・作者の自己満足
・素人の作品
・主人公最強
・ご都合主義
・辻褄が合わないかもしれない設定
・注意事項が増える可能性
等が含まれます。
以上をご理解したうえでお読みください。
読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。
私は現在、戦闘範囲にある小島の森に潜んでいる。気配はカミラにも感じられる程度に出しているから集中すれば分かるはずだ。
カミラはまだ遠くにいる、こちらから見つかりにくいように海中を進んでいるようだ。
こちらに近寄って来ているが、気が付いたような動きはしていないな。
気配を消しすぎたか?
私がもう少し気配を出すか考えていると、突然周囲が明るくなる。
上を見た瞬間、輝く光球が私の付近に落ち、爆発を起こした。
障壁を張りながら爆風に乗って離れる。
先程の光球で私がいた島は消え、えぐられた島の跡地に海水が流れ込み始めている。
気が付いていたんだな。そう思った瞬間、離れた海面から光の奔流が二本私に放たれる。
照射され続ける魔法を障壁で防ぎ、カミラのいるであろう場所に魔法を打ち込む。
私の放った魔法が水面に着弾するよりも早く、背後の海からカミラが飛び出してくる。
遠隔発動。
魔法の始点にカミラは居なかったか。
近接戦闘か、付き合ってやろう。
私の魔法の爆発音が響く中、カミラは両手の爪を伸ばし斬りかかってくる。
その鋭い攻撃を私は素手で受け止める。
中々の速度だ。私達は立ち位置を激しく入れ替えながら、近接戦闘へと移行した。
甲高い金属音が海上で響く。こうして普通に戦っているが、クログウェルは目で追う事が困難で、ルーテシアは動きが全く見えていないらしい。
かわした攻撃は海を深く割っている、今日は多少強めに攻撃しているようだ。
私は爪での攻撃をされながら、更に上下から魔法の照射を受ける。
照射されている部分にのみ障壁を張り魔法を遮る。
カミラは私の対応を予想していたのか、動揺は見られない。
「お母様の防御を抜ける気がしないんだけど……?」
「本気を出さないからだ」
「そんなの関係ない癖に!その気になれば全部避けられるのにわざと受けてるの知ってるんだからね!」
戦いながら会話する私達。カミラには悪いが、私が戦う時は手加減するしかない。
手加減しないと彼女相手でも戦いにならずに終わってしまう。
常に手を抜かれているという思いが彼女にあるのも当然だ。
「悔しいのなら全力を見せてみろ」
言葉は返さずに攻撃の勢いが増すカミラ。
しばらく攻防を繰り返していると突然私の体の動きが鈍り、動かなくなる。
今の力では動けないな。
「抜け出さないのねお母様……ではお望み通り受けて貰いましょうか」
「魔法陣か、訓練していたんだな」
「しない訳無いでしょう?」
「それもそうか。これだけでは無いよな?」
「当然よ」
カミラは上空に目をやる、つられて目を向けると上空に巨大な立体魔法陣が描かれていた。
「良い構成だ」
「お母様の防御を貫くにはこれぐらいしなければ無理だと思うわ」
「やってみろ」
カミラは微笑むと転移で姿を消した。
そして拘束された私に上空の立体魔法陣から魔法の光が降り注ぐ。
私は転移で魔法の影響範囲外に移動する。
そして即座に魔法を発動すると、拘束されたお母様に上空から太い光の奔流が降り注ぐ。
白く輝く光の奔流は僅かな時間の後、細く収束しその威力を上げる。
現在私が出来る最大級の威力を持つ魔法……立体魔法陣を使っているから一般的には大魔法と言うのかしらね。
相手を行動不能にしないと当てにくいのが欠点だけれど、今はこれが精いっぱいだわ。
私はお母様に育てられ様々な知識を得て戦闘の経験を積んだ、幼い頃の私は戦う事が好きで日々強くなり……自分はいつかお母様を超えるのだと思っていたのを覚えている。
しかし力をつければつける程、お母様の理不尽な程の強さが分かるようになって行った、今でもお母様は誰が相手でも本気を出さない。
私はいつしかお母様が本気で力を出し切って戦える相手になりたいと思うようになった、何か一つでも認められたくてお母様の元を離れた。
皇帝となった後。私が呼ぶ前にお母様が来てしまったけれど、お母様と再会し認められた時は嬉しかったな……。
最終的には皇帝を退位しお母様とルーテシア、クログウェルと暮らすようになり、再び自由に鍛錬と研究が出来る環境になった。
……やはり私はこういった生活が好きなのだと感じた。
結局お母様の元で戦い続ける事が強くなるために最も適した環境で、改めて私はお母様といる事が好きなのだと知った。
お母様は強いだけではない。私達に理解不能な色々な事が出来る、死すらお母様には大した事では無く、簡単に覆す事が出来てしまう。
以前こことは別な知的生命体がいる世界を発見し、干渉できるようになった事をついでのように伝えられた時は思わずお母様を叱ってしまった……。
後で後悔したが私の気持ちも分かって欲しい、そんな事をいきなり言われて普通に流せる訳がない。
他にも魂をどうとか肉体を作って……などと、私では理解出来ない事を言う。
いくつかは小動物などで実験済みらしい。この島にはお母様が作った生命体が多少生息していると言う事かしら?
私はお母様に追いつく事が出来るのかしらね……?
お母様は長い時間をかければ誰でも自分と同じ事が出来ると思っている節がある。
少なくとも私はどれだけ時間をかけても出来る気がしないのだけれど……。
この魔法はそんな遥か高みにいるお母様に届きたくて作り上げた魔法だ。
周囲の魔力も利用している。それだけじゃない、この魔法に自分の魔力のほとんどを使用した……だというのに光に飲まれるお母様の気配は全く変化が無い。
やがて光は収まりお母様の姿が見える……まだ駄目ね……でも、いつかは……。
今までの攻撃で一番強力な物だった、カミラもそれなりに本気で攻撃してくれたのだろう。
何よりいつも使っている強度の障壁を初めて貫かれ、張りなおす事になった。
実に見事な一撃だった。
私が遠くにいるカミラを見ると魔力を殆ど使ったのかふらついている、私は彼女に近づき支えてやった。
「お母様……」
「見事な一撃だった。私の障壁を貫いたのはお前が始めてだ」
「本当……?」
彼女は驚いたような顔で言う。
「本当だ。間違いなくお前は強くなった、よく頑張ったな」
そう言って頭を撫でてやると私に向かって倒れこんでくる。
私はそのまま意識を失った彼女を魔法で抱き上げると、島に戻った。
カミラを寝室に寝かせ、私はベッドに腰かける。
消耗した魔力を回復させるために私は魔力をカミラに吸収させた。
すると彼女は数分で目を覚ました。
「……あれ……?」
ぼんやりとした表情で声を出すカミラ。
「大丈夫か?魔力の使いすぎだ、回復はさせたがしばらく寝ていろ」
「私……そう……魔力を消耗して気を失ったのね」
「大分無理をしたな」
「お母様に届かせるにはそうしなければ無理だと思ったから……」
「少なくとも意識を失わないように調整しておくべきだな。もう少し寝ろ」
「うん……」
頬を優しく撫でると、彼女は眠りに落ちた。
すると控えめなノックの音がした、入るように言うとルーテシアが心配そうに入って来た。
「お姉ちゃんは大丈夫ですよね?」
「大丈夫だ、魔力を使い過ぎただけだ」
そう言うとルーテシアはほっとしたように息を吐いた。
「良かった……何か大事があったのかと思いました……」
「私に一矢報いたくて少し無理をしたようだ」
「はあ……全く……普段私に無理するなとか言うのに自分はするんだから……」
「くくく……。まあそう言うな、出来ればしない方がいいが時には必要な事もある。無茶では無く、無理ならたまにはしても問題無いだろう」
「平気でも心配です」
不貞腐れたように言うルーテシア。心配をかけたか、カミラが意識を失う事などそう無いからな。
「しかし無理しただけの結果は出したぞ。今まで貫かれた事が無かった私の障壁を初めて貫いたからな」
「ええっ!?っと……」
それを聞いたルーテシアが驚きの声を上げすぐに口を押え音量を抑える。
「お姉様のあの障壁を貫いたんですか……?」
「ああ、見事な一撃だった」
「お姉ちゃん凄いわ……」
ルーテシアは眠るカミラの顔を見ながら呟いた。
「私はこの子が目覚めるまでここに居る。ルーテシアはどうする?」
「残っている家事を終わらせます、夕食までに目覚めると良いんですが……」
「そこまではかからないと思うぞ?」
「では夕食もいつものように用意しますね」
ルーテシアはそう言うと静かに部屋を出て行った。
そして外が茜色に染まる頃、カミラは目を覚ました。
「おはよう」
「おはよう……お母様」
「体はどうだ?」
カミラは上体を起こし確認する。
「ばっちりよ、もう何の問題もないわね」
「よし、では私は行く。お前も夕食までには来い、ルーテシアが心配している」
「私も行くわ、もう平気だし」
私たちは二人そろってリビングへと移動しソファに座る。
「お母様の障壁を貫けたのは嬉しいけれど、その後がこれじゃ話にならないわね」
カミラは脱力してソファに身を預ける。
「師として言うならその後に行動出来るだけの余力を残せないのは問題だ。だが母としては娘の成長を嬉しく思う」
「……ありがと、お母様……」
頭を撫でてやると照れたように俯き、呟くカミラ。
普段とは違う家族にしか見せない姿だ。
そこにルーテシアがやって来る、ルーテシアはカミラに近づくと話しかける。
「お姉ちゃんもう大丈夫なの?」
「もう大丈夫よ、心配かけたわね」
「心配しました。無理するなと普段から私に言ってるのに……」
「ごめんね、今回はお母様に私の力を見てもらいたくて」
そう言ってルーテシアを抱きしめるカミラ。
血のつながりは無いが、姉妹のように見えるな。
その後ルーテシアが食事を用意してくれた。カミラは手伝おうとしたが、ルーテシアは今日はゆっくりして欲しいと断った。
こうしてカミラが私に成長を見せてくれた日は過ぎて行った。