ちょっと面倒くさがりの提督と艦娘たち   作:Koki6425

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事件発生

私は特型駆逐艦吹雪型一番艦、吹雪。この鎮守府には初期艦娘として着任して一番長くこの鎮守府にいる。そんな鎮守府で今現在事件が発生していた。

「ちょっと!これはどういうことデスカ!?」

金剛さんたちが司令官の周りに集まっている。何があったのかと聞いてみたら司令官が倒れたという。詳しい事情を聴いたところ急に倒れてしまったらしい。何が原因かわからず慌てふためく艦娘たち。その理由は今の司令官の状況にある。

何が原因なのかはやはりわからないがピクピクと痙攣している。金剛さんもいきなりの出来事で持っていた紅茶を投げ捨てるほど。その痙攣が治まるとどうしようと崩れ落ちる金剛さん。

しかしそれと同時に食堂の扉を開ける一人の艦娘。それは明石さんだった。どうやら夕立ちゃんが大急ぎで明石さんを読んできたらしい。だが明石さんは艦娘には詳しいが人間には艦娘ほど詳しくない。だけど明石さんはそれをものともしなかった。

「応急処置をする!誰でもいいから紅茶と救護室にある薬全部持ってきて!」

どこかで聞いたことがある。蜂に刺されたとき血清がない場合は紅茶に含まれる成分でどうにかできるのだとか。違っただろうか。まあ何人かの艦娘が救護室に行って薬とかを色々もってきた。明石さんはそれをいくつか混ぜて司令官に飲ませる。すでに痙攣は収まっていたので特に何か反応するわけではなかったのだが。何人かの艦娘たちで担架を持ってくるとそれに司令官を乗せると救護室へと連れて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでどういうことデスカ?」

「おそらくですが提督が口にした何かの中に毒物が仕込まれていたとみるべきですね」

何人かの艦娘たちで会議場に集まり話をしている。なぜ私が呼ばれたのかはわからない。でも確かに一番この鎮守府にいる時間が長い私なら何かわかるかもと思ったんだと思う。

長門さんを議長として会議。議題はもちろん提督がいきなり倒れた件についてだ。長門さんが私たちにも渡してきた書類は提督の容態について。明石さんの調べによるとやはり毒物。毒素の名前はテトロドトキシン。フグなどに含まれる毒素で大量に体に取り入れると体が嘔吐や下痢を起こし、体が拒絶反応を起こして痙攣。最悪の場合死に至る。

一番の問題点は何が原因で毒を摂取してしまったのかということ。明石さんが言った通り食事に入れられていたとみるべき。だが、それなら毒が回るのは食事終わってすぐであるはず。しかし今回の場合違った。

「どうでしょう…私はそういった類には疎いので…」

私も鳳翔さんがやったとは思えない。他の誰かだと思うのはみんな同じだった。だとすれば他に誰が…。

その時瑞鶴さんが口を開いた。

「そういえば加賀さん。あなたは前の提督に散々と遊ばれたそうじゃない。その仕返しとかしたんじゃないの?」

「何を言い出すかと思えば…確かに被害は受けていますが無関係の人を攻撃するほどあなたみたいに頭はおかしくありません」

「なんですって!」

「黙れ!ここは言い争う場ではない!」

長門さんの怒号が部屋全体に響き渡る。それを聞いた二人はふんっとそっぽを向いて黙った。

そこから長門さんの話が続き一時間ほど話した後会議は終了。解散した。結局何も聞かれず話だけを聞く状態だったけどそれを聞いた私はどうにかしたいと思って少し司令官の部屋を調べてみることにした。長門さんに許可を取って部屋に入った。昨日来たばかりなので机の上は書類でいっぱい。部屋の隅には段ボールが積まれていた。おそらく司令官の私物だ。入ってすぐに目に入ったのはそれ以外にもあった。

それは応接用の机の上に置いてあった湯呑だった。その中に入っていたのはお茶。すべて飲み終えたわけではなかったようでほんの少しだけ中に入っている。

「司令官…洗っとかないと」

そこで私は会議での明石さんの発言を思い出した。「飲食物に混入されていた可能性が高い」と明石さんは言っていた。飲食物…このお茶も可能性としては考えられる。でもまだ確証はないし、そもそもこのお茶を誰がいれたのかという問題もある。気にはなったが念のため報告しておくということでその湯飲みはそのままにしておいた。

執務室を出て階段を降りようとしたとき榛名さんに会った。

「こんにちは榛名さん。どちらへ行かれるんですか?」

「提督の部屋ですよ。書類をやるために一応すべての書類を持ってこようかと」

「見ましたけど凄い量でしたよ」

「あの中にはいくつか機密文書もあるそうですし、それに半分近くは終わっていると加賀さんが言っていました。なので大丈夫です」

「わかりました。何か手伝えることがあったら教えてください」

 

 

 

 

 

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「どうするの?またこんなことになったら問題よ」

「わかっている。だが犯人が分からないからうかつに手が出せない」

「ですがこのままだと…」

「いや、ここは私にお任せを」

 

 

 

 

 

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(ここは…どこだろう)

目を覚ましたら見知らぬ天井。周りにあるのはただ白いカーテン。乗っているのはただのベッド…いや、医療用のベッドとも見える。窓から見る景色にも見覚えがない。ただ朝に見た海の景色が少し遠ざかっているようにも思えた。

起き上がろうとするがうまく体が動かない。なんというか体全体がしびれている。喉も乾いたし腹も減ったしとりあえず何か食べたい。近くに何かないかとできる範囲で探してみるが何もない。

だが別の物体が俺のそばにあった。それは艦隊の頭脳と呼ばれた艦娘。金剛型4番艦、霧島。眼鏡でショートカットというどこかの学生にいそうな見た目をしている艦娘だ。

しかし彼女は寝ているようで目を閉じている。撫でてみたいと思ったがそもそも体が動かないのでどうしようもない。はあ、とため息をつくとその声に反応したのか霧島が目を覚ました。

「司令!?大丈夫ですか!?」

「叫ぶな耳がうるさい」

体が麻痺している影響か声も枯れていてうまく声が出せなかった。霧島はその声の状態を見て少し近づいてきた。そしてようやく普通に聞こえてくる距離まで近づいて軽く話ができる程度にはなったので何があったのか霧島に聞いた。

どうやら俺は鳳翔さんの料理を食べた後に倒れて気を失ったらしい。出来る限りの処置をした後救護室に運ばれたのだがやはり設備の問題があり病院に連れてきたそうだ。そして交代で俺の世話をしていたらしい。主に二人体制で。だが本来ここにもう1人来るはずの赤城さんは昼食中でもう少ししたら来るといっていた。もちろん食費は鎮守府のお金(というのは嘘で俺のポケットマネー)らしい。なくなっていそうで怖い。

「それで…みんなは?」

「大丈夫ですよ。みんなは何も起きていません。艦娘には効果をなさなかったようです」

しばらく霧島の話を聞いていると赤城が部屋に入ってきた。霧島が軽く話に行くといってカーテンを開けるとそこにもう一人艦娘がいた。榛名だ。だが榛名を見た時俺は硬直した。得体のしれない恐怖が体全体を包み込み後ろに下がろうとしたが後ろは壁と窓しかない。なぜ榛名に恐怖感を抱いているのかはわからない。だが俺の体が無意識に危険信号を出していた。それに加えそもそも体が動かないので逃げることはできなかった。

「大丈夫ですか?」

「あ、ああ…大丈夫」

体を硬直させ、背筋までも凍らせるほどの恐怖をごまかすのに精いっぱいでまともに会話ができるか心配だ。                   

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