少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 この作品の注意事項

・作者の自己満足

・素人の作品

・主人公最強

・ご都合主義

・辻褄が合わないかもしれない設定

・注意事項が増える可能性

 等が含まれます。

 以上をご理解したうえでお読みください。

 読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。





024-02

 

 開戦から七か月半程が過ぎた、戦況は変わらずややルセリアが不利ではあるが膠着状態が続いているようで最近は変わり映えの無い報告が続いている。

 

 「きゃー!あはははは!」 

 

 私の家のリビングで魔法を使ってルーテシアを宙に浮かせ、遊んでやる。

 

 彼女が魔法の道に進むかは分からないが特に魔法に対して恐怖を感じてはいないようだ。

 

 私達が危害を加えない存在だと信じ切っているからかもしれないが。

 

 「その遊びが気に入ったのね」

 

 ソファに座り紅茶を持ったまま微笑みながら喜ぶ自分の娘を見ているミナ。

 

 ケインが復帰したためルーテシアの世話に戻ったミナは、ルーテシアを連れて町を歩いたり勉強を教えたりしながら日々を過ごしているらしい。

 

 そしてそれなりの頻度で私の家にやって来る。私に会いたがるルーテシアのためらしい。

 

 ゆっくりと空中を漂わせミナの元に送る。彼女がルーテシアをしっかりと抱きとめた所で魔法を止める。

 

 「楽しかった?」

 

 「楽しかった!」

 

 額をくっつけ合い微笑んで会話を交わす母と娘。

 

 その様子を見ながら私はソファに座ったままモー乳を飲む、二人が来た時は大体このような毎日だ。

 

 

 

 

 

 

 「お姉ちゃん!」

 

 ある晴れた日の朝。私がモー乳販売店に向かい歩いている時に後ろから女の子……ルーテシアが走り寄って背中に突っ込んでくる。

 

 「ルーテシア。いきなり乗っかるのはやめなさい」

 

 ミナが注意しながら歩いてこちらにやって来る。

 

 「はーい」

 

 そう言いながらルーテシアは私に乗っている。

 

 私も小柄なため他者から見ると無理しているように見えるかもしれないが、問題など無い。

 

 「私以外にやるなよ?怪我をするぞ」

 

 「分かった!」

 

 ルーテシアを下ろして言う、同じ体格の人間だったら恐らく耐えられなかっただろう。

 

 「クレリアお姉ちゃんなら構わないわ……その代わり!他の人には絶対にやっちゃだめよ!」 

 

 「分かった!」

 

 返事は元気だが本当に分かっているか怪しい。

 

 この子は物覚えが良いから分かっていても思わず、といった可能性もあるな。

 

 「お姉ちゃんどこ行くの?」

 

 「モー乳販売店に行く所だ」

 

 「ホント!?お母さん!」

 

 私の行き先を聞いて目を輝かせミナの方を向く。

 

 「そうね……最近食べていないし、買って帰りましょうか?」

 

 「やった!」

 

 「一緒に来るのか?」

 

 母親の答えを聞いて喜ぶルーテシアは私の手を握り歩き出す。

 

 私は手を引かれるまま歩き、ミナは笑って後をついてきた。

 

 

 

 

 

 

 「いらっしゃいませー。あらクレリアさんにミナさん、娘さんも」

 

 店員に声をかけられる。私は常連だしミナは学校の次期校長として知られているからな。

 

 他の客を避けて私は何があるかを確かめる、彩り果実のモー乳ケーキだと?

 

 これは買おう、後は……。

 

 「ルーテシアは何が良い?」

 

 「プリン!」

 

 「じゃあお母さんはシュークリームにしようかしら」

 

 私が品定めをしている後ろで二人は決まったようだ。注文をして品物を受け取っている、私も入れ替わりで注文する。

 

 「モー乳の大瓶十本と彩り果実のモー乳ケーキを五個貰おう」

 

 返事をして品物を用意する店員を見ながら声をかける。

 

 「まだ仕入れは大丈夫か?」

 

 「そうですね、この辺りはまだ問題無いみたいですよ」

 

 「そうか、それなら良い」

 

 

 

 

 

 

 品物を受け取って二人の元に戻り店を出た後、私の家で食べようという話になり移動している途中にミナが私に話しかけてくる。

 

 「さっき大丈夫かって聞いてたけど何の話?」

 

 「モー牧場が戦争の影響で駄目になっていないかを確認しただけだ」

 

 「ウルグラーデと周辺を守るとか言ってたわよね」

 

 「好物を守るつもりだからな」

 

 そんな会話をしながら家への道を歩く、私とミナに手をつながれてルーテシアは幸せそうな顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 「ぷーりーんー」

 

 自宅に着いた私達はデザートを食べる準備をする、と言ってもミナが紅茶の準備をしているのをソファで待っているだけだが。

 

 ソファに座る私の隣でプリンプリンと言っているルーテシアの頭を撫でながら時間をつぶす。

 

 「お待たせ、さあ食べましょう」

 

 「早く早く!」

 

 ミナが紅茶と二つのグラス、食器をテーブルに置き、マジックボックスから自分とルーテシアのデザートを取り出す。

 

 私も自分のデザートと私とルーテシアの分のモー乳を取り出しグラスに注ぐ。

 

 「では頂こうか」

 

 私がそう言うと二人は食べ始める。ルーテシアはスプーンでちまちまとプリンを食べ、ミナはシュークリームをわざわざナイフとフォークで食べている。

 

 さて私もケーキを食べよう。

 

 ……うん、これはいい。モー乳のクリームの濃厚な甘さに果実の酸味と苦みが良よく合う。

 

 「お姉ちゃんちょっと欲しい」

 

 ルーテシアが私のケーキを欲しがる、気になっているようだ。

 

 「いいぞ……ほら」

 

 「ありがとうお姉ちゃん!」

 

 そう言ってケーキを一口分切り取り口に持って行ってやる、彼女は大きく口を開けるとぱくりと食べた。

 

 「んむ!?甘くて酸っぱくて苦い!」

 

 「ふふ……お前には少し早い味だったかもな」

 

 「ううー……」

 

 思わず微笑んでしまった。彼女は呻きながらプリンで口直しをしている。

 

 「欲張ってお姉ちゃんの食べるからよ」

 

 「むうー……」

 

 ミナが彼女に言うが彼女はモー乳でも口直ししている。

 

 「もう一口食べるか?」

 

 「いらない……」

 

 「くくく、そうか」

 

 おかわりを聞くと顔を背けて断るルーテシア。

 

 いずれ美味しく感じるようになるかもな。

 

 

 

 

 

 

 デザートを食べ終わり、ルーテシアは私の隣で絵を描いている。

 

 その姿を見ながら私とミナは戦争について話をしていた。

 

 「もう七か月くらい続いているけど何か情報はある?」

 

 「戦況は変わっていないようだ。どちらかが攻め込む訳でも無くほとんど戦線は動いていないようだぞ」

 

 「丁度三国とルセリアが拮抗しているって事?」

 

 「いや、報告によると最初はルセリアが押されていたようなんだが、ある時期から三国とも勢いが少し無くなったらしい」

 

 「何かあったのかしら?」

 

 ソファでくつろぎながら会話を交わす私達。ルーテシアは気にせず黙々と絵を描いている。

 

 「情報源の方でも探ったらしいが分からなかったみたいだな」

 

 「貴女はあの三国に直接聞きに行けばいいんじゃないの?」

 

 ソファに寄りかかって言うミナ、確かに分かるだろうが行く気は無い。

 

 「今行けば間違いなく助けを求められる、私が手を貸せば絶対に勝ってしまうだろう?それに何が起きているか分からない方が面白い時もある」

 

 「……優しいかと思えばそういう事もするのね」

 

 「私は自分勝手な化け物だからな。それに優しい訳では無い、誰かを助けてもそれは私がやりたかっただけだ。気にしない時は気にしない、関わったのが不運だったと諦めろ」

 

 そう言うと彼女は首を横に振る。

 

 「私は幸運だったわ……若い頃に遥か高みの魔法技術を見る事が出来たし……夫の、ケインの命も助けてくれた」

 

 「私がやりたかったからやっただけだ」

 

 「ケインの説得も?」

 

 彼女は前かがみになって聞いてくる、その目は私をじっと見つめている。

 

 「そうだ」

 

 「貴女は自分のためだけにやっていると言うけれど、貴女はやっぱり優しいわ。何と言えばいいのか分からないけれど……本質が悪では無いというか……何言ってるのかしらね私は……」

 

 微笑んで恥ずかしそうにする彼女。本質か……私が悪では無いとは言うじゃないか。

 

 「好きなように思っていればいい」

 

 「そうするわ」

 

 「お姉ちゃん見て」

 

 ルーテシアが会話している私に絵を見せて来る。私と思われる黒い人型とミナと思われる大きな人型が、ルーテシアと思われる小さな人型と手をつないで笑っている。

 

 「私はこんなに笑った事は無いと思うが……」

 

 ミナに絵を手渡しながら言うと、彼女も見ながら答える。

 

 「確かに貴女は表情の変化が薄いものね」

 

 「上手く描けているな」

 

 そう言いながらルーテシアの頭を撫でてやると彼女は嬉しそうに笑った。

 

 「ケインが書かれていないようだが?」

 

 「あー……あの人落ち込むかも?でも娘も今いる私達を書いただけだと思うし、娘も夫の事は好きだから平気かな?」

 

 絵について話し合っている私達だが戦争の話をしていたのだと思い出す。

 

 「話がそれてしまったな」

 

 「そうね……でもさっき言った以上の事は分からないのよね?」

 

 「情報源である者達が分からなかったらしいからな。以前の報告に何かの作戦が行われているような事も書かれていたが、それも分かっていないようだ」

 

 「ウルグラーデは奴隷も居ないし差別も無い。全ての種族がそれなりに暮らしている訳だけど……戦争が始まってから何となく嫌な雰囲気が出て来てるのよね……」

 

 「自分達の同族が町の外で大規模な戦争をしているからな。多少思う所があるんじゃないか?」

 

 「早く戦争が終わると良いけどね……」

 

 「取り合えず町の見回りでも強化したらいい」

 

 「そうね、念の為そうした方がよさそうだわ」

 

 二枚目を描いているルーテシアを横目に私達はしばらく語り合った。

 

 

 

 

 

 

 ある雨が振る夜。私はルーテシアを風呂に入れるために更衣室へ向かっていた。

 

 「一人で脱げるか?」

 

 「うん!一人で出来るよ!」

 

 ケインとミナはウルグラーデの都市会議に出ていてまだ帰ってこないため、預かっていた私の家に今夜は泊める事にした。

 

 更衣室で服を脱ぎ、洗い場に向かうとルーテシアも一人で服を脱いでついてくる。

 

 「はしゃぎすぎて転ぶなよ?」

 

 「はーい!」

 

 お風呂が好きなのか彼女は楽しそうに返事をして子供用の風呂椅子に座る。

 

 石鹸を泡立てて手で洗ってやる、タオルは物によっては子供の肌に良くないらしいからな。

 

 子供の体は小さいので洗うのも早いな、しっかりと全身を洗って洗い流す。

 

 「よし、次は頭だ……ほら頭を乗せろ。良いと言うまで目は開けるなよ?しみるぞ」

 

 「ん……」

 

 椅子に座ったまま私の太腿に仰向けに頭を乗せて彼女はギュッと目を瞑る。

 

 なるべく目に入らない様に頭を洗う、すっかり手馴れてしまった。

 

 彼女の頭を洗い終わったら先に浸かっているように言って自分を洗う、しっかりと洗って私も風呂に浸かる。

 

 「ふう、この温度が一番ちょうどいいな」

 

 湯温は三十九度程。ぬるいという者も居るかもしれないが長く入る場合はこれぐらいが良い、その辺りは好みだろう。

 

 ルーテシアは風呂の中を歩いていたが私が来ると膝の上に座って体を預けて来る。

 

 「お姉ちゃんお馬さん出してー」

 

 「いいぞ」

 

 「お馬さんだー!」

 

 上を向き私を見ながら言う彼女の要望に応えて魔法を使い、風呂のお湯で小さい馬を複数作り水面を走らせた。

 

 以前風呂にしっかり浸からせるために見せたのだが、彼女はこれがお気に入りになったらしく良くせがんでくる。

 

 ミナも頼まれた事があるらしいが出来なかったらしく今も出来るように頑張っているそうだ、そのうち習得するだろうし魔法訓練としても悪くない。

 

 馬に夢中のルーテシアを見ながらのんびりと温まったが、しばらくのあいだ馬見たさに風呂から上がるのを嫌がるようになってしまうとは思っていなかったな。

 

 「動くな。しっかり拭かないと湯冷めするぞ」

 

 「魔法でぶわーってしないの?」

 

 彼女は私を見上げる。

 

 「そっちが良いのか?」

 

 「ぶわーってしてー」

 

 私は魔法で水分を飛ばしてやる、彼女は嬉しそうに手足を広げて立っている。

 

 「タオルでも拭けるようにならないとお預けだからな」

 

 「えー」

 

 私は服を着て彼女が服を着るのを待つ。

 

 

 

 

 

 

 「風呂上りには水分を取らないとな」

 

 「ぷはっ……冷たくておいしい」

 

 ソファに並んで座り二人でモー乳を飲む、ゆっくり飲む私と一気に飲むルーテシア。

 

 「もうちょっと欲しい」

 

 「飲み過ぎも良くないからもう一杯だけだぞ」

 

 そう言いながらモー乳を注いでやる、彼女は今度はゆっくり少しづつ飲み始めた。

 

 寝るには少し早いな。魔法と魔道具の普及で夜でも明かりを確保する事が簡単になったからな、夜が寝るだけの時間だったのはもう昔の事だ。

 

 「お姉ちゃん魔法したい」

 

 「そうか、じゃあ寝る前に少しお勉強だな」

 

 「えー、魔法はー?」

 

 「勉強をしないで魔法を使うとお母さんもお姉ちゃんも悲しい事になるかもしれない、悲しい思いをして欲しくないだろう?」

 

 「うん……」

 

 私は彼女を抱き寄せ目を合わせて言う。

 

 「これから沢山魔法を使えるようになる、使い方を間違えるとルーテシアの好きな人が泣いて居なくなるかもしれない。お姉ちゃんはそんな事になって欲しくない、分かるか?」

 

 「……勉強する」

 

 「いい子だ」

 

 ギュッと抱きしめて頭を撫でる、子供にはこうする方が効果があるからな。

 

 

 

 

 

 

 その後少しだけ魔法について教えていたが、彼女の頭がふらついてきたので寝る事にした。

 

 「寝るならベッドで寝るぞ」

 

 「……んー……」

 

 歯を磨くのはもう無理そうだな……今日は魔法で彼女の口の中を綺麗にしてやろう。

 

 反応が鈍いルーテシアを連れて寝室に向かう、勉強の最後の四分の一程は聞こえてなかったかも知れないな。

 

 寝室に入り彼女をベッドに寝かせ、部屋を出ようとするが彼女が服を離さない。

 

 こういう時は大体決まっている。

 

 「一緒に寝たいのか?」

 

 「んー……」

 

 ほとんど眠りかけながら声を出す彼女、私がベッドに入ると私の腕を枕にしてくっ付いてくる。

 

 頭を撫でてやると彼女は魔力が切れたように眠りに落ちた。

 

 

 




 魔力が切れたように眠るとは、子供が電池が切れるように突然眠る事をこの世界風に言ったものです。

 魔道具の魔力が切れると突然止まるのと重ねていると言う事で。



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