全試合書くのは辛いのでカットです。
「くっ……私の負けよ」
テラノが悔しそうに言う。
あれから10レースを行い、テラノは全レースで良い順位に着けてはいたが、結局勝てたのは最初のレースだけだった。
:二人共お疲れ様!
:お嬢様いつ見ても凄くて笑うわ
:一位取りまくりw
:テラノの姐御も結構上手いのに初見で勝てるとは……
:いやいや、初見じゃなかっただけでしょ?
:白狼見て来い、もし初見じゃなくてもあれはおかしいから
:ソングラッシュも見ておくとお嬢様のヤバさに慣れる事が出来るぞ!
「みんなありがとう。お嬢様の上手さは知ってたんだけど、改めて思い知ったわ……」
「テラノはこのゲームが上手い方なのか?」
私はコメントを見て、彼女の実力が全体のどの辺りなのかを聞いてみる。
:煽ってるように聞こえるw
:ただ気になっただけなんだろうけどこのタイミングは草
「んー……真ん中辺りだと思うわ」
少し考えた後、彼女はそう答えた。
「なるほど、まだまだ上がいるんだな」
:嘘つきw
:姐御はランキングに入りかけてる実力者だぞw
「コメントではこういっているが、実際はどうなんだ?」
レースが終わったので、私は配信画面を見ている。
そこに流れるコメントを見て、私はテラノに聞いた。
「んー、下手だとは思ってないけどあんまり自覚無いのよね」
彼女は少し困った様な言い方で答えた。
「今までの経験から、どんなゲームでも上位の者達は中々良い動きをすると考えているのだが……マニオカートもそうなのか?」
私は彼女に問う。
「そうねぇ……世界の上位に居る一握りの人達はお嬢様に近いかも。配信で世界5位……4位だったかな?その辺りの人と当たった事があるけど今日みたいな結果だったわ」
:あー……あの時か、確かに同じ位の差がついてるね
:あれ?ちょっと待って?俺がおかしいのかな……今日始めてやったお嬢様と世界5位、4位?の人が同じ位だって言ってるように聞こえる
:そっか、そうとも言えるのか
:どういう事なの……?
:俺にもそう聞こえた
:おかしいよね?
:お嬢様は超越者だから……
「初めてのマニオカートはどうだった?お嬢様?」
困惑するコメントを無視し、テラノが私に感想を求めて来る。
「中々楽しめた。このゲームはアイテム等のシステムを導入する事によって各プレイヤーの実力をある程度反映しつつ、実力差があってもある程度争う事が出来るようになっている、と感じたな」
私はプレイした感想を答える。
プレイ中、トップや先頭集団がある程度後続と差をつける事はあった。
だが後続のプレイヤー達……今回の場合は私達以外NPCだが、彼等が使用するアイテムの全体効果に巻き込まれたり、有効なアイテムが多く手に入る事で一定以上の差がつきにくい。
実際にトップを走る私は頻繁に全体効果に邪魔されたし、アイテムの引きも悪かった。
:大体お嬢様の言う通り
:元々は友達同士で集まって遊ぶパーティーゲームだしね
:上位が潰し合って下位が優勝する事もあるからなぁ
「そうね、コメントにもあるけど大体お嬢様の言った通りだと思うわ。元々、上手い下手関係無く誰でも楽しめるように作られてるのが売りで、他のプレイヤーの動き次第ではあるけどかなりの実力差があってもいい勝負が出来るみたい」
「確かに、全プレイヤーに影響のある攻撃などは基本的に避けられないし、他の攻撃も絶対に避けられない状況が存在しているようだからな。全員にある程度の勝ち目があるように作られているのは良い調整だと思う」
他プレイヤーからの攻撃はアイテムを防御に使う事で回避出来る物もあるが、防御に使用出来るアイテムを所持していなければ回避は難しい。
地形を利用する手もあるが、常出来る事では無いだろう。
そして一部の全体に効果を及ぼすアイテムは通常のアイテムでは防ぐ事が出来ず、防ぐには無敵になるアイテムを始めとしたいくつかの回避可能なアイテムが必要だ。
だが、それらは滅多に出現しない。
更に上位に行くほど強力なアイテムの出現率が下がり、下位になるほど出現率が上がる。
こうしてバランスを取る事で、実力差をある程度緩和する。
やり過ぎればゲーム自体がつまらなくなりそうな内容だが、このゲームは丁度良い調整がされていると感じる。
「配信向きのゲームよね」
「そうだな」
彼女の言葉に私は同意した。
:しかしテラノの姐御は負けてしまったのだ……
:罰ゲーム!罰ゲーム!
:激辛焼きそば配信決定w
「はいはい、分かってるわよ……そのうち激辛焼きそば配信やるわ」
罰ゲームを望むコメントに、彼女は少し悔しそうな声で返す。
:負けて機嫌悪いw
:初心者に負けたら悔しいよな
:お嬢様がおかしいだけだから元気出して?
:お嬢はあれが普通だぞ
「また別の何かで勝負しましょ?負けっぱなしなんて嫌だし」
強気な声でテラノが言う。
「いいぞ」
現在の人類では勝ち目がほぼ無いゲームもあると思うが、やりたいと言うのなら断る気は無い。
:別ゲーで再戦決定か!
:また見るよ
:お嬢のプレイ見ると勝てる気しないんだよなぁ……
「次はお嬢様が何やるか決める?」
テラノが私にそう聞いて来る。
「私はなんでも構わない、お前の得意なゲームを選ぶと良い」
「そう、じゃあやるときはまた私が決めるわね」
:姐御のリベンジ配信楽しみにしてる
:また負ける気がする
:テラノさん、運が大きく絡む物を選べば希望がありますよ
「さて、そろそろ終わりましょうか?」
「そうだな」
テラノの言葉に私が返事を返すと、彼女は最後の挨拶に入る。
「今日は見てくれてありがとう。チャンネル登録と高評価はしていきなさいよ?お嬢様のチャンネルリンクは概要欄にあるからそっちもよろしくね」
:もう登録してますw
:お疲れ
:登録したよー
:お嬢の方も見てみるわ
:面白かった!またねー!
「お嬢様は最後に何かある?」
「無い」
テラノが私に聞いて来たが、特に言う事は無いのでそう答えておく。
:草
:無いのかw
:超越者は登録や高評価など気にしないのだ……
:なんか言えw
「じゃあ今日の配信はここまで!今度も見なさいよ?バイバーイ!」
:バイバーイ!
:お嬢ホントに何も言わねぇw
:お疲れ様ー!
:次も待ってる
こうして、テラノとお嬢様の初コラボは終了した。
配信を終了した私達は、ブイライブメンバー用のクロスコードで会話を続けている。
「お疲れ様、今日はありがとう」
通常の話し方に戻ったベティが言う。
「私も中々楽しめた、ありがとう」
「楽しかったわ、またやりましょ」
「という事は、配信で勝負するのは決定で良いのか?」
まずは確認をしておく。
「クレリアがいいならやりたいわね」
「問題無い、またやろう」
「良かった、次はどうする?」
「どうする、とは?」
「二人で決めるのかどちらかが決めるのか、今決めちゃうか後でまた話し合うのか、と言う話ね」
……ん?
「ベティが決める事になっていただろう?」
私は彼女に確認する。
「あれは、配信上の事だからね」
配信ではそう言ったが、本心では話し合って決めたいという事か?
「好きにしていいぞ」
「いいの?」
「報告さえしてくれればそれでも構わない。それと、私が必要な時は声をかけてくれ、押し付ける気は無いからな」
「ん、分かったわ。じゃあ私が決めるけど……何かあったら本当に連絡するわよ?」
「構わない」
彼女が念を押す様に聞いて来るのは、私が本当にそう思っている事が分からないからだろうな。
【クレリアの娘?】お嬢様について語ろうぜ【そっくりさん?】
493:無名の視聴者
実際どうなん?
494:無名の視聴者
俺は娘説あると思う
495:無名の視聴者
声はそっくり
というか本人にしか聞こえない
496:無名の視聴者
まあ子供だとして、子供ってそんなに声似るもんなの?
497:無名の視聴者
似る
昔親父の会社の同僚から家に電話かかって来た時俺が出たんだけど俺を親父と間違えて仕事の話された
498:無名の視聴者
マジかw
499:無名の視聴者
そんな似てるんかw
500:無名の視聴者
今更バーチャルニュウチューバーになるか?本人はもう50歳超えてるよな?
501:無名の視聴者
年齢の事を言うのはヤメロ
502:無名の視聴者
あの感じはクレリア様っぽいんだよなぁ……
503:無名の視聴者
だから娘なんじゃないかと考えてる
504:無名の視聴者
娘が居るなら幸せになったのかな
安心した
505:無名の視聴者
恋愛に興味無いって言ってたよな
嘘ついてるとは思えないんだけど
506:無名の視聴者
恋愛に興味は無いけど子供には興味あったとか?
507:無名の視聴者
相手はロリコンだな
というか羨ましすぎる
508:無名の視聴者
それな
相手を〇したい
509:無名の視聴者
落ち着けよロリコン共
510:無名の視聴者
ロリコンじゃないだろ!もう50歳超えてんだぞ!
511:無名の視聴者
デビュー時の公開年齢が正しければな
あの見た目で成人って事がおかしい
512:無名の視聴者
子供が成長したら絶対子供の方が年上に見えるよな
513:無名の視聴者
絶対そうなるだろ
514:無名の視聴者
でも娘だったら応援しようかな
515:無名の視聴者
ファンなのはクレリアだけど、娘なら応援する
516:無名の視聴者
もし本人だったら?
517:無名の視聴者
世界中のファンが喜ぶ!