少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 前話もですが、話を思いつかなかった時は凄く短いです。

 この作品の注意事項

・作者の自己満足

・素人の作品

・主人公最強

・ご都合主義

・辻褄が合わないかもしれない設定

・注意事項が増える可能性

 等が含まれます。

 以上をご理解したうえでお読みください。

 読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。


003

 

 砂漠を探して飛ぶこと数日、高い高度から見ていると砂ばかりの土地を発見した。

 

 本当に砂ばかりだ……僅かに植物もあるが、いままでの土地とは大きく違う。そして気温も高いようだ。

 

 周囲が砂と岩だけになってからも更に飛び、だいぶ深くまで進んだ後家を建てる場所を探す。

 

 だが川や森は無く、ほとんど変わり映えしない風景ばかりだった。

 

 これは探すだけ無駄だと判断し、巨大な丘の上の岩場に家を建てる事にした。

 

 おなじみのリビング、キッチン、寝室、倉庫、そして風呂のある家だ、勿論目印も付けている。

 

 とりあえず家はこれでいいだろう。

 

 ここでの目的は第一に鉱石の発見、次にここで取れる食材や素材だな……同じ様に感知で見つける事は出来るだろう。発掘は魔法でどうにかなるだろうか?

 

 さて、色々と始める前にまずは温泉に入ろう。

 

 私は作りたての家に入りマジックボックスから温泉を浴槽に注ぎ準備する。それから服を霧散させて裸になり、湯で砂を流してから浸かった。

 

 気温は問題無いが砂のじゃりじゃりとした感触は意外と気持ち悪いな。

 

 これは何とかしたい、ひとまず風の魔法で自分を包めばいいか。

 

 私は風呂に浸かりながら魔法を作り始めた。

 

 

 

 

 

 

 私は風呂から上がった後、風の守り魔法を使ってみた。風の壁を周りに作り砂などを防ぐ魔法だ、外に出る時はかけておこう。

 

 ……家にも風の守りをかけておこう……家の中が砂まみれとかは嫌だ。

 

 家にも魔法をかけ外に出る……うん、家の周囲に砂は来ていないようだ。

 

 これから本格的に鉱石を探そう、見つかるといいが。

 

 

 

 

 

 

 現在私は砂地で鉱石を感知で探しながら歩いている。

 

 まだ探し始めてそれほど時間は経っていないが砂漠もそれなりに広そうだな。

 

 そう思いながら歩いていると、私からかなり離れた砂の中に大きく長い動く物が居るのを感じた。

 

 生物のようだが……反応がある辺りに向かっていくとその生物が私の方へと移動し始めた。

 

 地面が細かく振動している。

 

 地下からくるなら飛ぼうか。

 

 私が空中へ飛び上がった後、地中から何かが飛び出して来た。残念だが私はもう空中に居る。

 

 生物の正体は知識にあるミミズの様だったのだが……。

 

 ……大きいな。

 

 知識では手に乗るほどの大きさだったが、似ているだけで同じ生物では無いだろうからな。

 

 この生物は森に生えていた樹よりも太い、私ぐらいならまる飲みだろう。

 

 このほとんど何も無い土地でどうやってその大きさを維持してるんだ?

 

 まだ私の知らない何かがあるのかもしれない……それにミミズより私の方がおかしいかも知れないからな。

 

 ……美味いのだろうか。

 

 砂の上でうねっていた大きいミミズは届かないと分かったのか再び砂に潜ろうとする。

 

 逃がすつもりは無い。私の髪の刃はミミズの口のある頭のような部分を斬り飛ばす。

 

 ミミズは一瞬硬直すると砂の上に倒れ、その直後斬り飛ばした頭部が地面に落ちた。

 

 ……意外と肌触りが良いな。

 

 すぐに死体を回収したが、肌はさらさらとしていた。

 

 今日の食事はこいつだな。

 

 回収を終えた私は再び鉱石を探す。道中の棘の生えた植物も回収しつつ辺りをうろつく……そして。

 

 遂に地下に鉱石らしき反応を感じた。さほど深くはないな、土魔法で取り出せるか?

 

 私は土魔法でどうにかしようと魔法を使う。

 

 埋まっていたのは鉄鉱脈だった。私は魔法で鉱脈を丸ごと引きずり出し、鉱石だけを取り出して回収する事に成功した。

 

 これだけでかなりの量になったな……今回はこのぐらいで帰ろう、食事もしたいしな。

 

 

 

 

 

 

 家に帰って温泉に入り、ミミズの肉を少し切り分けて塩を振り焼く……匂いはそこまで悪くは無い。

 

 これは……駄目だな。

 

 一口食べて出た感想がこれだった。

 

 匂いは悪くないがぱさぱさしている上にじゃりっとしている。好みによるかもしれないが私は無理だ。

 

 生物全てが美味しい訳もないか。

 

 今まで悪くない味の物ばかりだったがもちろん不味い物だってあるだろう、今までが上手くいっていただけだ。

 

 この棘のある植物はどうだろう。

 

 これも食べてみよう。生でも食べられるだろうが、焼いてみる。

 

 「青臭い」

 

 思わず感想を口にした。

 

 これは私の好みには完全に合わない。この土地ではあまり美味しい物は見つからないかもしれないな。

 

 ……鉱石でも探しに行くか。

 

 少し残念に思いながら、魔法を使い再び外へ出た。

 

 先程とは別な方向に進み暫く経った時、また鉱石らしき反応があった。

 

 今度は何かな。

 

 魔法で鉱脈を引きずり出して鉱石を取り出す。これは……銅かな?そして銅鉱石を取り出していると何かが近づいてくる気配を感じた。

 

 ……今度は何だ?

 

 しばらく待っているとサソリのような生物が姿を現した。

 

 また大きいのか。

 

 またしても知識の姿よりはるかに大きかった、こいつは2メートルほどありそうだ。

 

 まあ大きくても結果は変わらないが。

 

 髪をある程度太くまとめ、頭らしき場所を一突き。綺麗に穴が開いた大きいサソリは動きが止まった。

 

 ん?まだ動いているな。

 

 収納しようと近づくと、全身が細かく震えていた。警戒し完全に動きが止まってから仕舞う。

 

 知識ではサソリは尻尾に毒があるようだが、もしこいつにもあったら取り分けておこう。

 

 一応これも味見はしておこうか。

 

 その後更に探し複数鉱脈を見つけたが鉄と銅だけだった、量は銅の方が少なかったな。

 

 しかしそれでもかなりの量を手に入れたと思う。当分はこれで十分だろう、帰って魔道具作りを始めよう。

 

 ……サソリの味見もしないとな。

 

 そう思いながら帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 家に到着した私はまずサソリを調理して食べた。

 

 表面の殻が少し硬いが味は悪くなかった。

 

 食事を終え魔道具作りに取り掛かろうと思うが、知識では鉱石はそのままでは使えず精錬など鉱石事に色々行う必要があるようなのだが、やり方が分からない。

 

 見た感じ余計な物が混じっているようには感じないのだが……知識の鉄より色がやや白っぽいが、問題無いのだろうか?

 

 先ずは暑い家を冷やす魔道具を作ろうと思う、私は暑くても問題無いが暖める物を作るのなら冷やす物も作りたい。

 

 しかし水では冷たさが足りない、魔法を作る所からだな。

 

 私は新しい魔法の開発を行った。

 

 

 

 

 

 

 冷却魔法と付けようか。

 

 この魔法は冷気を生む魔法だ。これを取ってきた鉱石に込めて見るとどうなるかやってみよう。

 

 石で試した火の魔法の時はいきなり溶けたからな、冷やすから鉱石が溶けたりはしないだろうが念の為じっくりやろう。

 

 鉄を手で持てる程度の大きさに魔法で丸め、冷却魔法をゆっくりと込めると表面が濡れてきた。

 

 これは冷えたからだな、知識にあったぞ。

 

 さて……まだ部屋の温度はあまり変わらない、もう少し込めてみようか。

 

 ……氷の塊になってしまった。

 

 次第に水滴が凍り始めて氷に覆われてしまった、しかし部屋の湿度も僅かに下がっているようだ。

 

 室温を下げる事には成功したなしかし……。

 

 知識にある道具達は魔法は使わず、自由に動作を止める事が出来る上に暖かくも涼しくもできるらしい。

 

 出来る事ならそれを目指したい。

 

 暖める事も考えると火の魔法より安定した魔法が欲しいな。

 

 いきなり溶ける可能性がある上にもともとは攻撃用の魔法だ。もっと抑えた物を用意しようと私は魔法を開発し始めた。

 

 私は加熱魔法を開発した。これは温める魔法だ、攻撃用ではない緩やかな温度上昇になるはず。

 

 魔力の出力を間違えたらこれでも危険かもしれないが。

 

 温度の上昇と低下を両立して更に任意に切り替え、停止もできる道具……か。

 

 何とか頭にある知識と新しく得た知識と魔法で上手く出来ない物か。錬金術までとはいかなそうだが時間がかかりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 金属を手に入れ、家にこもり魔道具作りに没頭した私は遂に魔道具を作る事に成功した。

 

 名前は……温度調整器でいいか。

 

 そのままだが分かりやすい方が良い、構造は知識にあった魔道機構に大いに頼る事になったが……。

 

 特定の模様を物体に刻んで魔力を流す事で魔法が発動するという物だ。

 

 多少覚えるのに時間がかかったが私の魔法も再現する事が出来た。模様を書くだけで発動する物もあるようだが魔法金属を溶かした物が必要なようで、今は用意出来なかった。

 

 いずれ手に入る事があったら使ってみたいな。

 

 話がそれてしまった。まず魔力を貯めておく金属を用意する、これは魔法ではなく魔力そのものを貯める物だ、これは鉄が一番よかった。

 

 それぞれの魔法が発動するように機構を刻んだ銅の板を用意する、球形を止めたのは重く材料が多くなる上に魔力消費と効果が釣り合わなかったから。

 

 板の数を増やせば効果がその分上がる、もちろん魔力消費も増える。

 

 それを細く加工した銅の紐で繋ぎ、切り替えるスイッチで制御する。

 

 加熱、冷却のそれぞれに合わせると魔力が流れ発動する、無効に合わせると作動しない。

 

 そして最後に送風だ、温まった、または冷えた空気を風魔法で送り出す。

 

 別スイッチになっているので必要な時に使う、これらの機構を魔法で加工した木の箱にいれている。

 

 ……今はこの辺りが限界か。

 

 この魔道具、効果はしっかりと出たがまだまだ魔力効率が悪く本体が大きい。マジックボックスがなかったら持ち歩けない。

 

 基本的には家などの拠点に置けばいいのだが、移動中の使用は持ち歩く手段がなければ無理かもしれない。

 

 取り敢えず家において冷却運転だな……。

 

 私の魔力を込めた鉄の塊から魔力が流れ機構が作動する、送風も使うと冷気が部屋に流れる。

 

 今はこれで満足しておこう。

 

 新たな素材や技術を使えるようになれば効率を上げたり小さくしたり出来るかも知れない。

 

 今まで特に気にしなかったがこうなると知識にあった魔法金属が気になる。

 

 貴重であるとあったので簡単には見つからないだろうな。

 

 魔法に錬金術、魔道具……いずれにしても形にした者は天才だな……努力もしたのだろうな。

 

 温泉に浸かりながら知識にある素晴らしい技術の開拓者を思う。

 

 最初から頭にあったこの知識達には恐らく発見者がいる事だろう。私もずいぶん助けられた。

 

 会う事は叶わないだろうが……同じように挑戦する者にこの先出会ったなら力になるのもいいかもな。

 

 いつか私も何かを無から生み出せるだろうか。

 

 

 

 

 

 

 温泉から上がり備忘録に全てを書き込み、考える。

 

 これで目的だった魔法、錬金術、魔道具製作を一通り行った、知識だけでなく実際に行い失敗を経験した。

 

 これからは自由に行動し、新しい発見や思い付きがあれば試してみよう。

 

 まずは海だ……海辺で過ごそう、きれいな海で島がいい。

 

 砂ばかりの土地はそろそろ飽きた、海は塩を取ったときに少しの間居ただけでその海も濁っていた。

 

 移動する前に鉱石を集めようかと思ったがあまり減っていない、失敗しても溶かして戻せるからだろう。

 

 温度調整器をもう一つ作って家に置いておこうか。

 

 

 

 

 

 

 数日後。太陽は真上にあるが砂嵐で薄暗い。

 

 温度調整器の片方をマジックボックスにしまい、もう一つを家に設置した。

 

 食料と薬を倉庫にある程度置き、出発の準備を整える。

 

 さて、海の綺麗な島を見つけようか。空に舞い上がり荒れた大地が嵐の隙間から眼下に見える……一番の脅威は砂のジャリジャリ感だったな。

 

 まずは適当に川を見つけて海に出る、その後綺麗な海と島を見つけるのだ。

 

 私は川を見つけるために加速した。

 

 

 


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