少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 この作品の注意事項

・作者の自己満足

・素人の作品

・主人公最強

・ご都合主義

・辻褄が合わないかもしれない設定

・注意事項が増える可能性

 等が含まれます。

 以上をご理解したうえでお読みください。

 読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。





047-02

 

 今回の出来事で私はヒトハの魔力出力を上げ、障壁の強化と同時展開できる枚数の増加、自動修復機能と強化外装を取り付けた。

 

 その影響で球の大きさが子供から大人の握り拳ほどの大きさになったが。

 

 取り敢えずヒトハを失わずに済んでよかった。

 

 ヒトハは私の一部を通して繋がっているから救えないという事はまず無い。

 

 遠く離れた者の危険を感知して対応する事は事前に処置をしておけば簡単だ。

 

 していなくても難易度が上がるだけで可能だが。

 

 こう考えるとヒトハは私の初めての眷属とも言えるのか?私の一部がほんの僅かとはいえ混ざっている訳だしな。

 

 待てよ?私の体の強度は私自身も把握しきれていない程強靭だ。

 

 ならば私の体の構成物でヒトハの本体を覆えば、かなり耐久力が上がるのではないだろうか?

 

 私はその事をヒトハに告げ、やってみる事にした。

 

 「ヒトハはそのまま浮いていてくれ」

 

 『かしこまりました』

 

 私はヒトハの本体に混ざりこんでいる私の構成物を残したまま、改めて霧状にした構成物をヒトハに纏わせる、そしてそのままヒトハの本体を覆った。

 

 私から体の一部を分離した場合、それを私の構成物と呼ぶようにした。

 

 私の体の一部と言うのは少し長いし語呂が悪い。

 

 ヒトハの本体は私の本性と同じように光を反射しない完全な闇の球となり、そのまま地面に落下した。

 

 「どういう事だ?」

 

 「ヒトハ、聞こえるか?どんな状態だ?」

 

 ヒトハを拾い声をかけるが反応が無い、私はすぐに表面の構成物を回収した。

 

 『申し訳ございません、主様』

 

 「構わない、何があった?」

 

 『魔力が主様の体の一部を通過出来ないのだと思います』

 

 「私の一部の事はこれから構成物と言え。それで、魔力が通過出来ないと?」

 

 『かしこまりました。はい、主様の構成物に覆われた際に、飛行魔法の作用が遮断されました。また主様の声は聞こえていましたが念話も通話不能となりました』

 

 これでは使えないな、いい案だと思ったんだが。

 

 『お母様、まだかかりそう?そろそろ食事よ?』

 

 食事の時間か。

 

 『すぐ行く、そのまま準備してくれ』

 

 『分かったわ、ちゃんと来てよね』

 

 「まずは食事に行く。後々また考えよう、行くぞ」

 

 『はい、お供いたします』

 

 私はヒトハを連れて食事に向かった。

 

 

 

 

 

 

 それからカミラと食事をし、研究のためにこもる事を伝えた。

 

 私の構成物で覆う方法を諦めきれなかったからだ。

 

 魔力の問題を無くす事が出来ればかなりの効果が期待出来る。

 

 かなりの時間がかかると思って取り組み始めたのだが。

 

 「上手く行ったな」

 

 『以前と何も変化はありません、状態は良好です』

 

 そこには吸い込まれるような完全な闇の球が浮いていた。

 

 開始して十四回目で成功した。

 

 最初は理由が分からなかったが、その後時間をかけて色々と試した所、私が「魔力だけでも通せるようにしたい」と思いながら行ったために成功したと判断するしかなかった。

 

 どうやら私がイメージした特性が付くという事らしい。

 

 どこまで無茶な特性が付けられるかと試行錯誤している途中に、私自身が魔素だけでなく魔力も生み出せるようになっていた事に気がついた。

 

 一体いつからこうなっていたのか記憶に無い、そう考え始めて我に返った。

 

 まずはヒトハを完成させなければ、忘れていなければその内また色々と試してみよう。

 

 そして強度の実験をした。

 

 周囲に被害が出ないようにしてからフルーツを構成物で覆い攻撃をしたが、私が攻撃した程度では問題は無く、中のフルーツも無事だった。

 

 結果からこの方法は有効だと確信し、私の構成物のコーティングはヒトハの標準装備となった。 

 

 最後にヒトハの外見だが、カミラから空間に穴が開いているようにしか見えないからどうにか出来ないかと言われ、外装を付けたのでヒトハの外見は以前に戻った。

 

 

 

 

 

 

 ヒトハは復帰して再び情報を集め始めた。

 

 いつもの様に島の中で過ごしていた私の元に、ヒトハの報告が来る。

 

 『ご報告いたします』

 

 『頼む』

 

 『以前私が巻き込まれた事故の原因が魔力圧縮技術の実験による物だと判明いたしました』

 

 『なるほど、名前から何となく想像出来るな』

 

 『その名の通り魔道兵器に通常以上の魔力を圧縮して送り込み、莫大な威力を生み出す技術のようです』

 

 それであの爆発か。爆心地の魔力が多少濃かったのは、発動されなかった魔力の残りだったのかも知れない。

 

 『圧縮された魔力と発動した魔法の威力に魔道兵器の本体が耐えられなかったと言う事か?』

 

 『原因としては魔道兵器の設計不良が挙げられておりました』

 

 『設計不良か』

 

 『はい、事故を起こした魔道兵器の設計図は保管されておりました。彼らはそれを詳しく調べたようです。その結果、想定の圧縮魔力量と実際の圧縮魔力量にかなりの差があった事が判明したと情報を得ております』

 

 『それは爆発するだろうな』

 

 『下手に強度があったために圧縮魔力が送られる間は耐えてしまい、射撃した瞬間に限界を迎えたのではないかとの見解です』

 

 圧縮魔力を送っている間に限界を迎えていれば魔力が噴出するだけで済んだだろう、想定以上の圧縮魔力に半端に耐えてしまったばかりに誰も気が付かなかった。

 

 そして発動時の威力に耐えられず爆発か。

 

 『それで、魔力圧縮技術の進展は分かるか?』

 

 『現在小型の物は成功しています』

 

 『そうか、また何かあれば報告を頼む。それとお前の判断で時々私の元に来い、点検をするからな』

 

 『かしこまりました……私の判断で……ですか?』

 

 『出来ないか?』

 

 『かしこまりました』

 

 『よし』

 

 ヒトハの返事を聞き念話を切った、私がヒトハの判断で点検に来るように言ったのは彼女の成長を促すためだ。

 

 元々私が作った魂だった彼女は、一つの存在に成長している途中だ。

 

 最後には意思を持ち私に意見する位になる事を願っている。

 

 

 

 

 

 

 夕方の浜辺で沈む太陽をカミラと見ていた時、私はカミラのドレスについて尋ねた。

 

 「カミラ、お前のドレスもそろそろ新しくするか?」

 

 するとカミラは私を見て少し首を傾げる。

 

 「どう変えるの?」

 

 「いざと言う時にはお前の全身を覆うようにしたい」

 

 「……もしかしてヒトハの事が関係してる?」

 

 カミラが私を優しい目で見つめている気がする。

 

 「私の構成物は高い防御力がある、いざという時に守れるように変えておきたい」

 

 そう言うとカミラはクスリと笑う。

 

 「良いわよ?心配なのよね?……お母様の気持ちは嬉しいもの、断ったりしないわ」

 

 「そうか、ありがとう」

 

 「あっ、でもデザインは変えないで?気に入っているの」

 

 「分かった」

 

 私はカミラに代わりの服を渡し、ドレスを預かった。

 

 カミラが寝ている間に終わらせてしまおう。

 

 そのまま夕食まで語り合いながら過ごし二人で食事を作って食べた。

 

 

 

 

 

 

 翌朝カミラが作ってくれた朝食を食べ終わった私は、ドレスを取り出した。

 

 「カミラ、終わったから渡しておく」

 

 「えっ?もう?」

 

 「夜の内に終わらせたよ」

 

 「お母様だものね」

 

 そう言ってカミラは笑う。私とずっと暮らす様になって皇帝としてのカミラは薄くなり、かつて暮らしていた頃に戻ってきているようにも感じる。

 

 私はカミラにドレスの説明をする。

 

 「まずはお前の魔力をこのドレスに送ってくれ」

 

 「分かったわ」

 

 カミラが服に魔力を通すのを感じる、私とつながっているから当然だが。

 

 「これでカミラを覚えた。この服はお前の意思によって保護状態と通常状態に変化出来るようになっている」

 

 「それは便利ね」

 

 カミラが感心したように言う。

 

 「保護して欲しい、守って欲しいなどの守護を願う意図の意思ならば反応する」

 

 「うん、いい着心地だわ……」

 

 「そうか」

 

 説明している間にカミラがドレスに着替えた。

 

 「このドレスは魔力と魔素などを着用者の意思で生み出す事が出来る他に、内部の環境を整える事が出来る」

 

 「え?……それってこれを着ていればどこでも活動出来るって事?」

 

 「保護状態ならな」

 

 「……魔力も魔素も私の意思で生み出すって……このドレスがあれば他に何もいらないじゃない」

 

 「食料などは生まないぞ?」

 

 出来るようにしておくべきか。

 

 「お母様、他には何か出来るの?」

 

 試してみようかと思っていると、カミラが聞いてくる。

 

 「後は、脱いでいても念じれば来るし一瞬で着る事も出来る位だな」

 

 「なるほど……最高のドレスだわ。何よりもお母様の手作りというのが嬉しいわね」

 

 「素材的には私そのものと言える訳だが」

 

 私の言葉にカミラが噴き出した。

 

 「ぷっ!あはは!確かにそうだったわね……幼い頃からずっと私を見守って居てくれた大好きなお母様……」

 

 そう言って私の胸に顔を埋めるカミラ、私は久しぶりだなと思いながら優しくその頭を撫でた。

 

 

 


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