farさんの「我輩は〇〇である」
タイトルだけで何なのか想像できてしまい、これ程うまい掴みのタイトルはないと思っています。
作品の内容もポップで1話1話も短めなので気軽に読み進めていけます。
知っている方も多いでしょうがおすすめです。
地下鉄を乗り継いで40分。雄英の校舎が見えてきた。
制服を着崩し、トレードマークの瓶底眼鏡をつけたノアが校門の前に立つ。
受験の時はなんとなしに見ていたがこの門も大きな異形型の個性でも通れるように設計されているのだろう。
また、センサーがついており、関係者以外が通ろうとすると閉じる仕組みになっているようだ。
(正面から襲撃はナンセンスっと、まぁ黒霧さんがいるからそんな真似はしないか。)
頭の中で雄英の情報を少しでもまとめておく。
ここに潜入して、情報を少しでも持ち帰るのが今回の指令だ。
裏の顔がバレたらアウトの潜入活動。
まずは、先生の個性とクラスメイトの顔と名前、個性。
雄英の警備状況、オールマイトの行動スケジュールが分かれば上出来かな、と思考する。
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今年の雄英高校は一般入試の定員が37名、推薦4名で合計41名がヒーロー科に在籍することとなり、2クラスに分かれる。
つまり、1クラス21名か20名になる。
バリアフリーのためか4mほどの「1-A」と表示されている大きな扉が見えた。
ここが潜入先かと思いながらドアに手をかけスライド式のドアを開けた。
そして、自分の座席を探し席に着く。すると前の席から声をかけられる。
「俺ぁ切島鋭児郎!これからよろしくな!」
「俺は通形ノアだ。よろしくー。」
(こいつとは仲良くできそうだ。)
と自己紹介をしていると。入試の時の真面目そうなメガネの生徒から声をかけられた。
「そこのきみ!ちゃんと制服は着ないか!
今日から誉れある雄英の生徒になるんだぞ!」
「はは...あんまし堅苦しい服装は苦手なんだよねー
かんべんしてちょー」
(うーん、真面目過ぎてちょっと苦手だな。)
言い終えると同時にドアがガラッと大きな音を立てて開き、俺と同じくらい着崩している爆発頭の生徒が入ってきて、
自分の席を確認したらドカッと机の上に足をかけて座った。すると、真面目君が向かっていった。
「君!机に足をかけるな!
机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」
「-------!------!」
向こうから怒号が聞こえてくる。
「おめー、災難だったな!」
「彼のあだ名は『イインチョー』だなー。」
「そのまんまじゃん!」
などとさっそく切島と雑談していると、
いつの間にか黄色い髪の明るい女子生徒と緑色の髪の少年がドアの前で談笑していた。
(おっ、あの時の少年少女じゃん。青春してんねー)
「お友達ごっこしたいなら、他所へ行け
ここはヒーロー科だぞ。」
声がした方をみると、先ほどまで何もなかった廊下に寝袋が転がっていた。
男性はモゾモゾと動き出してファスナーを開けて起き上がった。
顔の方を見ると目は充血し、無精髭に肩まで伸びきったボサボサした髪の30代前後と見られる男性だった。
「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね
担任の相澤消太だ。よろしくね。」
「さっそくだが、体操服に着替えてグラウンドに出ろ。」
(こんなくたびれたプロヒーロー見たことないな。
有名ではないのか、それとも顔出ししていないアングラ系のヒーローか?)
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「「「「「個性把握......テストォ!?」」」」」
相澤先生が担任と判明したのちに、体操着を着るよう指示をされてグランドへ行くとそう発表され、クラスの大半は驚き、叫んだ。
「入学式は!?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ないよ。」
「「「「「……!?」」」」」
まさか入学初日で入学式もガイダンスもなしとは思わなかった。そのせいで相澤先生以外の教師を把握できなかった。
入学式といえば全校生、全先生が出ると思っていたから、ほかの教師については明日以降調べていくことにしよう。
「雄英は自由な校風が売り文句、そしてそれは先生側もまた然り。」
そう言って体力テストの説明を始めた。
説明をまとめるとこうだ。
・個性使用禁止の体力テストと同じ8種目を行う。
・その8種目は『ボール投げ』『立ち幅跳び』『50m走』『持久走』『握力』『反復横跳び』『上体起こし』『長座体前屈』である。
・今回の体力テストでは、個性使用が認められる。
・最低限の種目ルールさえ守れば、各自は己を活かす個性の創意工夫をしてもよい。
与えられた条件で自分の個性で何ができるかを考える。
また、同じようにクラスメイトも創意工夫をしテストに臨むと思うのでこの機会に便乗してクラスメイトの個性も判明する。
思わぬチャンスに相澤先生に心の中で感謝をしていると、先生は不良風の生徒を見て言った。
「そういえば実技入試成績のトップは…爆豪だったな。
中学のとき、ソフトボール投げ何mだった?」
「...67m」
「じゃあ、個性を使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。早よ、思いっきりな。」
「んじゃあ、まぁ『死ねぇ!!!』」
(((((………死ね?)))))
球威に爆風を乗せたボールは、天へと昇ってあっという間に見えなくなった。
「まず、自分の“最大限”を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
相澤先生の手元にある計測器には「705.2m」と表示されていた。どうやら今投げたソフトボール投げの記録のようだ。
飛躍的に上がった記録にクラスメイトは声をあげて喜んでいた。
無理もない、今まで今まで個性を全力で使うことなく過ごしてきたのである。
許可を貰って全力で使う機会などなかったのであろう。
「なんだこれ! 面白そう!」
「個性思いっきり使えんだ! さすがヒーロー科!」
「面白そう...か。」
そのとき、不敵に相澤先生が薄く笑った。
その笑みに俺は無理難題を押し付ける時の弔と同じような気配をし、背筋が凍りつくような嫌な予感がした。
「ヒーローになるための3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」
突然の問いかけに、そこ場にいた全員、とっさに答えることができなかった。
相澤先生の雰囲気が一変して戸惑っているのだろう。生徒たちが棒立ちになっているのを見て、先生は更に笑みが深くなる。
「よし。トータル成績最下位の者は、見込み無しと判断し…除籍処分としよう。」
その言葉にクラスメイトのほとんどが度肝を抜かれた。
「生徒の如何は先生の”自由”
ようこそこれが雄英高校ヒーロー科だ。」
(うぁー、やっべぇ。この先生マジの目つきしてんじゃん。)
「最下位除籍って!入学初日ですよ!?いや入学初日じゃなくても理不尽過ぎる!!」
「自然災害...大事故...身勝手なヴィランたち...いつどこから来るかわからない厄災、日本は理不尽にまみれてる。
そういう理不尽を覆していくのがヒーロー。
放課後マックで談笑したかったらお生憎、これから3年間雄英は君達に苦難を与え続ける。『Plus Ultra』さ、全力で乗り越えて来い。
さて、デモンストレーションは終わり、こっからが本番だ。」
入学初日の試練、俺の個性は汎用性が高いから何とかなるか?
それにしても最下位になったやつは初日から退学とかシャレにならないぞ。
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第1種目 50m走
個性を使って反動で加速したから何とか2位になれた。
記録:4秒05
第2種目 握力
これは普通にやるしかねーわな。
記録:48㎏
第3種目 立ち幅跳び
個性で顔まで地面に沈み込み、個性解除する。
『すげぇ!〇ひげ危機一髪みたい!』
記録:6m58㎝
第4種目 反復横跳び
これも外側の足の足首まで沈めて個性解除して記録を伸ばす。
記録:98回
第5種目 ボール投げ
これは個性の使いようがないな。
記録:52m
ここでは出席番号5番の麗日という生徒が記録無限という大記録を出すという事件もあったが、他はつつがなく進み、緑髪の少年の番になった。
(順当にいけば少年が除籍ってことになるのかな)
「緑谷くんはこのままだとまずいぞ...?」
「ったりめーだ、無個性のザコだぞ!」
「無個性!?彼が入試時に何を成したか知らないのか!?」
「は?」
自分に大記録が無いからか、その話が聞こえてしまったからか、少年は焦りのままに円に入った。
一瞬、覚悟を決めた表情から放たれたその一投、その結果は
「46m」
相澤先生の無慈悲な言葉が響く。
少年はは混乱しながら
「な...今確かに使おうって...」
少年に絶望を突きつけるように相澤先生は言った。
(へぇ、相澤先生は個性を消せるのか。厄介だな。)
「個性を消した。つくづくあの入試は...合理性に欠くよ、お前みたいな奴も入学できてしまう。」
相澤はさらに畳み掛けるように少年に言う。
「見たところ...個性を制御できないんだろ?また行動不能になって、誰かに助けてもらうつもりだったか?」
「そっ、そんなつもりじゃ...!」
どうやら少年は相澤先生に個性を“消され”、指導を受けているようだった。
お前の力ではヒーローになれない、とまで言われ、
俯いて意気消沈してしまっている様にも見えたが、こっそりと顔を見るとその横顔は決意に満ちた物だった。
彼が振りかぶった瞬間、全身の毛が逆立ちゾクリとした。
ボールは物凄い勢いで飛んでいった。
そうして投げた少年は、人差し指を血で赤く染め、痛みからの涙を堪えながら少年はこう言った
「先生...!まだ...動けます。」
「こいつ……!」
記録:705.3m
小数点第1まで求めれば、彼を馬鹿にしていた爆発頭よりも0.1メートル勝っている。
いいなぁ、あいつ。思わず腕を抱えてヨタヨタと歩く少年に駆け寄り、肩を叩いた。急な事に少年は驚いた様な顔でこちらを振り返る。
「カッコ良かったぜ、少年。
俺は通形ノアだ。短い間かもしれないがよろしくな。」
第6種目 上体起こし
腰で背中だけ透過しては反発で記録を伸ばした。
記録:45回
第7種目 長座体前屈
これも個性の使いようがなかった。
記録:67㎝
第8種 持久走
個性を使って反動で加速した。
記録:4分05秒
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計測が終わり全員が相沢先生の前に集合した。
少年はあの後も痛みに耐えながら全種目をやり切ったみたいだが、除籍を覚悟した顔で並んでいた。
(どうやら、除籍は少年かー。面白い奴だと思ったんだけどな。)
全員整列の後、相澤先生は言った。
「んじゃパパッと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ、口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する。」
そう言ったあと、少し溜めてからこんな一言を言い放った。
「ちなみに除籍はウソな。」
人の悪そうな笑みを浮かべ、重ねて言った。
「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽。」
生徒達の反応はほぼ一色となった。
「「「「「はーーーーーー!!!!??」」」」
(いやいや、マジだったっしょ!?気でも変わったのか?)
こうして潜入初日の受難は終わった。
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「よっし、じゃあ帰ろうぜ!ノア!」
「俺は駅までだけど、切島も電車通か?」
「おう!」
雑談しながら歩いていたら、前に少年たちが歩いていたので大きく手を振って声をかける。
「おーい、少年たちー!駅までかーい?」
「あっ、ノア君と...」
「俺ぁ、切島鋭児郎!
緑谷と麗日さんにイインチョーだな!
緑谷個性測定の時最高にアツかったぜおめー!」
「麗日お茶子です!よろしくね!」
「ボ...俺は私立聡明中学出身の飯田天哉だ。
イインチョーではない!」
「えぇー、いいじゃんイインチョー。それっぽいし。」
「また君はそうやって!」
「まーまー、そんなカッカすんなってアメちゃんやろーかー?」
「ノアも初対面の人をそんなにからかうなって」
「それにしても、さすが雄英!って感じの初日だったね!」
「最下位は除籍って嘘はマジで騙されたけどな!」
「そーいや、切島はあんま個性使ってなかったみたいだけど、どんな個性なんだ?」
「俺の個性は『硬化』。身体を硬くすることができる地味な個性だよ。」
「あちゃー、今回のテストとは相性が悪かったな。」
(切島鋭児郎、トゲトゲの赤髪にギザギザの歯身長170㎝くらい、個性は『硬化』っと)
「それよりノアの個性はなんだよ!?
立ち幅跳びの時の〇髭危機一髪は!?」
「俺の個性は『透過』
俺と俺の身に着けているものはあらゆるものをすり抜けることが出来る。
すり抜けている途中に個性を解除すると何故か体が地上へ「弾かれ」ちゃうんだよねー。」
(まっ、嘘だけどねー)
「すっげぇ個性じゃねか!?」
「『透過』か、障害物を関係なく移動できるすごい個性でありながら、
テストの時に見ていたように個性の反動で加速もできる。
汎用性の高い個性だけど、体の一部だけを透過させるとなるとコントロールも難しそう。
発動中の呼吸や、視界はどうなるんだろう?」ブツブツブツブツブツ
「おーい。しょうねーん、もどってこーい。」
「あっ、ごめん!でも応用の利くすごい個性だね!」
「まーね。イインチョーは見た感じでわかるし、少年は発動系の増強系だろ?
∞女子はどんな個性なん?」
「∞女子って!私の個性は『無重力』だよー。
触ったものにかかる重力を無効化できるよ!」
「すっげぇな!」
「切島さっきからそれしか言わねー。」
「てか、俺だけあだ名呼びじゃないじゃん!なんかつけろよ!」
「切島は切島だろ。生意気だぞー。」
そんな会話を新しい友人たちとしながら帰路についた。
表のティキは原作だと10Pぐらいしか出てきていないんでうまく再現できてるか心配です。
基本的にはノリのいいお兄さんキャラで進めて行こうと思います。
あと、サブタイに~表~、~裏~をつけていくか悩んでます。
(前話は両方の視点だったためつけておりません。)
読者の皆さん的にはどっちが見やすいでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
最近ふとした時に、4作品もマルチ投稿していてどの作品から作者を知っていただけたのか気になってしまったのでアンケートいたします。ご回答いただけると読者層の把握、作者のモチベーションになる、他の読者様はどれをご覧になってるのかなど分かるので是非、お試しください。m(__)m
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