・作者の自己満足
・素人の作品
・主人公最強
・ご都合主義
・辻褄が合わないかもしれない設定
・注意事項が増える可能性
等が含まれます。
以上をご理解したうえでお読みください。
読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。
私達が島に移り住んでから時が過ぎる。
私達は時間を既に気にしていないが、ルーテシアが言うには数十年……少なくとも二十年以上は過ぎているらしい。
ある日私とルーテシアは街に買い物に来ていた。
カミラは「たまには二人で行ってらっしゃい」と辞退した。
「お姉様、これはどうですか?」
「グライウの肉か、買っておこう」
「他に何か買いますか?」
「クログウェルのために調味料を買っておこう」
「調味料は……あちらですね、では行きましょうか」
クログウェルは私達が帝国を出た後に取引を辞めた。
行くたびに魔道兵器が狙いを定めて来るのが気に入らないらしい。
結局街に買い出しに来ている私達が代わりに買っている。
金はクログウェルが今まで鱗などを売った金が余っているので問題は無かった。
買い物を終えて町を歩いていると、国の情報紙が店先に置いてあったので購入し、店に入る。
デザートを食べながら読んでみよう。
色々と書いてあるが……ふむ、新たな兵器の研究開発を継続していくか。
「どんな事が書いてありました?」
ケーキを食べながらそう尋ねるルーテシアに紙を渡す、彼女はそれを読むと溜息を吐く。
「これ以上どうするつもりなんでしょうか……もう十分な気がしますけど」
「気持ちは分かるぞ?」
「え?」
彼女は驚いたように私を見る。
「何が起こるか分からない以上、力はつけておいて間違いはないはずだ。私もそう思いながら強くなった。私は生きたいように生きるには力がいると思っているからな」
「言いたい事は分かりますけど……ただの戦争の道具になりそうです」
「国家間の関係が悪くなればそうなる可能性はある。私達が国を出た時点で不穏な思想があったし、半ば追い出されるようにカミラは退位したからな」
「……何故それを許したのです?」
彼女は少し不機嫌な声で話す。
「簡単に言えば私達とゆっくり暮らすために丁度良かったと言う事だ。長く求められるまま帝位にいたが、求められなくなったので丁度良いと辞めた訳だな」
「国の人達はお姉ちゃんを都合よく使っていたんですか?」
「違うな。確かにカミラは国民から求められて皇帝になったが、強制された訳では無い。嫌ならば皇帝になどならなかっただろう、彼女自身が求めに応じたんだ」
ルーテシアは黙って聞いている。
「カミラなら力を示し再び統率を取り戻す事も出来ただろう。だが彼女は私達と共に居る事を選んだ。気になるなら本人に聞いてみるといい」
「そうですか……」
「私もカミラも都合よく利用されるのは嫌いだからな。カミラは私の教育のせいかも知れないが」
「ふふ……お姉ちゃんはお姉様によく似ていますよ?」
微笑んで言うルーテシア、見た目の話では無いだろう。
「そうか?私が育てた娘だからな、多少似る事もあるか」
「ええ、そっくりです。お二人が思っている以上に」
そんなに似ているか。穏やかに笑いながら言うルーテシアを見ながら、残っていた紅茶を飲んだ。
転移で自宅に戻った私は、町で見た光景を思い出す。
町の上空に飛んでいた魔道飛行船は見た事の無い物だった。
新しい魔道飛行船は順調に作られているようだ、国を離れた私達が国の計画を知る機会は少ない。
エルフィに聞けば教えてくれるかもしれないが、外部に漏らした事がばれると彼女の立場が悪くなるので聞いていない。
世界の動きを知るための手段が欲しい所だ。
私一人ならそのままにして楽しむ所だが、カミラとルーテシアが危険に晒されるのは避けたい。
何か作るか、考えておこう。
いい案を思いついたら試作してみよう。
『クレリア、聞こえるか?』
ソファでそんな事を考えているとクログウェルから念話が届く。
『どうした?調味料なら買っておいたぞ、また取りに来い』
『いや、それも大事だが用事はその事では無い』
『なんだ?』
『我の住んでいる大陸にお前達のいた国の魔道飛行戦闘船……だったか?それが飛び回っていてな……どうやら我を討伐するつもりのようだ』
まあ、どの種族から見てもクログウェルは恐ろしい魔物に見えるだろうな。
『好きにしていいが、手を出すといつまでもまとわりついて来ると思うぞ?』
『面倒な……滅ぼしてもいいか?』
『それはやめて欲しい。楽しみが減ってしまう、私は彼らの先を見たいからな、今滅びるのは困る』
『そう言うと思っていた。我がそれを無視して滅ぼそうとすれば我が消える事になるのだろう?』
『どうだろうな』
『全く貴様は……我はここに居るのはやめてお前達のいる島に住む事にした。構わんな?』
こちらに来るのか、島は広いから問題は無い。
『いいぞ。私達と暮らそう、二人も喜ぶだろう』
『当然だな、すぐに向かうぞ』
こうして三人で暮らしていた島に、竜族のクログウェルが加わる事になった。
クログウェルも流石に野ざらしは嫌なようだったので、島の岩場をくり抜いて住処を作ってやった。
彼女は時々私達と共に海に潜ったり模擬戦をしたりするが、大抵は色々な場所で寝ている。
住処で寝ないのか。
更に気まぐれに魔物を捕らえて戻って来ては、ルーテシアに調理を頼んでいる。
ついでに私達の分の魔物を取って来てくれる時もある。
そんな事を思っていると重い音と振動が近づいてくる。
「我は地上にあまりいる事は無かったが……ここは中々よい場所だな」
私達が外で昼食後の休憩をしている場所に、クログウェルが姿を現した。
「クログウェルさん?畑を踏まないでくださいよ?」
「分かっておる……」
ルーテシアの言葉に疲れたように呟くクログウェル。
最初にこの島にやって来た時、クログウェルは畑に着陸してカミラとルーテシアに説教を受けた。
戦いならともかく、言葉でひたすらに叱られる事など恐らく今まで無かったはずだ。
クログウェルには親しい二人からの説教は効果的だったようで、それ以来畑や建物を注意深く見て判断するようになった。
「クログウェル、今から模擬戦出来る?」
私とルーテシアのそばで椅子に座っていたカミラが声をかける。
「今日は気が乗らん……後にしろ」
「仕方ないわね。お母様……いい?」
カミラは私を見て頼んでくる。可愛い娘の頼みだ、聞いてやろう。
「いいぞ、いつものように周囲に影響が出ないように海の上で空間を隔離してやるからな?」
「私はともかくお母様の攻撃が外部に漏れたら危険だものね」
「お前が死ぬような攻撃はしていない」
「お母様は私やクログウェル相手だと死にはしないけど危険な攻撃をしてくるじゃない」
「それなりに危機感が無ければ効果が薄いからな。ルーテシアはともかくお前達は多少無理をしても平気だ。出来るだけそんな事にならないようにするつもりだが、いざとなれば生き返らせてやる」
「私も結構自分を化け物だと思っているけれど……お母様はもう理解不能よね?」
「魂の意思は尊重するぞ?生き返りたくないと言うなら無理には生き返らせないし、私の頼みを聞きたくないというのなら無理強いもしない」
「……私もう色々麻痺して驚かなくなったわよ」
そんな私達の会話を聞いて呆れた表情をするクログウェルと固まっているルーテシア。
私は長い研究と能力開発で色々と出来るようになっている。
分かるように説明しろと言われるとどう説明すればいいか分からないので、まだまだ私は未熟だ。
新しい生命を作ってみたり、他の知的生命体が存在する世界などから色々と連れて来たり送ったり、難しくはあったが色々と出来るようになった。
何より他の知的生命体がいる世界がある事は私も驚いた。
カミラに初めて成果を話した時は大騒ぎして「いきなりとんでもない事言わないで!」と叱られた。
これからの目標はその力や技術を更に磨く事と、新たな力の開発。もっと出来る事を増やす事だ。
「何が起こるか分からない、貴様の事だからそうそう危険な事は無いと思うが……気軽にやるでないぞ?」
クログウェルが言う。
「実際にやる事は……どうだろうな?……いつかはやるかもな」
「……それが原因で大事にならないといいけれど」
我に返ったルーテシアが言う。
「今の話は……本当、なんですよね……?お姉様がわざわざそんな嘘を言う意味は無いですし……」
「ルーテシアよ、お前のお姉様は我でも理解不能な力の持ち主だぞ?まあ……気にしない事だ」
ルーテシアに重々しく声をかけるクログウェル。
以前私が彼女を黙らせるために見せた状態は彼女しか知らない。
ここでそんな事をすればカミラとクログウェルはともかく、ルーテシアが死ぬ。
「ルーテシア、私の年齢は知っているだろう?時間をかければこれ位は出来るようになる」
「そう……でしょうか?」
「ルーテシア、此奴の言う事を何でも信じるのはやめておけ。我にはどれだけ時間をかけようが不可能に感じるぞ」
私の言葉に納得しかけたルーテシアをクログウェルが止める、私はおかしな事は言っていない。
「お母様、取り敢えず模擬戦をしましょうか」
「そうだな」
考え込むルーテシアとその姿を見ているクログウェルを横目に、私達は島から離れた。
私は十分な広さを魔法で隔離し、外に攻撃が漏れないようにする。
「準備は出来た。いつものように範囲外には出られないからな?」
「ええ、今度こそお母様に勝つ……のは無理だと思うけれど、手こずらせて見せるわ」
「私はお前の力量に合わせて強さを変えるからな」
「はい、お母様」
「今回は遭遇戦をやるか、私は転移でどこかに移動する。お前は私を見つけ出し、討伐するつもりで来い」
「……分かりました」
やはり私相手だと本気が出せないか。
「大丈夫だ、カミラの本気程度で私がどうにかなる事は無い」
「分かりました……出来るだけ本気で行きます」
出来るだけか、誰であろうと敵になった時は殺すべきだが。
まあこの子はこれでいいのかもしれない。
主人公は自分が出来る事は長い時間をかけた鍛錬と研究の成果だと考えているので、寿命の問題……つまり自分と同じように時間をかける事さえ出来れば誰にでも出来る事だと思っています。