少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 現在、他の方の小説を読んでいてあまり自分の小説が進んでおりません。

 書く意欲や、ネタが無くなった訳では無いので書かなくなる事は無いと思いますが、書き溜めに追いついてしまった場合は一週間以上間隔が空く事になると思います。

 ご了承ください。





093-02

 瞳との会話の翌日。

 

 私は遅延無く、2038年最初の配信を開始した。

 

 今日は「ファランクス・アルファ」というゲームをプレイする予定だ。

 

 このゲームはバトルロイヤルFPSと言われる物で、100人のプレイヤーがフィールドの物資を集めながら生き残るサバイバルゲームらしい。

 

 「おはよう人類達、お嬢様だ。今日から配信を再開する」

 

 

 :あけましておめでとうございます!

 

 :今年最初の配信!

 

 :待っていました!お嬢様!

 

 :ファランクスだー!

 

 :お嬢のFPSの腕はいかほどか

 

 :上手いような気がする

 

 :お嬢はスペック高いからな

 

 

 視聴者達の反応は以前と全く変わらず、ネット上の噂に触れる者も居ないようだな。

 

 「タイトルにある通り、今日はファランクス・アルファを初見プレイする」

 

 

 :良い武器を取れるかが鍵か?

 

 :プレイヤースキルと立ち回りがかなりの比率を占めるゲームだから上手ければハンドガンでも行ける事がある

 

 :威力は減衰するし弾も落ちるからハンドガンだと厳しいな

 

 :アタッチメントの組み合わせも重要

 

 :焦ると当たらないんだよなぁ……

 

 

 次々とゲームに関する情報がコメントされて行く。

 

 その様子を見ながらゲームを開始すると、説明が始まった。

 

 

 :これが入るって事は本当に初見だな

 

 :一度でもやってると出ないからなこれ

 

 

 「チュートリアルステージをプレイするから待っていてくれ」

 

 視聴者達に向けてそう言いながらマップに移動し、ゲームの操作方法を実践する事になった。

 

 ふむ……ジャンプ中にも自由に照準出来るのか。

 

 別のプレイヤーからは垂直ジャンプ中に突然回転し始めている様子が見えているのではないだろうか。

 

 

 :これやって一通り覚えとけば問題無いよ

 

 :操作は今までのFPSと大して変わらないからな

 

 

 私はコメントを確認しながらチュートリアルを行い、操作を把握して行く。

 

 コメントにあった通り、基本的な部分は殆どがバトルグラウンドなどの他のFPSゲームと共通しているようだ。

 

 チュートリアルを進めていると1人から4人のプレイモードがあると説明があった。

 

 「4人迄なら好きな人数でチームを組めるのか」

 

 私がそう口にすると、視聴者が反応する。

 

 

 :お嬢様本当に完全所見だったんだなw

 

 :チームを今知ったのかw

 

 :事前にそれ位は調べてると思ってた

 

 

 「今日は一人でやるが、後でボイスチャットを使ってチームプレイも行うかも知れない」

 

 

 :お嬢とやりたいけどランダムだとマッチしないだろうな

 

 :視聴者とやる配信して欲しい

 

 :お嬢様がやるなら俺もまたやろうかな

 

 :強い人が仲間に居ればある程度勝てるけど油断してるとそれでもあっさり負けるよね

 

 :狙撃とか遠すぎて分からんからな

 

 :見えない訳じゃないけどプレイ中に気付くのはかなり難しい

 

 

 配信を見ている者達と共にプレイするのも悪くはないな。

 

 「その内、視聴者のみが参加出来る配信を行うか」

 

 私がそう言うと、コメントが一気に流れる。

 

 

 :マジか!?

 

 :やったー!

 

 :リハビリしよ

 

 :参加したいけど倍率高そう

 

 :一瞬で埋まりそう

 

 

 コメントを見ながらチュートリアルを終え、一人でのプレイを開始した。

 

 航空機から降下地点を選び降下し、装備品を探すために近くのマンションに入る。

 

 他のプレイヤーも多く付近に降下しているからな。

 

 ハンドガンだけでも見つけておきたい所だ。

 

 

 :いきなりナルカ地区行ったw

 

 :初プレイで激戦区選ぶとかお嬢ついてねぇな……

 

 

 どうやら激戦区だったらしい。

 

 そう思いながら入った部屋には、ハンドガンと弾薬が落ちていた。

 

 そのハンドガンと弾薬を拾う途中、私は感度の調整を忘れていた事を思い出す。

 

 すぐに設定画面を開き、コントロールオプション選んで調整する。

 

 ……よし、これで良いだろう。

 

 全ての感度を最大に設定した私は、オプションを閉じてゲームに戻る。

 

 

 :お嬢!?感度最大はマズいよ!

 

 :全部マックスで草

 

 :プロでも全マックスは居ないと思うけど……?大丈夫なのかお嬢様……

 

 

 視聴者達から色々なコメントが来るが、最大でも遅いので問題は無い。

 

 少し操作し、どの程度の反応と速度なのかを確かめる。

 

 遅いが、こればかりは仕方の無い事だな。

 

 バトルグラウンドでも全て最大値にしていたが、どのゲームも最大感度はあまり変わらないようだ。

 

 調整を終え防具や回復キットなどを拾いながら探索するが、見つかった銃器はハンドガンのみ。

 

 無いよりは良いだろう。

 

 距離がある状況で銃器を持つ相手に近接武器で挑むのは避けたい。

 

 現実ならともかく、ゲームでは無理な物は無理だ。

 

 そう思いながら持ち物を整理していると、小さく足音が聞こえた。

 

 近づいてきているな……処理しておくか。

 

 そう判断した私は、音を出さないように迎撃に向かう。

 

 

 :ん?お嬢どうした?

 

 :何を警戒してるんだ?

 

 :誰か居るのかな?聞こえなかったけど

 

 :ヘッドホンだとかすかに聞こえるね

 

 :ようやく聞こえた。こっち来てるな

 

 :ハンドガンで行けるか?

 

 

 しばらく進み階段に差し掛かった所で、階下から上って来た敵の頭が見えた。

 

 私は即座に頭に照準を合わせ反動を制御しながら二発発砲し、処理する。

 

 

 :うおおおお!?

 

 :すげぇ!

 

 :頭ちょっとしか出てなかったのにぶち込んだw

 

 :凄すぎひん?

 

 :他のゲームで見た反射神経と動体視力を考えたら納得するしかない

 

 :超越者は伊達ではなかった……

 

 :マジか

 

 :全マックス設定であんな精密に動かせるもんなのか……?

 

 

 コメントで視聴者達が騒いでいるな。

 

 人類にはかなり早く見える筈なので、この反応は予想していた。

 

 私は周囲を素早く確認し相手の持ち物を漁る。

 

 発砲音を聞かれている可能性がある、手早く漁って離れた方が良いだろうな。

 

 ……ショットガンか、貰っておこう。

 

 手に入れたショットガンを装備した後ハンドガンに持ち替え、マンションを出る。

 

 

 :何でハンドガン装備してるの?

 

 :ショットガン使わないのか

 

 

 「出会い頭に密着するような状況にでもならない限り、ランダムに散ってしまう散弾よりハンドガンで頭を打ち抜いた方が確実で処理が速いと思う」

 

 私はコメントの疑問に答える。

 

 

 :あーそっか、あの反応速度とエイム力があったらその方が良いよな……

 

 :確かに至近距離ならショットガンで一発だけど自分が注意してれば早々そんな状況にはならないし確かにショットガンよりハンドガンの方が良いか?

 

 :そんな事一部の上位者しか出来ないんじゃないですかねぇ……

 

 :大会でプロの試合見た事あるけどお嬢様の方が凄い気がする……公式戦とか出てみない?

 

 :お嬢様は出来る、ただそれだけだ……

 

 :チート扱いされそうじゃね?

 

 :負けた奴等の誰かは絶対に言うと思う

 

 :初見です。想像以上に凄いプレイで惚れました

 

 

 何を言われようと構わないが疑いをかけられるのは面倒だな、この配信が終わったら対策しておこう。

 

 「その辺りは話を通しておく」

 

 そう言いながら周囲で争っている他のプレイヤーを見つけ出し、ハンドガンで処理して行く。

 

 

 :何か対策するの?

 

 :コメント読んで返事しながらどんどん他のプレイヤー殺してんの草

 

 :何でコメント読みながらあんな動き出来るんだよw

 

 

 処理した相手からアサルトライフルを手に入れた。

 

 これで更に戦いやすくなるな。

 

 「そろそろ移動を始めるぞ」

 

 行動範囲が狭くなる時間が迫っている為、私は放置されていた車で移動を始める。

 

 少し走ると、範囲が指定された。

 

 現在地が侵入禁止区域になったか、今の内に安全区域に移動しよう。

 

 

 :今の所は順調か?

 

 :アサルトライフルは手に入れたしアタッチメントが欲しいね

 

 :狙われないように上手く安全地帯に行こう

 

 

 移動中、遠くの山肌にスナイパーらしきプレイヤーを発見し、死角に入る様に車を走らせる。

 

 しばらく走り、安全区域に近づいた私は車を降りて徒歩で移動を始めた。

 

 

 :慎重なのは良い事だ

 

 :車は目立つからな

 

 :お嬢様ってプロゲーマーなの?

 

 :初見だって言ってるだろぉ!

 

 :そうかも知れないしそうじゃないかも知れない

 

 :んなこたぁどうでもいいんだよ!

 

 :お嬢はお嬢やぞ

 

 

 本当に初見だが、この動きでは疑われるか。

 

 

 

 

 

 

 その後、順調に生き残った私は最後の五人の中に残っている。

 

 

 :これは初見で優勝あるんじゃ?

 

 :今までの腕を見たら負けると思えない

 

 :他のFPSやってたのは間違い無いでしょ

 

 :超越者ゲーマーかw

 

 :能力が高すぎてヌルゲーに見える……本当は生き残るの大変なんだぞ……

 

 

 私の反応速度や操作技術は千穂と初めて遊んだ時と変わっていない。

 

 もしこれ以上の動きをするなら、ゲーム側の限界を引き上げなくてはならないだろうな。

 

 そう考えている僅かな時間で二人が脱落し、残るは私を入れて三人になった。

 

 

 :どこに居るんだろ?

 

 :音した辺りからはもう移動してるかもな

 

 

 草むらに伏せて隠れていると、画面の端にある木から僅かに銃の先端が見え……すぐに消える。

 

 一人は見つけた。

 

 が、もう一人は恐らく動かないだろう。

 

 出来ればある程度把握しておきたかったが……。

 

 

 :全然わからねえ……

 

 :もう下手に動けないし、時間切れギリギリにかけるしか無いな

 

 

 そのまま膠着状態が続き……やがて最後のエリア縮小が始まった。

 

 

 :さあ行けるか……

 

 :最後はあっという間に狭くなるから気を付けて!

 

 

 他の二人の動きは無いが、私は動かなければエリア外で敗北するな。

 

 私は限界だと判断し、草むらから飛び出した。

 

 その直後、迫るエリア縮小に追いやられたのか一人がすぐ近くの岩陰から。

 

 そしてもう一人が隠れていた木の陰から飛び出して来た。

 

 二人共私を見ている。

 

 どちらかだけでも別の相手を狙って欲しかったが、両方私が処理するしか無い。

 

 私は即座に岩陰から出て来たプレイヤーから離れるようにジャンプし、空中で頭を狙う。

 

 そして相手を仕留めた事を確認した後、空中でもう一人に方向転換し落下しながら最後の一人の頭部に発砲。

 

 伏せるキーを押しっぱなしにして着地と同時に伏せた直後、最後の一人がダウンし私の優勝が決まった。

 

 

 :勝ったあああぁぁ!?

 

 :最後の動き過ごすぎんだけど!?

 

 :マジスゲェ……なんだよ最後の

 

 :現役のプロゲーマーより凄くね?

 

 :最後の反応とエイムが神がかってた、本気で神業だわ……

 

 :おめでとおおおぉぉ!

 

 :これが超越者か……

 

 

 勝った直後、様々なコメントが一気に流れ始める。

 

 残っていた二人の力不足と、空中で回転出来る仕様に救われたな。

 

 二人とも世界上位の実力者の場合、一人は処理出来ても最後の一人には勝てなかったかも知れない。

 

 未だに流れ続けるコメントを横目に、私は次の試合を始めた。

 

 

 

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