英雄と敵の二重生活   作:毎日健康黒酢生活

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Live man + Dead man

吸殻の煙が一筋、俺の翼によって破壊された薄暗い道を形作っていたビルが無くなった伽藍洞の空間で月夜に向かって伸びる。平然とする『レプリカント』の姿に強い苛立ちを覚える。荒々しい気勢に体が釣られて奥歯でかみ砕かれた癇癪玉が審判の炎のように燃え上がり、熱を帯びた空気が鼻の奥から抜けていく。

『レプリカント』が何故その姿を真似ているか分からないが、俺の感情を引き出すためだとしたらこの上なく満点に近いと言えるだろう。

己のうちに燃え盛る炎を隠さず、苛立ちと共に『レプリカント』へ言葉をかける。

 

「なぁ、テ(・)メ(・)ェ(・)。どこまで調べてんだ?ぶ(・)っ(・)殺(・)す(・)ぞ(・)?」

 

『怒るなよ。怖いなぁ。『テ(・)ィ(・)キ(・)・ミ(・)ッ(・)ク(・)』。』

 

『オレの事よりもお前大分変ったな。』

 

『怖(・)い(・)よ(・)。前(・)よ(・)り(・)も(・)も(・)っ(・)と(・)。』

 

『ま(・)た(・)、殺されるんじゃないかって今もビクビクしてるよ。』

 

『な(・)ぁ(・)?オ(・)マ(・)エ(・)に(・)も(・)大(・)事(・)な(・)も(・)の(・)が(・)で(・)き(・)た(・)の(・)か(・)?』

 

『レプリカント』は煽るような口調だが、本当に怯えているように蟀谷に手を当てながら口元を引きつらせながら喋る。

前よりも…か。煙管の事といい『レプリカント』は俺のことを本当によくリサーチしているらしい。

だが、煙管は本当に二重生活をしていた時にしか喫っていなかったので、そのことを知るのは極一部の限られたヴィラン、『先生』、『死柄木弔』、『黒霧』、『義爛』次点でヴィラン連合(ファミリー)くらいしか知らないはずだ。ありえないことを知っている『レプリカント』は何(・)な(・)ん(・)だ(・)?思わず口から零れる。

 

「テ(・)メ(・)ェ(・)は(・)何(・)だ(・)?」

 

『何だ…か。』

 

『それはこっちの台詞だよ。』

 

『お(・)前(・)こ(・)そ(・)何(・)な(・)ん(・)だ(・)よ(・)。』

 

苛立ち交じりの『レプリカント』の声に簡単なその問いの答えを返す。

 

「俺はティキ・ミック(おれ)だ。」

 

『…オレはオレか。』

 

『羨(・)ま(・)し(・)い(・)よ(・)。』

 

心底羨望を込めたその声色が苛立ちを増幅させる。

意味が分からないことを『レプリカント』は本気で言ってやがる。

 

「レプリカント(テメェ)…俺になりたいのか?」

 

その答えに『レプリカント』は鼻で笑って足元に投げられた吸殻を踏みつぶしながらフードを乱雑に脱いでそのまま短(・)髪(・)に(・)ま(・)と(・)ま(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)金(・)髪(・)を搔き乱す。

 

『ふっ、…あぁ、ヘドが出そうだ。ど(・)の(・)口(・)で(・)そ(・)ん(・)な(・)こ(・)と(・)を(・)言(・)い(・)や(・)が(・)る(・)。』

 

一転、口元は柔らかく微笑みながら憎悪、嫌悪、悲壮、諦観、嫌厭、この世の全ての負の感情と一匙の親しみを込めて『レプリカント』は俺に告げる。

ゆっくりと一歩、一歩と近づきながら。

 

 

 

 

 

『オレはな。『テ(・)ィ(・)キ(・)・ミ(・)ッ(・)ク(・)』、あ(・)ん(・)た(・)を(・)破壊(ころ)し(・)に(・)来(・)た(・)♥』

 

 

 

 

 

その姿にうすら寒い恐怖を感じて両翼で押し潰す。

しかし、両翼の感覚からは肉が潰れた感触が伝わってこない。

 

全(・)て(・)を(・)掴(・)む(・)選(・)択(・)を(・)し(・)て(・)い(・)る(・)は(・)ず(・)な(・)の(・)に(・)虚(・)空(・)を(・)裂(・)い(・)た(・)感(・)覚(・)し(・)か(・)な(・)い(・)。

 

翼を開くとニヤニヤと嗤いながら歩み寄ってくる『レプリカント』の姿がある。

 

『どうした?『万物の選択』が効かなくて焦ってるのか?』

 

『慢(・)心(・)し(・)て(・)る(・)ん(・)じ(・)ゃ(・)な(・)い(・)か(・)?』

 

『ト(・)ク(・)ベ(・)ツ(・)な(・)チ(・)カ(・)ラ(・)が効果ないからって焦るなよ。』

 

体が自然に半歩、半歩と後退していく。

その間にも『レプリカント』は一歩、一歩と歩み寄ってくる。

牽制の為に翼を交互にやるが全(・)く(・)実(・)体(・)を(・)掴(・)め(・)な(・)い(・)。

 

ゆっくりとした鬼ごっこが始まる。

 

『なぁ、地面の中で聞いてたんだけどよ。』

 

『弔(・)と(・)オ(・)レ(・)の(・)こ(・)と(・)を(・)『レプリカント』って呼んでたよな。』

 

『オマエもダレカのレプリカントだって考えたことは無いか?』

 

『もしかしたら、この■■■■(おれたち)の邂逅でさえこ(・)の(・)世(・)界(・)の(・)ノアの一族(カミサマ)の(・)夢(・)物(・)語(・)じゃないのか?』

 

『そんなのがいることさえ、ましてや一瞬でもノアの一族(カミサマ)に触れたことさえ虫唾が走る。』

 

『オレはこんな世界のノアの一族(カミサマ)が大っ嫌いだ!!!』

 

怨嗟の果てに繰り出されたこの世界のノアの一族(神様)への罵倒に今まで以上の怒気が沸いて無駄だと分かっていてもティーズを翅開かせ投擲する。

しかし、『レプリカント』の個性の処理が遅れたのかティーズが掠め瓶(・)底(・)眼(・)鏡(・)だ(・)け(・)が(・)吹(・)き(・)飛(・)ば(・)さ(・)れ(・)る(・)。

 

 

 

露になった相貌に驚愕していると『レプリカント』は足を透過して加速して近づいてくる。

 

 

 

ティキ・ミック(おれ)の胸元に飛び込んできて、攻撃をするかと思ったら。

 

 

 

ふわりと優しく抱きしめてくる。

 

 

 

懐(・)か(・)し(・)さ(・)を(・)感(・)じ(・)、俺も『レプリカント』の背中を固く握りその抱擁を受け入れる。

 

 

 

お互いに無意識に血のような涙を流しながら。

 

 

 

ティキ・ミック(おれ)の肩口に『レプリカント』が顔をうずめて泣きながら耳元で囁く。

 

 

 

 

 

『あぁ、『ティキ・ミック』。オ(・)レ(・)を(・)破壊(ころ)し(・)た(・)』

 

 

 

 

 

『ダ(・)イ(・)キ(・)ラ(・)イ(・)な(・)。オ(・)レ(・)の(・)『テ(・)ィ(・)キ(・)・ミ(・)ッ(・)ク(・)』』

 

 

 

 

 

『なぁ、その『■■■■(オレタチのカラダ)』』

 

 

 

 

 

『『新月(しんげつ)真愛(マナ)』の身体。』

 

 

 

 

 

『オレに返してくれよ。』

 

 

 

 

 

「オイオイ、なんでテメェがその名前知ってる。」

 

 

 

 

 

「何の冗談だよ。」

 

 

 

 

 

「先輩。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

Dグレリスペクトが強い今章、だけど物語の根幹です。
「」『』の使い分け何処かで見たことがありませんか?
傍点多くてすいません。

今後も拙作をよろしくお願いします。

最近ふとした時に、4作品もマルチ投稿していてどの作品から作者を知っていただけたのか気になってしまったのでアンケートいたします。ご回答いただけると読者層の把握、作者のモチベーションになる、他の読者様はどれをご覧になってるのかなど分かるので是非、お試しください。m(__)m

  • 英雄と敵の二重生活
  • 『風見幽香』な私。
  • 『AFO』はアホ、ハッキリわかんだね
  • 個性:斬島
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