少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 申し訳程度の他者視点。

 この作品の注意事項

・作者の自己満足

・素人の作品

・主人公最強

・ご都合主義

・辻褄が合わないかもしれない設定

・注意事項が増える可能性

 等が含まれます。

 以上をご理解したうえでお読みください。

 読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。





040-03

 「エルフィ様、本日の執務は終了となります」

 

 「分かったわ」

 

 席を立ち私室へと移動する。

 

 今日の執務はこれで終わりね。

 

 力を抜き、気分を切り替えた私はふと過去を思う。

 

 今でこそ森林国家ユグラドは繁栄し私も初代女王になっているけれど、私だけの力で成し遂げた訳では無かった。

 

 沢山の仲間に支えられて来た……そう思いながら私室に入り、ある人物を思い浮かべる。

 

 その人物の名はクレリア・アーティア。

 

 森人のハーフで私の友人。私の国が安定したのは彼女がいたからと言っても過言では無いわ。

 

 色々と助けてくれた後、彼女は突然姿を消した……その間に戦争なども起きた。

 

 そして再会した時、彼女はアーティア帝国の帝母になっていた……けれど関係が壊れる事は無かった。

 

 だが……私は気が付いてしまった。

 

 きっかけはクレリアと再会し、再び交流を持ち始めたある時の会話。

 

 ウルグラーデのティリア魔法技術学校校長であったケイン・イヌスさんについて話す機会があった。

 

 彼女は彼が年下であるような話し方をしていたのだ、明確にそうだと言った訳では無いが間違いないと私には感じられた。

 

 彼が亡くなった時の年齢が400歳を越えていたという話を聞き、更に彼が幼い頃に彼女が魔法を教えた……という話を聞いた。

 

 この話と彼女が彼を年下扱いしていた事からも分かる通り、彼女は彼より年上なのはまず間違いない。

 

 そして彼が亡くなってから既に二百年以上が過ぎている……そうすると彼女の年齢は600歳以上……どう考えても森人の寿命を超えている。

 

 その上、彼女は自身をハーフだと言っていた。基本的にハーフは純粋な森人より寿命が短い事が分かっている。

 

 彼女が嘘をついているのは間違いない。

 

 私は悩んだ……この事を彼女に話し説明を求めるか、心に秘めて今の関係を続けるか。

 

 そして私は心を決めた。私の寿命も後百年程だ……知らないままでいたくはない、聞いた結果どうなったとしても構わない。

 

 私が彼女に連絡を取り、会いたい事を伝えると来てくれるそうだ。

 

 彼女は話してくれるだろうか。

 

 

 

 

 

 

 私は現在、森林国家ユグラドにいる。

 

 エルフィから会いたいと連絡があったので会いに来た。

 

 私はエルフィの私室へと案内されて部屋に入ったが、メイドが飲み物を入れて部屋を出るまでエルフィは一度も話す事は無く、どこか緊張しているようだった。

 

 「どうしたエルフィ、何かあったのか?」

 

 ソファに座り用意された紅茶に取り出したモー乳を入れながら声をかける。

 

 彼女は黙ったまま自分に用意された紅茶を見つめていたが、心を決めたのか話し始める。

 

 「今日来てもらったのは貴女に聞きたい事があるの」

 

 「なんだ?」

 

 「……貴女は一体何者なの?」

 

 森人のハーフだと知っているはずだが。

 

 「何者とは?」

 

 「貴女は自分を森人のハーフだと言っていたけれど……気が付いてる?貴女の話と事実を照らし合わせると貴女は今600歳を超えてる事になるのよ?」

 

 なるほど。

 

 自分の時間感覚がおかしいのは分かっている、いつの間にかぼろを出していたんだな。まあ彼女になら知られても良いだろう。

 

 「森人の寿命は最大でも500歳前後だったか。600歳を超えていたら怪しむのは当然だな」

 

 「あっさり認めるのね……更に言うとハーフの寿命はもっと短いから明らかに異常だから」

 

 「そうか、まあエルフィ個人になら知られてもいい。広めるのはやめてくれよ?」

 

 「話してくれるの?」

 

 「自分から話す事は殆ど無いが、気がついている者に隠す気も無いからな」

 

 彼女は明らかにホッとしているように見える、何をそこまで緊張しているのか。

 

 「何でそんなにホッとしているんだ?」

 

 「……話してくれないかと思っていたのよ」

 

 「問題無いと判断した相手には話すぞ?駄目なら忘れて貰えばいいからな」

 

 「ちょっと、怖いこと言わないでよ……。で、話してくれるのよね?教えてよ」

 

 私は自分の事を話して聞かせる事にした、証拠も見せれば納得するだろう。

 

 「そうだな、教えよう。まず、お前の考えている通り私は森人のハーフでは無い。本当は自分でも何だか分からない何かだ。そして一万年以上前からこの世界に存在し続けている」

 

 「え……?」

 

 「知的生命体に出会う事を目的にして大半は眠っているような状態だったのだが、目を覚まし人に出会い、彼らに紛れて過ごすようになった」

 

 「ちょっと……?」

 

 「その後色々とあって神として名を残してしまう事に……」

 

 「ちょっと待ってってば!?」

 

 いきなりエルフィが大声で止める、話して欲しいと言ったから話しているのに。

 

 「どうした?」

 

 「いきなりどんどん言われて理解が追い付かないわよ!」

 

 「悪かった。ではゆっくりと話して行こう」 

 

 こうして私は彼女に一つ一つ話して聞かせた、彼女は話を聞く度に驚きながらも聞き続けた。

 

 

 

 

 

 

 思いつく限りの話をした後、エルフィはソファに寄りかかり何か考えているのか目を瞑り動かない。

 

 やがて彼女は目を開き、座りなおすと私を見て話し出す。

 

 「ええと……何を言えばいいのかしらね……」

 

 このような反応をするのは仕方ないのかも知れないな。

 

 「一万年以上前から生きているのよね?」

 

 「そうだ、当時は人類は勿論いなかったし、大陸の数も形も今と違っていたな」

 

 「貴女が嘘をついているとは思えない……でも……」

 

 信じ切れていないようだな、まずは確実な証拠を見せた方がいいか。

 

 私は髪を束ねてカップを取ると紅茶を飲む、もう冷めている。

 

 魔法で私とエルフィの紅茶を温めなおした。

 

 更に片手を黒く染める、エルフィはそれを目を見開いて見つめていた。

 

 「それ……どうなっているの?」

 

 「信じ切れていないようだからな。これで私が間違いなく「何か」である事が分かったか?」

 

 そう言って全身を黒く染めていき、やがてかつてクログウェルの前で見せた姿になる。

 

 魔力も魔素も出していないから彼女に危険は無いだろう。

 

 「怖がるな、私は最初から私だった。見た目だけだ、突然中身が変わったりはしない」

 

 エルフィは少し震えていたようだが、私の言葉を聞いて気を取り直したようだ。

 

 「信じられなくてごめんなさい。もう大丈夫よ……この目で見た事はごまかせないもの」

 

 私はいつもの姿に戻り手で持って熱い紅茶を飲んだ。

 

 「そう……全て本当なのね。一万年以上昔から存在する事も……自由神が貴女であった事も、様々な事を人類に教えた事も……」

 

 「言い忘れていたがこの国の世界樹も私が昔魔法をかけた樹だと思う」

 

 「へっ?……じゃあ神木は貴女が作ったの?」

 

 「意図してやった訳では無い、以前死にかけていた樹から果実を取った事がある。その礼に回復させたんだ、その当時から他の樹よりも大きくなっていたな」

 

 「昔からそんな事が出来たのなら、神と思われるのも仕方ないんじゃないかしら……」

 

 「当時はそんな事になるとは思っていなかったからな。神ではないのに神扱いされたのは興味深かった」

 

 「全部細かく聞きたいけど、時間がかかるから一つだけ聞きたいわ」

 

 「何だ?」

 

 「貴女は……世界の敵になる事はあるの?」

 

 「私から敵になる事は無いだろうな。襲って来る者は殺すが、自分から意味も無く殺そうとは思わない」

 

 「そう、それなら……安心したわ。これからもよろしくね?」

 

 「こちらこそ」

 

 彼女は微笑んで言う。

 

 私はそれに言葉を返し、いつものように雑談をして過ごした。

 

 最初は多少ぎこちなさが残っていたが、話している内に元に戻った。

 

 やがて夜になり、また会う事を約束して私はリリティアに帰った。

 

 

 

 

 

 

 私は部屋でカミラから借りた報告書を読んでいる。

 

 魔道飛行船に搭載する兵器と魔道障壁発生装置、またそれに関連する部分の改良は難航しているようだ。

 

 使用する魔力に対して用意出来る魔力が足りないらしい。

 

 多少改良され、改善されているがそれでも問題無く運用出来る状態にまで達しないという。

 

 私も研究所に行って色々と説明を受けているのである程度は分かる、だが本格的に私が研究に取り組む事は無い。

 

 やる気にならない。

 

 各国は豊かになっているため研究開発は不自由なく出来るだろう。

 

 きっといつか出来る日が来るだろう。

 

 

 

 

 

 

 私の周囲は少しずつ変わっていく。ミナが校長をルーテシアに引継ぎ引退し、各国の町並みも数階建ての物が増えて来た。

 

 以前試していた住宅の有効性は認められ、各国に普及した。

 

 安い上に大人数を収容出来るので若者に人気らしい。

 

 そして研究開発の方でも新たな技術が開発された。

 

 「吸魔法陣」と名付けられたその技術は、世界の技術全てを再び進化させる事になった。

 

 周囲の魔力を吸収してそのまま使用したり貯蔵する事が出来る技術で、これにより使用中にも時間によって自動的に魔力が補充されるようになった。

 

 この発見がされた時は大騒ぎだった。今まで人力であった魔力の補充を自動化し、大気に漂う魔力を使用する事で魔力を気にする事無く使用出来るようになったのだ。

 

 この技術に飛びつかない訳がない。

 

 主要な魔道具は見る見るうちに吸魔法陣が使われた物に変更された。

 

 そして当然ながらその技術は魔道飛行船関連の物にも応用され、使用魔力の改善などもあり、魔道兵器の安定した搭載、運用が実現した。

 

 こうして完成した武装船は非武装の物が「魔道飛行船」と呼ばれるのに対して「魔道飛行戦闘船」と呼ばれるようになり量産体制に移って行く事になる。

 

 

 

 

 

 

 ある日カミラの執務室で私とカミラは会話を交わしている。

 

 話しているのは魔道飛行船隊を襲った竜族と思われる魔物の事だ。

 

 この話をする少し前にクログウェルから連絡があり話をしたのだが、それが問題だった。

 

 

 

 

 

 

 『久しいなクレリア』

 

 私が部屋でくつろいでいる時クログウェルから念話が来た。

 

 『久しぶりだな。今は何処にいるんだ?』

 

 クログウェルが話した場所は分からない場所であったが、新しい場所で問題なく暮らしているのならそれで良いと気にしなかった。

 

 『そうだ、クレリアよ。最近我の同族のような奴に出会ったのだ』

 

 『他にもいたんだな。話の分かる相手だったか?』

 

 『話にならぬ相手だったぞ、我の話を聞きもせず襲い掛かってきおって……』

 

 『知性の無いただの魔物だったのか?』

 

 『いや、会話は出来た。ただ我を敵としか見ておらず、罵倒を浴びせて襲い掛かって来たのだ』

 

 『知性があるのにそんな行動をとったのか?』

 

 『うむ、何を言っても返答が滅茶苦茶でな……会話にならないというのはああいった状態をいうのだな』

 

 『それでどうした?』

 

 『うむ、あまりにも無礼なので殺した』

 

 『出来れば会って見たかったが』

 

 『一度は放置して去ろうと思ったのだぞ?だがしつこくてな……面倒になって殺してしまった』

 

 『気にするな、それでどんな奴だったんだ?』

 

 『ん?そうだな……嫌だが我に似ていたな……それと奴は真っ白だった』

 

 真っ白でクログウェルに似ている?

 

 『おいクログウェル、死体はどうなった?』

 

 『死体か?地上に落ちた』

 

 『場所は分かるか?』

 

 『大体でいいのなら分かるぞ、どうした?』

 

 『案内しろ』

 

 『いきなり何だ、仕方ないな……』

 

 こうして私はクログウェルが殺した魔物の死体を回収しに行った。

 

 案内された場所は魔道飛行船隊が発見した大陸の一部だった。そして発見した死体は確かにクログウェルに似ていて、全身が白かった。

 

 私はクログウェルに礼を言い、その死体を回収して戻った。

 

 そして私はカミラに死体を見せながら、クログウェルが戦闘になった位置と全身の色から、魔道飛行船隊を襲ったのがこの魔物である可能性が高いという事を話した。

 

 

 

 

 

 

 そして現在に至る。

 

 「あくまでもそうである可能性が高いだけで確実ではないのよね……」

 

 「事の経緯と、確定では無く、違う可能性もある事を一緒に報告すればいいだろう」

 

 「報告は必要ね。それから……気を緩めず、新しい大陸への再挑戦は当初の予定通りのまま進めましょう」

 

 「他にも危険な存在がいる可能性もあるからな」

 

 それからカミラは自国と同盟各国に魔道飛行船隊を襲ったと思われる魔物が帝母の友人に討伐された可能性があると発表した。

 

 確定した訳では無い事も伝えた。

 

 その報告を聞いた者達の多くは危険な戦闘を行わずに済む可能性が高くなったと喜んだようだが、一部の者は自分達の手で殺したかったと考えていたようだ。

 

 危険な存在がまだ存在する可能性が残っているため準備は予定通り行って新大陸へと向かう、という事も忘れずに発表し、計画は進む。

 

 

 

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