」

 

「お前に似てねぇか?」

 

「あ?似てねぇよ。つーかてめェ喋ってんじゃねぇぞ舐めプ野郎。」

 

「悪い。」

 

「いやぁー、大将の子供時代を見ているようだ。」

 

「はぁ?知らねえだろ!ぶっ殺すぞ!」

 

緩み始めた空気を相澤先生が締めて話を始めた。

 

「茶番はいい、バスから荷物下ろせ。部屋に荷物運んだら6時まで休憩の後食堂にて夕食。その後入浴で就寝だ。本格的なスタートは明日からだ、さぁ早くしろ。」

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

「まァまァ...飯とかはね...ぶっちゃけどうでもいいんスよ。求められてんのってそこじゃないんスよ。その辺わかってるんスよオイラぁ...求められてるのはこの壁の向こうなんスよ...」

 

峰田が1人壁に向かって語りかけている。

その声は当然周囲にも聞こえていて、ぶっちゃけキモイ。

 

「オイラのリトルミネタはもう立派なバンザイ行為の準備ができている!!

 八百万のヤオヨロッパイ!!芦戸の腰つき!!葉隠の浮かぶ泡!!麗日のうららかボディに蛙吹の意外な大きさ!

 この世の楽園が壁の向こうにあるんだ!

 壁とは越えるためにある!!Plus Ultra !

 この時のために、この時のためにオイラは!」

 

「ヒーロー以前に人としてのあれこれから学び直せ。」

 

峰田の楽園へのクライミングは二枚壁の内側から現れた少年に叩き落とされた事により失敗に終わった。

 

「ノアは風呂場でも瓶底眼鏡(それ)外さないんだな。」

 

「外すとなんも見えないからなー、イインチョーも着けてるし、これが眼鏡キャラの通常運行よ。」

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

翌日、午前5時30分。朝が早いからか昨日の疲れからか皆どこか眠そうだ。

 

相澤先生は普段通りのテンションで言い始めた。

 

「お早う諸君。本日から本格的に強化合宿を始める。今合宿の目的は全員の強化及びそれによる仮免の取得。具体的になりつつある敵意に立ち向かうための準備だ。心して臨むように。というわけで爆豪、こいつを投げてみろ。」

 

相澤先生は懐かしの個性把握テストで用いたハンドボールを爆豪に投げ渡した。

 

「これ...体力テストの...」

 

「前回の...入学直後の記録は705.2m...どんだけ伸びているかな。」

 

ボールを持った肩をブンブン回す爆豪。

 

「1キロくらい行くんじゃねぇの?」「いったれバクゴー」とヤジが飛ぶ。

 

「んじゃよっこら...くたばれ!!!」

 

くたばれって...と見ている皆の心が一つになった。

相澤先生の端末にビピっと音がした。どうやら結果が出たようだ。

 

「709.6m」

 

「!?」と皆の驚きの声がする。

 

「この3ヶ月間様々な経験を経て、確かに君らは成長している。だがそれは精神面や技術面、あとは多少の体力的な成長がメインで個性そのものは今見た通りでそこまで成長していない。だから...今日から君らの個性を伸ばす。死ぬ程キツイがくれぐれも...死なないように。」

「それと...通形は残れ。」

 

 

...

 

 

 

クラスメイトがそれぞれの特訓へと向かうなか俺だけが残された。

相澤先生は俺に目をあわせる。

こういう時は嫌な予感しかしない。

逃げよう!そう思い個性を使い地面に潜ろうとするが個性が発動しない。

そして、相澤先生の捕縛布が巻かれる。

デジャブ。

昨日もこのやり取りをやった気がする。

 

「さっきはああいったが...通形。

 お前は特別メニューだ。

 クラスメイトは個性を鍛えるが、お前はこの合宿中個性(それ)以外を鍛える。

 ()宿()()()()()()()()()()()()()()

 ()()()()()()()()()()()()()()。」

 

ニヤリとでも擬音の付きそうな笑顔で相澤先生は有無を言わせずに俺に告げる。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございました。

前話の反響が大きくてびっくりしている作者です。
入試で救助Pが0だったこともあり相澤先生の心の中ではこの合宿で主人公が一定の成果を出さなければ除籍にすることが決まっています。

最近ふとした時に、4作品もマルチ投稿していてどの作品から作者を知っていただけたのか気になってしまったのでアンケートいたします。ご回答いただけると読者層の把握、作者のモチベーションになる、他の読者様はどれをご覧になってるのかなど分かるので是非、お試しください。m(__)m

  • 英雄と敵の二重生活
  • 『風見幽香』な私。
  • 『AFO』はアホ、ハッキリわかんだね
  • 個性:斬島
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