吸殻の煙が一筋、俺の翼によって破壊された薄暗い道を形作っていたビルが無くなった伽藍洞の空間で月夜に向かって伸びる。平然とする『レプリカント』の姿に強い苛立ちを覚える。荒々しい気勢に体が釣られて奥歯でかみ砕かれた癇癪玉が審判の炎のように燃え上がり、熱を帯びた空気が鼻の奥から抜けていく。
『レプリカント』が何故その姿を真似ているか分からないが、俺の感情を引き出すためだとしたらこの上なく満点に近いと言えるだろう。
己のうちに燃え盛る炎を隠さず、苛立ちと共に『レプリカント』へ言葉をかける。
「なぁ、
『怒るなよ。怖いなぁ。『
『オレの事よりもお前大分変ったな。』
『
『
『
『レプリカント』は煽るような口調だが、本当に怯えているように蟀谷に手を当てながら口元を引きつらせながら喋る。
前よりも…か。煙管の事といい『レプリカント』は俺のことを本当によくリサーチしているらしい。
だが、煙管は本当に二重生活をしていた時にしか喫っていなかったので、そのことを知るのは極一部の限られたヴィラン、『先生』、『死柄木弔』、『黒霧』、『義爛』次点で
「
『何だ…か。』
『それはこっちの台詞だよ。』
『
苛立ち交じりの『レプリカント』の声に簡単なその問いの答えを返す。
「俺は
『…オレはオレか。』
『
心底羨望を込めたその声色が苛立ちを増幅させる。
意味が分からないことを『レプリカント』は本気で言ってやがる。
「
その答えに『レプリカント』は鼻で笑って足元に投げられた吸殻を踏みつぶしながらフードを乱雑に脱いでそのまま
『ふっ、…あぁ、ヘドが出そうだ。
一転、口元は柔らかく微笑みながら憎悪、嫌悪、悲壮、諦観、嫌厭、この世の全ての負の感情と一匙の親しみを込めて『レプリカント』は俺に告げる。
ゆっくりと一歩、一歩と近づきながら。
『オレはな。『
その姿にうすら寒い恐怖を感じて両翼で押し潰す。
しかし、両翼の感覚からは肉が潰れた感触が伝わってこない。
翼を開くとニヤニヤと嗤いながら歩み寄ってくる『レプリカント』の姿がある。
『どうした?『万物の選択』が効かなくて焦ってるのか?』
『
『
体が自然に半歩、半歩と後退していく。
その間にも『レプリカント』は一歩、一歩と歩み寄ってくる。
牽制の為に翼を交互にやるが
ゆっくりとした鬼ごっこが始まる。
『なぁ、地面の中で聞いてたんだけどよ。』
『
『オマエもダレカのレプリカントだって考えたことは無いか?』
『もしかしたら、この
『そんなのがいることさえ、ましてや一瞬でも
『オレはこんな世界の
怨嗟の果てに繰り出されたこの世界の
しかし、『レプリカント』の個性の処理が遅れたのかティーズが掠め
露になった相貌に驚愕していると『レプリカント』は足を透過して加速して近づいてくる。
ふわりと優しく抱きしめてくる。
お互いに無意識に血のような涙を流しながら。
『あぁ、『ティキ・ミック』。
『
『なぁ、その『
『『
『オレに返してくれよ。』
「オイオイ、なんでテメェがその名前知ってる。」
「何の冗談だよ。」
「先輩。」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
Dグレリスペクトが強い今章、だけど物語の根幹です。
「」『』の使い分け何処かで見たことがありませんか?
傍点多くてすいません。
今後も拙作をよろしくお願いします。
最近ふとした時に、4作品もマルチ投稿していてどの作品から作者を知っていただけたのか気になってしまったのでアンケートいたします。ご回答いただけると読者層の把握、作者のモチベーションになる、他の読者様はどれをご覧になってるのかなど分かるので是非、お試しください。m(__)m
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英雄と敵の二重生活
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『風見幽香』な私。
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『AFO』はアホ、ハッキリわかんだね
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個性:斬島