少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 この作品の注意事項

・作者の自己満足

・素人の作品

・主人公最強

・ご都合主義

・辻褄が合わないかもしれない設定

・注意事項が増える可能性

 等が含まれます。

 以上をご理解したうえでお読みください。

 読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。





046-02

 

 人類に身の程を分からせるとクログウェルは張り切っている。

 

 やる事は簡単だ。

 

 クログウェルが魔道飛行戦艦を島まで誘導しこの島が住処である事を知らせる。

 

 島には私が障壁をかけて被害を無くし、攻撃を受けたら反撃して殺す。

 

 これを相手が諦めるまで続けるだけだ、ある程度人類が減れば気がつくだろう。

 

 今の世界に親しい者がいなくて良かった、気にせずに全員殺せるからな。

 

 巫女の血筋もいるかもしれないが私達に敵対した時点で関係は無い。

 

 準備を整えて、と言っても準備など必要な者は居ないのだが、一応ヒトハは戦闘には参加せず、各国の私達に対する反応やその他の情報を集めて貰う事にした。

 

 

 

 

 

 

 やがてクログウェルが島に魔道飛行戦艦を連れて来た、捜索ではなく巡回の艦か?一隻だけだな。

 

 その魔道飛行戦艦は遠巻きに島を迂回するとそのまま去っていった、さてどう来る?

 

 

 

 

 

 

 その後しばらくは何事もなかった。

 

 私達が本当に人類が島を見つけていたのか疑い始めた頃、遠くに大量の魔道飛行戦艦が見えた。

 

 「ふん……人間共が群れておるわ」

 

 「凄い数ね……私も気を引き締めないといけないわ」

 

 クログウェルとカミラが呟く。

 

 戦艦の姿が見えた時に島の山の頂上に移動した私達は、改めて魔道飛行戦艦の群れを見ていた。

 

 確かに数が多い、クログウェルだけにここまで用意するとは。

 

 だが、脅威を排除するために出来る限りの力を尽くすのは良い事だと思う。

 

 「取り敢えず攻撃されるまで待てよ?」

 

 「分かっておる」

 

 反撃と言う形を取る為、待つ事にする。

 

 

 

 

 

 

 魔道飛行戦艦が島を取り囲んだ所で、人類に対して魔法で私の声を届ける。

 

 《人類よ、引け。お前達が手を出さなければ私達は何もしない、静かに時を過ごさせてくれ》

 

 私達もこれで帰るとは思っていないが。

 

 伝え終わった後しばらく相手は沈黙していたが、魔道飛行戦艦の各所に付けられている兵器が島を狙い、一斉に射撃した。

 

 大量の光の帯は私が張った障壁に阻まれて轟音を立てる。

 

 島の周囲の海水が蒸発し島は白い蒸気に覆われた。

 

 「お前達、行くぞ」

 

 「任せるがいい!」

 

 「はい!お母様!」

 

 攻撃を受けた私達は空へと舞い上がり、三方に分かれて人類の魔道飛行戦艦の群れに向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 「お前達、行くぞ」

 

 「任せるがいい!」

 

 その声を聴いた我は飛び立ち、他の二人と違う方向へと加速して行く。

 

 我は口を開き炎を吐く。普段人類などには力を出さぬ、だが今回は手加減せん……力を分からせるための戦いだと聞いているからな。

 

 吐いた炎は艦の障壁に阻まれているが、耐えられると思うな。

 

 やがて持続し続ける炎が船体に突き刺さり、爆発を起こして艦が傾き始めた。

 

 うむ……敵を破壊するには炎や爆発が一番良い。

 

 更にもう一隻の艦の上に強大な岩を落とす、障壁は破れておらぬが艦はそのまま岩の重さに耐えきれず海に沈みおった。

 

 我を狙う魔道兵器を一瞥し、艦の上に回り込む。

 

 設置されている魔道兵器が狙っておるな、その攻撃を受けながら我は炎を吐く。

 

 ……この魔道飛行戦艦とやら、動きが鈍すぎるぞ。

 

 これでは攻撃が避けられないだろう。

 

 我は魔法も併用して艦を次々と落としていく。

 

 兵器の攻撃は確かに我に効くかもしれんが、気を抜かなければ致命傷になどならん。

 

 

 

 

 

 

 お母様の合図に答えて飛び立つと、すぐに周囲に複数の魔力球を作り出して適当な艦へと打ち込む。

 

 一発魔力球を撃ち込まれた艦は僅かに耐えた障壁を失い被弾し、上部の三分の一程を消失させて他の艦に突っ込んで爆散した。

 

 クログウェルと違って普通の人間と同じ程度の大きさしかない私は狙いにくいのか、威力の小さい兵器ばかりが狙ってくるわね。

 

 彼らにとってはこれも強力なんでしょうけど……お母様やクログウェルと訓練している私にとってそんな物は大した威力ではないのよね。

 

 近づいてちまちま落としていくのも大変だわ、飛び回りながら魔力球を撃ち続けていればいいかしらね?

 

 それに……この戦艦凄く鈍重だわ。

 

 攻撃を避ける気が無いとしか思えない、これは……きっと魔道障壁が開発された事で避ける事を考えなくなったのね。

 

 障壁を簡単に破ってくる相手を想定していなかったのかしら?……今こうなっているのだから想定していなかったんでしょうね。

 

 私は溜息を吐き、魔道飛行戦艦の群れの中を飛び回りながら周囲に魔法球をばら撒き続けた。

 

 

 

 

 

 

 二人に合図をし、私も戦艦へと向かいながら魔力の奔流を放つ。

 

 その奔流は障壁など意に介さず手前の戦艦を貫通し、背後の複数の戦艦も貫いた。

 

 落下し始める戦艦達を無視し、いくつもの奔流を放ちながら戦艦を薙ぎ払って行く。

 

 被弾した戦艦達は両断され爆発し、海へと消えていく。

 

 その間も生き残っている戦艦から主力と思われる攻撃が殺到しているが、全く私の障壁を抜けない。

 

 カミラはこれを単独で貫いたというのに、これだけ集まっても無理なのか。

 

 残念だ。

 

 私はそう考える、人類は繁栄し強くなったが、それでもこの程度でしか無かったか。

 

 彼らも命を懸けて大切な者のために戦っているのだろう、それを貶める様な事はしたくは無いが、無駄死にとしか言えない。

 

 私はこれからどうするかを考える、その間も総攻撃を受けているが障壁に遮られ何とも無い。

 

 そうだ、忘れていた。

 

 私は言い忘れていた事を二人に伝える。

 

 『言い忘れていたが全滅はさせないで欲しい。逃げる奴は追わないでくれ、それとその時は出来るだけ見逃してやったと分かる様にして欲しい』

 

 生き残りがいた方が状況がよく伝わるはずだ。

 

 『む?早く言わんか……それで?見逃すとはどうすればいいのだ?』

 

 『私はその辺りの事を言われなかったから一応逃がしておいたけど……見逃したという事が分かる様にすればいいのね?』

 

 『そうだ。例えば、逃げている艦を見ながら近くを飛び回り、その後離れていく。などがいいかも知れない』

 

 これならきっと見逃されたと感じるはずだ。

 

 念話での会話中も私の周囲は戦艦の砲撃で光に包まれているが、遠くでカミラとクログウェルが暴れているのを感じる。

 

 『うむ、貴様がそう言うならやってみよう』

 

 『わかったわ、やっておくわね』

 

 二人の返事を聞いて念話を切る、カミラに感謝しないとな。

 

 もし言い忘れていたとしても最低限は逃がす事が出来ていた。

 

 

 

 

 

 

 人類が作り出した魔道飛行戦艦は最強であると信じていた……ここに来るまでは。

 

 「主砲を受けてもびくともしていません!」

 

 「全戦力の約四割が消失!なおも増加中!」

 

 「主砲出力最大!副砲は停止しろ!全部回せ!……壊れてもいいから回せ!!」

 

 「やれるだけ回避運動をしろ!……分かってんだよそんな事は!すぐにやれ!!」

 

 少し前までは静かだった艦内は怒号が響く混乱状態だ……俺がこんなに落ち着いて作業しているのは混乱を通り越してしまったのかもしれない。

 

 「艦長!」

 

 「……撤退だ!全速で撤退っ……!」

 

 艦長がそう言っている時、光の奔流が俺の目を焼き、俺は思わず目を瞑った。

 

 ……そして再び目を開けた時、俺が見たのは外の景色だった。

 

 「え……?」

 

 俺は思わず呟いた……。

 

 艦長席から上部が全て無くなっていて、爆散する他の艦が見える。

 

 光が通った付近には乗員達の体の一部だけが転がり、生き残った他の乗員は恐怖からか喚き散らしたり、うずくまり動かなくなっている。

 

 役目を放棄して叫びながらどこかに行ってしまう者も居た。

 

 もう軍としての形を成していない……まあどちらにしてもこの艦は終わりだ。

 

 いや、この艦だけじゃない……この戦いは勝てない。

 

 攻撃がまったく通用しない上に、僅かな時間で全戦力の四割を消し去る相手に勝てる訳がない……俺達は手を出してはならない存在に手を出した。

 

 そんな存在がこの世界にいるなんて思いもしなかった。

 

 俺は静かに遠視の魔道具を覗き込んだ……どんな姿なのかどうしても見たかった。

 

 見つけたその姿は……長い黒髪をなびかせる黒いワンピースを着た少女だった……あまりの美しさに俺はその姿をただ見ていた。

 

 そして俺は彼女のその姿に、かつて神殿で見た自由神の姿を重ねる。

 

 そうだ……自由神は人の世界に紛れて今も何処かに居ると言い伝えられていた、きっと……彼女は……。

 

 やがて彼女の姿が眩しい光に塗りつぶされ、俺の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 だいぶ減ったな。カミラもクログウェルも順調に減らしているようだ。

 

 まだ引かないか、そろそろ勝てないと分かってもいい頃だが。

 

 逃げる事が出来ないのだろうか?

 

 私はそう思いながらも戦艦を落とし続ける、やがて相手の反撃は散発的になり始めたが、引かないのであれば消えて貰う。

 

 今も真剣に命を懸けて戦っている者達には悪いが、もう戦いとは言えないかもしれない。

 

 クログウェルやカミラが見た撤退した艦は処罰覚悟で撤退したのだろうが、その判断は間違いでは無かったと思うぞ。

 

 

 

 

 

 

 「艦長……撤退してしまってよかったのでしょうか?」

 

 「心配するな、お前達は俺の命令に従っただけだ」

 

 不安な声を上げる副官に声をかけ俺は考える。

 

 あれは駄目だ……人が勝てる相手では無い。

 

 俺も軍人だ、敵前逃亡などもっての他だというのは理解している。

 

 遠視員から竜族と思われる魔物の他に人型の存在が二体いる事は聞いていた。

 

 しかし、大量の主砲を平然とかわしながら、あれだけの威力の魔法を無造作に連発し続ける姿を遠視の魔道具で見た時、俺は撤退を決めた。

 

 金色の長い髪をなびかせる黒いドレスを纏った美しい女、俺はその姿を見た瞬間目をそらしてしまった。

 

 これはただの勘だ。

 

 誰もがそんな事で決めたのかと怒るだろうな……だが、俺はこれで生き延びて来た。

 

 俺にとって勘は重要な事だ。

 

 艦長失格、軍人の恥さらし。恐らく戻れば俺は軍を辞める事になるだろう。

 

 ……いや、罪人として刑に服す事になるかもしれない。

 

 それでも後悔は無い。この艦の乗員を無駄死にさせる訳には行かない……そう、無駄死にだ!

 

 あれだけの力の差を見せつけられてこれ以上挑むなど、無駄死に以外に何と言えばいい?むしろあれを見て何故倒せると考える!?

 

 勝ち目のない相手に手を出すのはただの馬鹿だ!

 

 竜族だけなら被害は大きくてもどうにかなったかも知れない、だがあれは駄目だ……!

 

 「俺は戻った後、艦長を辞める事になるだろう。だけどな……俺は今日の撤退を間違っているとは思ってねえ、お前達を無駄死にさせる訳には行かねぇんだ」

 

 俺は副官と乗員に言い聞かせるように話した。

 

 「……ありがとうございます、艦長」

 

 副官は頭を下げて礼を言う、きっと……分かってないんだろうな。

 

 結局、あの戦いで戻ってこられたのは俺と同じように撤退を選んだ僅かな艦だけだった。

 

 俺は罪に問われる事は無く軍から艦長を続けるように頼まれたが、自分から軍を辞めた。

 

 あれと戦って無駄死にしたくない。俺は田舎に移り住み、畑を耕して暮らし始めた。

 

 その後、あの時の副官は艦長となり、あの時の乗員と共に奴らとの戦いで死んだらしい……馬鹿野郎共が……。

 

 

 

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