少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 この作品の注意事項

・作者の自己満足

・素人の作品

・主人公最強

・ご都合主義

・辻褄が合わないかもしれない設定

・注意事項が増える可能性

 等が含まれます。

 以上をご理解したうえでお読みください。

 読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。





021-03

 

 森人達からゴレム研究の参加を許され、研究する訳だが……一般的な住宅でやるのは問題がありそうだ。

 

 エルフィ達と別れた私は家に向かいながら研究室を作ろうと考えていた。

 

 地下に作るのが手っ取り早いか?

 

 家に着いた私はモー乳を一杯飲むと、地下研究室の作製に取り掛かった。

 

 研究室と言っても魔法の場合邪魔な物が無い広い空間があれば大抵どうにかなる。

 

 地下なら秘匿もしやすいしな、エルフィ達が死なない様に空調にも気を付けておこう。

 

 入り口の床を見つからないように偽装すれば完成だ。

 

 よし……研究開始だ。

 

 

 

 

 

 

 研究を始めて半年、現在私は家に来たエルフィとリビングのソファに座り話している。

 

 「一つの魔法で誰にでも使えるというのは不可能だと思う。少なくとも今の私には出来ないな」

 

 誰にでも使える様に試行錯誤した結果、私が出した結論はこれだった。

 

 「やっぱり無理よね。無理なのは分かっていたけれど……」

 

 彼女は苦笑いする。言葉ではそう言っているが私ならもしかしたらと思っていたのかもしれない。

 

 あくまでも今の私には不可能と言う事だが。

 

 私が使うなら良いが他の者が使える魔法となると難しい、彼女達と私では差があり過ぎる。

 

 既に私が使えるゴレム魔法は出来ている。

 

 私でなければ恐らく発動しない魔法だが、魔法金属のゴレムを色々な姿で作れるようになっている。

 

 私はこれを元に彼女達が使える様にしようと思っている。

 

 目の前で考え込んでいるエルフィを見ながら私は言う。

 

 「魔力と技量ごとにランクを付けて作ろうと思うんだがどう思う?」

 

 「ランク付け……」

 

 「これなら一応誰にでも使えると思う。上位の魔法でなければ戦力にはならないかもしれないが」

 

 「どのような物なの?」

 

 エルフィは私に聞いてくる。

 

 「一番簡単な物は詠唱を使い小さな土人形を作る物になると思う。そこから大きさや素材などによってランクを上げていく」

 

 彼女は頷く、私はさらに説明を続ける。

 

 「もちろん簡単な詠唱で強力なゴレムが作れればそれにこした事は無いが、大きく強力にすればするほど魔力と技術が必要になるのは変えられない」

 

 「なるほど……」 

 

 しきりに頷きながら呟く彼女。

 

 「この方向で作ってみようと思うが、どうだ?」

 

 「……良いと思うわ」

 

 彼女は何かを考えるような様子で返事をする。

 

 この後に人型である必要はあるのかと言う話もしたが、自分達と似た形の方が難易度が下がるらしく、人型に落ち着いた。

 

 私はそんな事は感じなかったが……私は姿を変えられるからか?昔練習で変わっていた事が影響しているのかもな。

 

 

 

 

 

 

 更に二か月後。エルフィと時折一緒にやって来る森人達と共に研究を進めた結果難易度ごとにランク分けして魔法を作ったのだが……。

 

 「駄目か」

 

 今私達は地下の実験場でゴレム作製の実験をしている。

 

 「ええ……私では無理ね」

 

 魔法を制御出来なかったエルフィが残念そうに言う。

 

 中位ランクの中の中位である鉄ゴレムはエルフィには使えなかった。

 

 彼女は森人達の女王なだけあって森人達の中でも実力は高い方なのだが……。

 

 彼女が使えないという事は大半の者が使えないと言う事だ、これでは駄目だな。

 

 「今使えるゴレムでも十分よ。森人達の弱点である近接戦闘を十分補助してくれると思うわ」

 

 彼女は成功した大型の銅ゴレムを見て言う、目線の先には寸胴の大きな青銅の魔法人形が佇んでいる、見た目は人の形に似た青銅の塊だ。

 

 製作者の指示を守ると言う部分はすで上手く行っている。簡単な物だけだが戦うなら十分だ。

 

 私が作ったゴレムは少しだけ複雑な事も可能だが……あくまでも少しだけだ。

 

 これ以上を望むなら、それこそ魂を宿らせる位はしなくてはならないだろう。

 

 「もう少し何とかならないか試してみたい、いいか?」

 

 「それは構わないけど無理しないようにね?」

 

 心配そうに私を見る彼女。かなり無理をしていると思われているな、普通なら無理しているのかもしれないが私だからな。

 

 「大丈夫だ無理はしていない」

 

 それから少しの間雑談した後、エルフィは帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 更に三か月後。

 

 私は正式名称「ゴレム製作補助魔道具」を作り上げた。

 

 名前が長いため普段は「核」と呼んでいる。

 

 核は素材を変えても作動するので脆く作る事も堅く作る事も出来る。

 

 そしてこの核を基礎にしてゴレムを作ってもらった。

 

 「出来た……鉄のゴレムが出来たわ……」

 

 実験場で出来た三メートル程の鉄のゴレムを見てエルフィが嬉しそうに呟いた、現在は鉄が限界だが鉄まで作れれば流石に遅れはとらないと思う。

 

 「これなら早々遅れはとらないだろう、魔道具が必要になってしまった事とそれでも一部の者にしか使えないという欠点が残ってしまったが……」

 

 「何を言うの。十分だわ……恩だけが増えていっちゃうわね……」

 

 申し訳なさそうな顔の彼女。

 

 「ゴレムを思いついたのはお前達だ。研究も楽しかった、恩など感じる必要は無い」

 

 「でも……うん、ありがとう」

 

 戸惑った彼女だったが僅かに考える仕草を見せた後、微笑んで礼を言って来た。

 

 それでいい。

 

 「でも……この核……ゴレム製作補助魔道具……だったかしら?なんで脆く作れるようにしたの?」

 

 不思議そうな顔をするエルフィが尋ねる。

 

 「それは出来るだけ奪われるのを防ぐためだ」

 

 「……あっ」

 

 エルフィは何かに気付いたように声を上げ私に言う。

 

 「戦いに敗れたゴレムから核を取られない様にする為ね?」

 

 「そうだ。敵が知性の無い魔物ならともかく……他種族と争うことになった時、核が奪われれば技術が流出する」

 

 真剣な表情で私の言葉を聞く彼女。

 

 「だが良い事だけではない。核が脆いと言う事は弱点になる……核が使用されているゴレムは核が破壊されてしまえば機能を停止する。強力な戦力になりえる中位のゴレムにわざわざ弱点を作るのかという問題が起きる」

 

 「確かにそうだけど……難しい問題だわ……」

 

 彼女は言葉通りの難しそうな顔をして言葉を洩らす。

 

 「更に仕様上、核はゴレムのほぼ中央にあるため知られると間違いなく狙われる事になる。こう並べて行くとまだまだ改善点があるが、難しいな」

 

 「そんな事無いわ……貴女は明言しないでしょうけど私達の実力がもっとあれば問題無かったのでしょう?」

 

 彼女は困ったように笑っていた。

 

 確かにそうなのだが……それをどうにかするのも私の目標だった。

 

 「それはともかく……ゴレムをどう使うかはエルフィ達次第だ。好きにすると良い」

 

 「誤魔化すの下手ねぇ……」

 

 彼女は笑いをこらえる様に言った、誤魔化す気は無い。

 

 こうして完成したゴレムは戦闘における歩兵としてこれから森人達の盾となっていくだろう。

 

 その一か月後にゴレムを使って建築している森人達を見て、戦闘に使う事しか考えていなかった事を反省した。

 

 

 

 

 

 

 こうしてそれぞれの国は領土を広げ、力を付けて行く。

 

 広がり続ければいずれ領土はぶつかる……その時どうなるか。

 

 その時を思いながら私はウルグラーデに帰るため歩き出した。

 

 

 


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