英雄と敵の二重生活   作:毎日健康黒酢生活

46 / 48
お疲れ様です。

本日ご紹介する作品はこちら。
raianさんの『僕の『敵連合』』です。
『僕のヒーローアカデミア』の世界にオリ主がいるお話です。
拙作と同じように主人公がヴィランで、世界を面白おかしくかき乱していきます。
拙作を書くにあたってとてもインスピレーションを受けた、内容が被らないように細心の注意払っているご作品です。
その展開、現在進んでいるシナリオの完成度は目を見張ります。とても、とても素晴らしいご作品なのでオススメです。
正直、読者の皆様に似てると思われてないか不安で不安でご紹介は避けてましたが、満を辞してご紹介させていただきます。

是非ご一読ください。


その景色に焦がれて

一面の黄色い水仙の花畑

 

その一つ一つを揺らすように風が優しく撫でていく

 

灼けるような夕日の中で

 

水仙に囲まれるようにして力強く根を張る葉が一枚もない大木

 

大木の枝目掛けて空中を歩く

 

そして、その幹にもたれかかる様に背中を預けひと際大きな枝に座る。

 

宙ぶらりんになった足をパタパタと弄ぶ。

 

高くなった視界には隠れ家として使っている洋館が映る。

『レプリカント』いや……『通形ミリオ』殺害後、メディアはこぞってヴィラン連合と雄英高校を批判した。ヴィラン連合は大規模な破壊行為と無辜な学生を殺害したとして、雄英高校は監督責任を問われ、生徒の死傷という一大事件を受け、今学期の休学そして教師陣はヴィラン連合検挙に全力に当たるという報道がなされていた。

 

そんなこともあり、ヴィラン連合の旗印となっている俺への過保護はさらに強くなっていて四六時中壊理に見張られている。今も隙を見て一服に逃げ出してきたところだ。

 

ほら。

 

洋館の扉が勢いよく開かれ、パタパタと短い両足でお姫様がぷりぷりと、いかにも私怒ってますという様子で俺目掛けて駆けてくる。

 

「もう!ティッキー!勝手に居なくなっちゃダメだよ!」

 

「ごめんって。この木が俺を呼んでたんだ。」

 

適当なことを言って壊理を煙に巻く。

大木の根元で壊理はややあって、考えるように唸っている。

 

「木が?お喋りするの?」

 

「あぁ、俺はトクベツだからな。この木は『コーネリア』って言うんだってよ。壊理もここまで上がってきな。」

 

「こんにちは。『コーネリア』。少し座らせてね。」

 

木へと語りかける壊理の足元から俺が腰掛けている枝目掛けて壊理に見えるように空気を拒絶して階段を作る。いつも俺といるので俺の力に何も言わずにおずおずと階段を登ってくる。

そして、俺の元にたどり着くと周囲の景色を見渡してその表情を明るく咲かせる。

 

「わぁ!キレイ!」

 

「だろ?樹が、風が、花たちが俺たちに喋りかけてるんだぜ?」

 

「うん!なんか分かる気がする!」

 

先ほどまでの怒りはどこへ行ったのか、キラキラと周囲の景色を楽しんでいる。夕日が壊理の白い髪を赤みがかったオレンジに染めていく。周囲の水仙の黄色と壊理の赤い瞳も相まってその光景は幻想的に無垢なものに見える。

 

ふと、その赤い瞳からキラリと夕日に光る透明な粒が零れ落ちる。

 

「なんで泣いてるの?感動した?」

 

冷やかすような俺の言葉に壊理は小さくふるふると首を振る。

しかし、その瞳の奥には深い哀しみの色が見える。

 

「違うの。分からないけど、この景色を見たことがないのに。一面のキラキラ、優しく風の声、座るティッキーが()()()()なって……。」

 

最後の言葉を消え入るように呟いて顔を俯かせる。

言葉にできない感情に戸惑っている壊理に優しく、続きを促す。

 

「……それで?」

 

「……うん。ティッキーみたいにシルクハットを被ったキレイな人との思い出。あと、2人の子供たちと一緒にこのキラキラを見た思い出。……()()()()()()()()()()()()()がいきなり見えたんだ。」

 

「それでびっくりして泣いちゃったのか。」

 

「……うん。」

 

いきなりの出来事に困惑してる壊理の頭を優しく撫でる。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

全てを許すこの世界の優しさに少しの苛立ちを覚える。

敵でさえも優しく包み込んで許す()()()()の際限のない愛を嫌が応に感じる。()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「大丈夫。()()()()()()()()。」

 

「……約束したもんね。」

 

「あぁ。」

 

言いようもない不安感に苛まれる壊理も零れ落ちる粒をゴシゴシと拭いて、涙の粒を溜めながら喋る。

 

「綺麗だね。」

 

「あぁ、綺麗だ。……そうだ!この水仙、髪に挿したら似合うと思うよ。みんなには花束にして持って帰ろう!みんな喜ぶと思うぜ?」

 

「それってステキだね!マグ姉とトガちゃん、エリちゃんにも髪に挿してあげよ!みんなでお揃い!」

 

一転、その表情を明るいものにしてみんなへのお土産を考え出す。

その無邪気さに心が救われる。

 

それにしても、()()()()()()か。

 

……。

 

巡り巡って救われた気持ちになる。

千年伯爵(おれたち)の罪が、赦されないエカテリーナ(母様)への行いが、赦して貰えた様に思える。

 

木の根元へ飛び降りて恭しく大仰に右手を胸の前に、手を壊理に差し出すように礼をする。

 

「お姫様。よろしければ私の花束を受け取ってもらえますか?」

 

「えぇ!喜んで!」

 

ぱぁっと、聖母のような微笑みとともに壊理が俺の胸に飛び込んでくる。

それを優しく、包むようにして受け止める。

壊理は勢いのまま首元にその小さな顔を埋める。

 

()()、離れ離れになるのは嫌だからね。」

 

「あぁ、もちろんだとも♪」

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

無垢な答えに全てが救われて欲しいです。
作者はDグレは絶対に報われない終わりを迎えると思っているのです。
黄色い水仙の花言葉は……。

私事なのですが、この度Twitterを開設させていただきました。
作品の進捗度、更新のお知らせ、細かい設定、一文に込められた作者の想いを読者の皆さんと共有、また意見交換などできれば嬉しいなと思ってあります。よろしければフォローよろしくお願いします。m(_ _)m
https://twitter.com/DayVinegar

それと、昨日。
拙作とは別のギャグヒロアカを更新しましたのでお時間があればご一読いただけると嬉しいです。

今後も拙作をよろしくお願いします。

最近ふとした時に、4作品もマルチ投稿していてどの作品から作者を知っていただけたのか気になってしまったのでアンケートいたします。ご回答いただけると読者層の把握、作者のモチベーションになる、他の読者様はどれをご覧になってるのかなど分かるので是非、お試しください。m(__)m

  • 英雄と敵の二重生活
  • 『風見幽香』な私。
  • 『AFO』はアホ、ハッキリわかんだね
  • 個性:斬島
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。