・作者の自己満足
・素人の作品
・主人公最強
・ご都合主義
・辻褄が合わないかもしれない設定
・注意事項が増える可能性
等が含まれます。
以上をご理解したうえでお読みください。
読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。
魔道兵器と魔道障壁の開発も終わり、魔道飛行戦闘船も数が揃った。
ここに至るまでに大きな出来事無く、私は日々を過ごしている。
あえて言えば、自由神神殿の巫女達が各地に広がり始めた事か。
巫女の中にも別の道を望む子が現れ始めたので、私は彼女達の女性しか生まれない状態を元に戻した。
私は彼女達に自由神として接して話し、説明した。
彼女達は神の印が無くなる事を嘆き拒否したが、生まれる子の性別を元に戻すだけで、私の印は消えないと伝えるとあっさりと納得した。
黒髪黒目の彼女達は目立つ、だがやがて血が混ざり合い、世界に広がればそれも無くなるだろう。
いまだに自由神信仰は世界に根付いていたが、いつの間にか出来ていたもう一つの神の、戦神信仰だったか。それも裏では世界に広がっている事を知った。
何故裏なのかと言うと、戦神信仰の教義とでもいうべき物に問題があった。
終わりのない闘争の世界を望む、という物になっていて、人間にとっては色々と問題があるようだ。
その事を知った時、裏で世界中に終わりのない闘争の世界を望む者達が広がっている事に気が付いたが、興味は無いので放置した。
現在、魔道飛行戦闘船を一国で五隻用意し、全二十隻で新大陸へと向かう直前の準備段階になっている。
アーティア帝国が作り上げた空戦部隊と飛行部隊は各国でも採用され、現在では各国に部隊が設立されている。
魔道飛行戦闘船は最新の設計で開発され、各国に作られた空戦部隊と飛行部隊がそれぞれの国の魔道飛行戦闘船に配置された。
先日、世界が注目する中、準備が完了し、出発式が行われ魔道飛行戦闘船隊は再び新大陸へと旅立った。
そして今、私はカミラの私室でくつろいでいる。
「これからは魔道兵器を使って戦うようになるのかしらね……?」
カミラが言葉をこぼす。
「そうだな、魔道飛行戦闘船があれば地上の魔物を討伐するのはかなり楽だろう、その程度の相手に使うには過剰戦力だと思うが」
「確かにあれで攻撃したら森ごと無くなりそうよね……」
「基本的に各国の王の許可が無ければ出番はないんだ。必要無ければ許可しなければいいだろう」
「そうね、強力な魔物でも現れない限り使う事は無いかも知れないわね」
その後新大陸に溢れていた魔物を一部の国が魔道兵器の力で薙ぎ払い、開拓する事に成功したと報告があった。
結局魔道兵器を使ったようだが、楽なのは間違い無いからな。
それから各国は移住者を募り、人類は急速に新大陸を開発していった。
新大陸の開発によってそれなりの町が出来始めた頃。
ミナから連絡があり、ルーテシアがティリア魔法技術学校の校長を辞めると言われた。
更にルーテシアは私と暮らしたいと言っていて、私の許可と、住んでいる城がある首都のリリティアに何か仕事は無いかと私に連絡を取ったようだ。
私がカミラにルーテシアがこっちに来るかもしれない、という事を話すと、喜んで歓迎すると言った。
「いらっしゃい、入って」
私が彼女達の家にやって来ると、ミナが出迎えてくれる。
そしていつものように飲み物を用意され、ソファに私とミナ、ルーテシアが揃った。
「私と暮らしたいらしいな」
ルーテシアが頷く。
「私としては問題無い、カミラも歓迎すると言っていた」
「本当ですか!?」
喜ぶ彼女。
私にとっては娘のような物だし、カミラからすれば妹だからな。
断る事はまず無い。
「仕事だが、リリティアにある魔法技術学校の教師などはどうだ?」
現在は各国にも学校が出来ている。一番有名なのは間違いなくウルグラーデのティリア魔法技術学校だが、他の学校も極端に悪い所は無い。
「教師なら問題ありませんね」
「後は部屋だが、都市に家を用意するか、城で部屋を用意するかだな」
「私が城に住んでも問題無いのですか?」
「カミラが良いと言ったから問題無いな」
不安そうに聞いてくるルーテシアに答えると安心したような表情に変わった。
「ルーテシアは家庭的だから貴女の専属メイドにしても良いわよ?」
ミナがそんな事を言って来た。
確かに家庭的だし悪くはないかも知れないな。
そう思った私は誘ってみる事にした。
「私と住んで専属のメイドでもやるか?」
「やります!」
いきなり前のめりになり叫ぶルーテシア、ミナは苦笑いしている。
「本気か?私は冗談で言ったのだが」
「駄目ですか……?」
彼女は泣きそうになっている、本気ならそれでもいい。
「ルーテシアが本気でそれが一番いいと考えているのなら構わない」
「是非お願いします!」
その返事を聞いて私はルーテシアの隣に座っているミナを見る。
「ミナ、いいのか?」
ルーテシアを見て苦笑いしていたミナは私を見て言う。
「貴女が迷惑でないならこの子の好きにさせてあげて?」
その後ルーテシアは私と共に住み、私専属のメイドになるという事に決まった。
念話でカミラにその事を伝えると大笑いしていたが許可してくれた。
その話をした深夜、ルーテシアが眠りに落ちた後に私は彼女が起きないようにベッドを降り、リビングに向かう。
リビングのソファにはミナが座って紅茶を飲んでいた。
「それで……どうしたの?」
「聞きたい事があってな。念話でここに居るように頼んだのはルーテシアの事だ」
「そう」
彼女は紅茶を置いてソファに座りなおす。
「男嫌いは改善していないようだな」
「そうね……あの子はほとんど変わってないわ……孫が見たかったけど、本人が嫌なのに無理に結婚させたくは無いわ」
「時間が解決すると思ったんだが、駄目だったか」
「あの子は以前からこうするつもりで、校長になってから任せられる人材を育ててたのよ」
「そうだったのか。学校の所有権はどうなる?」
「ウルグラーデの運営陣に任せる事になるでしょうね。貴女かカミラさんが欲しいなら譲ってもいいわよ?」
「やめておく、もう私が関わる事は無いだろう。カミラには聞いてみたのか?」
「聞いたわよ?流石に手が回らないみたい。国の運営になら出来るみたいだから頼むつもり」
「その辺りの判断は好きにするといい」
「……ルーテシアの事、お願いね?」
「何だいきなり。よほどの事が無い限り見捨てる事など無いぞ?」
私やカミラを殺そうとするようなら考えるが。
「私ももういつ死んでもおかしくない年だもの。安心して娘を任せられるのは貴女とカミラさんだけ……貴方達なら私が居なくなった後もあの子が幸せになれると信じられるわ」
「幸せは人によって違うらしいからな、上手く行くかは分からんぞ?」
「大丈夫よ……貴女のそばにいれば」
「まあそれでいいなら彼女が死ぬまで共に居よう」
「ありがとう」
「どうせならミナもこちらに来るか?部屋を用意するぞ?」
「私はこの家に残るわ……ここは私の大切な場所だから」
「そうか、気が変わったらいつでも言え」
「ありがと」
そう言うと彼女は部屋に戻って行った、私は誰も居なくなったリビングでしばらく過ごした後ルーテシアの元に戻り朝まで過ごした。
「そうか、気が変わったらいつでも言え」
「ありがと」
クレリアにそう返して私は自室に帰りベッドに横になる。
「……これがあの子の幸せなら、母親として応援するわ」
ある日私はルーテシアから話があると言われてあの子の話を聞いた……その内容は中々に衝撃的だった……。
自分が男をどうしても恋愛対象に見られない事、クレリアを愛している事、男嫌いになる以前から初恋がクレリアであった事……。
こんな気持ちの悪い娘でごめんなさいと……そんな事を泣きながら私に話すのだ。
私は混乱したが……彼女に何かを言わなくてはと彼女を抱きしめ、気持ち悪いなどと思わない事、貴女は大切な娘である事、無理ならば男と恋愛などしなくていい事を話した。
あの時は私も自然と涙が出て来たわね……娘は今までずっと隠し続けて来たんだもの。
そして落ち着いた私達はこれからの事を話し合った。
彼女はこの思いは伝えないつもりでいる事と、学校の校長を辞めてクレリアのそばにいたい事を話し、私にそれを認めて欲しいと頭を下げられた。
私はそれを認めた。
そしてルーテシアから既に学校を任せられる人材の育成を行っているという話を聞いた私は、それが終わったら校長をやめて彼女のそばに行く事を薦めた。
私の言葉を聞いて、クレリアが娘を専属のメイドにすると言った時、娘は受け入れると思った。
そして娘は予想通り食いつき、その地位を得た。
彼女はそこまでする相手を見捨てたりはしない……娘が不幸になる事は無いだろう。
これで思い残す事は無い……。
その夜、彼女に呼び出され娘の話をした。
彼女は時間が解決すると思っていたようだけど、娘の話を聞いていた私は時間など意味が無かった事を知っている。
私も誘われたけれどここも私の大切な場所だから断った。
彼女は娘が死ぬまで傍にいると言ってくれた。
これで私は安心して逝く事が出来る、まあ……まだまだ死ぬ気は無いけどね。
その後、ルーテシアは私の部屋で共に住み、世話をする専属メイドとなった。
ただ、メイドとしての教育を受けていないためしばらくは毎日メイド教育を受けて貰う事になった。
私としてはそのままでも良かったのだが、ルーテシアがしっかりと覚えたいと言ったのでこうなった。
真剣にメイドを目指すつもりなのか?形としてはメイドだが私としては娘と暮らすような気分なんだが。
ミナは学校の所有権をアーティア帝国に譲渡したようだ。
それからルーテシアとの生活が始まった。
彼女は私が眠らない事を既に知っているため私に会わせて無理をせず、しっかりと寝る時間を取るように言い聞かせた。
出来るだけ一緒に寝て欲しいと言われたので私は頷いた。
この子は昔から私と寝るのが好きな事を知っている、それくらいなら構わない。
毎日彼女はよく頑張っている。
メイドとしての勉強を始め、私の身の回りの世話を嬉しそうに、楽しそうに行い、風呂も食事も、私の生活のほとんどの時間に寄り添い、世話をしてくれる。
彼女は本気で私の専属メイドになる気らしい。
カミラはまるで私の妻のようだとからかい、ルーテシアは顔を赤くしていた。
こうして私とカミラの日常にルーテシアが加わった。