少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 主人公はご都合主義の塊です、色々と上手く作ってしまいます。

 この作品の注意事項

・作者の自己満足

・素人の作品

・主人公最強

・ご都合主義

・辻褄が合わないかもしれない設定

・注意事項が増える可能性

 等が含まれます。

 以上をご理解したうえでお読みください。

 読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。





048-02

 私達は無事に月に到着した。今度から必要な時以外は転移で行き来しよう。

 

 月の表面は荒れていて、大小のクレーターが数多く出来ている。

 

 予想以上に何もない、意外と時間掛かるかもしれないな。

 

 『取り敢えずヒトハの検査をしておこう。カミラは少し待っていてくれ』

 

 『じゃあその辺りを見て回ってるわね』

 

 『主様、よろしくお願いします』

 

 カミラが飛び立つのを見送ってヒトハを検査する。

 

 『ここに新しく住む環境を作るのですね』

 

 ヒトハが話しかけてくる、私は検査をしながら言葉を返す。

 

 『そうだ、自然を再現するのは初めてだが』

 

 『お手伝い出来ればいいのですが……』

 

 『気にするな、お前にはそういった力を与えていないからな。人類の情報を集めておいてくれ』

 

 『かしこまりました』

 

 『もう転移は出来るな?』

 

 『はい、問題ありません』

 

 よし終わった、問題は無いな。

 

 『終わったぞ、問題は無い』

 

 『ありがとうございます、では情報収集に戻ります』

 

 『頼む』

 

 そう答えるとヒトハは転移していった。

 

 『カミラ、来てくれ』

 

 『今行くわ』

 

 その返事の直後、転移でカミラが現れた。

 

 『それで、どうするの?』

 

 『自然に循環する環境を作るぞ』

 

 『それはかなり難しそうだけれど……』

 

 『広くする予定は無いし、私の構成物を使えばどうにかなるだろう。理解不能だがかなり万能なようだからな』

 

 『お母様が自分の体を理解不能と言っているのは変な気分だわ。でも確かにあり得ない事も出来てしまうし……お母様の体に変な影響が無いなら私は良いけれど……』

 

 カミラは自身を覆っている私の構成物で出来たドレスを見ながら言う。

 

 そのドレスやヒトハのコーティングもだが、具体的な事を考えれば何の問題も無く上手く行った。

 

 逆に、ただ「硬くなれ」などのハッキリしない場合はかなりムラがあったな。

 

 変な事をしなければ安全である可能性の方が高いが、便利だからと良く考えずに使うと予想もつかない事になってしまう可能性もある。

 

 それはそれで面白そうだが。

 

 こうして月の改造が始まった。

 

 

 

 

 

 

 まずは私達の拠点がイシリスから見えない様に月の自転を変更し、常にイシリス側に同じ面が来るように調整した。

 

 それからイシリスから常に裏側になる部分の中央付近を基準に、ある程度の範囲を障壁で隔離して私の構成物を置く。

 

 これは見た目は私の頭ほどの大きさをした球状の闇の塊だが、イシリスの大気を再現し状態を維持する為の物だ。

 

 私は障壁内が惑星と同じ大気になるか様子を見て成功を確認し、次へ移る。

 

 イシリスの環境を再現出来ればこちらの物だ。

 

 カミラには隔離したすべての範囲の大地をかなりの深さまで農耕魔法で土に変える作業をして貰い、私は他の環境を整えていく。

 

 海を作り、山を作って水源を作り川にして海と繋ぐ。気温は一定の範囲で緩やかに変化するようにして昼夜を作り、カミラが魔法で変えた肥沃な土地に木や草花などの植物を植えた。

 

 野生動物は今放すのはやめておこう、環境が整わなければ問題が起きそうだ。

 

 場合によってはマジックボックスに保存している野生動物を放そう。

 

 食料は私達、正確に言えばカミラが食べる分だけ手に入ればいい。

 

 畑と畜産で十分だろう。いや、魚は欲しいな。

 

 家畜を用意し、畑も作ったのだが。

 

 多すぎた。

 

 二人で世話をするのが大変だと気が付いた私は、世話用の簡単なゴレムを作り任せられるようにした。

 

 勿論収穫された物はマジックボックスの収穫品入れに保存される。

 

 完成はした。だがこの環境を維持している殆どの物に魔法が関わっているので、魔力が無くなると崩壊する。

 

 私の構成物で出来た闇の塊がこの環境を維持している要なので、土台を作り固定し、私とカミラ以外近付けない様に小さい障壁を張っておいた。

 

 後は私達が手を出さなくても問題無いかを確認して完成だ。

 

 島に戻ってしばらく放置しよう。

 

 離れていても私の構成物である闇の塊があるため、問題が起きれば感じる事は出来るし、時々遠視で確認もするつもりだ。

 

 「後は私達が手を出さなくても問題無い事が分かれば一旦完成だ。足りない物があれば後から足していけばいいだろう」

 

 「じゃあ島に帰るの?」

 

 カミラは環境が整ったので保護状態を解除している。

 

 「ああ、転移で戻ってしまおう。宇宙を楽しむのはここが完成してからだ」

 

 「そうね、まずはここを完成させないとね」

 

 私達は島へと転移した。

 

 

 

 

 

 

 「それでお母様、具体的にはどの程度放置しておくの?」

 

 「最低十年だな」

 

 私達は我が家でくつろぎながら月の拠点の事を話し合う。

 

 「十年ね、意識していないと私達だといつの間にか過ぎているわよ?」

 

 「そうだな、この十年だけは意識しておこうか」

 

 「お母様……あの月の拠点、だいぶ大きいわよね」

 

 「そうだな、惑星にある物を大体揃えて整えようとしたら広くなってしまったのは間違いない。本来の予定ではここまで広くするつもりでは無かった、カミラが大地の改造や色々と他の事を手伝ってくれて助かった。ありがとう」

 

 そう言って隣のカミラの頭を撫でる。

 

 「手伝いたかったし平気よ、それに広い方が安定しやすいと思うし」

 

 「本当は島の庭程度にしようと思ったんだが、海や川、山も欲しくなってしまってな。ああなった」

 

 「海と川と山を入れようとしたらこうなるに決まってるじゃない……」

 

 考えついただけだがカミラに話してみるか。

 

 「私が考えた構想段階の物にそれを覆す物がある」

 

 「どんな物?」

 

 カミラは私を見ながら聞いてくる。

 

 「マジックボックスの技術を流用した小さく広い世界だ」

 

 「小さくて……広い?」

 

 「マジックボックスの中に世界を作り上げるという物だ。時間の流れなども出来れば自由に変えられるようにしたい」

 

 「そんな事出来るの?」

 

 「出来るかどうか分からないからやってみるんだろう?これが成功すれば私やカミラのマジックボックスの中で生物が暮らす一つの世界を作れるかも知れない」

 

 「……それだと自分が行けないんじゃない?」

 

 「だからそれに魔法鞄の考えを取り入れて、一つの世界を何かに、例えば魔法金属の箱や球のような他の物の中に作り上げる」

 

 「なる程!それなら魔法鞄の入り口を作る詠唱を流用して出入り出来る世界を作れるかも知れない!?」

 

 「その通りだ。どうだ?面白そうだろう?」

 

 「ええ!魔力が大量に無ければマジックボックスの中を広く出来ないけれど、お母様なら!」

 

 「私の魔力は恐らく尽きないだろう。つまり本当の惑星並みの広さにも、それ以上にも出来る可能性がある。後はその中に惑星を作るか存在している物をそのまま入れてしまえばいい」

 

 「作るのはともかく、惑星を丸ごと入れるのは出来るの?」

 

 「出来ると思っている。魔法鞄の入り口は実際の鞄の入り口より大きくはならないが、マジックボックスの方法を使えれば魔力次第で入り口はどこまでも大きく出来る」

 

 「じゃあ……」

 

 「恐らく魔力さえあれば出来る。ただ、膨大な魔力が前提だからカミラだと服からの魔力供給無しでは惑星は無理かもしれないな」

 

 「マジックボックスの入り口に飲まれる惑星……住んでいる生物から見たら恐怖よね?」

 

 「そうなのか?」

 

 実際に惑星を飲み込むかはともかく、いつかは作ってみようと小さく大きな世界の話に花を咲かせた。

 

 

 


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