少女(仮)の生活   作:YUKIもと

76 / 260
 短いです。

 この作品の注意事項

・作者の自己満足

・素人の作品

・主人公最強

・ご都合主義

・辻褄が合わないかもしれない設定

・注意事項が増える可能性

 等が含まれます。

 以上をご理解したうえでお読みください。

 読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。





045-03

 各国に証拠の幸福薬と警告を送っておくようにヒトハに指示した数日後、私はその製造拠点の一つに訪れていた。

 

 町からかなり離れた場所にある大きな倉庫のような建物だ、一見周囲には人の気配は無いように見えるが、隠された監視施設があるな。

 

 私が調べて分かった事だが、依存性のある錬金薬を作るのにそこまで手間はかからない、一般的な錬金薬に依存成分を入れるだけだ。

 

 だから正確に言えばここは依存成分を作っている成分生産施設と言えるかもしれない。

 

 やる事自体は簡単に終わった。姿を消してマジックボックスに奴らを入れて行くだけだ。

 

 この施設は一番近い国に教えておくようヒトハに言っておいた。

 

 さて、こいつらを使って実験開始だ。

 

 

 

 

 

 

 「残念な結果だったな」

 

 その後私は犯罪者達を使って実験をしたのだが、全く成果が無かった。

 

 魔素、魔力共にただ苦しんで死ぬだけだった。

 

 もしかしたら魔人は魔素によって変化した他の種族だったのではないかと思っていたのだが、そんなに単純な事では無かったようだ。

 

 

 

 

 

 

 私の人を使った実験が成果無しで終わってからしばらく後、各国は違法錬金薬の存在を明らかにした。

 

 森林国家ユグラドの新人研究員が成分分析の復習で取り扱った解毒用の錬金薬から通常含まれていない成分を発見し、報告。

 

 詳しく調べた所、依存性があり生物に様々な悪影響を与える事が判明したという。

 

 ほぼ同時に他の国でも発見され、その情報は世界中に広がった。

 

 そこからは色々と大変だったようだ。

 

 各錬金薬店に調査が入り、幸福薬を販売していた店は処分を受けた。

 

 国が気が付いていなかったからか、随分堂々と売っていたようだ。

 

 錬金薬は成分分析を受ける事を義務づけられ、抜き打ちの検査も行われるようになった。

 

 私は内心では国と違法錬金薬の製造者が繋がっているのでは無いかと考えていたのだが、そんな事は無かった。

 

 依存成分を作っていた者達は裏に潜み国の手から逃れ、現在も幸福薬を求める客に裏で売り続けているようだな。 

 

 ヒトハが本気を出せば全て見つけて根絶出来るだろうが、そこまでやらせる気は無い。

 

 幸福薬は正式に違法錬金薬と認定され製作、販売、使用、所持、全てを禁じられ、違反者には厳罰を与える事が決定されたと聞いた。

 

 

 

 

 

 

 違法錬金薬の騒動が収まり話題に上らなくなった頃、私は砂浜で椅子に座り本を読んでいた。

 

 その時ヒトハからの報告が入る。

 

 『主様、ご報告したい事がございます』

 

 私は本を読みながら答える。

 

 『なんだ?』

 

 『新しい国が生まれる可能性が出て参りました』

 

 新しい国か。

 

 『詳しく頼む』

 

 ヒトハの話によると元アーティア帝国であった地域は、現在も時々三大国家である森林国家ユグラド、魔工国ガンドウ、獣王国カルガに吸収されている。

 

 そんな中、多数に分かれた国が再びまとまる気配があるという。

 

 『アーティア帝国に戻るのか?』

 

 『現在の時点で詳しくは分かりませんが、国を興そうとしているのは間違いありません』

 

 『そうか、引き続きその事は調べておいてくれ』

 

 『かしこまりました』

 

 私は穏やかな波の音を聞きながら本を読み進めた。

 

 

 

 

 

 

 国が出来たとヒトハから報告があった。

 

 以前ヒトハからの報告で国が出来そうだという報告があったが、つい最近正式に国となったようだ。

 

 『国の名前は?』

 

 『アーティア合衆国となっています』

 

 帝国の名が残ったな。

 

 『どんな感じだ?』

 

 『国の体系としてはそれぞれの国が国のまま集まっている状態に近いですね』

 

 『国の集まりか』

 

 『各国から代表を選出して、更にその中から国民に選ばれた一人が統率者となり運営していくようです。大本となる法はすべての国で適用され、各地域で細かく法が違うようですね』

 

 『面倒な国だな』

 

 『元々別の国であった物が無理やり一つの国になったのです。こうしなければ納得しなかったのでしょう』

 

 『そうかもな。ただ、帝国時代の名がそのまま残るとは思っていなかった』

 

 正直な所、もう二度とこの名は使われないと思っていた。

 

 『彼らは彼らなりにアーティア帝国に思い入れがあったと言う事なのでしょう』

 

 『良い国になるといいが』

 

 『主様、それはかなり難しいと思います』

 

 私は厳しい意見を言うヒトハに微笑んで言った。

 

 『くくっ、そう言うな。どうなるかはまだ分からないのだから』

 

 森林国家ユグラド、魔工国ガンドウ、獣王国カルガの三国はアーティア合衆国を認めた。

 

 こうして最終的に、四国が世界を支配しているという以前と似たような状態になった。

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。