少女(仮)の生活   作:YUKIもと

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 魔法や鍛冶、魔道具も同様ですが、錬金術の詳しい訓練の内容は特に考えていません。

 この作品の注意事項

・作者の自己満足

・素人の作品

・主人公最強

・ご都合主義

・辻褄が合わないかもしれない設定

・注意事項が増える可能性

 等が含まれます。

 以上をご理解したうえでお読みください。

 読者の皆さんの暇潰しの一助になれば幸いです。


009

 大地人の住処を後にして森を上空から感知で探していると、人のような獣のような気配を感じる……何かに怯えている?

 

 居た、襲われているな。

 

 一人の耳と尻尾が生えた少女らしき姿が見える、猫科らしき魔物に狙われているようだ、獣人は高い身体能力があると書いてあったが、あの魔物はそれほどまでに強いのか?

 

 考えるよりまず助けようか、接触するのに都合が良さそうだしな。

 

 悪い癖だな、さっさと助けてから考えよう。私は魔物の上空に移動し飛びつこうとした魔物の頭を急降下しながら踏み砕いた。

 

 「よし……おい、大丈夫か?」

 

 彼女の方を見ると気絶していた、目の前で頭が砕け散ることなど戦っていればある光景だろうに。

 

 「仕方ない……介抱するか」

 

 彼女を寝やすいように横たえて弱く回復魔法をかけると、程なく彼女は目を覚ました。

 

 「あれ……あっ!魔物っ!?」

 

 飛び起きて辺りを見回す彼女、近くに頭を砕かれた死体が落ちているを見て体を強張らせる。

 

 「魔物は始末した、安心しろ」

 

 そう言うと彼女はゆっくり私を見て、プルプルしながら話す。

 

 「こ、殺さないで、死にたくないです……」

 

 命乞いを始める彼女、何とも言えない気分になる私だが誤解を解かないとな。

 

 「私は助けに来ただけだ、もし敵なら起きるのを待たず殺している」

 

 「た、確かに……」

 

 納得してくれたようだ、まずは名を名乗るか。

 

 「私はクレリア・アーティアと言う、旅をして様々な種族と共に過ごしている」

 

 「ら、ラムラン……です」

 

 ラムランは見た所狼か……犬じゃないよな?獣人のようだ。群れに連れて行ってもらおうかな。

 

 「いきなりだがラムラン、お前の群れに暫く住んで交流したいのだが、連れて行ってくれないか?」

 

 「うぇっ!?ああ、すみませんその……」

 

 混乱するラムラン、一気に言い過ぎたか。

 

 「あー、悪かった、暫く待ってるから落ち着いてくれ」

 

 落ち着かせる為に暫く黙っている。

 

 「あの……もう大丈夫です」

 

 しばらく待っていると落ち着いたのかこちらに声をかけてくる。

 

 「そうか、では連れて行ってくれるかな?」

 

 「連れて行くのは構わないのですが、その恐らくリーダーに戦いで勝たないと難しいと思います、強いものが偉いので……」

 

 悲しそうな顔をするラムラン、何となく察した……魔物を前にあれでは彼女が戦いに向いていないのは明らかだ。

 

 「なるほど、リーダーと言う事は一番強いと言う事でもある訳だ」

 

 「はい……」 

 

 「そのリーダーはそこで死んでいる魔物を一瞬で殺せるか?」

 

 先程始末した魔物を指さしながら言う。

 

 「い、いえ!無理だと思います!」

 

 「なら問題ないな、連れて行ってくれ」

 

 そう言って彼女の手を取る、彼女は少し体が跳ねたがそのまま群れへと連れて行ってくれた。

 

 その群れは川に近い開けた場所にあった、獣人以外が来るのが珍しいのか、リーダーの所へ向かう間に集まってきた。

 

 「弱虫ラムランが人間連れて来たぜ」

 

 「まさか人間に助けられたんじゃないだろうな」

 

 「あいつならありそうだな」

 

 ラムランに対する言葉が聞こえる、やはり弱い者はあまり良く思われていないのか……ラムランは私の手をギュッと握り、リーダーの家に案内してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 「人間に助けられるたぁこの恥さらしが!」

 

 リーダーの家に着き経緯を話すとリーダーはラムランに怒鳴り始めた、二足歩行の狼と言った容姿の何というか色々荒そうな男だ。

 

 後ろに立っている獣人も見た目は似ているが副リーダーか?

 

 「お前でも手こずる相手だった様だが?」

 

 「弱い人間は黙ってろ!ぶっ殺すぞ!」

 

 口を挟むと怒鳴り返してくる。

 

 「ラムラン!お前のような弱っちい奴は群れにはいらねぇ!お前は追放だ!」

 

 泣きそうなラムラン……何とかするか。

 

 「リーダーよ、この群れは強さが地位を決めると聞いた、私がお前に勝ったら私を住まわせ彼女を許す気は無いか?」

 

 「ああ!?お前が勝てるわけないだろうが!」

 

 先程から叫んでばかりだなこいつは、しかし勝負をすればすべて上手く行く。

 

 「ほう、負けるのが嫌なわけだな」

 

 「んだと……?」

 

 扱いやすすぎる……これは下に色々考えられる者が居るな。

 

 「リーダー。簡単に相手の口車に乗るな」

 

 後ろに立っている獣人が声をかける、馬鹿め……このタイプにそんな事を言えば……。

 

 「うるせえ!サクッとやってやるよ!勝負だ!」

 

 ほらこうなった、後ろの男はやってしまったと言わんばかりに頭を押さえる。

 

 こうして、オロオロするラムランを置き去りにして話はついたのだった。

 

 

 

 

 

 

 場所は変わり恐らく模擬戦をするのだろう広い何もない場所に連れてこられた、周囲には戦いを見ようと獣人達が集まっている。

 

 ラムランも私の強さは何となく魔物の事で分かって居るはずだが心配そうだ。

 

 「もう後戻りは出来ねぇぜ」

 

 「何の問題も無いな」

 

 離れて立つ私とリーダー、さて殺さないようにしなくては……。無力化するには凍らせるか?

 

 「始め!」

 

 合図の声と共に突っ込んでくるリーダー、確かに中々早いな、しかし……。

 

 「な、なんだ!?」

 

 一瞬にして地面とリーダーの両手足が氷でつながる、暴れて動こうとするが動けない、周囲が騒めく中私は彼の前まで進み話し

かけた。

 

 「私の勝ちだな?」

 

 「良く分からねぇもん使いやがって!拳で勝負しやがれ!」

 

 何を言う使えるものは使う物だ、もしもそうしたいのなら事前に拳のみと言えば良かったものを……。

 

 しかし、気が済むまでやった方があとくされが無いか。

 

 「我が儘な奴だな、仕方ない、付き合ってやろう」

 

 魔法を解除するとリーダーは一気に私に近寄り殴りかかってくる、私はそれをするりと躱し彼のみぞおちに優しく攻撃をした。

 

 「ガッ!?」

 

 彼は勢い良く吹き飛び周りで見ていた獣人達に突っ込んだ……いかん……やりすぎたか?死んで無いだろうな……。

 

 騒ぐ獣人達の声を聞きながらどうしようか考えていると、リーダーが獣人の輪から出てきた。

 

 「まだ……ゴボッ!負けてね……ぇ」

 

 そう言い残し彼は口から血を吐きながら倒れた。

 

 すると周りの獣人達が私に立ちふさがる。

 

 戦いで強さを競うが仲間思いではあるようだ、それはともかくあのままでは死ぬな……助けるか。

 

 「彼を殺す気はない。そこをどけ!手遅れになるぞ!」

 

 立ちふさがる者たちにそう言いながら倒れた彼に歩み寄ると獣人達が割れて道が出来る、私を近付けたくないが自分達では敵わないと思っているようだ。

 

 「即死でなくてよかった……」

 

 生き返る魔法も魂に干渉できる私なら出来るかも知れないが、今すぐ出来るかと言われれば分からないからな。

 

 弱い回復魔法をかけると呼吸が安定し寝息を立てるようになった、もう大丈夫だろう。

 

 「誰か寝床に連れて行ってくれ。私は群れの外に出ている、彼が起きたら呼んでくれ」

 

 そう言うと数人が駆け寄り連れて行った、やりすぎてしまったが……どうなるかな。

 

 

 

 

 

 

 「お前の方から来たのか」

 

 それから十分程で彼がやってきた、群れの連中も来ている、魔法が良く効いたのか彼が頑丈なのか。

 

 彼は急に伏せると私に言った。

 

 「参りました姉御!群れ一同姉御について行きます!」

 

 「……んっ?」

 

 ……ああ、強い者が一番偉いんだったな……考えれば分かる事じゃないか、とりあえず何とかしなくては。

 

 「断る」

 

 「そんな!?姉御!」

 

 「私がお前達を率いる事は無い。獣人でも無いしな……強者である私の決定だ、文句は無いな?代理として引き続きお前がリーダーとして群れを率いていけ」

 

 「っぐ!……分かりました姉御」

 

 ここに住みたいだけだ、余計な物はいらない。

 

 「後その呼び方だが……」

 

 「何でしょう姉御!」

 

 尊敬するようなキラキラした目で見てくるリーダー、態度が違いすぎないか?……まあいいか。

 

 「何でもない、私はここに暫く住む皆はいつもの生活に戻ってくれ」

 

 はい姉御!と声が重なり皆ぞろぞろと戻って行く、そしてラムランだけが残った。

 

 「あ、姉御」

 

 「ラムラン、お前だけでも名前で呼んでくれ」

 

 「わ、分かりましたクレリアさん」

 

 名前があるのに誰にも呼ばれないのはな、彼女が居てよかった。

 

 

 

 

 

 

 その後家を借り、そこで暮らすことになった、魔法に興味を持つかと思ったがあまり興味が無い様だ。

 

 追放と言われたラムランも普通に暮らして私の家に良くやってくる。

 

 それなりに仲良くなったと思う、そして今日もラムランが来ているので聞いてみた。

 

 「ラムランは戦いが苦手なようだが何か得意な事はあるのか?」

 

 そう聞く私にラムランは笑いながら答える。

 

 「そうですね、役に立つかは分かりませんが草や食べ物が危険であるか体に良いかが分かります、匂いと感覚で」

 

 「含まれている良い成分と悪い成分を判別出来ると?」

 

 「そうなんですかね?ただ今まで間違った事は無いですね」

 

 これはすごい能力なのではないか?これを生かせば錬金術師としてやっていけるのではないだろうか。

 

 「ラムラン、錬金術を学んでみる気は無いか?」

 

 「錬金術?」

 

 ラムランは首をかしげる、私は彼女に錬金術の説明をする事にした。

 

 

 

 

 

 

 「よろしくお願いします、師匠!」

 

 彼女は学ぶことを選んだ、戦えない自分に何か出来る事があるならという理由だったが。

 

 「これからそれぞれの成分の匂いと感覚を覚えろそのあとは座学と実技だ」

 

 「はいっ!頑張ります!」

 

 彼女の能力をフルに使い匂いと感覚でどの薬に何が使われているかおおよそ判別できるようになってもらう、効果は限定的だが良い能力だ、彼女自身が楽しいと思い始めればどんどん伸びるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 「うー……」

 

 それから一月経ち広場で彼女が伸びている、素材を集めるときに危険は付き物、苦手だとしてもある程度戦えなければ逃げる事も出来ない。

 

 「十分訓練したら実戦も行うぞ」

 

 「うう……怖い……でも錬金術師になるには乗り越えないと」

 

 この一か月で彼女は錬金術の楽しさを知った、戦いに役に立たなかった自分が能力で様々な薬を作る役に立つのが嬉しい様だ、今は私の弟子として頑張る錬金術師の卵だ。

 

 「最悪逃げる事が出来るだけで構わない、死んでしまったらもう錬金術を学べないぞ」

 

 彼女は臆病だ……恐怖で本来の力が出せない、能力的に劣っている訳では無いのだ。

 

 「……はい!やってやります!」

 

 錬金術を続けたいならば自分の身は自分で守らないとな。

 

 「所で、魔法を身に着ける気はあるか?」

 

 「うーん、魔法ですか……」

 

 やはり反応が悪い、便利だと思うのだが。

 

 「なぜそんなに微妙な反応をする?」

 

 「私たちの群れだけかもしれませんがそういった物に魅力をあまり感じないんです……肉弾戦が好きだからですかね?」

 

 肉弾戦が好き……ね、ならば。

 

 「群れの者達に認められたくは無いか?」

 

 「それはそう思いますけど……」

 

 彼女は追いだされはしなかったが未だに弱虫扱いは変わっていない、立場的には私と真逆だ。

 

 「教えるのは身体強化魔法だ」

 

 「身体強化魔法……」

 

 「魔力を使い体の能力や反射神経を強化する魔法だ、より激しい肉弾戦が出来るぞ?」

 

 「強くなれば自信もつく、だが慢心はするな……そうなったら私が叩き潰す」

 

 「っふぁい!」

 

 なぜそんなに怖がる、今までの訓練が怖かったんだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 「師匠課題の薬出来ました!」

 

 あれから三年彼女は魔法も覚え錬金術師として成長を続けていた。

 

 身体強化魔法と私の適度な訓練によって戦いに対する恐怖を殆ど克服した彼女は、族長と激しい戦いを繰り広げ負けはしたが弱虫の名を払拭した。

 

 後にリーダーに聞いたことだが、彼のラムランに対する言動は強くなって認められるようになって欲しいと思っての事であったようだ、まったく効果は無いどころかマイナスだった気がするが。

 

 戦いを終えた後のリーダーは、とてもうれしそうだったのを覚えている。

 

 「うん、上手く出来ている」

 

 製薬室で薬を分析し正しく効果が出ていることを確認する、もう基礎は十分だ、そろそろ彼女だけでやっていけるだろう。

 

 「ラムラン、ちょっとこっちに来てくれないか」

 

 ラムランをリビングに誘う。彼女はすぐに来てくれた。

 

 「何です?師匠」

 

 椅子に座り訪ねてくる彼女、これからの事を聞いておかないとな。

 

 「ラムラン、そろそろ卒業だ、これからどうするか決めているか?」

 

 「えっ……」

 

 ぽかんとする彼女、だが私の言葉を理解すると寂しそうな顔をする。

 

 「まだ師匠と勉強したいです……」

 

 泣きそうな顔で言うラムラン、気持ちは嬉しいがそろそろ新しい楽しみを探したい。

 

 「弟子は師から旅立って行く物だ、お前はもう十分に力を付けた、錬金術を修め精神的にも肉体的にも強くなった……後は自分でやりたい事をやりたいようにやれ」

 

 「分かりました師匠……でも卒業しても師匠は師匠ですからね!」

 

 そう言って笑う彼女、明るく元気になったな、後は彼女が何をしたいと思うかだが……。

 

 

 

 

 

 

 あれから一年、卒業した彼女はこの期間考え続け錬金術の店と教師をする事にしたようだ、きっかけは魔法を教えているときに話したケイン・イヌスの話をした事だ。

 

 同じ師を持つ者の考えに影響され、何処かの町で店を持ち薬を売りつつ弟子を育てると決めたらしい。

 

 「もしもケインに会う事があったら私の名を出すと良い」

 

 「魔法の弟子だったんですよね?」

 

 「そうだ、彼がもしお前を信用しなかったらこう言え、私に最初に話をしたケイン、と」

 

 彼ならきっと気が付くだろう、それでも信用しなければ念話で訪ねてくるかな?

 

 「何ですそれ?」

 

 ラムランは訳が分からないという顔だ、それはそうだ私と彼しか知らない事だからな。

 

 「まあとにかくそう言って見ろ、恐らく大丈夫だ」

 

 彼女がスムーズに教師になれるように私が出来る事はこれ位だ。

 

 「分かりました、必要だったら言ってみますね」

 

 「そうしろ」

 

 そう言うと彼女は旅立つ準備をし始めた。

 

 

 

 

 

 

 それから更に一月が経ち彼女が出発する日がやってきた、私はこの期間に自分の事を彼女に教えた、驚き様は一番だったな。

 

 彼女は私が教えたマジックボックスを確認している、容量はかなり小さいが彼女はもちろんケインもロドロフとミシャも覚えている。

 

 小さいサイズでしか時間停止の効果を出せなかったからな、もちろん生き物は入れられない物を教えている。

 

 「師匠……行ってきます」

 

 獣人達が見送りに集まっている中で言葉を交わす。

 

 「行ってこい」

 

 ラムランが抱き着いて来る、私はしっかりと抱き返してやる。

 

 「私、頑張りますから」

 

 耳元で囁く彼女、私も彼女に囁く。

 

 「頑張ってこい、お前は……」

 

 「自分でやりたい事をやりたいようにやれ、ですよね?」

 

 体を離し正面から私を見つめながら言うラムラン、それを見て私は微笑みながら言う。

 

 「分かっているなら良い」

 

 それを聞いた彼女は私に一礼し群れを旅立った、私も旅立つ用意をするかな。

 

 

 

 

 

 

 「行っちまうんですね姉御」

 

 「ああ、私は旅を続ける」

 

 獣人達は別れを惜しみ宴を開いてくれた、上座に座り飲み物を飲んでいるとリーダーが話しかけてきた。

 

 「此処は俺達に任せて下さい、群れは俺が守ります」

 

 「任せたぞ」

 

 こうして宴は終わりを迎え、翌日に私は獣人達に惜しまれながら出発したのだった。

 

 

 

 

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