ちょっと面倒くさがりの提督と艦娘たち   作:Koki6425

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人々の裏

「恥をかかせおって…」

「何も問題はありません。もう少しすれば『鼠』から連絡が」

Prrrrr

『こちら鎮守府の…です』

「失敗したようじゃないか」

『申し訳ありません』

「まあいい。君に次の仕事を言い渡す」

『はい』

「君の次の仕事は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『提督の暗殺』だ」

__________

「?…はい…はい。了解しました」

執務の途中、ある1本の電話が鎮守府にかかってきた。それは元帥からで彼曰く、「君たちの上司が君の戦績に興味を持って視察に行く」らしい。来る日も同時に教えてもらった。それはだいたい1週間後。その日までに色々と準備しないといけない。主に接待だが、それは艦娘達にやらせようとは思わない。その提督の心の中が覗ける訳では無いから何を考えているかわからない。主には俺が飲み物なり色々用意することにしよう。

それは置いておくとして、その知らせを俺は全艦娘に伝えるため張り紙を作り、食堂の前の廊下にある掲示板に掲載しておいた。そして軽く軽食を取ろうと思って食堂に入ろうとした時食堂の中から気になるものが聞こえてきた。

それは誰かの話し声2人以上声がしないから電話でもしているのだろう。その電話の相手の正体が無性に気になった俺は聞こうと思って食堂に入ると、そこに居たのは金剛だった。彼の手に握られた受話器。既に置かれていて通話は終了していた。俺がそれを見ているのを金剛も見たらしく、俺に向かってこう言ってきた。「あまり首を突っ込まないで欲しい」と。何をしようとしているのか分からないがその金剛の目には迷いが見られた。でも、俺が首を突っ込んでいいかどうか分からないし、面倒ごとは嫌いなので俺は金剛に「長電話はするなよ」とだけ言って食堂を出た。

提督室に戻ってきた俺は執務を再開するのだが、俺は面倒事を運んでくる疫病神なのかと言いたくなる。再び大本営から電話。その電話に応答すると、相手は元帥ではなく司令長官だった。司令長官が直々に個別の鎮守府に電話してくるのは何某重要な話の時だ。作戦に関することだったり、大本営で何かあるときだったり理由は様々。今回は後者だったのだが、司令長官の話したい相手は俺ではなかった。相手は赤城だった。赤城を読んでしばらく話をしていたら、彼女は受話器を置いた。話が終わったようだ。だが赤城は受話器を置くのと同時に大きなため息をつき、提督室を出ていった。金剛といい、一体なんだっだろうか。

「提督!もう一度電話をお借りしても!?」

金剛、と口を開いたその瞬間赤城は即座に反応。その後電話に手をかけ、先程と同じように司令長官に電話をかけている。そして繋がった同時に話し始めたのだが、その内容は俺の知らないものだった。

「今回、金剛さんの可能性が高いです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?司令長官殿もこられるのですか?」

『そうだ。気にしなくてもいつも通りにしてくれて構わない』

そうは言われても仮にも上官。いつも通りとなったら真面目に仕事をしていないのがバレる。俺は昔から面倒臭がりなのは彼も知っているだろうが、あまり俺としてはそれを他の提督も来ている中で見せるのは嫌だ。親しき仲にも礼儀ありだ。

曰く、上では俺はそこそこ有名らしいのだ。最近の出撃で被害を被った回数が減り、大破艦も出ていない。出撃した海域にも関係するが、ほとんどの確率で中破、もしくは大破していたのが今では運が悪ければ中破。基本小破で済ませている。普通に考えれば難しいことであるらしいが俺にはまだよく分からない。それに俺は何もしていない。戦っているのは彼女ら艦娘だ。俺達人間は高みの見物をしているに過ぎない。

「はぁ~あの人とあまり会いたくないんだよなぁ」

俺が司令長官に会いたくない理由はいくつかある。その1つは…

「司令」

っとまた今度にするとしよう。今は仕事が優先だ。提督室に入ってきたのは霧島だった。最近は主に霧島が秘書官として仕事を手伝ってくれている。今日も執務を手伝ってもらおう。

「それじゃあよろしくな」

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司令長官が来るまであと三日。接待の準備など色々済ませてある程度いい状態になり、執務も連続で続けていた俺は少し休んだ。10分ほど横になった後また起きて執務を繰り返す。出撃していた艦隊も戻ってきてすることが8割程終わった今、俺は霧島がお茶をするというので金剛たちと一緒に紅茶を飲んでいる。金剛の紅茶は大本営で飲んだお茶と同レベルの…いやそれ以上の美味しさだ。多くの提督が金剛の紅茶を好きになる理由がよくわかる。

普通ならのんびり1時間ほど飲むところだが今回はそうはいかなかった。俺に話しかけてきた奴がいた。大淀だ。彼女は「お電話が入っております」と言っていたのて仕方なく俺はお茶を中断し提督室へと向かう。

提督室に着いた後受話器を取り話をする。

「お電話代わりました」

『私だ』

「なんですか」

電話をかけてきたのは司令長官だ。この前だってかけてきたのにまたかけてくるとは一体何があったというのか。

曰く、『お前のところの金剛と話がしたい』と言う。今からかと思ったらどうやら視察に来た時に会わせてほしいらしい。俺は構わないのでそれを金剛に伝えとく旨だけ告げた。

それから話は俺が入院した時の話になった。だが、その話は俺があまり聞きたくない感じの内容だった。

『お前…良かったな殺されなくて』

この言葉を聞いた時は耳を疑った。俺が倒れた理由を詳しくは聞いていなかったが、どうやら俺は毒に当たったらしいのだ。毒素の名前とかそういった細かい話は置いておくとして、みんなが解決できていないのが「どこで毒に当たったのか」という事。鳳翔さんの料理や、間宮さんの甘味。金剛の紅茶や加賀に入れたお茶。色々なものが要因だと考えられているそうなのだがまだはっきりしていないらしい。司令長官が来るのはそれを調べたいからというのもあるそうだ。昔からそうだが面倒ごとはあまり手を出したくない。だが、俺の事なので関わらないというのはできないから嫌だ。

そんな話をして電話を切った。以前から知っているとはいえ、未だになれない。もう少し慣れてもいいのではと本人から言われるがやはり無理だ。苦手なものはいつまでたっても苦手だし、嫌いなものはいつまでたっても嫌いだ。

「Heyテイトク!Tea timeにするネー!」

金剛がはいってきた。確かにさっき途中で終わったから続きをしてもいいとは思う。だが執務もあるので紅茶だけ頂く事にした。そう思いそう返答しようと金剛を見た。だけどその時だった。以前の榛名のような身の毛もよだつような恐怖に襲われた。今回は前回よりも酷かった。榛名の時はビクッとなる程度で済んだのだが、金剛が今目の前にいるこの状況では体の震えが全く止まらなかった。震える体を止める方法がわからなかった俺はその場に倒れ込んだ。後退りをして提督用の机にぶつかる。その様子を変に思った霧島が声を掛けてくる。大丈夫だと言ったがそれは嘘だ。金剛が今は全く別のものに見えた。この世のものとは思えない様な悪魔のようなものに見えてしまった。金剛に「お茶はまた明日貰う」と言ったら金剛は部屋を出ていった。司令長官達が来るまであと三日。まだこの震えは止まりそうにない。

__________

いつもと同じ一日。そう、いつも通りの1日が今日も始まる。窓から陽の光が差し込み、自分の顔を照らしつける。その眩しさに私の目は開かれる。洗面台で顔を洗い、歯を磨き、うがいをしてその場を離れる。そして来たのは自分の部屋。まだ周りには自分の仲間たちが寝ている。

別に何をする訳でもなく、身支度をして部屋を出る。廊下は前後左右から光が差し込んでいるので自室より眩しい。その眩しさに耐えながら私はその場を後にする。この時間はまだここは開いていない。あくまでの時間、私はその中でのんびりとお茶を飲む。他の子達を起こしてもよかったが起こすのも酷かと思った。ここにいる期間にさほどの違いはないけど、まだ私より歴史は短い。

いつも飲むように紅茶を入れる。朝一番に飲むものは日によって異なるが今日は紅茶だ。朝昼晩結構な頻度で紅茶を飲むがそれは飲みたいからではなく何となく飲んでいるだけだ。

その部屋の入口の扉を開けて入ってきたのは鎮守府の母こと鳳翔さんだ。私たちもいつもお世話になっている。

みんなはまだ起きてこないので一足先に朝食をとることにした。鳳翔さんの作るものはなんでも美味しい。自分の度々入れる紅茶と同じくらい美味しい。比べる対象はおかしいがそれくらいしか比べられるものがない。

 

 

 

 

 

食事を終えた私が向かうのは仲間たちが寝ている部屋。とても気持ちよさそうに寝ている彼女らを見ると気にしてしまう。いつまでたっても彼女らを「妹として見てあげられていない」。過去に妹として見ていた時期があったのが懐かしく思えてくるほどだ。

「私は…どうすればいいの…」

まだ迷う。1時は妹たちのためと割り切っていた筈なのに今はどちらも捨てられない存在となってしまった。

 

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