少女(仮)の生活   作:YUKIもと

5 / 260
 作中時間が飛びます。

 この作品の注意事項

・作者の自己満足

・素人の作品

・主人公最強

・ご都合主義

・辻褄が合わないかもしれない設定

・注意事項が増える可能性

 等が含まれます。

 以上をご理解したうえでお読みください。

 読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。


005

 

 海辺の家を旅立ったのが遠い昔に感じる。いや……恐らく実際にかなり昔なのだろう。

 

 私に寿命は無いか、もしくはかなり長いようだ。はっきりとした時間は分からなくても相当な時間が経っている事は感じる。

 

 この世界には意思疎通出来る生物は居ない。

 

 私が長い間世界を巡って出た答えがこれだ。

 

 少なくともこれだけ探して全く見つからないという事は居ないと思って間違いないと思う。

 

 それならばこの世界を楽しみつくそうか。

 

 世界に意思の疎通ができる生物がいない事を認めた私は昔のように様々な場所で自由に暮らし、食べ、自らを高める事にした。

 

 

 

 

 

 

 それから私は色々な場所に家を建てそれぞれの場所で暮らし、その場所の物を集める傍ら自らを高めた。

 

 山脈地帯、谷底、平野、更に海底にまで住居を作り暮らしと自分の能力向上を楽しんだ。

 

 長く暮らす内に自分の弱点も判明した。

 

 寿命は長いというのに記憶力だけはあまり良くなかったのだ。流石によく行う事は忘れないが物事から長く離れていると忘れていたりする。

 

 備忘録を作っておいてよかったと思った事実だったな。

 

 魔法は長い時間をかけて創造魔法と言う自分の考えた効果を発揮する魔法を作り上げた。

 

 錬金術は大量の魔力や魔素を貯めておける魔原石や、どんな病気にも効く……筈の万能薬などを作った。

 

 万能薬がいまいち微妙な表現なのは魔物と野生の動物でしか試せていないからだ。

 

 さらに魔素、魔力などを使い様々な金属や魔法金属も作れるようになった。

 

 魔道具製作は技術と知識の大幅な上昇が起きた。

 

 錬金術よって作り出される様々な材料と質の上昇によって高性能、低燃費、小型化が進んでいる。

 

 私自身の力も、もはや上限があるのか分からないほどに上がり続けている。

 

 しかし私自身の内面は、どう言えばいいのか分からないが……優秀とは程遠く、忘れる事は勿論、もっと良い使い道があるのに長い間気が付かなかったり、後回しにした事をそのまま忘れて放置したり、興味を持った物に集中し他の事を忘れたりと……得た力と知識に比べて大して成長する事は無かった。

 

 そして、話す相手が欲しいという気持ちもまた変わる事は無かった、共に過ごす事は無くとも時折関わり言葉を交わす事が出来ればと今も思っている。

 

 生命の進化、変化や発生は膨大な時間がかかると知識には有ったな……。

 

 最後に作った家のリビングで考える。この調子ではいつ知的生命体に出会えるか分からない、そこで私は睡眠に目を付けたのだ。

 

 寝ている間は長い時間でも本人にとっては僅かな時間に感じるらしい。

 

 このままひたすら待っている事も出来なくは無いが、早く会える方法があるのなら試したい所だ。

 

 寝なくても問題のない私だが、寝られるかどうか試した事はなかった。

 

 もし自分から眠りに落ちる事が可能なら、知的生命体が生まれるまで寝て過ごすのも悪くない。

 

 こうして寝る事に挑戦し始めたのだが、寝る感覚が分からないと言う事が分かる。

 

 眠気と睡眠は知識で知っていても今まで感じた事が無い、分からない状態からのスタートだ。

 

 私は横になり目を瞑る、寝るときはこうする事で眠りやすくなるらしい。

 

 「うーむ」

 

 私は唸る。しばらくそうしていたが全くそれらしい感覚はない、そう都合よくはいかないか……色々と試そう。

 

 どれだけ時間がかかっても今更の事だ。

 

 

 

 

 

 

 時間魔法か、創造魔法か、私自身の力、この辺りなら何とか出来そうな気もする。

 

 知識には冷凍睡眠という物があったが私がそんな物で凍り付く訳がない。

 

 出来る事なら魔法ではなく私自身の能力で冬眠のような事が出来ると良いのだが……。

 

 問題は無いだろうが、色々試してみる前に安全は確保しておかないとな。

 

 今まで私に襲い掛かってきた魔物や獣は私に攻撃する事もほとんど出来ていない。

 

 感知によって私が先に気が付き先制してしまうからだ。

 

 しかし今回は私の意識が無くなる、または薄くなるはず。

 

 流石にその状態から先手を取る事は難しそうだからな。

 

 成功した時に問題無いようにしなければ、更に何かがあった時に目覚める事が出来る何かを用意する事が出来ればなお良い。

 

 周囲に何も居ない孤島を探し、私は試行錯誤をするのだった。

 

 

 

 

 

 

 夜になっている?

 

 試行錯誤した結果、私の意識の速度を落とす事で体感時間が変わる事が分かった、戦闘時敵の動きが遅く感じる事にヒントを得た。

 

 あれが意識の加速なら遅くも出来るかもしれないと、これは予想以上に上手く行った。

 

 感覚としては自分は普通に感じるが、周囲が凄まじい速さで動いている感じだ、本来想定した物とだいぶ違ってしまった気がするが。

 

 今は私の体感では僅かな時間だったが朝始めたはずが既に夜になっていた。

 

 完全に意識の速度を止めれば一瞬で何年だろうと経過させる事が出来る可能性が高い。

 

 ただ問題もある。私が停止している間何が起こるか分からないという事だ。

 

 僅かでも意識が動いていれば感知をしている間は何があっても拾ってくれるので、限界ギリギリまで速度を落とし完全停止はしないほうが無難かもしれない。

 

 もし完全停止するのであれば何かがあった時に起きる事が出来る方法を見つけるべきか。

 

 もう一つの懸念は、私の正確な寿命が分からない事。

 

 時間を短く感じるだけなのでその間に寿命が来てしまったらそのまま死んでしまう。

 

 ただこの事に関しては何となく平気なような気がしていた。

 

 自分で選んだ事だ、途中で寿命が来て死んだとしても後悔は……多少はあるかもしれないが……やめる気は無い。

 

 色々と試してみよう。何かあった時目覚める事が出来るようにはなっておきたい。

 

 

 

 

 

 

 更に試し続け私は意識を完全停止し、あらかじめ決めた時間か私に危険が迫った時に復帰する筈の魔法を作りだした。

 

 結局魔法の力に頼ってしまったが、可能であればこの際どうでも良いと割り切った。

 

 季節が分かる土地で経過した時間の確認をした。

 

 危険が迫った時に復帰する筈と表現したのは良く分からないままになってしまったからだ。

 

 私に敵対する魔物のいる場所で使ってみたが、一度も反応しなかった。

 

 原因は何となく分かっていた。つまりその魔物では何をしても私に危害を加えられないと判断され、反応しなかったのではないか……という事だ。

 

 事実その獣は私に傷一つ付ける事は出来なかった、それでも私が一番強力だと思う魔物だった為、試せる相手が居ないと判断した。

 

 何かが近づいたら反応するようにしようかとも思ったが、そうすると何かが通りかかっただけでも目覚めてしまうので諦めた。

 

 後は長い停止休眠をするだけか……。

 

 準備は十分したと思う。

 

 場所は候補としてあまり他の生物が近寄らない深海か谷底、山脈のどれかの家が良いだろうと考え、最終的に海底を選択した。

 

 「停止期間は……一万年だ」

 

 一応知識に時間の事は存在するので何となく分かる。

 

 生命の進化、変化や発生は膨大な時間がかかる、おそらく一万年では全く足りないだろう。

 

 だが最初はこれで良い、後は私の寿命を信じよう。

 

 

 

 

 

 

 海底の家の寝室に念の為魔法金属で箱を作りその中で停止休眠する、私は用意した箱を閉じて完全に密封した。

 

 上手く行けば一瞬で一万年後だ……ではおやすみなさい。

 

 私は目を閉じて意識を停止させた。

 

 

 




 一万年だとあまり変わらないんじゃないかと言うご意見は、魔素や魔力が何かしていると思ってください。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。