少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 作者が大変なので、どこの国の言語で話しているのかは地の文で出来るだけ分かるようにして、表記自体は全て日本語にします。

 追記:普段使っている言語以外は全て〖〗にして地の文と合わせてみます。

 見にくい、分かりにくいと言う意見があればまた変わる可能性があります。



092-04

 マネージャーと電話で話してから数日後。

 

 現在、私はPCの前で待機している。

 

 時刻は13時55分になった所だ。

 

 今日は14時から四期生によるクロスコード通話が行われる予定だ。

 

 私が3人を呼ぶ事になっているので、そろそろ呼び出しを開始しよう。

 

 

 

 

 

 

 「おはようございますー。猫目ネムをやっているナタリア・チェルニショワですー。ロシア人だけど日本語もこうして話せるよー」

 

 「白亜テラノをやっているベティ・オコンネルよ。アメリカ出身だけど私も日本語を話せるわ、よろしくね」

 

 「初めまして。神鳥フジミをやらせていただいています、宮内沙織と申します。日本人で、恥ずかしながら英語は苦手で日本語しか話せません……」

 

 全員を呼び出した後、デビュー時の配信順に自己紹介するように頼むと、三人はそれぞれ自己紹介をしてくれた。

 

 「お嬢様をやっているクレリアだ、生まれは日本では無いが日本人で、複数の言語を話せる」

 

 最後に私も自己紹介をした。

 

 「クレリアって……その名前だと色々と苦労したんじゃない?」

 

 ベティが私の名前と声に反応し、尋ねて来る。

 

 「面倒くさそうだよねー」

 

 ナタリアも同様に名前に反応をした。

 

 一応アイドルのクレリアの事は知っているようだ。

 

 「当時を知っている世代は勿論、若い世代にも彼女のファンは居ますからね」

 

 沙織も二人に続くようにアイドルのクレリアについて話す。

 

 事前に聞いていた内容から若い世代にはあまり知られていないと思っていたのだが、現在でも多少は知られているらしい。

 

 「特に問題は無かったな」

 

 私はそう答えた。

 

 「そうなの?」

 

 「直接会えば違うってすぐ分かるし、一時的に話題になるだけかもねー」

 

 「本当に本人だと判明したらもっと大騒ぎになるでしょうね。引退後に姿を見た人は一人も居ないんですから」

 

 私の回答に対し、彼女達からそれぞれ反応が帰って来る。

 

 「話は変わるけど……クレリアさんは複数の言語を話せるって言ったわよね?どれくらい話せるの?」

 

 突然、ベティが私にそう尋ねて来た。

 

 「恐らく、地球上に存在する人類の言語は全て話せると思う」

 

 「あっはっは!それは凄いわね!」

 

 笑いながら楽しそうに言うベティだが、何となく本気にしていないように感じる。

 

 言い直しておくか。

 

 「取り敢えず主要な言語は全て話せる」

 

 〖……ねえねえクレリアさん、ロシア語は話せるの?〗

 

 ベティと話していると、ナタリアがロシア語で私に問いかけて来る。

 

 〖ロシア語はこの通り話せる、英語も勿論問題無い〗

 

 私は前半をロシア語、後半を英語で答えた。

 

 〖おお、やるねー!全く違和感が無いよ〗

 

 〖本当に話せるのね。綺麗な発音で凄く聞き取りやすいわ〗

 

 その答えを聞いたナタリアとベティはそれぞれの母国語で感心したように声を上げた。

 

 「あの、私はロシア語が分かりませんし……英語もネイティブだと何を言っているか全く分からないので……仲間外れにしないで日本語で話して欲しいです……」

 

 私達の会話を聞いていた沙織が寂しそうな声を上げた。

 

 「あ……ごめんね?彼女が本当に話せるか試したくなっちゃってー」

 

 「私もつい英語で答えちゃったわ」

 

 そんな沙織に、ナタリアとベティが日本語で答える。

 

 「私がある程度話せる事は分かっただろう?ここからは日本語で話そう」

 

 私も日本語で二人にそう提案する。

 

 「はーい」

 

 「そうしましょ」

 

 「うぅ……もっと勉強しておくんでした。いえ、今からでも遅くは……」

 

 沙織はそう呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 その後、当たり障りの無い会話をしている内に、僅かだが彼女達の事が分かって来た。

 

 三人の会話を聞きながら、私は今までの会話から感じた彼女達の印象について考える。

 

 ナタリア・チェルニショワは少しのんびりとした女性の様だ。

 

 初配信でも寝坊してマネージャーに起こされていたからな。

 

 ベティ・オコンネルは少し大雑把で大胆な印象を受けた。

 

 言葉使いがたまに荒くなる事や、その反応から強気な女性だと感じるが、所々私達を気遣う言葉を発していたので悪い印象は無いな。

 

 宮内沙織は優しく穏やかな印象を受ける。

 

 柔らかい声で話し、誰にでも丁寧語で話すのは癖だと語っていた。

 

 私が三人の事を考えている間も会話は続いているが、雰囲気は悪くないと思う。

 

 内心は実際に会わなければ分からないが、ある程度仲は深まったと考えて良いだろう。

 

 「その内コラボしたいねー」

 

 「そうですね、是非ご一緒したいです」

 

 「難しい事では無いみたいだし、その内やりましょうか」

 

 これから先、バーチャルニュウチューバーを続けるのなら間違い無く行う事になるだろうな。

 

 私はそう思いながら彼女達の会話を聞く。

 

 「まずは収益化とメンバーシップ解禁を目標に頑張りましょうか」

 

 「稼げるようになればこれだけで食べて行けるけど、なかなか大変そうだよー」

 

 「これだけで食べて行くにはそれなりの数字を出さないと難しいでしょうね」

 

 「これから人気を得るのは難しいかなぁー?」

 

 「ブイチュバーの市場は年々大きくなっていますし、私の予想ですがまだまだ規模は拡大すると思います。上手く行くかは分かりませんが……私達はかなり良い時期に始めたと思いますよ?」

 

 そうなのか。

 

 その辺りの事は全く気にしていなかったな。

 

 「取り敢えず……視聴者の皆から反感を買うような事や社会的に問題のある事は避けた方が良いわね」

 

 「当然だよねー」

 

 「そうですね……あれ?……クレリアさんいますよね?」

 

 沙織が会話に参加していない私に気が付いたようだ。

 

 「いるぞ」

 

 「良かった……しばらく話していませんが、何か考え事ですか?」

 

 「私は自分で何かをする事も嫌いでは無いが、何かをしている者達を見ているのが好きでな……今もお前達の会話を聞いて楽しんでいた」

 

 娘達や友人達が遊んでいるのをただ見ている、という事もよくある。

 

 「ああ、人間観察ってやつ?」

 

 「あはは、観察されてたかー」

 

 そうベティとナタリアが言うが、その声に嫌悪感は無い様に聞こえる。

 

 「クレリアさん、あの……お聞きしたい事があるんですが、良いでしょうか?」

 

 不意に沙織が私に声をかけて来た。

 

 「何だ?」

 

 「失礼を承知でお聞きするのですが……クレリアさんの御年齢が50歳というのは……?」

 

 他の二人は口を挟む事無く沈黙を保っている。

 

 「本当だ」

 

 現在の人間としての年齢は50歳で間違い無い。

 

 「……申し訳ありません。こういった活動に年齢など関係無いと分かっているのですが……その、声がとても若々しく美しいので、何かの間違いなのでは無いかと思いまして……」

 

 「少女みたいな声してるし、言われなきゃ信じられないよねー」

 

 「……私も50歳は誤表記で、本当は年下だと思ってたわ。でも……少女の声と年齢による落ち着きが合わさったその声は、お嬢様の設定に合ってるんじゃないかしら」

 

 「私は配信外ではクレリアさんに対して敬語を使うべきだと思いますが……お二人はどうですか?」

 

 沙織がそんな事を言うがその辺りはどうでもいいな。

 

 「あー、その方が良いかぁ……」

 

 「私は敬語を使うべき相手は選ぶようにしてるけど」

 

 これは言っておくか。

 

 「話し方は好きにすると良い」

 

 「そう?じゃあこのままで話させて貰うけど……後で何か言われても変えないわよ?」

 

 そう言うベティに私は答える。

 

 「敬語は私も使わないからな、他者に強制する気は無い」

 

 「じゃあ私もこのままでお願いー」

 

 「私は普段から敬語なので……申し訳ありませんが、このままで……」

 

 「沙織、私は敬語で話される事を嫌っている訳では無く、ただ自由に話して貰いたいだけだ。気にする事は無い」

 

 私は申し訳なさそうな声を出す彼女にそう言っておく。

 

 実際、言葉よりも向けられている感情で判断する事が多いからな。

 

 「そうですか、よかった……」

 

 「敬語で話されて嫌がる人はあまり居ないと思うわよ?」

 

 「そうそう、沙織は気にしすぎだよー」

 

 安堵した様に言う彼女に二人が声をかける。

 

 「……ありがとうございます」

 

 そんな二人に、沙織は少し恥ずかしそうな声で礼を言った。

 

 

 

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