少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 この作品の注意事項

・作者の自己満足

・素人の作品

・主人公最強

・ご都合主義

・辻褄が合わないかもしれない設定

・注意事項が増える可能性

 等が含まれます。

 以上をご理解したうえでお読みください。

 読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。





043-04

 

 戦争の戦況はアーティア帝国がやや劣勢になっているように感じる。

 

 ヒトハが報告してくれる戦況の報告を全て合わせて考えると、そう間違ってはいないはずだ。

 

 かつてのルセリア神王国のようにお互いを敵対させる事無く一対三で戦い続け、やや劣勢で済んでいるのはそれだけアーティア帝国が強力な国である事の証明か。

 

 それから時が過ぎると、劣勢であったアーティア帝国は少しづつ押され始める。

 

 更にヒトハからアーティア帝国の各地で独立しようとする動きが起こり始めているという報告を受ける。

 

 私はヒトハに独立に関係する事を優先的に調べるように頼み、報告を待った。

 

 

 

 

 

 

 そして現在。

 

 『ご報告いたします』

 

 『頼む、まずは原因からだ』

 

 『はい。現在の帝国は上層部と軍部、帝国民の考えの違いが大きくなっています。他国を征服し統一したい上層部と軍部、一方戦争をしてまでそんな事をしたくはない帝国民……更に軍部は基本的に上層部と同じ考えですが、一部が今の帝国にはついていけないと考え始めています』

 

 『なるほど、しかしこれだけで独立しようと考えるだろうか。成功させるのはかなり難しいと思うが』

 

 『これは確実では無い情報なのですが……上層部の誰かが独立を手助けしているような痕跡があります』

 

 『アーティア帝国の上層部か』

 

 『はい、上手く理由をつけていますが各地に送られる兵達は独立を望んでいる者達が選ばれて送られていました。また、各地にいる統一思想の兵達は集められ戦地に送られています』

 

 『なるほどな』

 

 『これだけの事が出来ると言う事はかなりの地位にいる者だと思われますが、誰がやっているかまではまだ分かっておりません』

 

 『誰がやっているのか気になるな』

 

 『どういたしますか?』

 

 『独立の動きと戦況の方を優先してくれ』

 

 上層部の誰かと言う事だけは分かっているのだから、構わないだろう。

 

 『かしこまりました』

 

 

 

 

 

 

 以前から戦況に何かおかしいものを感じる。劣勢のアーティア帝国に対して押し込む好機があっても、どの国も行わない。

 

 更に防衛に力を入れて出来るだけ被害を出さない様にし、何かを待っているようにも見える。

 

 違和感を感じながら時が過ぎたある日、ヒトハからアーティア帝国の各地が独立してアーティア帝国に敵対したと報告を受けた。

 

 そしてヒトハはそれを手助けした者も調べていた、私が気になると言っていたのを覚えていたようだ。

 

 独立を手助けしていたのは現皇帝と複数の側近だった。なぜこうしたのかは分からないが彼らには彼らの理由があるのだろう。

 

 皇帝と側近ならばあれだけの事も出来なくは無いだろう、皇帝は操り人形だと思っていたが中々やるものだ。

 

 

 

 

 

 

 各地が独立した後、元同盟の各国と戦争になるかと思われたが、元同盟各国は独立した地域を素通りして侵攻したらしい。

 

 カミラが言うには「各国が事前に皇帝と裏で通じていた可能性が高い」との事だ。

 

 更に独立した地域に攻撃を仕掛けるアーティア帝国軍を元同盟国が阻んだという。

 

 この動きはカミラが言うように、同盟各国は皇帝と通じており、独立した地域を防衛する事を事前に約束していたのでは無いかと考えている。

 

 しかし様々な地域で独立の動きがあった割には独立したのは三つの地域。

 

 更に言えば僅かな領地しかない場所だけだ、これではアーティア帝国にとっては誤差の範囲でしかない。

 

 恐らくまだ何かある。

 

 

 

 

 

 

 ある日の深夜。

 

 ベッドを抜け出し研究室にいた私に、ヒトハからの報告があった。

 

 『ご報告いたします』 

 

 『聞こう』

 

 『先の独立の影響でアーティア帝国軍の内部の動きが僅かですが鈍り始めました』

 

 『誰が独立支持者か分からないからか?』

 

 『はい、独立支持者を処分する事に躍起になり探し出す事を指示していますが、指示しているのは独立支持者の側近です』

 

 『なるほど、目の色を変えて独立支持者を探す事を指示している者が独立支持者とは上手くやったな』

 

 私は微笑を浮かべる、他の者は見抜くだけの力が無かったか。

 

 『主様?』

 

 『続きを話そう。独立した地域が少ないのは何故だか分かったか?』

 

 『申し訳ございません、正確には分かりませんでした。ただ恐らくは……アーティア帝国内に疑心暗鬼を引き起こし動きを鈍らせるためだったのではないかと』

 

 『内部に独立支持者がいると知られれば動きにくくなるだろうに』

 

 『だからこその先程の策なのではないでしょうか?独立支持者捜索の責任者は独立支持者でありながら帝国内では一、二を争う程の帝国統一主義者として名が知られているようです』

 

 『なるほどな、それなら目の色を変えて独立支持者捜索を主導しても誰も疑わないか』

 

 『実際に現在もその側近が疑われている様子はありません、むしろ他の帝国統一主義者から称えられています』

 

 『時間稼ぎか』

 

 『恐らくは』 

 

 『ヒトハはこれまで通り独立の動きと戦況を優先してくれ』

 

 『かしこまりました』

 

 『気を付けろよ』

 

 『……はい』

 

 カミラも色々と仮説を考えているようだが、これからどうなるかな。

 

 

 

 

 

 

 私は庭へと出て空を見上げていた。

 

 星々と三つの月が明るく輝いている、その光景を見ながらふと考える。

 

 私なら宇宙を進み月までたどり着けるだろうか。

 

 今私は何を考えた?

 

 なぜ月が宇宙にあると考えた?何故宇宙を知っている?

 

 私の中では月は空に浮いている惑星だったはずだ。

 

 何時からこうなった?夜空を眺める事など、月を気にする事など最近は無かった様な気がする。

 

 私は笑いをこらえながら庭の椅子に座る。

 

 長い間自分の事で新しい発見が無く、私はこういう存在であると納得したと言うのに、また良く分からない事が起こるのか。

 

 以前の自分ならどう考えたか分からないが、今は来るのならいくらでも来いと感じる。

 

 自分の身にも私が思いもよらぬ事が起こるのが楽しくて仕方がない。

 

 その結果、大事な者達に危害が及ぶ事になる時が来たら私から離れる事にしよう。

 

 いつか克服して帰ると思うが。

 

 詳しい事は何もかも分からない。

 

 分からないが、私の知識は増えるらしい。

 

 私は暫く一人で月を眺めていた、そのうち月に行ってみようと思いながら。

 

 

 




 主人公が宇宙の事を知りました。



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