主人公の能力と魔法の設定はあったのですが、なんか色々出来る、になっているかも。
何が出来て何が出来ないと考えるより、主人公がやる気になるかならないかで決めた方が楽そうなので、このままで。
この作品の注意事項
・作者の自己満足
・素人の作品
・主人公最強
・ご都合主義
・辻褄が合わないかもしれない設定
・注意事項が増える可能性
等が含まれます。
以上をご理解したうえでお読みください。
読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。
ギルドと商会の仕組みの定着と冒険者の誕生を見届けた私は再び旅に出ていた、結局あれから長い間同じ町に居たにも拘らず商会の皆に会う事は無かった。
それで何となく分かった事がある。
一度長く関わった人間には意味もなく関わる気がしない。
飽きてしまう……とは少し違うが、以前会った相手よりも新しい誰かの方が興味を引くようだ。
それに気が付いた時自分はやはり酷い奴なんだなと思わず笑った。
どれ程仲が良くなろうと興味を失えばそれまで……自分の身勝手さを感じながら旅をする中、立ち寄った場所である話を聞いた。
宗教だ。
クリミア教と言う宗教が各地に広まっているらしい、布施などを神に捧げる事で死後神の世界へ行けると言う事らしいが……。
なぜこんな妄言が信じられているんだ?
あまりにもおかしい。今まで出会った者達を見るとそんな事を信じる者がそこまで増えるとは思えないのだが……。
興味がわいた、行ってみるか。
こうして私はクリミア教本部のある神都テレミアに向かう事にした。
かなり賑わっているな。
中々に大きい町だ、何故か黒い服の人間が多い気がする……私も黒いワンピースだが。
「いらっしゃい」
私は町の食料品店に立ち寄り食料を買うついでに聞いてみた。
「この町は黒い服が多い様だがどういうことだ」
店員の女性は不思議そうに言う。
「ん?お嬢さんクリミア教の信徒じゃないのかい?」
なぜそうなる。
「どういうことだ?」
「お嬢さんは黒い服を着てるだけなんだね、クリミア教の信徒は黒い服を着るのさ……昔ここに降臨した神様が黒い服を着ていたらしくてね」
そう教えてくれる、なるほど神とやらに合わせている訳か。
「なるほど。教えてくれてありがとう」
「いいよ、こんなに買ってくれたしね」
店員にお礼を言って店を離れる、なぜこんなに信じられているのか教徒に聞いてみようか。
「ここが神が住んでいた神所です」
私はそのあたりの信徒に声をかけなぜそこまで信じているかを聞いた所、実際に神が住んでいた家が存在し今も奇跡に守られていると聞いた。
見学できるか聞いた所、問題無いようだったので案内されたのだが……。
「……これは」
「一見ただの家のように見えますが、いつまでも汚れる事が無く、何をしても傷一つ付きません!今の世界にこの様な魔法も技術も存在していません!これこそが神の技!神が存在した証明なのです!」
困惑する私をよそに説明に熱が入る信徒の男性、私は説明を聞き流しながら目の前の家を見ていた。
「ここはあの村だったのか」
ポツリとつぶやく……それは間違いなくかつて私がンミナ達と過ごした家だった。
あの家のせいか……。
私は宿を取り部屋で考える、確かにあれには私の維持魔法や防御魔法がかかっている。
今の魔法技術であろうと何であろうと私以外では恐らく破れる者は居ない。
単なる言葉だけならばまだしも、実際にああして今でも不可能な現象が起きていれば信じてもおかしくは無い。
昔はこの村で神として崇められていたが、まさかここまで規模が大きくなるとは……。
まあ放っておこうか、心の拠り所は必要だ。暫くこの町を見て回ったらまた旅を始めよう。
ん?なんだあいつらは。
町に滞在してから三日目の朝、町を歩いていた私は町の広場の中央にある高台に居る豪華な黒い服を着た男と、黒い服を着た少女を見つけた。
周りには信者である黒い服を着た者達が居り、普通の服を着た女性が跪いている。
「私は神の国に行きたいのですどうすればよいのでしょうか?」
跪いている女性が言う、神の国だと?
そう思っていると豪華な黒服の男が言う。
「神の言葉を聞き従えば貴女は死後神の国に誘われるでしょう……神の生まれ変わりである巫女様のお言葉を聞きなさい」
神の生まれ変わり?私は此処に居るのだが。
「はい……」
男の言葉に従う女性、宗教とはこのような物なのか……下らんな。
「神として命じる……汝は教祖たるこの男に……すべてを捧げなさい、さすれば神の国に導かれる……でしょう」
「はい……神よ」
巫女と呼ばれた少女の顔が見えた、彼女はそっくりではないが確かに彼女の面影があった、その顔は悲しそうだった。
「……ンミナ」
私はそう呟いた。
そう思い彼女を見ていると教祖と呼ばれた男が嫌らしい笑みを浮かべながら言う。
「神の言葉は届けられた……貴女は今夜私の所に来るのです、良いですね?」
「はい。身も心も全て教祖様に捧げます……」
女性はそう言うと、教団が用意したと思われる黒い馬車に乗り込んで連れていかれた。
私はその光景を見届けた後宿に戻った。
「彼女は悲しんでいた」
これは彼女に会いに行くか。
もしも嫌がる彼女に……私の巫女を利用しているのなら報いを受けて貰う。
彼女の居場所は分かる、夜にお邪魔しよう。
そしてその夜私は神殿の彼女の部屋に入り込んだ。
「っく……ひっく……」
彼女は泣いているようだ、私は身に着けていた剣やベルトを外し姿を現した。
「っ!?誰……?」
彼女は驚いたようだが私の姿を見ると話しかけてくる。
「私はクレリア・アーティアと言う、聞きたい事があってきたんだ」
私は優しく語り掛ける、彼女は戸惑っているが何故か騒いで助けを求めようとしない。
「あ、シルミア・アティ……です、クレリア・アーティアさんですか……何でしょうか……?」
戸惑うような表情をして聞いてくる彼女。
「シルミアか。シルミアは神の生まれ変わりなのか?」
「違います!私はただの巫女の家に生まれた人間です……」
そうだろうな。
「どうしてこんな事になっている?他の巫女はどうした?」
「それは関係のないあなたに貴女に話す訳には……」
何か決まりにでも縛られているのか、戸惑うシルミア。
「話して欲しい、ンミナの一族に辛い思いはさせたくは無い」
私の言葉を聞き目を見開くシルミア、暫くすると彼女は語り始めた。
魔法や技術が広まるにつれ扱いが悪くなっていった事、利用されそうになる前に泣く泣くこの場所を捨てて逃げた事、自分達も逃げようと思っていたが寝ている所に忍び込まれ捕らえられた事、母親の命と引き換えに教団の巫女として働く事を強制された事。
「なるほどな」
「ひっ!?」
体から霧が出るのは抑えたが髪がなびき始める、昔よりは抑えられたがどうもイラつくとダメだな。
「悪かった、怖がらせるつもりは無いんだ」
「平気です……あの貴女は……」
どうするか……今私がその神と言われていたと言って信じて貰えるのか?
「信じないだろうが、私が神と呼ばれていたクレリア・アーティアだ」
黙ってしまうシルミア。
「一つお答えください」
そう言うシルミア。
「なんだ?」
「ンミナ様は貴女にとってどんな方でしたか?」
それは決まっているあの時、彼女に伝えた気持ちは変わっていない。
「ンミナは私にとって初めて心を許した人間であり、姉であり、妹であり……母親だ」
それを聞いた彼女は私に跪いて首を垂れる。
「……おかえりなさいませクレリア様」
お前達の一族は今も私を敬ってくれるのだな……だが間違っているな。
「シルミア、今はそうでは無いぞ」
顔を上げて私を見る彼女、そんな彼女に両腕を開いて待つ私。
「あ、あの……クレリア様?」
黙って待つ私、彼女は戸惑いながらも私に抱き着く、私は彼女を抱きしめる。
「ただいま私の巫女、私の娘……お前と母親は私が救ってやる」
「クレリア……様」
私の胸で泣くシルミア、しばらく彼女の泣き声を聞いていた。
「さて、まずは母親を救おうか」
泣き止んだシルミアに話しかける。
「でも私は居場所を知らないのです」
そう言う彼女だが。
「私を誰だと思っているのだ」
すぐに彼女の母親を探し出す、普段はこんな事はしないが今は別だ。
「お前の母親を救いに行く。お前はここで大人しく待っていろ」
「はい」
そう答える彼女を残し、姿を消し母親のいる地下へ向かう。
見張りは居たが消えている私には関係ない、そのまま地下に下りる。
その先にあったのはずらりと並んだ牢屋の様な部屋だった、幸いと言うべきか、彼女の母親以外は居ないようだ。
「良いとは言えない状態だな」
見つけた彼女は寝ていたが、体は弱り始めていた。
「まずは回復だな」
回復させ目覚めさせる。
「ん……あれ、体が……」
起きた彼女は体が楽な事に気が付いたのか声を上げる。
「目が覚めたか……さっさと抜け出すぞ」
「えっ?」
彼女をつかみシルミアの部屋に転移する。
「ふぇ?」
「お母さん!」
可愛らしい戸惑いの声を上げる母親と母親に抱き着くシルミア、私は訳も分からず娘を撫でる母親と泣きながら抱き着くシルミアの姿を見ていた。
「クレリア様……」
「無事でよかった、私の巫女……私の娘」
シルミアの母親、クレア・アティを抱きしめる。
私があの神である事を始めは信じられないようだったがンミナに言ったあの言葉で信用された。
どうやら私とンミナの主従の様な家族の様な関係と、死に際のやり取りは記録に残っており、厳重に隠し守られ代々巫女と巫女候補達しか読む事が出来ないらしいな。
それを巫女ではない私が一言一句間違えずに言える事が信じる根拠だったらしい。
まあ他にも転移したり髪が動いたりあっさりクレアを救ったりと、根拠はあったらしいが。
「クレリア様この後の事ですが……」
「まずはお前達が二度とこんな事にならないようにする」
私の巫女達に手を出したことを後悔させてやろう。
その後、私は彼女達を連れて広場に神として名乗りを上げ堂々と降臨し、巫女とは神に仕える者であり生まれ変わりでも代弁者でも無い事を町中の者に魔法で響き渡らせた。
私腹を肥やしていた者達は私の前に引きずり出し、多くの信者と町人が呆然と見守る中、消し飛んでもらった。
町の者達は信者もそうでない者もひれ伏し、神の怒りに身を震わせ許しを請い、大騒ぎとなった。
この騒ぎは長く続いたが私は後をアティ母娘に任せて身を隠した。
泣く泣く逃げた巫女達も戻り、これでふざけた宗教は無くなるだろうと思っていたのだが。
「どうしてこうなったのだ?」
「私には何とも……」
姿を隠して一年、テレミアの付近に身を隠したままクレアとシルミアの報告を聞いた私は聞き返す。
クレアが言うには、あの時ハッキリと名と姿、そしてその力を見せてしまった事で、本当に神が居たと町の全員が崇めるようになってしまいその時共に居たアティ母娘が神に選ばれた使徒として認識されてしまった。
宗教的にはまったく無くなっておらず、それどころか一気に信者が増えてしまったらしい。
「以前の様な私欲を満たすようなものでは無くなりましたが……」
クレアが苦笑いをしながら言う。
あの後各地で神に似た者を見た事があると次々報告があり、人に紛れ気まぐれに救いをもたらす自由を司る神であると認識され定着してしまった。
あれだけのやったのに恐怖の対象では無いのは無関係な者には一切罰が下されていないかららしい。
後悔は無い、奴らを許す気もなかったし我慢する気もない……が。
これは諦めるか。
姿を変えて過ごそうかと思ったが今の姿に愛着があるしな、この姿が一番だ。
目撃者や信者から記憶を消すことも不可能では無いだろう。
だが流石に数が多いしそこまでする気にならない、百年ほど身を隠していれば落ち着いて、また旅が出来るようになるだろう。
「クレリア様。私達はどういたしましょうか……?」
シルミアが聞いてくる。
「お前達が嫌でなければ……クレリア神教……この宗教が変な方向に行かないようにして欲しい」
後悔は無いがこの名前はな……自分の名前が付いた宗教があったら町で名乗りにくくなるではないか。
「分かりました。私達が見届けます」
二人は了承する。
「無理にやらなくても良いんだぞ?」
そう言うと、クレアが答える。
「いえ問題ありません。私達はすでに信徒から使徒と認識されているので」
そうか、そうだったな。
「巻き込んでしまったな」
「何も問題ありません。私達は生まれた時から貴女様の巫女なのですから」
クレアは微笑んで答える。
「ありがとう」
そう私が言うと、二人は一礼し、去って行った。
「しばらく人類の勢力圏外を旅するか」
そう決めて旅立った。
主人公を色々出来てしまう設定に変えたので、本気で動くとどんな問題も数行で解決してしまいます、それはお話にならないので主人公は気まぐれに動いたり動かなかったりします。