英雄と敵の二重生活   作:毎日健康黒酢生活

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お疲れ様です。

本日ご紹介する作品はこちらです。
へっくすん165e83さんの『私の世界は硬く冷たい』です。
『ハリーポッター』と『東方project』の世界のクロスオーバーになります。
両方の設定が生きつつ、違和感のないストーリー展開には脱帽です。
すでに完結しており、夜に読み始めてストーリーが気になりすぎて最後まで見たら朝だったというのを、本当に作者がしました。
スピンオフで別視点の『紅く偉大な私が世界』もご一緒にお勧めできます。
是非、ご一読ください。


ノスタルジー

現在、俺たち出向組は地下にある大部屋へ箱詰めにされ軟禁状態になっている。部屋の入り口には内部を監視するように下っ端が3人控えている。さらには俺対策にミミックが壁の中から監視をしている。

 

20畳以上はあるであろうこの部屋に、シングルベッドが6つとテーブルや冷蔵庫など必要最低限のものは揃っているが、トイレやシャワーを浴びるするため部屋を出るのにも下っ端に許可を得て、監視がついて行動することが求められるため俺以外の5人は大なり小なりストレスを感じているようだった。

 

俺がこの部屋にいるときはミミックからヤクザの仕組みや組織運営についてを教えてもらってる。死穢八斎會本部長という肩書は伊達ではなく、こいつの教えにより、これからのヴィラン連合(おれたち)の目指す方向性をより現実的に構想することができた。この講義をマグ姉、トゥワイス、エリアーデも物のついでだと言って一緒に受けている。話を聞いていないのはトガとエシのみで、トガは話の内容に全く興味がないのかテレビを見ているか、与えられたゲームやトランプをするなどして時間を潰していた。エシのほうはこの講義の最中、俺のほうを遠目で見ながらスケッチブックに色鉛筆を走らせていた。一度見せてもらったが、そのスケッチブックには俺の絵がひたすらに描かれていた。シンパだと知っていたけど初めて見たときは引いた。俺がいない時間はその絵の推敲をしているらしい。他のヴィラン連合のメンバーにも自画像を描いてほしいといわれるそうだが、その時は別のスケッチブックで書いてるらしい。

 

遂にこの生活に飽きて来たのか、トガがごね始めた。

 

「ティッキー最近どこ行ってるですか?」

 

「ヒ・ミ・ツ♪」

 

「むむっ!1人だけ特別扱い!ずるいです!」

「びょーどーを求めます!ゴクドー!」

 

「確かにそろそろ限界ねぇ。」

 

「ホンットにいつまで閉じ込めておくつもりよ。美容に悪いわ。」

 

「こんな生活飽き飽きだぜ!」

「充実してるけどな!」

 

「…エシは満足しています。」

 

トガに呼応するように他の4人がそれぞれの反応を返す。

まぁ、確かに俺たちは人質や客寄せパンダになりに死穢八斎會(ここ)へ来たわけでもないし、みんな限界だったのだろう。

かと言って、大人しく外に出してもらえるとは思えない。

 

「あっ!そうだ!じゃあ、あの子供(がき)と遊べば?」

 

「ゴクドーに子供ですか?」

 

『オイ!テメェ!』

 

ミミックがすかさず怒鳴るが、もうトガの興味は子供に移ってしまったため止まりそうにもないので話を続ける。

 

「そーそー。地下探検してたら偶然見つけてよ。その子供(がき)と遊びなよ。()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「わー!仲良くなれそうです!」

 

「大丈夫?その子?」

 

「傷だらけって!ヤベー臭いしかしないぜ!」

「すっごい安心感。」

 

もう会う気満々のトガと子供を心配するマグ姉とトゥワイス。

マグ姉とトゥワイスは()()()からミミックの反応と傷だらけという点に一抹の不安を感じているようだった。

対照的に、エリアーデは特に興味がないようで自分のネイルを弄り始めた。

エシは正直どちらとも取れない。俺が行こうといえば付いてくるが、自身からは動くことはなさそうだ。

 

「んー、俺はよくわからん。」

 

「とりあえず、様子を見てみましょうか。」

 

「んじゃ、みんなで行くか。」

 

『オイ!勝手に決めてんじゃねーよ!』

 

ヴィラン連合(うち)死穢八斎會(おたく)()()()()()()()?むしろ、いままでずっと箱詰めにしてた分のワガママだと思ってくれよ。それに()()にはなんかあるのか?」

 

『…入り口に2人、壁に俺がいる状態でなら許可しよう。部屋に何人残ってても部屋の監視の人数はそのままでだ。』

 

「オーケー、それで手を打とう。じゃあ、久しぶりの外出(ピクニック)行くか?」

 

「おー!」

 

トガの威勢のいい返事を聞き、付いてくる2人の監視役が部屋に到着するまで待った。

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

side 壊理

 

 

最近、新しい人がこの部屋に訪れるようになってきた。

初めてこの部屋に来たときは、壁から出てきたからビックリした。

タバコを吸う場所をさがしてこの部屋に来たって言ってた。

この人は()()()とは違って、私と仲良くしようとしたり、無理やりあの部屋に連れて行こうとはしない。

いつも、突然やってきてタバコを1本吸い終わるまでの時間の間、少しだけお喋りする。

そんな不思議な人。

いつもお喋りの時、少しだけ悲しそうな顔するから「なんで?」って聞いたら「…分かんない。」って言っていた。

今までの人たちは私に無理やり触ってこようとしたりして嫌だったけど、最近はこの人が来るのを少しだけ楽しみにしている。

 

ガチャ

 

薄暗い室内に扉から一筋の光が伸びる。

あぁ、()()()()()()()

目を閉じて、耳を塞ごう。

私だけの真っ暗な世界。

そうすればいつの間にか全部終わっている。

私が耐えれば全部いいんだ。

あれ?でも少しだけ()()()のタバコの匂いがする。

目を開けると目の前に覗き込むように私を見る()()()の顔があった。

 

「おっ!ビックリしたー!急に目開けないでよ。」

 

「…ティッキー。なんで扉から?」

 

「ん?…!あー、いつも壁から来るからね。俺だって扉くらい開けるよ?」

 

それより、とティッキーは扉のほうへと視線を移して親指で扉を指さし話を続ける。

 

「俺のトモダチが会いたいって扉の向こうにいるんだけど会う?」

 

「ダメ!不幸になっちゃう!」

 

私が言うのと同時に入り口の扉が大きく開け放たれて女の子が入ってきた。

 

「わー!傷だらけだ!私、トガヒミコ!」

 

私を見ると勢いよく駆け寄ってきて私の手を掴んで来ようとするので手を引っ込めてベッドの上を後退する。

 

「ダメ!触らないで!」

 

「恥ずかしがり屋さんですか?ティッキーと一緒ですね!」

 

「お姉さんも()()()()()()()()()()()()?」

 

「いや?ここに遊びに来ただけですよ?」

 

「さっき言ってた俺のトモダチ。女の子がトガ、でっかい人がマグ姉、灰色の人がトゥワイス、薄緑の子がエシね。」

 

「トモダチじゃなくてふぁみりーです!」

「マグ姉よ。近くに行って大丈夫?」

「トゥワイス!子供は好きだぜ!」

「エシです。絵を描くのが好きです。」

 

「私の名前は壊理です。近くには…うん。…触らなければ。…不幸が移っちゃうから。」

 

それからはティッキーのオトモダチいっぱい楽しいものを見せてくれた。トガちゃんがティッキーの姿になっておどけて見せたり、エシさんが描いてくれた絵をトゥワイスさんが増やして部屋中に貼ってくれたり、トランプ?っていうやつで同じ数を当ててく遊びもしたりしてすっごい楽しかった。

 

 

だけど、急に扉が開いて()()()が来た。

 

 

「壊理、時間だ。来い。」

 

 

あぁ、()()目を閉じて、耳を塞がなくちゃ。

 

 

 

side out

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

ガチャリと音を立てて扉が開き、オーバーホールが現れた。

オーバーホールが来た瞬間、壊理は心を閉ざし、何の反応も見せなくなった。

その急変具合にマグ姉が詰め寄ろうとするがオーバーホールに手で制された。

 

「俺たちは()()()()()だろ?余計なことに深入りはしないでもらえるかな?」

 

オーバーホールに壊理が連れるのを見送る。

扉が閉まり、部屋には俺たちと監視役2人だけとなった。

 

「ねぇ、ティキぽん。()()()()?」

 

「薄々は…実際に見たのは初めてだ。」

 

「そう、()()()()()()()()()アナタのこと殴ってたわ。」

 

「…わりぃ。」

 

怒りに震える唇を、血が出そうなほど噛みしめてこぶしを握っていた。

トゥワイスも同様で、表情はわからないが悔しそうな態度をハッキリと示していた。

()()()()2()()()()()()()

トガはさして気にしていないようで気になったことを俺に訊ねる。

 

「ティッキーは何であの子のとこに通い詰めてたんですか?」

 

「……なんでかな?」

 

「アタシ、ムカついたわ!また明日もこうして会いに来ましょ!」

 

「いいね!賛成だぜ!」

 

『オイ!もう用はないだろ!部屋に戻れ!』

 

ミミックに急かされ、もう用事もないためみんな部屋の外へと出ていく。

だだっ広い子供部屋に一人残される。

この部屋に来たのにまだ一本も吸ってなかったことに気づき、懐からタバコを取り出し、火をつける。

軽く吹き出した紫煙が白い霧のように天井へ立ち昇る。

 

 

 

「…なんでかな。」

 

 

 

()()()()って感じるんだよ。」

 

 

 

誰に話すつもりもなく、先ほどの問いに紫煙とともに答える。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

お昼に確認したら日刊8位になってました。
投稿し始めて1ヶ月が経ちますが皆さんの毎日の日課のように見ていただけると嬉しいです。
今後も拙作をよろしくお願いします。

最近ふとした時に、4作品もマルチ投稿していてどの作品から作者を知っていただけたのか気になってしまったのでアンケートいたします。ご回答いただけると読者層の把握、作者のモチベーションになる、他の読者様はどれをご覧になってるのかなど分かるので是非、お試しください。m(__)m

  • 英雄と敵の二重生活
  • 『風見幽香』な私。
  • 『AFO』はアホ、ハッキリわかんだね
  • 個性:斬島
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