少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 あまり見せていない主人公の本来の姿がどのような物かは「ヴァンタブラック」または「ベンタブラック」で画像検索して頂ければわかりやすいかと思います。

 少女の姿のまま黒い感じです。

 この作品の注意事項

・作者の自己満足

・素人の作品

・主人公最強

・ご都合主義

・辻褄が合わないかもしれない設定

・注意事項が増える可能性

 等が含まれます。

 以上をご理解したうえでお読みください。

 読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。





048-01

 

 人類が島を取り囲み、私達を監視し始めてから特に何かが起こる事は無く、私達は毎日を過ごしていた。

 

 ある日の夜。

 

 私は庭の椅子に座り星空を見ながらカミラと話をしていた。

 

 「カミラ、私はそろそろ移住しようと思っている」

 

 「え?移住するのお母様?」

 

 私の方へ顔を向けるカミラ。

 

 「地上も空も人類が溢れた、私達が居ると安心して進化出来ないだろうからな」

 

 「かなり私達を恐れて萎縮しているものね……いつ私達が攻撃してくるかと怯えているのかしら?でも、わざわざお母様が退かなくても……」

 

 「今の人類では私達をどうする事も出来ないからな。もし人類が私に近い強さを持っていれば私が退く事は無かった」

 

 「どういう事?」

 

 カミラが不思議そうに聞いてくる、上手く伝えられるか分からないな。

 

 「私達と近い強さを持っていれば、私達を気にはするだろうが普通に暮らせるだろう。ただあまりにも力に差があると、例え私達が何もしなくても弱い側は常に恐怖を感じる、はずだ。上手く伝えられないが」

 

 私がそう言うとカミラは考え込み……言う。

 

 「……人類的には後ろから頭に魔道兵器を突き付けられたまま、「絶対に撃たない」って言われてる気分かも知れないわね」

 

 なるほど、中々良い表現をする。

 

 「良い表現だ、恐らくその様な感じだろう。折角ここまで育った人類だ、どこまで行くか見てみたい」

 

 「なるほどね。わかったわ」

 

 伝わってよかった。

 

 「私は人類が認識出来ない所へ移住しようと考えている」

 

 「どこへ行くの?地下?」

 

 「いや、月へ行く」

 

 「……あの月?」

 

 「そうだ」

 

 カミラは夜空を見上げて言う。

 

 私が考えた中で見つからず人類を観察出来る場所としては月が一番だと判断した。

 

 「月に住める環境を作ろうと思っている。カミラもドレスの機能があれば平気だとは思うが、ずっと保護状態というのも嫌だろう?」

 

 「……確かにそれは嫌ね」

 

 「月に住む環境を作るつもりだが、この島を持って行く気はあるか?」

 

 「え?……この島には他にも生物が住んでいるし、島はこのままにしておきましょう。それよりルーテシアのお墓をどうするかが気になるわ」

 

 「ルーテシアの遺灰とネックレスはウルグラーデに残っているケインとミナの墓に移すつもりだ。ここに残して置いたらどうなるか分からないからな」

 

 「そう……それでどの月に行くの?三つあるわよね?」

 

 「一番大きい月に作ろうと思っている」

 

 「分かったわ、それでいつから作り始めるの?私もドレスの使い方を実践しておきたいし、手伝うわよ?」

 

 「そうだな、実際にドレスを試すいい機会だ、手伝って貰おうか。まずは宇宙で問題が無いか確かめよう、明日の昼を食べてからにしようか」 

 

 「明日の昼食の後ね、分かったわ。じゃあ私はそろそろ寝るわね?おやすみなさい、お母様」

 

 「おやすみ」

 

 家に戻っていったカミラを見送った後、私はしばらく月を眺めていたが、忘れていた事を思い出す。

 

 「宇宙に魔力があるか調べていなかった」

 

 私はそう呟いて立ち上がり、宇宙へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 翌日、昼食を終え、カミラのドレスを実際に使う時が来た。

 

 「先に保護状態にしておけよ」

 

 「私が生身で耐えられるか分からないものね」

 

 「確かめてもいいが今やる事では無いな。今回はドレスの効果を確認して、問題無ければ月の改造に移る」

 

 カミラが頷くと全身が深い闇に覆われ、いつものカミラの姿がそのまま切り抜かれたように黒く染まる。髪の一本一本まで上手く保護しているな、しっかりと機能している様だ。

 

 「宇宙にも少し魔力があるが、ドレスの機能を使ってくれ。最初は慣れないかもしれないから駄目だと感じたら私に言え」

 

 「やってみるわ、この感じだと平気そうだけどね」

 

 「よし、行くぞ」

 

 カミラが頷く、そして私と彼女は並んで空へと登っていく。

 

 ここからは念話で会話するか、宇宙だと通常の音は聞こえなかったからな。

 

 『カミラ。宇宙では通常の音は聞こえない、念話で話すぞ』

 

 『了解よ』

 

 会話中も上昇し続け、やがて周囲が暗くなってくる。

 

 カミラはきっと体にかかる重さが無くなっていくのを感じているはずだ。

 

 やがて完全に周囲が暗くなり、宇宙へとやって来た。

 

 『カミラ、止まれ』

 

 『ええ……あれ?なんか妙な感覚ね……』

 

 カミラが止まろうとして回転している。

 

 『いつもより勢いを抑えろ、重力を考えるな。ここでは少し力が加わるだけで飛んで行くぞ』

 

 宇宙の中でも更に暗いカミラの姿は良く分かる。私も姿を変えている時はこんな感じなのだろう。

 

 そう思いながらいまだに回転しているカミラを見ていた。

 

 

 

 

 

 

 その後少し時間がかかったが、カミラも宇宙に慣れる事が出来た。

 

 『あの惑星が私達がいた場所なのね……』

 

 カミラは私の隣に佇み惑星を見ている。真っ黒で、感じる事は出来るが見た目では視線が分からない。 

 

 『カミラ、何かおかしな所は無いか?どんな小さな異常でも教えてくれ』

 

 『うーん……今の所体調は地上に居た時と変わらないけれど……』

 

 上手く行っているか?問題が無いなら良いが。

 

 『途中で何か感じたらすぐ言ってくれ』

 

 『そうするわ、ありがとうお母様』

 

 『そろそろカミラも無重力に慣れたようだし、月に向かうぞ』

 

 『ええ、行きましょうか』

 

 月に向かって速度を上げる、それなりに遠そうだな。

 

 『主様?ご自宅にお姿がありませんが現在はどちらに?』

 

 ヒトハからの連絡だ、この時間に来たと言う事は何かあったのか?

 

 『今は月に向かっている途中だ、何かあったか?』

 

 『いえ、報告ではなく検査を受けようと思いまして』

 

 そうか、ヒトハの判断で来るように言ってあるからな。

 

 『検査は月でやろう、こちらに呼び寄せるぞ?問題無いか?』

 

 『問題ありません、お願いいたします』

 

 私はヒトハを手に転移させて掴む、高速で移動しているからこうしないと一瞬で離れてしまう。

 

 『このままお前を連れて行く、ゆっくりしていろ』

 

 『ありがとうございます、主様』

 

 私に握られたまま礼を言うヒトハ、月についたら先に検査をしよう。

 

 

 


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