少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 この作品の注意事項

・作者の自己満足

・素人の作品

・主人公最強

・ご都合主義

・辻褄が合わないかもしれない設定

・注意事項が増える可能性

 等が含まれます。

 以上をご理解したうえでお読みください。

 読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。



022-03

 

 しばらく世界樹の元で毛蜘蛛とのんびりした後、ユグラドを離れ私は首都カルガを訪れた。

 

 久しぶりに周囲を散策しようと森へ入り、奥へとのんびり歩いていると一体の食い荒らされた大型獣の死体を見つけた。

 

 森をうろついていればこんな事はよくある、私は特に気にする事無く通り過ぎ離れようとしたが違和感を感じて立ち止まり、振り返る。

 

 おかしい。

 

 私は詳しく調べる為に死体と周囲を見渡す。

 

 死体がある場所は綺麗に草が生えていて周囲もまるで荒れていない、死体の状態からするとまだ死んで一週間も経っていないはずだ。

 

 なぜ抵抗の跡がないんだ?

 

 戦闘があったならもっとこの場は荒れているはずだ。

 

 どこかで殺して持って来た可能性もあるがこの場所にわざわざ持ってくる理由があるとは思えないし、引きずったような跡も無い。

 

 私はカルガの森にも幾度となく入っている。魔物にも遭遇したし死体も山ほど見て来た、しかし現場はいつも荒れていた。

 

 奇襲をする獣や魔物は存在するが、それでも大型獣を一撃で仕留められるモノなどいただろうか。

 

 この森でそんな事が出来る魔物や獣は見た事が無い。

 

 つまり大型獣を全く反応させずに狩れる、もしくは何らかの方法で相手を無防備に出来る力を持った何かがこの森へ流れて来ている可能性がある?

 

 一応ベキアに教えておくか。

 

 私は散策を中止して、ベキアの執務室へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 私がベキアに用がある事を告げると少し待った後に執務室へと案内された。

 

 「急に訪ねて来るなんてどうしたんだ?」

 

 机に向かっているベキアが私を見て言う。

 

 「お前執務が出来たのか」

 

 「いきなりそれかよ!?」

 

 私が思わず言った言葉に反応するベキア……すまん、お前が執務をしている事に違和感を感じてしまった。

 

 「王として必要だって周りから言われちまってよ……必要ならやるしかないだろ?」

 

 少し疲れたように言うが、やる気はあるようだ。

 

 「そうか、まあがんばれ」

 

 「どうでもよさそうだな?」

 

 「どうでもいいからな」

 

 彼は苦笑いする。

 

 おっとこのままでは本題に入れない。私は休憩用のソファに座ると用件を伝える。

 

 「今日はちょっとお前に伝えておく事があってな」

 

 「何だ?」

 

 「この町の周囲の森に何かが流れて来ている可能性がある」

 

 「……確かか?」

 

 彼は少し気の抜けていた表情を引き締めた。

 

 「ああ、今日森の散策に行った時食い荒らされた大型の獣の死体を見つけたんだ」

 

 「それで?」

 

 「死体の周囲は全く荒れていなかった……全く争った跡が無かったんだ」

 

 彼は眉間に皺をよせる、恐らく私と似たような事を考えたはず。

 

 「不味いな」

 

 「そうだな」

 

 取り出したモー乳を飲みながら答える。

 

 「正面から戦ってお前達獣人に勝てる魔物はこの辺りにはほとんど居ないと思うが……」

 

 「……不意打ちや能力によっては簡単ではないかもしれない」

 

 彼が私の言葉を続ける、分かっているならもう大丈夫だな。 

 

 「伝えてくれてありがとう……これから警備の強化と捜索隊の編成をする」

 

 「一応しばらくこの町に滞在する、助けが欲しければ訪ねて来い」

 

 そう伝えて私はカルガの自宅へ帰った。

 

 

 

 

 

 

 カルガに滞在して十日程のんびりと過ごしているが特に連絡はない、ただ解決したとも言ってこないと言う事は厄介な相手だったのか?

 

 助けを求めてこない所を見るとどうにもならない訳では無いようだ。

 

 いつまでも私が助けるのも問題だろうと教えただけにとどめたが、どんな魔物か気になるな。

 

 報告で教えて貰おうと思っていたがやはり実物を見たいな、結果的に助ける事になるがまあいいだろう。

 

 

 

 

 

 

 すぐに私は森へと入った。

 

 時刻は昼の少し前、森の隙間から陽が射し込んでいる。

 

 広大な森の中で何の手掛かりも無く特定の魔物を探し出すのは普通ならば難しい事だが、私はそうでもない。

 

 私は普段は使わない知覚を一気に広げ森の中を探し始める。様々な獣、魔物、獣人の捜索隊らしき気配や姿が分かる。

 

 しばらく知覚を使いながら森を歩き、もう少し範囲を広げようかと思い始めた頃、見覚えのない生物を見つけた。

 

 ……私も初めて見るな。

 

 その魔物は灰色四つ足で獣人達を一回り小さくした大きさの魔物だ。

 

 肌は滑らかで目は見当たらない。

 

 丸っこく、足は太く短い。鈍そうな体型だがこいつがそうなのだろうか?

 

 確認するまでは決めつけない方が良いな。

 

 私は監視したまま魔物のいる方へ進んでいく。そしてある程度近寄った時に魔物に動きがあった、私がいる方向へ頭のような部分を向けている。

 

 そのまま近づいていくと魔物は私から離れる様に逃げて行った。

 

 思ったより素早いな。あくまであの見た目にしてはと言うだけで他の生物に比べると大分遅いが。

 

 だが……今のはもしかして私の近寄る気配を感じたのか?この時点で分かるなら獣人達では見つけられないかもしれない。

 

 あの魔物の感知範囲は恐らく獣人より広い。

 

 彼らも気配は消せる。消せるが彼らの場合、基本的に相手を先に見つけてから接近するために行う。

 

 相手の感知範囲が彼らより上だといつまでも見つけられないかもしれない。

 

 しかしあの魔物は相手が悪かった。私は知覚を広げて追いかけている、逃げられると思うな。

 

 ある程度離れた草むらに落ち着いたのを確認すると、今度は私も気配を消して音も無く近づく。

 

 ……いた、こいつがどうやって大型獣を反応させずに殺したのかが分からないな。たまたまこいつが見かけない奴だっただけで他にいる可能性も考えておこう。

 

 取り敢えず捕まえて調べよう。私が魔法で魔物を拘束すると全く抵抗しない。

 

 ……全く抵抗しないな。 

 

 捕らえた魔物に近づいて観察する。すべすべした肌が濡れて光っている、触るとブニブニしているな、目が無い蛙みたいだ。

 

 ……まてよ。

 

 さっき見ていた時は肌が濡れているようには見えなかった、私は念のため肌の水分の分析をしてみる。

 

 なるほどな……やはりこいつがやったようだ。

 

 肌からにじみ出ている水分は揮発性の毒だった。詳しく調べないと分からないがこの毒で毒殺するか動けなくするかしていた可能性が高い。

 

 魔物と言うのは面白い、毒に特化してる者も居るんだな。

 

 この魔物の毒を参考にして魔法を考えついた……無味無臭の毒の空気などはどうだろう。苦しまない様に意識を無くしてから死ぬように作ってみようか。

 

 まあそれは後だ、まずはこいつを持って帰ろう。私は拘束したまま魔物の毒を無効化し眠らせ、マジックボックスへと入れた。

 

 

 

 

 

 

 カルガの自宅に戻り詳しくこいつの毒を調べ、どういった毒かが判明した。

 

 無臭の揮発性の毒で、吸い込むと感覚などが鈍くなっていき吸い続けると死亡すると言う物だった。

 

 痛みなども感じないから暴れる事無く獲物は死ぬのだろう。

 

 毒の事も分かったのでこいつを捕まえた事を言っておこうとベキアの元に向かう。

 

 屋敷の者に執務室まで案内されて部屋に入ると、変わらず執務を頑張るベキアが居た。

 

 「慣れて来たか?」

 

 ソファに座りベキアに問いかける。

 

 「まあ少しはね……今日は何の用だ?」

 

 「私が知らせた流れの何か事だが、見つけたから捕まえたぞ」

 

 「本当か!?」

 

 「嘘を言ってどうする、見るか?」

 

 彼は執務を止めてこちらにやって来る。

 

 「訓練場で見せてくれ」

 

 そう言って部屋を出て行く、私も後について部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 「早速見せてくれ……一応聞いておくが危険はないよな?」

 

 訓練場に着く前に主だったメンバーを集めたベキアが私に言う。

 

 「大丈夫だ、無力化して眠らせてある」

 

 そう言いながら魔物を取り出す、拘束されたまま眠る魔物が皆の前に現れた。

 

 「こいつか……確かに見覚えのない魔物だな……目が無いな」

 

 「強くは見えないですね、何か能力があるんでしょうか?」

 

 魔物を見てベキアが言い、メンバーの一人が私に向かって質問してくる。

 

 「調べた結果こいつは皮膚から揮発性の毒を出す事が分かった。その毒は吸う事で体の機能を弱め最終的に死ぬ、痛覚も鈍るから獲物からすれば何ともないのになぜか動けなくなり意識を失って死ぬ訳だ」

 

 「……魔物と言うのは想像以上に恐ろしいですね……。このような力を持っている個体も居るなんて」

 

 私の説明を聞いて恐怖を感じたのか彼らの一人が呟く。

 

 するとベキアが私に問いかけて来る。

 

 「今まで俺達は見つかられなかったんだが、どうやった?」

 

 「ああ、それはな……」

 

 私はこの魔物は気配の感知範囲と精度が高い事と、その点において獣人達を超えている事を説明した。

 

 「今までずっと逃げられてた訳か……」

 

 しかめっ面になるベキア、周囲のメンバーも微妙な表情をしている。

 

 「私はもうこいつは要らないが、欲しいか?」

 

 「良いのか?」

 

 ベキアが軽く驚いたように聞いてくる。

 

 「構わないぞ。扱いには気を付けろよ?」

 

 「分かってるよ」

 

 「そう言えば名前が分かりませんね」

 

 私とベキアが話しているとメンバーの一人が言った。

 

 「一応私は考えたぞ」

 

 「へえ、なんて付けたんだ?」

 

 私に聞いてくるベキア。

 

 「目無し毒蛙」

 

 私がそう言うと皆は黙ってしまった。

 

 結局その後誰もその名前で呼ぶことは無く、私は彼らに目無し毒蛙を引き渡して家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 それからウルグラーデに戻って毒魔法を作ったり、開発途中だった時間魔法を完成させたりして居たらいつの間にかケインとミナの間に娘が生まれていた。

 

 そして約五年後。領地を広げた各国は遂に一部の領土が隣接し、お互いの国の存在を知った。

 

 

 

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