・作者の自己満足
・素人の作品
・主人公最強
・ご都合主義
・辻褄が合わないかもしれない設定
・注意事項が増える可能性
等が含まれます。
以上をご理解したうえでお読みください。
読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。
新たな国の名前がアーティア合衆国だと知ったカミラが何とも言えない表情をした日から時が過ぎ、つい先日ルーテシアが逝った。
「ルーテシア……死んじゃったわね……」
「そうだな」
庭で椅子に座りカミラと語り合う。
「お母様に抱かれて幸せそうに逝ったわね」
苦しまない様にしたからな。
『死とは不思議な状態ですね。しかし、主様なら覆せるのでは?』
私の横に浮いているヒトハが言う。
「可能か不可能かで言えば可能だ」
『ルーテシア様は望まなかったのですね』
「ああ、ケインやミナと変わらない反応だった」
『ルーテシア様のご両親ですか』
「望まない者に強制する気は無い、近しい者ならなおさらだ」
彼女の体は彼女の望み通り遺灰を容器に入れて、庭に作った墓にペンダントと共に埋葬した。
別れの儀式は行わなかった。
クログウェルはあれから毎日ルーテシアの墓の傍で寝ている。
彼女は悲しむような事は何一つ言わず、ただルーテシアの死を見ていたが、それでも何か思う所はあったのかもしれない。
「お母様、昼食を作って来るわね」
食事のために私達はリビングに戻り、お母様はソファに座り私は昼食を作りに行く。
「ありがとう、頼む」
私はお母様の返事を聞きながらキッチンに向かう、ルーテシアと一緒に食事を作る事は、もう出来ないのね……。
調理器具はルーテシアが使いやすいように整理整頓されている、この配置を変える事はきっと無いわね……。
彼女と共に料理をしている内に料理の腕はいつの間にかお母様を超えていた、教えてくれた彼女には感謝しているわ。
優しく気配りが出来て、少し抜けていて……いつも可愛い笑顔を見せていた私の妹は逝ってしまった。
私達が長い時を生きる以上、これからいくらでもある事……それでも心を通わせた大事な人を見送るのは寂しいものよね……。
お母様がいる限り私が孤独になる事は無いと思う。お母様は一人でも何も問題無いはずなのに私を娘として大事にし、そばにいてくれる。
だけど私はそれに甘える事無く過ごさなくてはいけない。でも……たまになら甘えても良いわよね?
……私は、もしかしたらルーテシアはお母様を愛していたのでは無いかと思っている。
家族としてではなく女として……本人がそう言った事は無いし、私も聞く事はしなかったけど……。
ただの私の勘だし、もう真実は分からないけれど、この事をお母様に話す事はこの先もきっと無い。
彼女の想いが本当だったとしたら……何も言わずに死を選んだ彼女の事を裏切りたくは無いから。
私はルーテシア仕込みの料理を次々と作って行く、そして完成した料理を浮かせてお母様の所へ持って行く。
「では頂こうか」
準備を終えお母様の言葉を聞き、食べ始めた。
「お母様、美味しい?」
「美味いぞ、ルーテシアと料理をするようになってから驚くほど上達したな」
そう話しながら食べるお母様は、食事の速度は遅いけれど食べる量に限界が無い。
なので普段は一般的な量の範囲で食べるのをやめている。
「ルーテシアの料理と、どっちが美味しい?」
「ルーテシアの方が美味いな、あくまで私の好みでの判断だが」
お母様は正直に答えてくれた、結局彼女が生きている間に超える事は出来なかったわね。
「ほぼ同じ美味しさだ、もうすぐルーテシアを超えるかもな」
「……ありがとうお母様」
もう少しだけ……もう少しだけ彼女が生きていてくれたら、私が彼女を超える所を見せられたのにね。
きっと、彼女は喜んでくれたに違いない。
ある日、クログウェルが軽くだが傷を負って帰って来た。
「お前、その傷はどうした?」
「人類共の兵器が強力になってきている、我が傷をつけられるとは……もう油断はせぬ」
クログウェルに傷を負わせる程になったのか。私は問題無いが、ヒトハは大丈夫だろうか。
私はヒトハを強化しようと考え、呼び出す事にした。
『主様、参りました』
「よく来た」
研究室にヒトハを呼び出しクログウェルの事を伝える。
『なるほど、クログウェルさんに傷を……ですか』
「クログウェルに通用する兵器だと今のお前でも危険だろう、更に強化するぞ」
『かしこまりました』
私は彼女の本体をさらに改良、強化し、全体の性能を大きく引き上げた。
現在のヒトハは球としては世界最強かも知れない。
これで即座に破壊される事無いはずだが、強化には限界がある。
この球体の体のままでは手を加える余裕がなくなりつつあるな。
別の体を作るか?まあ、単純に球体を大きくして行くだけで良いのだが。
クログウェルはあの出来事以降、人類に対してある程度警戒するようになった。
自分に傷をつけた相手を甘く見るのは問題外だからな、クログウェルの判断は正しいと言える。
ヒトハの報告で、クログウェルが私の頼みを聞いて自分からは手を出さないようにしてくれている事は知っている。
それで人が手を出さなければ何もしてこないと気が付けばいい、そう私は思っていた。
だが実際はそんな事は無く、空を巡回する魔道飛行戦艦達は増える一方らしい。
そんな状態ではあるが、時には町に出かけながら日々を過ごしている私に、ヒトハから緊急の報告があった。
『緊急報告いたします』
『頼む』
『クログウェルさんを討伐するために人類が行動を開始しました』
放って置くという判断はしなかったんだな。
『クログウェルとカミラにもつないでもう一度話してくれるか?』
『かしこまりました』
『クログウェル、カミラ』
私が声をかけると反応があった。
『む、なんだ?』
『お母様?どうしたの?』
『ヒトハから報告だ、お前達も聞いておけ。特にクログウェルはな』
『何だというんだ、まったく』
『わかったわ。ヒトハ、話してくれる?』
『クログウェルさんを討伐するために人類が行動を開始しました』
『ほう……我を討伐するつもりか』
『一度も手を出さなかったのよね?』
カミラの疑問にクログウェルが答える。
『もちろん我からは手を出しておらん、奴らから攻撃してきた時は全て返り討ちにしているがな』
『えっ!?』
カミラが驚きの声を上げる。
『……それだと、人類は討伐しようとするでしょうね』
『何故そう思う?』
私はカミラに問いかけた。
『向こうから攻撃してきたとしても、その度に反撃していたら向こうの記憶に残るのは攻撃されたという事だけだと思うわよ?』
『気が付かないと思うか?』
『気が付かないと思うわ。人類はすでにクログウェルを「人類に危害を加える討伐するべき敵」だと認識しているはずよ』
『攻撃せずに逃げていたらどうなったと思う?』
『こう言うとどうすればいいのかと思うかもしれないけれど……恐らく勢いづいて討伐しに来ると思うわ』
『何だそれは、何も変わらんでは無いか』
クログウェルが割って入ってくる。
『予想ではあるけど可能性は高いはずよ……人類は自分より強力で、いつ手を出してくるか分からない存在をいつまでも放置出来ないと思う』
『手を出さずに放置していた魔物などもいたはずだが?』
私が疑問をぶつけるとカミラが答える。
『それはまだ人類に力が足りなかったからよ。魔道飛行戦艦を始めとする兵器を作り出し、力を手に入れた人類は自分達の安全と利益のためにきっと手を出すわ……もしかしたら生物としての本能なのかしらね?』
『つまり、何をしようとクログウェルは狙われる事になるという事か』
媚びへつらえば狙われないかもしれないが、そんな事をクログウェルがする訳が無いからな。
『ふん……クレリアよ……まさか大人しくしていろと言うつもりでは無いだろうな?』
どちらにしても人類がクログウェルを敵視する事が変えられないのなら。
『私達に手を出すには今でも力が足りないのだと思い知らせてやればいい訳だ』
『確かに……そうかもしれないわね……』
『そう来なくてはな!我もいい加減うんざりしておったのだ!』
考え込むカミラと嬉しそうなクログウェル、ルーテシアが逝った後でよかった。
彼女にはきっと荷が重かっただろう。