・作者の自己満足
・素人の作品
・主人公最強
・ご都合主義
・辻褄が合わないかもしれない設定
・注意事項が増える可能性
等が含まれます。
以上をご理解したうえでお読みください。
読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。
魔人の国がアーティア帝国によって統一された後、帝国は周辺地域の開拓を開始した。
そんなある日、カミラから濁った熱湯が噴き出している地域があると話をされた。
「濁った熱湯が湧き続けている地域か」
「ええ、お母様なら何か分かるかと思って」
少しずつ周辺地域を開拓しているうちに地面から煙を吹いている地域にぶつかったらしい、部隊が探索している途中で気分が悪くなる事もあったという。
「それはおそらく温泉だと思う」
「温泉……?」
私は温泉をカミラに説明した上で、その地域を開発して温泉街を作る事を提案した。
「温泉街……いいわね」
「有害な物が出ている所はしっかりと封鎖して近付けない様にしておけよ」
「分かってるわ、すぐに計画を立てましょう」
私も設備などの相談に乗り、アーティア帝国は温泉街の建設に着手した。
現在私はウルグラーデのティリア魔法技術学校内にある校長室に居る。
校長の椅子にはミナが座り、様々な書類に目を通していた。ケインから後を継いだ彼女は新たな校長として頑張っている。
「ミナ、来たぞ」
「いらっしゃい、そこに座って……何か飲む?」
「ではモー乳を貰おうか」
「それ好きよね」
ミナは立ち上がり飲み物を用意し始める、やがて準備を終えて私の正面に座る。
「今日はルーテシアに会うんでしょ?」
「そうだな、念話でそろそろ会いたいと言っていたから来たんだ」
ルーテシアは無事私に念話を繋げるようになり、現在私に定期的に連絡をしているのはルーテシアだ。
ミナと比べると連絡してくる頻度が高いが少し世間話をする程度である事が多い。
「あの子、あの事があってから男性は苦手になってるから……怖いんじゃなくて嫌いなだけらしいけど」
あの事とは以前ルーテシアが変な男に好かれて付きまとわれた事だが、あれからも何回か似たような事があったらしく男嫌いは酷くなっていた。
普通に接する事は何とか出来るが恋愛的な意味で好きになれないみたいだな。
「無理に結婚はしなくてもいいけど……どんな形であれ幸せになって欲しいわね」
ミナはルーテシアの幸せを願う、私もルーテシアに幸せになって欲しいと思っている。
記憶をいじれば男に対する考え方も変わるが、頼まれたらやってやろう。
「まだまだ時間はある、もっと時間が経てば変わるかもしれない」
「そうね……もしかしたら運命の人に出会っていきなり結婚したりするかもしれないし」
「そんな事があると良いな」
その後しばらく話した後ミナは仕事に戻り、時々会話を交わしながら校長室で彼女が帰宅する時間まで待った。
「お姉様!」
やがて学校が終わり、残っていた教師達も仕事を終えて帰り始める時間にルーテシアが校長室にやって来た。
部屋に私とミナだけだと分かるとソファに座っていた私に駆け寄って膝にのせる。
「私を膝に乗せるのが好きだなお前は」
嬉しそうに微笑みながら私を膝にのせるルーテシアはもう子供ではない。
薄緑の長い髪を持つ大人しそうな美人と言える姿に成長していた。
「座り心地が悪いですか?」
「いや、かなり良い」
聞いてくるルーテシアに答える。実際ルーテシアの膝の上は柔らかいし胸が大きいので頭も丁度良く乗る。
「良かったです」
そう言って私を後ろから抱きしめて来るルーテシア。
彼女は私をお姉様と呼ぶ割に妹のような扱いをしてくる事がある。
私の方が遥かに年上なのは知っているはずだが、大抵の者は見た目に影響されやすい。
子供に見える私ではこういう扱いになるのも仕方ないのかもしれない。
「ルーテシア、私も仕事が終わったから取り敢えず帰りましょう」
「お母さん……そうですね、帰りましょうか」
彼女はそう言うと私を抱いたまま立ち上がり部屋を出る、ミナが校長室に鍵をかけて三人で彼女達の家に帰った。
「お帰りなさいミナ、ルーテシア、我が師よ」
家ではミナの補佐になったケインが迎えてくれた。
学校の事の他にも忙しくなった妻の代わりに家事を行っているらしい、出来た夫だと言えると思う。
夕食もケインが用意したのだが意外と美味しかった。
忙しい合間を縫ってずっと練習していたそうだ、私が褒めると彼は「妻の味には敵いませんが」と言いながらも満足そうに笑っていた。
「お姉様、明日は休日なのでお出かけしませんか?」
「いいぞ、時間はある」
「お昼は私が作りますから食べたら出かけましょう!」
私がルーテシアからの誘いを受けると彼女は笑顔を見せて喜び、昼食を作ってくれると言う。
彼女も料理を練習していて腕は中々良い、これからもっと上手くなるだろう。
それからケインとミナ、ルーテシアと私で風呂に入り、今はルーテシアに抱き着かれながら寝ている。
ルーテシアにはすでに私が自分でも分からない何かであるという事を話してある。
彼女はそれを聞いても動じる事無く「お姉様がどんな存在でも私にとってはお姉様です」と言って受け入れた。
ケインもミナもルーテシアも私が自分達とは違う、大きな力を持つ何かだと知っても普通に接してくる。
私の胸に顔をうめて静かな寝息を立てるルーテシアの柔らかな髪を撫でながら、夜が明けるのを待った。
翌朝、ミナの作った朝食を四人で食べて午前中はゆっくりとした時間を過ごす。
特にミナとケインはケインが無理をして死にかけた時以降、しっかりと休むようにしているようだ。
午後はルーテシアが作った昼食を食べてからルーテシアと出かける。
二人で大通りを歩きながらどこへ行こうか話していると声をかけられた。
「あれ?ルーテシア先生?」
数人の種族の違う男女が声をかけて来た、改めてウルグラーデでは差別が無い事が分かる状況だ。
この町では差別をする者はすぐにいなくなる、そういった者にこの町の住人はいい顔をしない。
「あら、皆さんもお出かけですか?」
ルーテシアと数人の若い男女が話し始める、先生と言っているという事は生徒なのだろう。
「せっかくの休みだしね、先生も買い物?」
「ええ、お姉様と一緒にね」
「お姉様?……ってこの子凄く可愛いんだけど……」
若者たちは私を見る、どう見ても子供な私の姿に困惑しているように見える。
「ルーテシアの姉代わりのクレリアと言う、よろしくな」
「えっと……よろしくお願いします?」
困ったような顔で答える彼ら、その時彼らの一人が気が付いたように言う。
「あっ、そうだよ。ルーテシア先生って森人じゃん」
「あー、そうだった……と言う事はクレリアさんは……」
そう言いながら私を見て来る彼らに私は言う。
「見た目はこうだが幼い頃のルーテシアの世話もしていた。だから姉代わりな訳だ」
「なるほど……すいませんでしたクレリアさん。その……見た目でどうしても……」
「この見た目だからな。いつもの事だし仕方ないと分かっている、気にするな」
「は、はい。ありがとうございます」
少し学校でのルーテシアの事を聞いてみたいな。
「ルーテシアの学校での様子はどうだ?私の予想だが君達は生徒なのだろう?」
「はい、先生に教えてもらってます……先生は授業も分かりやすいし人気ありますよ」
「優しいし可愛いしね、先生の事嫌いな生徒なんてほとんどいないと思います」
「皆さん恥ずかしいのでやめて下さい……」
褒める生徒達に照れるルーテシア、その反応のせいで可愛いと言われているのではないかと思う。
しばらく話していると彼らの一人が私に言う。
「……それにしてもクレリアさんってとんでもない美人ですよね。俺こんな美人今まで見た事無いですよ」
「周りからはよく言われるな」
すると他の女子が言う。
「なに?あんたクレリアさんに惚れたの?あんたじゃ無理よ、諦めなさい」
「う、うっせー!お前らだって見とれてたじゃねーか!」
「う……それは、こんな美人見た事無いし……ねえ?」
男女問わず顔を赤くする、褒められて嫌な訳では無いがそろそろどこかに行きたい。
「ルーテシア、そろそろ行かないか?」
「そうですねお姉様、みんな気を付けてね?あまり夜遅くまで外にいないように」
そう言って別れようとすると、数人の……主に男子が待ったをかける。
「あの!これからみんなで服でも見に行こうと思ってるんですけど先生達も一緒にどうですか?」
「どうする、ルーテシア?私はどちらでも良いからお前に任せる」
「うーん……じゃあ一軒だけ一緒に行きましょうか、その後は好きなようにするという事で」
「やった!じゃあ行きましょうルーテシア先生、クレリアさん。いい店知ってるんです」
仕方ないと言うような表情で答えるルーテシア、彼らは喜び私達を案内しながら店に向かう。
「うわ!クレリアさん似合うー!」
「これは……惚れる……」
「お姉様可愛いですよ」
服屋に到着した私達は全員で服を見ていたのだが、彼らの一人が私に似合う服を着て欲しいと頼んで来た。
服を着てやるくらい大した事では無いので引き受けたのだが、次々着せては皆に見せている、疲れたり飽きたりしないのか?
今の姿は半そでの鳩尾辺りまでしかない上着に太もも丸出しの短い魔物革のパンツ姿だ。
胸と腰回りしか覆って無いしへそも丸出しだな。
「お姉様、後ろを向いて下さい」
「ん?分かった」
ルーテシアがそう言うので私はルーテシアに背中を見せる、すると髪留めを使って私の黒髪をポニーテールにした。
「これで良し……お姉様もういいですよ」
私は皆の方に振り向いた、すると他の皆が騒ぎ出す。
「先生分かってる!」
「これはヤバいな……」
「髪型一つでこんなに変わるのか……」
「何あの子可愛い……いいなぁ……」
騒ぐ彼ら以外にも関係のない客の声も混じり人が増えている、こんなに騒いで大丈夫なのか?
「あまり騒ぐと迷惑になるぞ?ルーテシアも一緒になって騒ぎ過ぎるな」
「あ……ごめんないお姉様……皆も他のお客さんもいるのだからほどほどにね?」
「ごめん先生、クレリアさんがあまりにもほら……ねえ?」
「ちょっとはしゃぎすぎたね、クレリアさんの姿に浮かれちゃって……」
周りから注目されている事に気が付いて大人しくなる彼ら、何事も程々にしないとな。
「お姉様、この服買いませんか?私がお支払いしますから」
「いらん、私はいつもの服で十分だ。買った所で着る事は無いと思う」
私の着ているワンピース以上にいい物はそう無いだろう。
「そうですか、残念です……その、この髪留めだけでも買いませんか?お姉様の着ているワンピースにも髪色にも合う物を選んだんです」
そう話すルーテシアの手には大きな赤いリボンが付いた髪留めがあった、気落ちしているようなルーテシアを見て私は聞く。
「私に似合うか?」
「はい、とても」
「では買って私に付けてくれ」
「……っ!はいっ!」
彼女はすぐに購入しにいく、その間に私はいつものワンピースに着替えると戻って来たルーテシアが私の髪にリボンを付ける。
どうやらポニーテールでもストレートのままでも使える様だ。
「綺麗ですよお姉様」
「ありがとう」
言葉を交わしながらルーテシアが私の手を取る、そのまま私達は生徒達に別れを告げて店を出る。
「先生ってホントにクレリアさんが好きなのね」
「産まれた時からあんな美人でしっかりした姉がそばにいたら嫌いにはならないよねぇ……」
「分かる」
後ろから生徒達の声が聞こえるが、気にせずにルーテシアに手を引かれながら次の行き先を話し合った。
その後一緒に色々な店を見て回り、ルーテシアは大満足のようだ。
ルーテシアが買ってくれた髪留めは壊れない様に保護しておいた。
夕食の時間になる前に家に帰り、四人で食事をした後に転移でリリティアに帰った。
別れる際にルーテシアが寂しそうだったが今は向こうが本拠だからな。