少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 投稿されている全話の手直しを行っていて投稿を忘れそうになりました。





055

 

 「二人とも、明日イシリスに降りようか」

 

 私はカミラとヒトハに提案した。

 

 「行くのね、良いわよ」

 

 『主様のお好きなようになさってください……私も楽しみです』

 

 事前に話しておいたから話が早いな。

 

 「明日朝食をとってから向かい、それから夜まで町で過ごそう」

 

 「分かったわ」

 

 『分かりました』

 

 私とヒトハは睡眠が不要だがカミラは寝るからな。

 

 

 

 

 

 

 「行こうか」

 

 翌日の朝、食事を終えた私達は早速イシリスに転移する、今回行く場所は魔工国ガンドウだ。

 

 転移は問題無く出来たが、すぐ私は違和感を感じた。

 

 周囲の魔力が以前来た時より薄い。

 

 「お母様、魔力が……」

 

 カミラが私を見て言う、その表情は困惑気味だ。

 

 「以前降りた時はここまで魔力は薄くなかった、どういう事だ?」

 

 『私には魔力を測定する機能がありませんので分かりませんが……それほどに差があるのですか?』

 

 ヒトハが私に尋ねる。彼女は魔力を使用する事は出来ても感じたりする事は出来ない、分からないのは当然だ。

 

 「かなり薄くなっている、この状態がこの辺りだけなのかは確かめなければ分からないが」

 

 「世界の魔力が減っている……?」

 

 カミラが呟く、取り敢えず今日は町を回ろう。

 

 「二人とも今日は町を楽しもう、この事はまた改めて私が確認してみる」

 

 私はそう言って町へと歩き出す、二人も私について来た。

 

 

 

 

 

 

 町を夜まで楽しんだ私達は拠点へと戻った。

 

 カミラは新しい服を、私は本と魔道書庫カードを買った、そして三人で受信魔動機を見に行き、最新型に買い替えた。

 

 金は以前換金した物を使ってしまったが、大分古い硬貨だと驚かれただけで問題無く使えた。

 

 私は新しい受信魔動機を設置してから二人に言う。

 

 「私は今からもう一度イシリスに行って魔力を確認して来る」 

 

 「手伝う事はある?」

 

 「各地を回って確認するだけだから大丈夫だ」

 

 「そう、気を付けてね」

 

 『いってらっしゃいませ』

 

 「行って来る」

 

 二人の言葉に返事を返し、私はイシリスへと転移した。

 

 

 

 

 

 

 魔工国ガンドウの上空で魔力を調べる、人類には来られない高度なので騒がれる事も無い。

 

 私は周囲の魔力が町と変わらず薄い事を確認すると高度を維持したままイシリス中を飛んで回る事にした。

 

 それからしばらく私は世界中を飛び回り、魔力の状態を調べた。

 

 その結果、この状況は一部の地域だけではなく、この惑星全てで起こっているという事が分かった。

 

 この状態が一時的な物なのかどうかが知りたい所だ。

 

 しばらく様子を見て回復する事が無ければ本格的に調べてみよう。

 

 私は気にはなっているが、危機感は全く感じていない。

 

 カミラもヒトハも私の構成物を所持しているので魔力も魔素もその場で補給出来る。

 

 もしこの星から魔力が無くなったとしてもあの二人には関係無いからな。

 

 私の体は便利だ、分け与えても減っているようには感じないし、戻せば素直に同化してくれる。

 

 人類にも一度くらいは警告しておこう。

 

 魔力が希薄になっている事が原因で人類側に何かしら問題が起きているかも知れない。

 

 もし何か起きていれば私の手紙を気にする者も居るだろう。

 

 

 

 

 

 

 「手紙?」

 

 「はい、研究室にいつの間にか届いて居まして……」

 

 「いつの間にかって……ん?差出人の名前が書いていないな」

 

 今時手紙など誰が……私は手紙を開封し中身を読んだ。

 

 「何だこりゃ?」

 

 そこには世界中の魔力が薄まっている事と念のため魔力の使用を控えた方が良いと書かれていた。

 

 そんな事がなぜ分かる?全く……ただでさえ魔動兵器が動かなくなって大変な状況なのに、こんな質の悪い悪戯をするとは。

 

 「何でした?」

 

 「ただの悪戯だったよ」

 

 私は手紙を机に放り投げて仕事を再開した。

 

 

 

 

 

 

 俺達が連名で報告書を送った後、国も事態を把握して動き始めた、俺は研究所に戻りはしなかったが独自に調査している。

 

 各国の研究者達とは今も連絡を取り合って協力体制を維持していた。

 

 現在、俺はその中の一人から送られて来たある手紙を読んでいる、彼の研究所へ送られて来た差出人不明の手紙らしい。

 

 その手紙には世界中の魔力が希薄になっている事、魔力の使用を控えるようにした方が良いと言う警告が書かれていた。

 

 「魔力の減少……俺達も考えた事だ」

 

 ただ俺達はそれを確認する術がない……果たして本当なのか?俺達が把握出来ない魔力の状態を知るこの手紙の人物は誰なのか?

 

 皆にも手を貸して貰おう。

 

 ……分からないのなら分かる物を作ればいい。俺は魔力の濃度を測定する魔動機……魔力濃度測定魔動機を作るため協力体制にある研究者達に協力を求めた。

 

 

 

 

 

 

 手紙は出しておいたが信じる者は居るだろうか。人類は魔力を使う事は出来るが見る事が出来ない、魔力の濃度を感じる事も出来ないだろうし、難しいか?

 

 「放送では魔力の事についてはまだ伝えて無いわね」

 

 カミラが放送を見ながら言う。

 

 「混乱を避けるためか?もしこのまま希薄になるようなら、いずれ国民が使う魔動機や魔道具にも影響が出るはずだ。いつか必ず知られてしまうと思うが、それでも隠すのか?」

 

 「隠しきれなくなれば知らせるでしょうけど、今の時点では公開するつもりは無いようね」

 

 『知らせた所で国民は騒ぐだけで恐らく役に立ちませんからね』

 

 「騒ぎが起こるだけで何の解決も出来ないなら、言わない方がましだもの、気持ちはわかるわ」

 

 確かに知らせた所でどうにかなる訳では無い。大々的に魔力の使用を制限する時には情報を公開する事になると思うが、現時点では知らせても面倒が増えるだけな気はするな。

 

 ただ、人類の世界は誰かの閃きで一気に変わる事があるからな、どうにもならなくなったら情報を公開して広く意見を集めてみるのも良いかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 《次の情報です。先の戦争において大きな被害を引き起こした魔道戦略兵器や大型の魔道兵器を廃棄する事が四国間会議で正式に決定しました、先日各国の代表の連名で「世界の平和維持のために大きな破壊を生む兵器を廃棄する事を決定した」と発表しましたが……》

 

 「世界の平和のために、ねぇ……」

 

 放送を見ながら、裏の事情を知っているカミラは呆れたように呟いた。

 

 『起動しない魔道兵器の最後の使い道ですね』

 

 各国は全く起動しなくなった魔道戦略兵器や大型魔道兵器を廃棄する事を決定した。

 

 兵器を維持しているだけでも費用が掛かるという事もあるが、万が一にも動かなくなっている事が国民に知られる事が無いように処分してしまおうという思惑もある。

 

 世界平和のためと言う彼らの言葉も全くの嘘では無いだろうが、実際は証拠の隠滅だと思う。

 

 問題無いのか、元には戻らないのか、魔力の事がはっきりと分かるまでは気にしながら過ごそう。

 

 

 

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